E04855 Japan GAAP
前期
172.3億 円
前期比
105.4%
株価
2,470 (07/12)
発行済株式数
3,510,000
EPS(実績)
269.20 円
PER(実績)
9.18 倍
前期
582.3万 円
前期比
105.6%
平均年齢(勤続年数)
41.9歳(16.6年)
従業員数
736人(連結:1,007人)
当社グループは、当社(㈱両毛システムズ)及び連結子会社3社(㈱両毛ビジネスサポート、リョウモウ・ベトナム・ソリューションズ・カンパニー・リミテッド、リョウモウ・フィリピンズ・インフォメーション・コーポレーション)により構成されております。
当社グループの事業は情報処理関連事業単一でありますが、顧客の市場により、「公共事業」、「社会・産業事業」に区分しております。この区分は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。
[事業系統図]
以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。
(経営成績等の状況の概要)
当連結会計年度における当社及び連結子会社(以下、「当社グループ」という。)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行し、社会経済活動は正常化に向かうなか、設備投資には持ち直しの動きがみられ、企業収益も総じて改善されるなど、景気に緩やかな回復基調が見受けられました。しかしながら、円安を背景とした原材料やエネルギー価格をはじめとした諸物価の上昇、海外景気の下振れ懸念、地政学リスクへの警戒など、景気の先行きは不透明な状況で推移いたしました。
情報サービス産業におきましては、公共分野において、政府が進める地方公共団体の基幹業務システムの統一・標準化への取り組みが進展し、行政サービスにおけるデジタル化の実現に向けた動きが見受けられました。民間分野においては、引き続き、業務効率を目的としたICT投資に加え、ビジネスモデルの変革を伴うデジタル化に向けた取り組みが見受けられました。また、様々なクラウドサービスの出現、浸透によって、システムの所有からサービスの利用への流れは引き続き拡大するものと見受けられました。
一方で、サイバー攻撃などによる情報漏えいや地震などの自然災害へのリスク対策の重要性は高まり、安全で安心して利用できる安定したICTサービスに対するニーズはますます高まっております。
このような状況のなか、当社グループでは、当期より10次中期経営計画がスタートし、「RSビジョン」実現に向け、重点施策として「強化・拡大」、「変革・成長」、「構造改革」に取り組み、公共分野及び民間分野とも受注拡大、製品・サービス強化、ならびに収益構造の改善に取り組んでまいりました。また、ICTソリューションを通じて社会課題の解決に取り組み、地域や社会の進化・発展に貢献するための活動を実施してまいりました。
「強化・拡大」では、両事業セグメントともに堅調に推移し、売り上げ、利益に貢献いたしました。具体的には、公共分野において、自治体・警察向けソリューションビジネスの拡大に取り組んでまいりました。民間分野では、エネルギー事業において、大型SI案件に取り組むほか、組込(モビリティ)事業においては、企業の業界構造の変化に伴う積極的な投資を背景に受注拡大に努めてまいりました。また、両分野において、法改正に伴うシステム改修案件への対応やクラウドサービス拡大に取り組んでまいりました。
データセンタービジネスの強化では、「GREEN(グリーン)」「TRUST(トラスト)」「OPEN(オープン)」をコンセプトとした新たなデータセンター(正式名称:両毛システムズデータセンター)が2024年4月17日に稼働を開始し、事業拡大に向けた環境を拡充することができました。
「変革・成長」では、民間分野において、テレメータリングサービス※1の充実に向けた、クラウドサービス(メーターデータ運用管理システム)で、ISO/IEC27017認証※2を取得し、電力スマートメーター通信網を活用した水道使用量の自動検針及びデータ利活用に関する共同実証実験へも参画いたしました。また、製造業のお客さま向けのDX支援では、AMOサービス※3強化に継続して取り組んでまいりました。
「構造改革」では、データセンターを活用したクラウド利用料ビジネスの拡大等により、収益が平準化されてまいりました。また、人を活かすしくみづくりの一環として、既存のお客さまを大切に、新たな働き方で新価値創造と持続的な成長を実現するための整備に努めてまいりました。
その結果、売上高は18,170,827千円(前期比5.4%増)、営業利益は1,850,179千円(前期比4.8%増)、経常利益は1,859,323千円(前期比4.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は944,888千円(前期比22.1%減)となりました。
なお、当社は、2024年3月29日付け「当社に対する訴訟の判決に関するお知らせ」に記載のとおり、株式会社オージス総研が当社を相手方として提起した訴訟に関して、前橋地方裁判所より、株式会社オージス総研の請求を一部認容し、410,473千円及びその遅延損害金を支払う旨の判決を言い渡されました。
当社はこの判決に対し控訴しておりますが、本判決が最終的に前橋地方裁判所の判決通りに確定した場合に備え、これらにより発生する損害賠償額及びその遅延損害金を訴訟損失引当金繰入額として566,458千円を特別損失に計上いたしました。
当社グループは連結営業利益額を経営の最重要指標と考えております。
※1 テレメータリングサービス :スマートメーターから得られる様々なデータを管理するしくみ
※2 ISO/IEC27017認証 :クラウドサービスに関する情報セキュリティ管理策のガイドライン規格
※3 AMO(Application Management Outsourcing)サービス :お客さまの業務システムを企画・設計から運用・保守までのシステムライフサイクルを通してサポートするサービス
セグメントごとの業績は、以下のとおりです。
(公共事業セグメント)
