株式会社ロイヤルホテル

ブランドなど:リーガロイヤルリーガプレイス
サービス業ホテルスタンダード

売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率


最終更新:

E04540 Japan GAAP

売上高

264.0億 円

前期

164.7億 円

前期比

160.3%

時価総額

176.0億 円

株価

1,150 (03/29)

発行済株式数

15,303,369

EPS(実績)

870.07 円

PER(実績)

1.32 倍

平均給与

398.5万 円

前期

332.3万 円

前期比

119.9%

平均年齢(勤続年数)

44.0歳(19.1年)

従業員数

994人(連結:1,678人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

 

3 【事業の内容】

当社グループは当社及び子会社6社で構成され、内外顧客の宿泊・料理飲食・貸席等を中心とするホテル事業を経営する会社、及びホテル附帯事業を経営する会社で構成され、当社がその子会社の経営指導を実施しながら事業活動の展開をしております。

その主な事業内容と当社グループの事業に係わる主な会社の位置づけについては、次のとおりであります。

 

ホテル事業

 

  ホテル事業の経営

当社(リーガグラン京都、リーガプレイス京都 四条烏丸)及び㈱リーガロイヤルホテル広島、㈱リーガロイヤルホテル小倉、㈱リーガロイヤルホテル東京、㈱東京ロイヤルホテル、㈱リーガプレイス肥後橋の6社は7ホテルを経営しております。

なお、リーガロイヤルホテル(大阪)の運営を受託しております。

 

 

  ホテル附帯事業の経営

ロイヤルホスピタリティサービス㈱はホテルに附帯する各種事業を経営しております。

 

 

  その他の事業の経営

ホテル外に展開している茨木カンツリー倶楽部食堂、住友クラブ食堂、住友ビル食堂等の5ヵ店の営業を行っております。

 

 

(注)1.当社は、2023年4月1日にリーガプレイス京都 四条烏丸を開業いたしました。

2.当社は、2023年3月10日付でベントール・グリーンオーク・グループ(以下、「BGO」という。)と資本業務提携契約を締結いたしました。当該契約に基づきBGOの関係会社であるBlossoms Holding HK Limitedは当社普通株式5,031,718株を保有しており、当社の「その他の関係会社」となりました。

3.当社は、2023年3月31日付でリーガロイヤルホテル(大阪)の土地、建物の信託受益権等をBGOの関係会社である合同会社さくらに譲渡し、同社に対して15億円の匿名組合出資を行いました。

4.当社は、上記の記載のとおり、リーガロイヤルホテル(大阪)の土地、建物の信託受益権等を合同会社さくらに譲渡したことに伴い、同社が設立したRRHOオペレーションズ株式会社と運営委託契約を締結いたしました。

 

 

事業の系統図は次のとおりであります。

 

※画像省略しています。

 

23/06/27

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 経営成績

ホテル業界におきましては、まん延防止等重点措置が解除され、全国自治体による旅行・宿泊割引キャンペーン等が実施され、2022年10月には政府による全国旅行支援が開始されました。また、外国人観光客の入国制限が見直され、訪日外国人数が増加するなど、明るい兆しも見えております。一方、原材料費・光熱費をはじめとした各種コストの上昇により、引き続き厳しい事業環境下に置かれております。

こうした環境下、当社グループはお客様の安全安心を第一に考え、感染予防を徹底した上で営業活動にあたるとともに、「生産性と業務効率の向上」を柱に、「ホテルビジネスの再構築」、「マーケティング力の強化」、「人事運営の改革」に取り組んでまいりました。

「生産性と業務効率の向上」につきましては、事務部門の従業員がレストランや宴会場の応援に出向き、接客、会場設営、片付け等を支援する制度を拡充するなど、部門を越えたサポート体制を充実し多役化の練度向上を図りました。また、基幹システムである購買・調理・物販製造のシステム更改を実施いたしました。

「ホテルビジネスの再構築」については、2022年4月に当社グループにとって28年ぶりとなる海外での新ホテル「リーガロイヤル・ラグーナ・グアム・リゾート」がオープンいたしました。さらに、2023年4月には京都市内に3軒目となる新ホテル「リーガプレイス京都 四条烏丸」を開業いたしました。地下鉄「四条」駅から徒歩2分と交通利便性に優れ、観光・ビジネスの拠点として便利な宿泊主体型のホテルです。

「マーケティング力強化」の取り組みとしては、スマートフォン向けアプリを活用した「リーガメンバーズ」の会員数が2023年3月末時点で約26万人と1年前から倍増し、多くのお客様にご利用いただいております。ホテルの宿泊・レストラン・メリッサ・オンラインショップ等のご利用毎にポイントが貯まり、クーポンやキャンペーン情報を定期的に受け取っていただけます。

