E04826 Japan GAAP
前期
1,234.8億 円
前期比
105.4%
株価
2,074 (04/19)
発行済株式数
36,041,346
EPS(実績)
169.42 円
PER(実績)
12.24 倍
前期
540.3万 円
前期比
97.2%
平均年齢(勤続年数)
40.4歳(10.5年)
従業員数
1,787人(連結:4,092人)
当社グループは、1955年の創業時から、人々の健康増進や福祉の向上、快適で衛生的な空間づくりに寄与することを目的に、社会に貢献できる企業を目指し60年以上にわたってさまざまな事業を展開してまいりました。2023年3月31日現在におきましては、当社及び子会社21社、関連会社2社で構成され、「健康生活サービス」「調剤サービス」「環境サービス」「その他」の4分野に関係する事業を行っております。各事業に携わる連結子会社数は、「健康生活サービス」が6社、「調剤サービス」が2社、「環境サービス」が7社、「その他」が1社となっております。
当社グループの事業における位置付け及び事業セグメントとの関連は次のとおりであります。
「健康生活サービス」
このセグメントでは、医療機関や介護福祉施設等、高度な衛生管理が求められる場所を中心に各種事業を展開しており、「衛生管理のプロ」としてその専門的な知識と経験を活かし、お客様にとって安心かつ安全なサービスの提供を心がけております。
具体的な事業の内容としましては、次に記載するとおりであります。
(主要な連結子会社及び事業の内容)
「調剤サービス」
このセグメントでは、連結子会社であるたんぽぽ薬局株式会社が、東海、北陸、関西、四国地区の基幹病院の門前を中心に調剤薬局の経営を行っております。
(主要な連結子会社及び事業の内容)
「環境サービス」
このセグメントでは、全国に広がる地方本部・代理店からなるフランチャイズ(以下「FC」という)網を活用して、リースキンブランドの環境美化用品のレンタルや販売に加え、主に医療機関や介護福祉施設を対象に建物の清掃・管理、太陽光を活用した売電事業等を行っております。
当社L.E.C.事業本部は、リースキンブランドの環境美化用品を地方本部に販売するとともに、地方本部から委託された使用済みマット及びモップの回収・洗濯加工を行っております。さらに、地方本部は傘下にある代理店にそれらをレンタルし、使用済の用品を回収・洗濯加工し、再度、代理店にレンタルいたします。代理店は、エンドユーザー様に対し、リースキンブランドのマット及びモップのレンタル等を行うとともに使用済みの用品を回収し、洗濯加工されたものと交換します。
また、当社リースキン事業本部は、モデル地方本部及びモデル代理店としてFC組織の一翼を担っております。FC組織は、下記の図をご参照ください。
(主要な連結子会社及び事業の内容)
「その他」
このセグメントでは、連結子会社である株式会社日本情報マートが経営情報の提供等を行っております。
事業の系統図は次のとおりであります。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度(2022年4月1日~2023年3月31日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの感染再拡大の影響もみられたものの、行動制限の緩和等により年度末にかけて経済活動正常化に向けた動きが加速しております。一方、エネルギーコストや原材料の高騰、外国為替相場の変動、物価上昇などの影響については、依然として先行き不透明な状況が続いております。
このような環境のもと、当社グループにおいては2025年3月期までを計画期間とする中期経営計画「Challenge for the new stage!」に掲げる各種施策の推進に取り組むとともに、「清潔と健康」をテーマに幅広い事業を展開することで、より一層の事業成長を図ってまいりました。
当連結会計年度においては、主力の各種レンタル売上が順調に推移したことに加え、調剤薬局事業の新規出店等が売上拡大をけん引しました。また、各種コスト増に対しては、リネン類の洗濯工場にて使用する燃料及び電力などエネルギーの原単位改善を中心とする生産性向上の取り組みや、一部の事業におけるお客様へのサービス提供価格の見直しを進めることで、利益確保に努めてまいりました。
サステナビリティに関しては、当社は創業以来「レンタル」のビジネスモデルを通じて、廃棄物の削減や循環型社会の実現に貢献してまいりましたが、当連結会計年度においては、2022年5月にサステナビリティ基本方針を制定、サステナビリティ委員会を新設することで、サステナビリティ経営の体制を強化いたしました。2023年3月には、脱炭素社会の実現に向けて温室効果ガス排出量の中長期の削減目標を設定したほか、人権尊重の取り組み推進のため「トーカイグループ人権方針」を新たに制定するなど、環境課題をはじめとする多様なサステナビリティ課題に対応するべく、ESG各分野の取り組みの推進及び積極的な情報開示に努めております。
