売上高

利益

資産

キャッシュフロー

セグメント別売上

セグメント別利益

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率


最終更新:

E02701 Japan GAAP

売上高

2,681.5億 円

前期

2,464.5億 円

前期比

108.8%

時価総額

1,676.0億 円

株価

2,539 (04/26)

発行済株式数

66,008,744

EPS(実績)

185.85 円

PER(実績)

13.66 倍

平均給与

662.2万 円

前期

661.6万 円

前期比

100.1%

平均年齢(勤続年数)

39.9歳(15.4年)

従業員数

1,616人(連結:1,655人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

 

3 【事業の内容】

当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社、子会社2社及び関連会社2社から構成されています。

当社は、ファクトリールート(製造業、建設関連業等向け卸売)、eビジネスルート(ネット通販企業等向け販売)、ホームセンタールート(ホームセンター、プロショップ等向け販売)、海外ルート(連結子会社業績、諸外国向け販売)があり、販売ルートに即した営業体制のもと事業を行っています。各ルートで取り扱う作業用品・ハンドツール等の一部(キャスター、工具箱等)及び物流保管用品、研究管理用品等の一部(作業台等)を関連会社が製造し、当社が仕入れて国内外の得意先様に販売しています。また、子会社 TRUSCO NAKAYAMA CORPORATION(THAILAND)LIMITED 及びPT.TRUSCO NAKAYAMA INDONESIAは、当社が日本国内で培ってきた強み・ノウハウをもとに、卸売業として現地の得意先様へ販売しています。

 

当社における商品分類別の主要取扱商品は次のとおりです。

商品分類

主要取扱商品

切削工具

切削工具、穴あけ・ネジきり工具

生産加工用品

測定計測、メカトロニクス、工作機工具、電動機械

工事用品

油圧工具、ポンプ、溶接用品、塗装・内装用品、土木建築、はしご・脚立、

配管・電設資材、部品・金物・建築資材

作業用品

切断用品、研削・研磨用品、化学製品、工場雑貨、梱包結束用品、キャスター

ハンドツール

電動工具、空圧工具、手作業工具、工具箱

環境安全用品

保護具、安全用品、環境改善用品、冷暖房用品、防災・防犯用品、

物置・エクステリア用品

物流保管用品

荷役用品、コンベヤ、運搬用品、コンテナ・容器、スチール棚

研究管理用品

ツールワゴン、保管・管理用品、作業台、ステンレス用品、研究開発関連用品

オフィス住設用品

清掃用品、文具用品、オフィス雑貨、電化製品、OA事務用機器、事務用家具、

インテリア用品

その他

一般消費材、印刷物等

 

 

事業の系統図は次のとおりです。

※画像省略しています。
24/03/29

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社及び連結子会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社及び連結子会社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものです。

(1) 経営成績の状況

 ①事業全体の状況

当連結会計年度(令和5年1月1日~令和5年12月31日)における日本経済は、半導体の供給不足緩和による生産の持ち直しや円安の恩恵を受けた自動車のほか、需要に持ち直しの動きがみられる電気機械等を中心に景況感が改善しました。また、自動車等の最終製品の生産が堅調なことを受け、素材業種の景況感も改善しました。一方、先行きについては、世界経済の減速に伴う需要減少や人件費の高まりによるコスト増加の悪影響等が懸念され、慎重とならざるを得ない状況といえます。

このような環境下で当社及び連結子会社は、いつの時代もお客様や社会から必要とされる企業を目指し、「業界『最速』『最短』『最良』の納品を実現できる会社になりたい。」等、11項目の「ありたい姿」(能力目標)実現のための取組みを継続しました。

当社は「がんばれ!!日本のモノづくり」を企業メッセージに掲げ、プロツールの供給を通じて、お客様にとって最高の利便性を提供することが、結果として社会貢献につながると考えています。また環境活動や社会活動・ガバナンスも含めた未来への取組みとして「やさしさ、未来へ」基本方針の下、トラスコの事業活動が社会価値と企業価値の両方を生み出すものとする「TSV活動(TRUSCO Shared Value)」に取り組んでいます。

