E01209 Japan GAAP
前期
1,926.3億 円
前期比
175.7%
当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社、連結子会社85社、持分法適用会社23社で構成され、セメント事業、医療関連事業、商社・流通事業、人材・教育事業、情報・ソフト事業、建築土木事業、その他事業を展開しております。
(1)セメント事業
各種セメント、生コンクリート、コンクリート二次製品等の製造販売等を行っております。
(2)医療関連事業
病院経営に関するコンサルタント事業及び診療材料等の共同購入事業等を行っております。
(3)商社・流通事業
建設資材の卸売及びスーパー等の運営等を行っております。
(4)人材・教育事業
人材派遣及び介護事業等を行っております。
(5)情報・ソフト事業
情報処理業、ソフトウェア開発、出版及び印刷事業等を行っております。
(6)建築土木事業
建設業、土木業、緑化資材の製造販売事業等を行っております。
(7)その他事業
各種スポーツ施設の運営及び不動産賃貸事業等を行っております。
〔事業系統図〕
以上述べた事項を事業系統図によって示すと、次のとおりであります。
※画像省略しています。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、当連結会計年度において、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、前連結会計年度の関連する主要な経営指標等については、暫定的な会計処理の確定による取得原価の当初配分額の重要な見直しが反映された後の金額によっております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症対策が徐々に緩和され、経済活動の正常化によって持ち直しの動きがみられました。一方で、急速な円安進行やロシア・ウクライナ情勢の影響に伴う資源価格の高騰など依然として先行きは不透明な状況のまま推移いたしました。
当社グループの基幹産業であるセメント業界におきましては、民需では都市部の再開発工事をはじめ一定の需要があったものの、官公需については、前年に引き続き低調に推移したことで、当期におけるセメント国内販売数量は37,488千トンと前年同期に比べ1.3%減少し、4年連続で前年を下回り、56年ぶりの低水準となりました。当社の販売地域となる東海地区以西では、前年同期に比べ0.7%の減少となりました。また、提出会社の主たる事業分野の医療事業におきましては、少子高齢化に伴う社会保障費の伸びを抑制するための政府の医療費適正化の流れの中、新興感染症等にも対応可能な医療提供体制の構築、医師を中心とする働き方改革への対応等を軸とした令和4年度診療報酬改定への対応など、引き続き厳しい環境下での病院運営の舵取りが求められました。建設市場におきましては、公共建設投資は高水準で推移しており、民間投資については持ち直しの動きがみられますが、資材及びエネルギー価格の上昇が懸念されています。
このような情勢の中で、セメント事業におきまして、麻生セメント㈱では、セメント国内販売数量は1,540千トン(対前年比5.8%減)、固化材国内販売数量は290千トン(同1.6%増)となりました。セメント価格の改定を行っておりますが、石炭価格の高騰および円安の進行などのコスト悪化要因に加え、リサイクル燃料の使用も振るわず大幅に業績が悪化しました。医療関連事業におきましては、3年目を迎えた新型コロナウイルス感染症に関して、第7波・第8波と感染の猛威が続く中、筑豊地域の重点医療機関として重症感染者並びに妊産婦・小児・透析患者などの特殊感染者の入院受入れ機能を継続しつつ、一方で、救命救急センター併設病院として、従来どおり一般診療にも対応してまいりました。また、医療提供体制としては、ロボット支援下手術の拡充及び放射線治療機器であるサイバーナイフの稼働等、がん診療レベルの高度化を図りました。建築土木事業におきまして、日特建設㈱では、受注高について基礎・地盤改良工事が好調に推移し、法面工事はやや減少するも高水準を維持いたしました。売上高は受注増に加え、運輸・電力等の国内民間事業と海外事業の大型工事が増加し、施工促進に努めました。なお、建築土木事業においては、令和4年7月19日に大豊建設㈱の株式を取得し、連結子会社化しております。
この結果、当連結会計年度の業績は、売上高は338,445百万円(前年同期比145,815百万円、75.7%増)、営業利益は9,305百万円(前年同期比537百万円、5.5%減)、経常利益は20,987百万円(前年同期比2,681百万円、14.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は8,619百万円(前年同期比6,364百万円、42.5%減)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。なお、セグメント間の取引については相殺消去しております。
イ セメント事業
売上高は22,669百万円(前年同期比584百万円、2.5%減)、セグメント損失(営業損失)は3,638百万円(前年同期もセグメント損失(営業損失)503百万円)となりました。