また、企業の持続的な成長に不可欠な取り組みと位置付けるDXについては、2022年5月に策定した「トーカイグループDX中期戦略」に基づきDX人材の育成を中心とする全社的な施策を推進すると同時に、調剤薬局事業におけるLINEミニアプリを活用した患者様の利便性向上や、シルバー事業における各種手続きの電子化による効率化など、各事業における個別の施策にも注力してまいりました。2022年10月には、医療周辺サービスの提供を目的とする豊田通商との合弁会社をインドに設立し、現地での事業機会の獲得を目指して営業活動をスタートさせました。こうした取り組みを通じて、経営基盤の強化及び新たな事業基盤の構築を図り、持続的な成長を実現できる企業としての価値向上への取り組みを進めております。
① 前期比分析
売上高につきましては、ウィズコロナ下での営業活動推進により、主力のレンタル売上が順調に推移したことに加え、調剤薬局事業の新規出店効果により、前年同期比増収となりました。
利益面につきましては、エネルギーコストをはじめとした各種コスト増に対し、生産性向上、サービス提供価格の見直し等により利益確保に努めてまいりましたが、調剤サービスにおける薬価改定や医薬品供給ひっ迫を背景とした原価増が大きく影響し、営業利益は前年同期比減益となりました。
以上の結果、当連結会計年度の経営成績につきましては、売上高130,184百万円(前年同期比6,700百万円増、5.4%増)、営業利益7,855百万円(前年同期比397百万円減、4.8%減)、経常利益8,080百万円(前年同期比797百万円減、9.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益6,106百万円(前年同期比300百万円増、5.2%増)となり、売上高は過去最高を更新いたしました。
(単位:百万円)
(注) 調整額は、主に事業セグメントに帰属しない一般管理費及びセグメント間取引消去であります。
シルバー事業では、2018年に全株式を取得したゆうえる株式会社を当期より連結対象といたしました。また、当事業としては初となるテレビCMを2022年10月より東海地方で放映開始し、日本一の福祉用具貸与事業者としてさらなる認知度向上を図り、各地域でのシェア拡大に向けた取り組みを行いました。病院関連事業においては、戦略商品である「入院・入居セット」の介護福祉施設への営業を強化し、新規獲得に努めました。
これらの結果、シルバー事業の介護用品レンタルや病院関連事業の「入院・入居セット」の売上が好調に推移したことに加え、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた寝具・リネンサプライ事業の売上が、ホテル・旅館稼働率の回復により前年同期を大きく上回ったことから、当セグメントは前年同期比増収となりました。利益面につきましては、事業拡大のための人件費及びレンタル資材費増加に加えてエネルギーコストが増加しておりますが、一部サービスにおいてお客様への提供価格見直しや、エネルギー原単位の改善など生産性向上に努めたことなどから前年同期比増益となりました。
(参考:主な指標等)
・病院関連事業
入院・入居セット売上高 ネクサージ売上高
・シルバー事業
介護用品直販レンタル売上及び前年成長率
当期はM&Aにより取得した2店舗を含む4店舗を出店し、店舗数は合計149店舗となりました。また、在宅患者様を対象とした訪問サービスや、地域包括支援センター及び自治体との連携などかかりつけ薬剤師としての機能を強化し、地域で一番選ばれる薬局になるための取り組みを推進しております。
これらの結果、前期に出店した11店舗を含めた新店効果による処方箋枚数の増加や、かかりつけ機能の強化による技術料売上の増加により、前年同期比増収となりました。利益面につきましては、薬価改定や医薬品の供給ひっ迫などを背景に原価が増加したことや、前期及び当期の大型店舗出店等に伴う経費の増加などから、前年同期比減益となりました。
(参考:主な指標等)
処方箋枚数/処方箋単価
c.環境サービス
リースキン事業では、ニーズが高まるトイレ周り商品の拡販に注力するとともに、当該商品を切り口とした営業を強化するため、「トイレアドバイザー」の育成に努めております。ビル清掃管理事業では、院内感染防止のための清掃に注力し、より高い専門性が求められる手術室清掃にも取り組んでまいりました。
これらの結果、リースキン事業においてトイレ周り商品の売上が好調に推移したほか、一部需要回復により加盟店向け商品の売上が伸長したことや、ビル清掃管理事業において医療機関向けの売上が順調に推移したことから、前年同期比増収となりました。利益面につきましては、リースキン事業における価格改定への取り組み効果の一方、システム及び洗濯設備の更新に伴う減価償却費の増加や、ビル清掃管理事業の新規事業所の立ち上げや特殊作業に係る費用、当セグメントに属するグループ会社保有の不動産売却に伴う費用など一時的な費用の増加により、前年同期比減益となりました。
(参考:主な指標等)
トイレ周り商品の売上(直販・代理店部門) 病院清掃※の売上(※コロナ病床対応やハロシル売上を含む)
② 数値目標(計画)比分析
当連結会計年度につきましては、売上高130,307百万円、営業利益7,782百万円を数値目標として掲げ、その達成に向けて取り組んでまいりました。
売上高につきましては、健康生活サービスにおいて、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた寝具・リネンサプライ事業が計画以上に回復した一方、クリーニング設備製造事業の回復が遅れたことなどから、計画比122百万円減(0.1%減)130,184百万円となりました。