サプライチェーン全体の最適化・合理化を図る主な取組みとして、「ニアワセ+ユーチョク」(荷物詰合わせ+ユーザー様直送)の利用促進を更に強化しました。当社は在庫を多数保有しているだけでなく、最先端の物流機器とデジタルを組み合わせて活用することで、複数の商品を1つの梱包に「ニアワセ」(荷物詰合わせ)し、卸売である当社がユーザー様へ直送することが可能になります。このサービスにより、納品リードタイムの短縮に加え、得意先様の配送業務や送料が削減できます。また、配送や梱包資材にかかる二酸化炭素排出量などの環境負荷を軽減することができ、環境保全につながる取組みとしてネット通販企業様を中心に高い評価を得ています。

加えて、究極の即納を実現する置き薬ならぬ置き工具「MROストッカー」の導入、在庫アイテム数や商品データ保有数の拡充、AI見積「即答名人」[見積自動化システム]の利用推進、欠品・欠量を防ぐための在庫最適化、プライベート・ブランド商品のブラッシュアップ、修理工房「直治郎」の取組み強化を実施しました。また令和5年1月に、当社社員の自律的な成長を促す機会を増やす取組みが評価され、厚生労働省が主催する「グッドキャリア企業アワード2022」の大賞を受賞しました。あわせて令和5年5月に、経済産業省と東京証券取引所が共同で選定する「デジタルトランスフォーメーション銘柄(DX銘柄)」において、特に傑出した取組みを制度開始当初から継続している企業として「DXプラチナ企業2023-2025」に選定されました。

その結果、当連結会計年度における売上高は2,681億54百万円(前年同期比8.8%増)となりました。

また、急速に物価の高騰が進む中、価格改定前に仕入れた在庫商品を改定価格で販売した影響などにより、粗利率が21.5%(前年同期比0.3ポイント増)と上昇したことに加え、ソフトウエアにかかる減価償却費が減少したことなどにより、営業利益は185億19百万円(前年同期比26.3%増)、経常利益は186億69百万円(前年同期比23.9%増)となりました。また、当社が保有する投資有価証券の一部について、帳簿価額に比べて実質価額が下落したことによる投資有価証券評価損や、令和3年12月に売却した土地の一部土壌の廃棄にかかる費用など、特別損失として9億13百万円計上し、親会社株主に帰属する当期純利益は122億68百万円(前年同期比15.4%増)となりました。

 

②セグメントごとの経営成績

1)ファクトリールート(製造業、建設関連業等向け卸売)

ファクトリールートにおいては、全国に28か所ある物流センター及び全国に29か所ある在庫保有支店による欠品対策などの在庫施策を実施し、得意先様の利便性向上に努めました。また、ユーザー様の工場に、置き薬ならぬ置き工具「MROストッカー」を設置することで、工場内でいつでも商品の調達が可能となるサービスの拡大や、サプライチェーン全体の物流コストや手間を大幅に削減できる「荷物詰合わせ+ユーザー様直送サービス」、リユースの促進につながる修理サービスの修理工房「直治郎」のPRを強化するなど、環境負荷の軽減にもつながる営業活動を行いました。これらの活動により、生産工場の稼働に係るハンドツールや環境安全用品、作業用品などの売上高が増加しました。

その結果、売上高は1,821億88百万円(前年同期比6.8%増)、経常利益は135億80百万円(前年同期比25.2%増)となりました。

2)eビジネスルート(ネット通販企業等向け販売)

eビジネスルートにおいては、3,509社の仕入先様との協業を基軸に、約410万アイテムに及ぶ商品データと得意先様のシステムとの連携を強化し、得意先様毎のご要望に合わせた物流加工を行いました。また、4か所の物流センターに6ライン導入しているI-Pack®(アイパック)[高速自動梱包出荷ライン]を活用し、ユーザー様への直送のニーズにお応えしました。これらの活動により、生産工場の稼働に係るハンドツールや作業用品、設備投資に係る工事用品などの売上高が増加しました。

