E04873 Japan GAAP
前期
79.5億 円
前期比
112.3%
株価
1,080 (04/25)
発行済株式数
10,645,020
EPS(実績)
64.12 円
PER(実績)
16.84 倍
前期
699.6万 円
前期比
103.4%
平均年齢(勤続年数)
38.1歳(13.5年)
従業員数
609人(連結:691人)
当社グループ(当社及び当社の関係会社)は当社、連結子会社1社で構成され、システム開発、情報サービスを主たる業務としております。
当社グループの事業に係わる位置づけ、事業種類及び事業内容との関連は次のとおりであります。
事業種類 |
セグメント |
事業内容 |
会社名 |
システム開発 |
制御システム |
エネルギープラント、交通・運輸 |
当社 大連艾普迪科技有限公司 |
自動車システム |
自動運転/先進運転支援、車載制御 車載情報機器 |
||
特定情報システム |
防災、危機管理、宇宙・航空 |
||
組込システム |
ストレージデバイス、IoT建設機械 医療機器 |
||
産業・ICTソリューション |
ビジネスシステム、公共システム 構築サービス |
(当社グループの事業系統図)
※画像省略しています。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態の状況
当連結会計年度末の資産につきましては12,311百万円となり、前連結会計年度末に比べ575百万円増加しました。流動資産は9,001百万円となり、前連結会計年度末に比べ478百万円増加となりました。固定資産は3,310百万円となり、前連結会計年度末に比べ96百万円増加しました。主な要因は、売掛金及び電子記録債権が増加したことや有価証券の償還等により現金及び預金が増加したことによります。
負債につきましては2,233百万円となり、前連結会計年度末に比べ169百万円増加しました。主な要因は、前連結会計年度末に比べ賞与引当金が増加したことによります。
純資産につきましては、10,077百万円となり、前連結会計年度末に比べ405百万円増加しました。主な要因は、利益剰余金が配当金の支払いに伴い減少したものの、親会社株主に帰属する当期純利益により増加したこと等によります。
この結果、自己資本比率は81.9%となりました。
② 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス禍からの社会経済活動の正常化が進む中、緩やかな景気回復の動きが継続しました。しかしながら、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化に伴う資源・原材料価格の高騰や世界的な金融引締めなどによる海外景気の下振れが、わが国の景気を下押しするリスクとなっております。
情報サービス産業におきましては、業務効率化・生産性向上を目的としたデジタルトランスフォーメーション(DX)など、情報通信技術(ICT)活用の意欲は依然として高いものの、IT投資の動向については慎重に見極めていく必要が生じております。
こうした環境の中、当社は、「ソフトウェアで社会インフラ分野の安全・安心、快適・便利に貢献する」を中期経営ビジョンとする中期経営計画(2021年6月~2024年5月)を策定し、人材育成のための大規模案件請負の推進、トータル・ソフトウェア・エンジニアリング・サービスのトータル度向上を基本方針としております。
人材育成のための大規模案件請負の推進としては、大規模案件を前期より計画通り請負受注しており、開発を通じて新規設計能力やマネージメント力の向上などの人材育成を継続して進めております。
トータル・ソフトウェア・エンジニアリング・サービスのトータル度向上としては、これまでも顧客のご協力を得ながら長期的に継続している「ソフトウェアの要件定義、開発から運用・保守までをトータルにサービスすることで、顧客に最大のメリットを提供する」という取組みを、各セグメントの事業環境に応じて戦略的に目標を定めて実施し、さらなるトータル度向上により顧客への付加価値向上と競争力強化を図っております。
この結果、売上高は8,923百万円(前年同期比12.3%増)、営業利益は908百万円(前年同期比17.1%増)、経常利益は967百万円(前年同期比19.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は682百万円(前年同期比28.1%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
(制御システム)
制御システムでは、再生可能エネルギーシステムは体制拡大により好調に推移し、プラント監視制御システムは堅調に推移しました。東京圏輸送管理システムは、新たな更新案件が立ち上がり好調に推移しました。新幹線の運行管理システムは、保守フェーズに入り体制を縮小したものの堅調に推移しました。一方、在来線の運行管理システムは、開発量が減少しました。
この結果、売上高は1,429百万円(前年同期比1.5%増)、セグメント利益は302百万円(前年同期比8.4%減)となりました。
(自動車システム)