営業利益につきましては、調剤サービスにおける原価増の影響はあったものの、健康生活サービスにおける寝具・リネンサプライ事業の回復に加え、同セグメントを中心とした生産性向上、サービス提供価格の見直しなどにより、計画比72百万円増(0.9%増)の7,855百万円となりました。
(単位:百万円)
(注) 調整額は、主に事業セグメントに帰属しない一般管理費及びセグメント間取引消去であります。
寝具・リネンサプライ事業が計画以上に回復した一方、クリーニング設備製造事業や給食事業においては新型コロナウイルス感染拡大の影響が残り、売上高は計画未達となりました。
利益面につきましては、寝具・リネンサプライ事業の売上回復による損益改善に加え、サービス提供価格の見直しやコスト低減に努めた結果、計画比増益となりました。
処方箋単価が計画を上回って推移したことから、計画比増収となりました。利益面につきましては、医薬品の供給ひっ迫などを背景に原価が計画を上回り、計画比減益となりました。
リースキン事業がわずかに売上計画未達となったものの、病院清掃事業が堅調に推移したことから、当セグメントの売上高はほぼ計画どおりとなりました。利益面につきましては、サービス提供価格の見直しやコスト低減に努めた結果、計画比増益となりました。
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末の105,900百万円から4,885百万円増加し、110,785百万円となりました。これは、建物及び構築物が534百万円減少したものの、建設仮勘定が2,982百万円、受取手形及び売掛金が934百万円、棚卸資産が788百万円、有価証券が565百万円増加したことが主な要因となっております。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末の28,381百万円から181百万円増加し、28,562百万円となりました。これは、未払法人税等が432百万円、短期借入金が202百万円、長期借入金が130百万円、リース債務が87百万円減少したものの、支払手形及び買掛金が853百万円、未払金が106百万円増加したことが主な要因となっております。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末の77,519百万円から4,704百万円増加し、82,223百万円となりました。これは、配当金の支払いによる減少が1,549百万円あったものの、親会社株主に帰属する当期純利益6,106百万円、その他有価証券評価差額金138百万円を計上したことが主な要因となっております。
この結果、自己資本比率は73.7%(前連結会計年度末比1.0%増)となりました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ32百万円(0.1%)増加し、当連結会計年度末には35,541百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりであります。
当連結会計年度における営業活動により得られた資金は、8,592百万円(前年同期比1,541百万円減、15.2%減)となりました。
この主な要因は、税金等調整前当期純利益8,940百万円、減価償却費4,189百万円による資金増加要因が、売上債権の増加860百万円、法人税等の支払3,597百万円による資金減少要因を上回ったことによるものであります。
当連結会計年度における投資活動により支出した資金は、6,236百万円(前年同期比502百万円減、7.5%減)となりました。
この主な要因は、有形固定資産の取得5,650百万円、無形固定資産の取得575百万円、投資有価証券の取得による支出757百万円による資金減少要因が、有形固定資産の売却による収入1,317百万円による資金増加要因を上回ったことによるものであります。
当連結会計年度における財務活動により支出した資金は、2,432百万円(前年同期比464百万円減、16.0%減)となりました。
この主な要因は、長期借入金の返済477百万円、配当金の支払1,549百万円によるものであります。
(4) 資本の財源及び資金の流動性について
① 資本の財源
当社グループは、当連結会計年度末において2,876百万円の有利子負債残高があります。財政基盤の強化については収益力及び資産効率の向上によることを基本としております。
② 資金の流動性管理
当社グループの現金及び現金同等物は、前連結会計年度末の35,508百万円に比べて32百万円増加し、当連結会計年度末には35,541百万円となりました。
資金の流動性については、事業規模に応じた現金及び現金同等物の適正額を維持することとしております。また、グループ内の資金効率を高めるため、余資は当社に集中し、不足するグループ会社に配分する制度を運用しております。
なお、キャッシュ・フローの関連数値は以下のとおりであります。
(5) 重要な会計方針及び見積り
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。