その結果、売上高は591億21百万円(前年同期比14.6%増)、経常利益は44億29百万円(前年同期比27.4%増)となりました。

3)ホームセンタールート(ホームセンター、プロショップ等向け販売)

ホームセンタールートにおいては、建築現場などで働くユーザー様をターゲットとしたプロショップなど、各得意先様に対し売場提案や商流集約に向けた営業活動を強化しました。また、ホームセンター各社がEC事業を強化していることから、当社の約59万アイテムに及ぶ在庫と物流設備を活用したサービスを積極的に提案しました。これらの活動により、作業用品や環境安全用品などの受注が増え、売上高増加に寄与しました。

その結果、売上高は242億60百万円(前年同期比9.5%増)、経常利益は4億12百万円(前年同期比4.7%増)となりました。

4)海外ルート(連結子会社業績、諸外国向け販売)

海外ルートにおいては、連結子会社であるTRUSCO NAKAYAMA CORPORATION(THAILAND)LIMITED 及びPT.TRUSCO NAKAYAMA INDONESIAの業績と海外部の諸外国向け販売を含めています。連結子会社では、在庫アイテムの見直しによりリードタイムを短縮し、また現地得意先様及び仕入先様の開拓を進めることで販売活動を強化しました。さらに、海外部の諸外国向け販売では、アジア太平洋地域を中心にEC企業との口座を開設するなど、取引を拡大しました。

その結果、売上高は25億83百万円(前年同期比22.5%増)経常利益は1億61百万円(前年同期比64.6%増)となりました。

 

③仕入及び販売の実績

a.仕入実績

当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

仕入高(百万円)

前期比(%)

ファクトリールート

147,800

8.3

eビジネスルート

45,977

14.3

ホームセンタールート

20,519

7.6

海外ルート

1,889

21.7

合計

216,187

9.6

 

(注) 金額は仕入価格によっています。

 

b.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前期比(%)

ファクトリールート

182,188

6.8

eビジネスルート

59,121

14.6

ホームセンタールート

24,260

9.5

海外ルート

2,583

22.5

合計

268,154

8.8

 

 

④目標とする経営指標の達成状況

目標とする経営指標及び当連結会計年度の実績、翌連結会計年度以降の目標数値については「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」の「(2)目標とする経営指標」に記載のとおりです。

 

 (2) 財政状態の状況

(資産)

当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ196億70百万円増加2,448億78百万円前連結会計年度末比8.7%増)となりました。その主な要因は、現金及び預金が38億82百万円増加、売掛金が27億64百万円増加商品が55億55百万円増加、プラネット愛知の新築工事等により建設仮勘定が97億36百万円増加し、機械装置及び運搬具が3億27百万円減少、ソフトウエアが12億68百万円減少したことによるものです。

(負債)

当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ99億56百万円増加841億62百万円前連結会計年度末比13.4%増)となりました。その主な要因は、買掛金が15億95百万円増加、未払法人税等が17億33百万円増加、長期借入金が65億円増加したことによるものです。

(純資産)

純資産合計は、前連結会計年度末に比べ97億13百万円増加1,607億16百万円前連結会計年度末比6.4%増)となりました。その主な要因は、利益剰余金が親会社株主に帰属する当期純利益122億68百万円の計上により増加し、配当金30億66百万円の支払などにより減少したことによるものです。自己資本比率は前連結会計年度末の67.1%から65.6%となりました。

 

 (3) キャッシュ・フローの状況

①当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、148億2百万円の収入(前連結会計年度は121億78百万円の収入)となりました。その主な要因は、税金等調整前当期純利益179億8百万円、減価償却費62億29百万円、仕入債務の増加15億82百万円の収入に対し、売上債権の増加28億13百万円、棚卸資産の増加54億49百万円、法人税等の支払額45億95百万円の支出によるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、131億13百万円の支出(前連結会計年度は51億65百万円の支出)となりました。その主な要因は有形固定資産の取得による支出111億71百万円(プラネット愛知新築工事費及びマテハン設備の調達にかかる支払など)、無形固定資産の取得による支出19億44百万円(ソフトウエア構築費の支払など)によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、19億32百万円の収入(前連結会計年度は91億10百万円の支出)となりました。その主な要因は、長期借入れによる収入150億円に対し、長期借入金の返済による支出100億円、配当金の支払30億64百万円によるものです。