自動車システムでは、自動運転/先進運転支援関連は第4四半期に新たな案件を受注するなど好調に推移しました。電動化関連は、海外向けの開発規模拡大に伴い受注量が増加しました。車載情報関連は、開発量が大きく増加したことで、売上、利益とも増加しました。
この結果、売上高は2,148百万円(前年同期比14.8%増)、セグメント利益は623百万円(前年同期比27.1%増)となりました。
(特定情報システム)
特定情報システムでは、衛星関連システムは新たな案件に参画し好調に推移しました。また、衛星画像関連は堅調に推移したものの、自動運転/先進運転支援関連の画像認識/識別案件は体制を縮小しました。一方、危機管理関連は、大規模請負案件が収束したことで、体制を縮小しました。
この結果、売上高は811百万円(前年同期比9.9%増)、セグメント利益は167百万円(前年同期比0.7%増)となりました。
(組込システム)
組込システムでは、ストレージデバイス開発は担当範囲の拡大に伴い好調に推移し、新ストレージ開発は概ね横ばいで推移しました。IoT建設機械関連は、受注量が減少し体制を縮小しました。
この結果、売上高は1,334百万円(前年同期比9.1%増)、セグメント利益は301百万円(前年同期比5.8%増)となりました。
(産業・ICTソリューション)
産業・ICTソリューションでは、航空宇宙関連は大規模案件に参画するなど売上が増加しました。社会インフラ関連の駅務機器開発は、複数の案件を受注し好調に推移しました。システム構築関連は、受注量が増加しました。
この結果、売上高は3,199百万円(前年同期比18.3%増)、セグメント利益は549百万円(前年同期比7.5%増)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ401百万円増加し、4,157百万円(前年同期比10.7%増)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は、312百万円(前年同期は572百万円の獲得)となりました。当連結会計年度においては、主に税金等調整前当期純利益が増加したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果獲得した資金は、435百万円(前年同期は259百万円の獲得)となりました。当連結会計年度においては、主に有価証券の償還による収入が増加したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、347百万円(前年同期は386百万円の使用)となりました。当連結会計年度においては、配当金の支払を行ったことによるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
生産高(千円) |
前年同期比(%) |
制御システム |
1,127,243 |
+4.5 |
自動車システム |
1,525,395 |
+10.5 |
特定情報システム |
644,863 |
+12.5 |
組込システム |
1,032,916 |
+10.1 |
産業・ICTソリューション |
2,649,868 |
+20.8 |
合計 |
6,980,286 |
+13.2 |
(注)金額は製造原価によっております。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
制御システム |
1,430,343 |
+9.1 |
88,920 |
+0.9 |
自動車システム |
2,128,956 |
+6.7 |
419,406 |
△4.5 |
特定情報システム |
899,384 |
+14.4 |
278,776 |
+45.7 |
組込システム |
1,403,499 |
+17.9 |
173,617 |
+66.2 |
産業・ICTソリューション |
3,290,363 |
+17.6 |
576,297 |
+18.8 |
合計 |
9,152,547 |
+13.3 |
1,537,017 |
+17.5 |
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
販売高(千円) |
前年同期比(%) |
制御システム |
1,429,573 |
+1.5 |
自動車システム |
2,148,643 |
+14.8 |
特定情報システム |
811,952 |
+9.9 |
組込システム |
1,334,372 |
+9.1 |
産業・ICTソリューション |
3,199,180 |
+18.3 |
合計 |
8,923,722 |
+12.3 |
(注)主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
相手先 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
販売高(千円) |
割合(%) |
販売高(千円) |
割合(%) |
|
株式会社日立製作所 |
2,070,490 |
26.1 |
2,054,891 |
23.0 |
日立Astemo株式会社 |
1,011,915 |
12.7 |
1,099,886 |
