E04560 Japan GAAP
前期
437.5億 円
前期比
147.5%
株価
6,730 (04/19)
発行済株式数
12,207,424
EPS(実績)
664.68 円
PER(実績)
10.13 倍
前期
509.2万 円
前期比
103.5%
平均年齢(勤続年数)
38.9歳(14.7年)
従業員数
912人(連結:1,342人)
当社グループは、当社、連結子会社26社、関連会社1社およびその他の関係会社1社で構成され、WHG事業、ラグジュアリー&バンケット事業およびリゾート事業の各事業を主な内容とし、更に各事業に関連する各種サービス等の提供を行っております。
なお、セグメントごとの各事業に関する位置づけは次のとおりであります。
(注) 「主要な関係会社等」欄に記載している会社名および会社数は、当社を除き全て連結子会社であります。
上記の他、関連会社1社と、その他の関係会社にDOWAホールディングス㈱があります。同社は非鉄金属製錬、環境・リサイクル、電子材料、金属加工、熱処理の各事業会社を保有するDOWAグループの持株会社です。
なお、同社との取引関係については、取引金額が些少であり、重要なものはありません。
これら当社の企業集団は相互に連携して事業の発展を図っております。なお、事業の系統図は次のとおりであります。
(企業集団の概要図)
(注) 1.㈱Share Clapping Fukuokaは当連結会計年度末現在、休眠中であります。
2.鳥羽リゾートサービス㈱は当連結会計年度末現在、休眠中であります。
3.藤田(上海)商務咨詢有限公司は、当連結会計年度末現在、清算手続中であります。
4.藤田観光マネジメントサービス㈱は当連結会計年度末現在、休眠中であります。
5.藤田ホスピタリティマネジメント㈱は当連結会計年度末現在、休眠中であります。
6.MYANMAR FUJITA KANKO LIMITEDは、当連結会計年度末時点では清算手続中でありましたが、2024年1月23日
付けで清算結了いたしました。
7.藤田グリーン・サービス㈱は2023年3月に保有する全ての株式を売却したため、当社の連結子会社から除外
いたしました。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度における観光業界は、2020年以降続いてきた新型コロナウイルス感染症の影響から抜け出し、大きな回復が見られました。国内市場では、5月に新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが5類に移行し行動制限が無くなったことなどを受け、旅行需要が回復しました。インバウンド市場では、日本政府観光局(JNTO)公表の統計数値によると2023年の訪日外客数が2019年比で79%となりました。月別では10月および12月が単月で2019年を上回るなど、コロナ禍前と比べて遜色のない水準となっております。
このような状況の中、当社グループでは需要を確実に捉え、各事業とも宿泊部門においてADR(客室単価)、稼働率が前期比で大きく伸長しました。また、営業固定費は前期比で労務費を中心に増加したものの、コロナ禍前の2019年を下回る水準となりました。
これらの結果、当社グループ全体の売上高は前期比20,797百万円増収の64,547百万円、営業利益は前期比10,685百万円増益の6,636百万円、経常利益は前期比11,542百万円増益の7,081百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、ホテル鳥羽小涌園跡地の売却による特別利益を計上したことなどにより、8,114百万円となりました。なお、コロナ禍に推進した構造改革の成果もあり、親会社株主に帰属する当期純利益は、333億円の固定資産売却益(特別利益)を計上した2021年に次ぎ過去最高水準となりました。
また、2021年9月28日に発行したA種優先株式150株のうち、50株を2023年12月22日に償還(取得及び消却)いたしました。
業績の概要は以下のとおりです。
(単位:百万円)
セグメント別の概況については以下のとおりです。
セグメント別売上高・営業利益 (単位:百万円)
(注)調整額は、セグメント間取引消去によるものです。
(WHG事業)
WHG事業では、東京・大阪を中心にインバウンド宿泊者数が増加しました。特に旗艦施設の「新宿ワシントンホテル」および「ホテルグレイスリー新宿」をはじめとして東京都内施設のADRが大きく上昇し、当セグメントの売上高は前期比で15,776百万円増収の36,363百万円、営業利益は8,646百万円増益の5,428百万円となりました。
(ラグジュアリー&バンケット事業)
ラグジュアリー&バンケット事業では、「ホテル椿山荘東京」が全部門で前期比増収となりました。宿泊部門では高単価販売に加え、スイートルームの稼働が増えたことなどによりADRが上昇しました。また、宴会部門では法人利用が前年同期と比べて増加しました。これらにより当セグメントの売上高は前期比で2,686百万円増収の17,878百万円、営業利益は1,277百万円増益の1,253百万円となりました。
(リゾート事業)