以上の結果、当連結会計年度における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ36億84百万円増加し、430億85百万円(前連結会計年度末は394億円)となりました。

②当社及び連結子会社の資本の財源及び資金の流動性について

当社及び連結子会社は、事業活動のための適切な流動性の確保と健全な財政状態の維持のため、営業キャッシュフローの創出に努めています。

当社及び連結子会社の主な資金需要は、商品の仕入れ、販売費及び一般管理費等の営業費用等の運転資金、並びに物流設備や情報システム等への設備投資資金です。これらの資金需要につきましては、基本的に営業キャッシュフロー及び自己資金を主な源泉と考えています。ただし、当社及び連結子会社の成長スピードを加速させるための設備投資を中心とした戦略的な資金につきましては、必要に応じて金融機関からの借入などにより調達することとしています。なお、安定的かつ効率的な資金調達に備えるため、複数の取引金融機関と当座貸越契約を締結しています(極度総額500億円、当連結会計年度利用残高100億円)。

この方針に従い、当連結会計年度における運転資金、設備投資資金につきましては、自己資金並びに金融機関からの借入金を充当しています。今後も資本と負債のバランスに配慮しながら、必要な資金を調達してまいります。

現預金につきましては、流動性確保のため、月商の1か月分を目安に保有する方針としていますが、当連結会計年度において、お客様の利便性向上を目的に、物流設備やデジタルへの投資を継続するため、金融機関から長期借入により資金を調達してプールしています。

また、財務の健全性等について、客観的な視点で認識することを主たる目的に、毎期、格付投資情報センター(R&I)から発行体格付を取得しており、本報告書提出時点においては「A」(シングルA)となっています。

 

 (4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社及び連結子会社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち特に重要なものは以下の通りです。

①固定資産の減損損失

当社及び連結子会社は、「3 事業等のリスク」に記載のとおり、令和5年12月期連結貸借対照表において、有形固定資産を中心として固定資産の総額は1,128億70百万円を計上しており、総資産に対する比率は46.1%となります。

事業用資産は、管理会計上の事業所ごと、賃貸用資産及び遊休資産は物件ごとにグルーピングしています。

経営環境の悪化や時価の著しい下落等が生じ、回収可能価額が帳簿価額を下回る状況となった場合には、減損損失が発生し、当社及び連結子会社の業績に重要な影響を与える可能性があります。

②棚卸資産の評価

当社及び連結子会社は、「3 事業等のリスク」に記載のとおり、令和5年12月期連結貸借対照表において、棚卸資産508億48百万円を計上しており、総資産に対する比率は20.8%となります。一定の保有期間が経過した滞留在庫について、商品の性質に応じた評価減率を設定し、評価を行っています。滞留在庫の定義や評価減割合が年度末時点の棚卸資産の収益性を適切に反映しているか否かに関して、商品等の過去の販売実績が将来の期間においても継続すると仮定して商品等の将来の販売可能性を見積もっています。

将来における景気等の市場経済を取り巻くさまざまな外部要因や著しい技術改革等によって、商品等の販売実績が当初の想定を大きく下回った場合には、棚卸資産の評価額が変動し、当社及び連結子会社の業績に重要な影響を与える可能性があります。

③繰延税金資産の評価

将来の課税所得を見積り、回収可能性がある将来減算一時差異についてのみ、繰延税金資産として資産計上を行い、回収不能なものについては評価性引当額を計上しています。経営環境等の変化により、課税所得の見積りの変更が必要となった場合には、繰延税金資産の計上額が変動し、当社及び連結子会社の業績に重要な影響を与える可能性があります。