公共事業セグメントは、自治体・警察・水道事業者向けのシステム販売によるソフトウェア開発・システム販売分野が堅調に推移したほか、クラウドサービスやグループの総合力を活かしたアウトソーシング・サービス等の情報処理サービス分野が堅調に推移したこと等が、売り上げ、利益に貢献いたしました。一方で、標準化に向けた調査・研究や一部のプロジェクトで不採算案件が発生したこと等により、売上高は8,963,600千円(前期比3.9%増)、セグメント利益は1,667,598千円(前期比12.5%減)となりました。
(社会・産業事業セグメント)
社会・産業事業セグメントは、車載系組込ソフトウェア開発支援業務や製造業向けAMOサービスなどのITエンジニアリングサービス、また、ガス事業者向け「GIOS®(ジーオス)」のシステム販売が堅調に推移したこと等により、ソフトウェア開発・システム販売分野が堅調に推移し、売り上げ、利益に貢献いたしました。
その結果、売上高は9,207,227千円(前期比7.0%増)、セグメント利益は2,106,046千円(前期比19.8%増)となりました。
当連結会計年度末における資産合計は21,840,198千円(前連結会計年度末18,819,522千円)となり、3,020,676千円増加しました。流動資産は386,169千円減少し、10,542,602千円となりました。固定資産は3,406,845千円増加し、11,297,596千円となりました。
流動資産の減少要因は、売掛金が676,348千円増加しましたが、現金及び預金が1,007,673千円減少したこと等によるものです。固定資産の増加要因は、建設仮勘定が2,801,620千円、退職給付に係る資産が539,956千円、それぞれ増加したこと等によるものです。
当連結会計年度末における負債合計は9,548,552千円(前連結会計年度末7,760,158千円)となり、1,788,393千円増加しました。流動負債は3,609,802千円増加し、8,129,620千円となりました。固定負債は1,821,408千円減少し、1,418,931千円となりました。
流動負債の増加要因は、1年内返済予定の長期借入金が3,500,000千円増加したこと等によるものです。固定負債の減少要因は、長期借入金が1,500,000千円減少したこと等によるものです。
当連結会計年度末における純資産合計は12,291,646千円(前連結会計年度末11,059,364千円)となり、1,232,282千円増加しました。純資産の増加要因は、退職給付に係る調整累計額が309,780千円、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により利益剰余金が808,438千円、それぞれ増加したこと等によるものです。
(公共事業セグメント)
公共事業セグメントの資産は、5,633,456千円(前連結会計年度末5,764,784千円)となり131,327千円減少しました。この主な要因は、リース投資資産の減少等によるものです。
(社会・産業事業セグメント)
社会・産業事業セグメントの資産は、5,777,832千円(前連結会計年度末4,500,433千円)となり1,277,398千円増加しました。この主な要因は、退職給付に係る資産の増加等によるものです。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1,007,673千円減少し、3,520,636千円となりました。各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、737,413千円(前期は2,201,086千円)となりました。この主な要因は、売上債権の増加額530,523千円、法人税等の支払額672,191千円の資金の減少等はありましたが、税金等調整前当期純利益1,291,195千円、減価償却費469,630千円、無形固定資産償却費376,643千円の計上等の資金の増加があったこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、3,419,940千円(前期は1,030,531千円)となりました。この主な要因は、有形固定資産の取得による支出3,168,737千円の資金の減少があったこと等によるものです。
営業活動及び投資活動によるキャッシュ・フローをあわせたフリー・キャッシュ・フローは2,682,527千円の減少(前期は1,170,555千円の増加)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、1,663,011千円(前期は605,096千円)となりました。この主な要因は、リース債務の返済による支出329,244千円の資金の減少等はありましたが、長期借入れによる収入2,000,000千円の資金の増加があったこと等によるものです。
(資本の財源及び資金の流動性)
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的としての資金需要は、設備投資、ソフトウェア開発投資等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は5,344,923千円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は3,520,636千円となっております。
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
当連結会計年度の受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1. 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次の
とおりであります。
2. 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績のうち、当該販売実績の総販売実績に対する割合が
10%未満の相手先につきましては記載を省略しております。
(重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定)
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。