12.3 |
キオクシア株式会社 |
800,982 |
10.1 |
901,597 |
10.1 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。なお、この連結財務諸表の作成に当たりましては、「第5 経理の状況」に記載のとおりです。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ)経営成績等の状況
売上高は、産業・ICTソリューションで社会インフラ関連の駅務機器開発などが好調に推移、自動車システムで車載情報関連の開発量が大きく増加、組込システムでストレージデバイス開発が好調に推移したことなど
で、前連結会計年度に比べ976百万円増加し、8,923百万円(前年同期比12.3%増)となりました。
営業利益は、サービス価値向上による採算性の改善やプロジェクト管理の強化による不採算プロジェクトの最小化などにより、前連結会計年度に比べ132百万円増加し、908百万円(前年同期比17.1%増)となりました。
経常利益は、営業利益の増加などにより、前連結会計年度に比べ159百万円増加し、967百万円(前年同期比19.7%増)となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、賃上げ促進税制適用による税負担の減少などにより、682百万円(前年同期比28.1%増)となりました。
なお、セグメントごとの業績につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② 経営成績の状況」に記載のとおりであります。
当期は「ソフトウェアで社会インフラ分野の安全・安心、快適・便利に貢献する」を中期経営ビジョンとする中期経営計画(2021年6月~2024年5月)に沿って、人材育成のための大規模案件請負の推進、トータル・ソフトウェア・エンジニアリング・サービスのトータル度向上に取組んでまいりました。人材育成のための大規模案件請負の推進については、営業力の強化により大規模案件を前期より計画通り請負受注しております。案件の遂行と合わせて社員の新規設計能力やマネージメント力の向上などの人材育成を継続して進めております。トータル・ソフトウェア・エンジニアリング・サービスのトータル度向上については、顧客への付加価値を拡大させるため、セグメント毎の事業環境を考慮し、戦略的に目標を定め、継続的に推進しております。
ロ)資本の財源及び資金の流動性についての分析
(a)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概況 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(b)資金需要
当社グループの営業活動において必要な資金は、主にソフトウェアの開発・運用・保守業務を行うための運転資金(主に人件費・外注費等)と事業活動を維持していくための管理費、継続的な発展を実現するための人材投資(採用・教育費等)が主になります。また投資活動においては、事業シナジーを意図した投資有価証券の取得や、余剰資金を有効活用するための債券投資が主になります。今後も持続的な成長を目指し、人材投資と事業シナジーを意図した投資を進めていく予定であります。
(c)財政政策
当社グループでは、営業活動及び投資活動ともに内部資金を充当しており、有利子負債による調達は行っておりません。なお、当社グループでは、資本効率の向上と持続的な企業価値創造を目指し、自己株式の取得・保有・消却の基本方針を以下のとおり定め、取り組んでおります。
i)自己株式の取得に係る基本方針
・当社は、株主に対する利益還元を経営の重要政策と位置付けており、安定的な配当の継続と連結配当性向概ね50%以上の目標に加え、自己株式取得による利益還元も弾力的に実施していきます。
・当社は、資本効率の向上を図るため、自己株式の取得を進めていきます。
ⅱ)自己株式の保有・消却に係る基本方針
・当社は、M&A戦略(M&Aや業務資本提携等)を実施するため、一定の自己株式を保有します。
・当社は、役職員と共に持続的な企業価値創造を実現していくため、その動機付けの原資として一定の自己株式を保有します。
・当社は、株主の自己株式処分による希薄化の懸念を少しでも払拭できるよう、自己株式の保有については、発行済株式総数の10%程度を上限とし、それを超過する部分は、原則として毎期消却します。
ハ)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準にもとづき作成しております。なお、連結財務諸表の作成に当たり採用している重要な会計方針は「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。
連結財務諸表を作成するにあたっては、重要な会計方針に関する見積り及び判断を行っており、これらの見積りは、過去の実績等を慎重に検討した上で継続的に評価を行い、必要に応じて見直しを行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性によって異なる場合があります。