「人事運営の改革」については、エンゲージメントサーベイ(従業員満足度調査)の継続、メンタルヘルス講演会の実施等、コロナ禍における従業員のモチベーション維持・向上に努めました。若年層教育の一環として、直属ではない先輩から各種サポートを受ける「メンター制度」をグループホテルに展開いたしました。さらに、女性の視点から働きがいの醸成と働きやすさの整備について考える部門横断チーム(Royal Women’s Committee)の活動を、アドバイザーに女性の社外取締役を迎えスタートしました。また、従業員の健康増進にも取り組み、「健康経営優良法人」に3年続けて認定されました。

 

また、当社は、2023年3月にベントール・グリーンオーク・グループ(注、以下「BGO」)との間で、

① 資本業務提携

② リーガロイヤルホテル(大阪)の土地、建物の信託受益権等のBGOへの譲渡

③ リーガロイヤルホテル(大阪)の運営受託

を主な内容とする契約を締結いたしました。

(注)BGOは、カナダの大手生命保険会社グループである Sun Life Financial Inc.傘下の不動産プライベート・エクイティファンドを運営する企業グループです。世界28拠点にオフィスを構え、2022年9月末現在で、ファンドエクイティ総額約800億米国ドルを組成しています。日本市場においては、これまでに7,000億円程度の不動産関連資産への投資実績を有しており、今後3,000億円超の資金をホテルアセットに投じることを計画しています。

 

リーガロイヤルホテル(大阪)は、引き続き当社が運営するホテルとして営業を継続しながら、BGOによる2025年3月完了を目途とした総額135億円の大規模なリノベーションが行われ、世界最大級のホテル運営会社の一社であるIHGのソフトブランドである「Vignette Collection」(注)を導入することといたしました。リノベーション完了後は、リーガロイヤルホテル(大阪)の名称を「リーガロイヤルホテル(大阪) -Vignette Collection」に変更したうえでリニューアルオープンすることを予定しております。

(注)Vignette Collection は、世界100ヵ国以上で6千件以上のホテル運営を手掛ける世界最大級のホテル運営会社の一社であるIHGのソフトブランドです。Vignette Collectionは、IHGブランドの中で最上級のラグジュアリーセグメントに位置付けられており、各ホテル独自の展望とストーリーを持った個性的なホテルの構築を目指しています。今回のリーガロイヤルホテル(大阪)への導入が本邦初のVignette Collectionホテルとなります。

 

本契約締結を決断した経緯、理由等は次の通りです。

当社は、1935年にリーガロイヤルホテル(大阪)の前身である新大阪ホテルを開業して以降、87年に亘り国内外でホテル運営を手掛けてまいりました。その中でも、1965年に開業した現在のリーガロイヤルホテル(大阪)は、関西財界各社の協力のもと、約60年に亘り大阪の迎賓館として国賓をはじめ多くのお客様をお迎えしてまいりました。

アフターコロナを見据え、大阪・関西万博やIR開業等で予想されるインバウンド需要の拡大や中之島5丁目地区の再開発への対応について、その道筋を明確化するためには、抜本的な経営戦略の見直しと財務体質の改善が急務であると判断し様々な検討を重ねてまいりました。

その結果、当社グループの中核を担うリーガロイヤルホテル(大阪)のブランド価値向上と運営継続を前提として、これまでの資産保有と運営が一体化されたビジネスモデルから、運営に特化したビジネスモデルへの転換を図ることが、将来的な企業価値の向上に最適な戦略であると判断いたしました。

さらに戦略の実現に向けて、BGOとの資本業務提携も含めた検討を行う中で、以下の点から当社の課題解決及び成長戦略に資する内容であると判断いたしました。

① リーガロイヤルホテル(大阪)のブランド価値及び競争力向上に必要なリノベーション投資が実現すること

② リーガロイヤルホテル(大阪)へのIHGのソフトブランド導入により更なる差別化が図れ、富裕層を中心としたインバウンド対応力の強化が期待できること

③ 関西財界の「賓客のための近代的なホテルを大阪に」という要望から当社が生まれたという歴史的な経緯やビジネスモデルが尊重され、リーガロイヤルホテル(大阪)を再開発する場合にもラグジュアリークラスのフルサービス型ホテルが含まれ、且つ当社によるホテル運営が継続される契約となっていること

④ 財務体質の改善と今後の成長資金の確保が可能となること

⑤ BGOが取得する優良なホテルに対する運営受託の優先交渉権が得られ、当社の運営ホテル数拡大が期待できること

BGOとの資本業務提携の主な内容は以下の通りです。

① BGOによる当社への資本参加

BGOが設立した株式取得SPCが、株式会社三井住友銀行が保有する当社のA種優先株式300,000株のうち174,500株を取得し、普通株式を対価とした取得請求権が行使されました。取得請求権の行使後、BGOが保有する総株主の議決権数に占める割合は約33%となりました。なお、当社は、BGOに対して、代表取締役1名を含む当社の取締役2名を指名する権利を付与いたしました。

② ホテル展開に関するパイプライン契約の締結

今後、BGOが取得するホテルに関する運営受託契約等の優先交渉権を当社が保有いたします。これにより、当社は運営に特化したビジネスモデルへの転換を図る上で大きな戦略的アドバンテージを得ることができ、優良な運営物件を効率的に拡大することが可能になると考えております。

