E04855 Japan GAAP
(1) 経営成績の分析
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、個人消費や設備投資は継続的に持ち直し、企業収益も総じて改善されるなど景気に緩やかな回復基調が見受けられました。しかしながら、原材料やエネルギー価格をはじめとした諸物価の上昇、海外景気の下振れ懸念、地政学リスクの高まりなど、景気の先行きは不透明な状況で推移いたしました。
このような状況のなか、当社グループでは、当期より10次中期経営計画がスタートし、「RSビジョン」実現に向け、重点施策として「強化・拡大」、「変革・成長」、「構造改革」に取り組み、公共分野及び民間分野とも受注拡大、製品・サービス強化、ならびに収益構造の改善に取り組んでまいりました。また、ICTソリューションを通じて社会課題の解決に取り組み、地域や社会の進化・発展に貢献するための活動を実施してまいりました。
「強化・拡大」では、全事業が堅調に推移し、売り上げ、利益に貢献いたしました。具体的には、公共分野において、自治体・警察向けソリューションビジネスの拡大に取り組んでまいりました。民間分野では、エネルギー事業において、大型SI案件に取り組むほか、組込事業においては、企業の業界構造の変化に伴う積極的な投資を背景に受注拡大に努めてまいりました。また、両分野において、法改正に伴うシステム改修案件への対応やクラウドサービス拡大に取り組んでまいりました。
データセンタービジネスの推進では、2022年11月に着工した新データセンター建設が2023年12月に竣工を迎えるなど、今春稼働に向けた準備を進めてまいりました。
「変革・成長」では、民間分野において、製造業向けのお客さまのDX支援として、AMOサービス※1強化に継続して取り組んでまいりました。また、データ活用を推進するクラウドサービス(メーターデータ運用管理システム)においてISO27017認証※2を取得し、さらなる安全、安心なサービスの向上に取り組んでまいりました。
「構造改革」では、データセンターを活用した利用料ビジネスの拡大等により、収益構造が平準化されてまいりました。また、お客さまとの最適なコミュニケーションを図るための活動や環境整備、人を活かすしくみづくりの一環として、執務領域のリニューアルなど働きやすい職場環境の整備に努めてまいりました。
その結果、売上高は12,868,950千円(前年同期比11.0%増)、営業利益は1,131,244千円(前年同期比47.4%増)、経常利益は1,127,230千円(前年同期比47.5%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は796,278千円(前年同期比48.9%増)となりました。
※1 AMO(Application Management Outsourcing)サービス:お客さまの業務システムを企画・設計から運用・保守までの
システムライフサイクルを通してサポートするサービス
※2 ISO27017認証 :クラウドサービスに関する情報セキュリティ管理策の
ガイドライン規格
セグメントごとの業績は、以下のとおりです。
(公共事業セグメント)
公共事業セグメントは、自治体・警察向けのシステム販売によるソフトウェア開発・システム販売分野が堅調に推移、クラウドサービスやグループの総合力を活かしたアウトソーシング・サービス等の情報処理サービス分野が堅調に推移したこと等が、売り上げ、利益に貢献いたしました。一方で、一部のプロジェクトでは不採算案件が発生したこと等により、売上高は6,030,982千円(前年同期比9.8%増)、セグメント利益は970,853千円(前年同期比3.3%減)となりました。
(社会・産業事業セグメント)
社会・産業事業セグメントは、車載系組込ソフトウェア開発支援業務、ガス事業者向け「GIOS®(ジーオス)」のシステム販売や製造業向けAMOサービスなどのITエンジニアリングサービスが堅調に推移したこと等により、ソフトウェア開発・システム販売分野が堅調に推移し、売り上げ、利益に貢献いたしました。
その結果、売上高は6,837,968千円(前年同期比12.1%増)、セグメント利益は1,549,732千円(前年同期比34.0%増)となりました。
(2) 財政状態の分析
(資産・負債・純資産)
当第3四半期連結会計期間末における資産合計は20,511,527千円(前連結会計年度末18,819,522千円)となり、1,692,005千円増加しました。流動資産は1,004,693千円減少し、9,924,078千円となりました。固定資産は2,696,698千円増加し、10,587,449千円となりました。
流動資産の減少要因は、棚卸資産が672,872千円増加しましたが、現金及び預金が1,205,578千円、受取手形、売掛金及び契約資産が766,292千円、それぞれ減少したこと等によるものです。固定資産の増加要因は、建設仮勘定が2,582,344千円増加したこと等によるものです。
当第3四半期連結会計期間末における負債合計は8,723,966千円(前連結会計年度末7,760,158千円)となり、963,807千円増加しました。流動負債は765,974千円減少し、3,753,843千円となりました。固定負債は1,729,782千円増加し、4,970,122千円となりました。
流動負債の減少要因は、賞与引当金が476,942千円、未払金が384,951千円、それぞれ減少したこと等によるものです。固定負債の増加要因は、長期借入金が2,000,000千円増加したこと等によるものです。
当第3四半期連結会計期間末における純資産合計は11,787,561千円(前連結会計年度末11,059,364千円)となり、728,197千円増加しました。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上等により利益剰余金が659,828千円増加したこと等によるものです。
(3) キャッシュ・フローの状況
当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1,205,578千円減少し、3,322,732千円となりました。各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、144,996千円(前年同期は1,247,805千円)となりました。この主な要因は、賞与引当金の減少額477,938千円、棚卸資産の増加額672,872千円等の資金の減少はありましたが、税金等調整前四半期純利益1,126,621千円の計上による資金の増加、売上債権の減少額589,822千円等の資金の増加があったこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、3,067,077千円(前年同期は652,226千円)となりました。この主な要因は、有形固定資産の取得による支出2,830,931千円等の資金の減少があったこと等によるものです。
営業活動及び投資活動によるキャッシュ・フローをあわせたフリー・キャッシュ・フローは2,922,081千円の減少(前年同期は595,578千円の増加)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、1,712,967千円(前年同期は686,209千円)となりました。この主な要因は、長期借入れによる収入2,000,000千円の資金の増加があったこと等によるものです。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は49,636千円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。