リゾート事業では、7月に開業した「箱根ホテル小涌園」にて、開業直後から主要ターゲットであるファミリー層の需要を取り込み、順調な滑り出しとなりました。「箱根小涌園ユネッサン」では、流れるプールを新設するなどのリニューアル効果のほか、「箱根ホテル小涌園」開業により入場人員が前年および2019年から増加しました。「箱根小涌園 天悠」においてもインバウンド集客などにより平日利用が増加し、稼働率が前期比で上昇しました。これらにより当セグメントの売上高は前期比で2,819百万円増収の8,458百万円、営業利益は609百万円増益の169百万円となりました。
②財政状態の状況
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末と比較して6,466百万円減少の93,496百万円となりました。流動資産は主に現金及び預金が減少したことにより9,654百万円減少、固定資産は主に箱根小涌園再開発にかかる資産の取得により3,187百万円増加いたしました。
負債は借入金の返済等により、前連結会計年度末と比較して9,701百万円減少の67,521百万円となりました。なお、当連結会計年度末の借入金残高は40,021百万円となりました。
純資産は、前連結会計年度末と比較して3,234百万円増加の25,974百万円となりました。A種優先株式の配当金支払及び償還等により資本剰余金が5,798百万円減少し、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が8,114百万円増加いたしました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金および現金同等物(以下「資金」という)は13,675百万円となり、前連結会計年度末から10,434百万円減少いたしました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は、11,109百万円(前期は645百万円の収入)となりました。前期比では営業利益が10,685百万円増加したことが主な収入増の要因です。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により支出した資金は、5,919百万円(前期は6,122百万円の支出)となりました。これは主に固定資産の取得による支出5,243百万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により支出した資金は、15,667百万円(前期は8,935百万円の支出)となりました。これは主に借入金の返済9,721百万円及びA種優先株式の償還等に伴う自己株式の取得5,001百万円によるものです。
④生産、受注及び販売実績
該当事項はありません。
該当事項はありません。
当社グループは、WHG事業、ラグジュアリー&バンケット事業およびリゾート事業の各事業を主な内容とし、更に各事業に関連するサービス等の事業活動を展開しています。
セグメントごとの販売実績は次のとおりであります。 (単位:百万円)
(注) 調整額は、セグメント間取引消去によるものです。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、過去の実績や状況に応じ合理的であると考えられる様々な要因に基づき、見積りおよび判断を行っておりますが、この見積りは不確実性が伴うため実際の結果と異なる場合があり、結果として連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。
当社グループの連結財務諸表において採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況」に記載しております。
②経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度の売上高は64,547百万円(前連結会計年度43,749百万円)となり、20,797百万円(47.5%)の増加となりました。2020年以降続いてきた新型コロナウイルス感染症の影響から抜け出し、大きな回復が見られました。国内市場では、5月に新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが5類に移行し行動制限が無くなったことなどを受け、旅行需要が回復しました。インバウンド市場では、日本政府観光局(JNTO)公表の統計数値によると2023年の訪日外客数が2019年比で79%となりました。月別では10月および12月が単月で2019年を上回るなど、コロナ禍前と比べて遜色のない水準となっております。
(売上原価および売上総利益)
当連結会計年度の売上原価は54,800百万円(前連結会計年度44,976百万円)となり、9,824百万円(21.8%)の増加となりました。増収による労務費の増加や送客手数料が増加した結果、当連結会計年度の売上総利益は9,746百万円(前連結会計年度1,227百万円の損失)となり、10,973百万円の増益となりました。
(販売費及び一般管理費ならびに営業利益)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は3,109百万円(前連結会計年度2,821百万円)となり、288百万円(10.2%)の増加となりました。当連結会計年度の営業利益は6,636百万円(前連結会計年度4,048百万円の損失)と前期比10,685百万円の増益となりました。