 

本譲渡後、当社は金融機関からの借入を全額返済するとともに、B種及びC種優先株式の全額償還を行いました。なお、BGOが取得しない残りのA種優先株式は、株式会社三井住友銀行が継続保有する予定です。株式会社三井住友銀行は当社の創業以来の主力取引銀行であり、今後も当社の経営及び財務面をご支援いただく予定です。

また、リーガロイヤルホテル(大阪)の土地、建物の信託受益権等をBGOへ譲渡した件につきまして、当社は、BGOが設立した不動産取得SPCに対して、15億円の匿名組合出資を行いました。

 

 

この結果、当連結会計年度の売上高は、26,397百万円と前期比9,932百万円(60.3%)の増収となりました。

損益面では、連結営業損失2,986百万円(前連結会計年度は連結営業損失8,217百万円)、連結経常損失2,129百万円(前連結会計年度は連結経常損失4,550百万円)となりました。リーガロイヤルホテル(大阪)の土地、建物の信託受益権等を譲渡したことに伴い、固定資産売却益15,576百万円を計上したこと等により、親会社株主に帰属する当期純利益は13,315百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失4,811百万円)となりました。

 

なお、当社グループは、ホテル経営及びホテル附帯業務を事業内容としており、事業セグメントが単一であるため、セグメント情報を省略しております。

 

生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。

(部門別売上実績)

部門

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

金額(百万円)

前期比(%)

客室

8,410

97.2

宴会

8,082

88.6

食堂

5,196

46.6

その他

4,709

7.7

合計

26,397

60.3

 

(注) 受注生産は行っておりません。

 

(2) 財政状態

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ27,815百万円減少し32,105百万円となりました。

内訳では流動資産が同11,383百万円増加し17,305百万円となりました。これはリーガロイヤルホテル(大阪)の土地、建物の信託受益権等を譲渡したことに伴い、現金及び預金が10,802百万円増加したこと等によります。固定資産は同39,198百万円減少し14,799百万円となりました。これは上記と同様、土地、建物の信託受益権等を譲渡したことにより有形固定資産が40,639百万円減少したこと等によります。 

当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ30,669百万円減少し13,162百万円となりました。これはリーガロイヤルホテル(大阪)の土地、建物の信託受益権等の譲渡代金の一部を借入返済に充当したことに伴い、借入金が31,800百万円減少したこと等によります。

当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ2,854百万円増加し18,942百万円となりました。これはB種優先株式及びC種優先株式を全株取得し消却したことに伴い、その他資本剰余金が10,492百万円減少したものの、親会社株主に帰属する当期純利益を13,315百万円計上したこと等によります。これにより自己資本比率は、前連結会計年度末の26.8%から59.0%になりました。

 

 

(3)  キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、投資活動による資金が増加したため、前連結会計年度末と比べ10,802百万円増加し、14,361百万円となりました。

当連結会計年度の営業活動により得られた資金は、81百万円(前連結会計年度は4,100百万円の資金の減少)となりました。これは主に前連結会計年度は税金等調整前当期純損失が4,799百万円であったのに対して、当連結会計年度は税金等調整前当期純利益が13,328百万円であったこと等によるものです。

当連結会計年度の投資活動により得られた資金は、53,419百万円(前連結会計年度は1,128百万円の資金の減少)となりました。これは主に有形固定資産売却による収入が55,500百万円増加したこと等によるものです。

当連結会計年度の財務活動により使用した資金は、42,698百万円(前連結会計年度は4,033百万円の資金の増加)となりました。これは主に借入金の返済や自己株式の取得による支出等によるものです。

 

当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、固定資産の譲渡により適切な資金を確保することができました。健全な財政状況を目指し、安定的な営業キャッシュ・フローの創出により長期安定資金を確保する方針としております。

資金計画につきましては、基本的に営業活動により得られた資金を有効活用し、設備投資等に充当しております。

 

当社グループのキャッシュ・フロー指標は次のとおりであります。

回次

第93期

第94期

第95期

第96期

第97期

決算年月

2019年3月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

自己資本比率

(%)

29.8

32.0

17.6

26.8

59.0

時価ベースの自己資本比率

(%)

28.5

20.4

20.5

19.8

64.6

債務償還年数

(年)

8.0

26.9

インタレスト・
カバレッジ・レシオ

(倍)

14.6

4.4

0.2

 

(注) 1 自己資本比率:自己資本/総資産 

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

債務償還年数:有利子負債/営業キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い

1.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。

2.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数(自己株式控除後)により算出しております。

3.営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

2 第95期及び第96期の債務償還年数及びインタレスト・カバレッジ・レシオは、営業キャッシュ・フローがマイナスのため記載しておりません。

 

(4)  重要な会計上の見積り及び該当見積りに用いる仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において、一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

繰延税金資産については、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ、将来の回収可能性を慎重に検討して計上しております。詳細は、「第5[経理の状況]1[連結財務諸表等](1)[連結財務諸表][注記事項](重要な会計上の見積り)」に記載しております。