(営業外損益および経常利益)
当連結会計年度の営業外損益は444百万円の利益(前連結会計年度412百万円の損失)となりました。この結果、当連結会計年度の経常利益は7,081百万円(前連結会計年度4,461百万円の損失)と、11,542百万円の増益となりました。
(特別損益)
当連結会計年度の特別利益は固定資産売却益等の計上により675百万円(前連結会計年度1,092百万円)となり、417百万円減少しました。
また、特別損失は減損損失や固定資産撤去費用引当金等の計上により1,071百万円(前連結会計年度2,994百万円)となり、1,922百万円減少しました。
(法人税等、非支配株主に帰属する当期純損失および親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の法人税等は△1,426百万円(前連結会計年度△578百万円)となりました。これに非支配株主に帰属する当期純損失2百万円が増した結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は8,114百万円(前連結会計年度は5,789百万円の損失)となり、13,904百万円の増益となりました。
③財政状態の分析
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は21,293百万円(前連結会計年度末30,947百万円)となり、9,654百万円(31.2%)減少しました。現金及び預金が減少したことが主な原因です。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は72,202百万円(前連結会計年度末69,015百万円)となり、3,187百万円(4.6%)増加しました。箱根小涌園再開発にかかる資産の取得により増加したことが主な原因です。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は30,365百万円(前連結会計年度末27,321百万円)となり、3,043百万円(11.1%)増加しました。未払費用等の債務の増加が主な要因です。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は37,156百万円(前連結会計年度末49,901百万円)となり、12,745百万円(25.5%)減少しました。長期借入金が返済により減少したことが主な要因です。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は25,974百万円(前連結会計年度末22,740百万円)となり、3,234百万円(14.2%)増加しました。A種優先株式の配当金支払及び償還等により資本剰余金が5,798百万円減少し、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が8,114百万円増加したことが主な要因です。
④資本の財源及び資金の流動性についての分析
(ア)キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの分析につきましては、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(イ)資金調達と流動性
当社グループは、事業活動のための資金確保、流動性の維持ならびに健全な財政状態を常に目指し、安定的なキャッシュ・フローの確保に努めております。その施策の一つとして、キャッシュマネジメントシステムの導入によるグループ各社の余剰資金の一元管理を行い、資金効率の向上を図っております。また、複数の金融機関と総額で208億円の当座貸越契約およびコミットメントライン契約を締結することにより、資金調達リスクに対する補完措置がなされております。
また安定的な資金調達の一環として長期借入金の比率を高めており、当連結会計年度末の借入金残高は40,021百万円、その内訳として、短期借入金の残高は9,387百万円、長期借入金(一年以内に返済期限の到来する長期借入金を含む)の残高は30,633百万円となっております。
⑤戦略的現状と見通し
当社は、「Shine for Tomorrow, to THE FUTURE」をスローガンとする2024年から2028年までの5ヵ年の中期経営計画を策定いたしました。詳細につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)中期経営戦略をご参照ください。
2024年通期の業績予想は、売上高は前期比4,152百万円増収の68,700百万円、営業利益は前期比636百万円減益の6,000百万円、経常利益は前期比1,281百万円減益の5,800百万円となる見込みです。親会社株主に帰属する当期純利益は5,300百万円を見込んでおります。
なお、この業績予想は現時点で入手可能な情報に基づき判断したものであり、実際の業績等は様々な要因により当該予想数値と異なる場合があります。
連結およびセグメント別の業績予想は下表のとおりです。
2024年12月期の連結業績予想(2024年1月1日~2024年12月31日) (単位:百万円)
(注)調整額は、セグメント間取引消去によるものです。