ロ 医療関連事業
売上高は39,871百万円(前年同期比579百万円、1.5%増)、セグメント損失(営業損失)は3,978百万円(前年同期もセグメント損失(営業損失)1,906百万円)となりました。
ハ 商社・流通事業
売上高は11,918百万円(前年同期比909百万円、8.3%増)、セグメント利益(営業利益)は382百万円(前年同期比130百万円、51.8%増)となりました。
ニ 人材・教育事業
売上高は22,488百万円(前年同期比1,070百万円、5.0%増)、セグメント利益(営業利益)は935百万円(前年同期比177百万円、16.0%減)となりました。
ホ 情報・ソフト事業
売上高は38,529百万円(前年同期比14,577百万円、60.9%増)、セグメント利益(営業利益)は6,849百万円(前年同期比676百万円、11.0%増)となりました。
ヘ 建築土木事業
売上高は193,480百万円(前年同期比127,380百万円、192.7%増)、セグメント利益(営業利益)は5,905百万円(前年同期比2,536百万円、75.3%増)となりました。
ト その他事業
売上高9,486百万円(前年同期比1,881百万円、24.7%増)、セグメント利益(営業利益)は2,778百万円(前年同期比1,518百万円、120.5%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、減価償却費が増加し、また、前連結会計年度で発生した負ののれん発生益が当連結会計年度は発生しませんでしたが、税金等調整前当期純利益の減少、持分法投資利益の増加、売上債権の増加及びその他の流動負債の減少等により前年同期に比べ31,159百万円減少し8,290百万円の支出となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の売却による収入の減少がありましたが、有形固定資産の取得による支出の減少、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出の減少及び長期貸付金の回収による収入の増加等により前年同期に比べ3,256百万円増加し16,502百万円の支出となりました。また、財務活動によるキャッシュ・フローは、主に長期・短期借入金の増減の影響により前年同期に比べ14,682百万円増加し32,153百万円の収入となりました。
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前年同期に比べ7,949百万円増加し、102,321百万円となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
イ 生産実績
当社グループについては、提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため、記載しておりません。
ロ 受注実績
当社グループについては、受注生産形態をとらない製品が大半であるため、記載しておりません。
ハ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 令和4年4月1日 至 令和5年3月31日) |
前年同期比(%) |
セメント事業(百万円) |
22,669 |
97.5 |
医療関連事業(百万円) |
39,871 |
101.5 |
商社・流通事業(百万円) |
11,918 |
108.3 |
人材・教育事業(百万円) |
22,488 |
105.0 |
情報・ソフト事業(百万円) |
38,529 |
160.9 |
建築土木事業(百万円) |
193,480 |
292.7 |
その他事業(百万円) |
9,486 |
124.7 |
合計(百万円) |
338,445 |
175.7 |
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 総販売実績に対し10%以上に該当する販売先はありません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
また、当連結会計年度において、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、前連結会計年度の関連する主要な経営指標等については、暫定的な会計処理の確定による取得原価の当初配分額の重要な見直しが反映された後の金額によっております。
詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ 財政状態の分析
|
前連結会計年度 (令和4年3月31日) |
当連結会計年度 (令和5年3月31日) |
増減 |
総資産(百万円) |
360,265 |
544,120 |
183,854 |
自己資本(百万円) |
74,762 |
93,484 |
18,721 |
自己資本比率(%) |
20.8 |
17.2 |
△3.6 |
1株当たり純資産額(円) |
24,311.60 |
30,409.26 |
6,097.66 |
当連結会計年度末における総資産額は、現金及び預金、関連会社株式が増加したこと並びに大豊建設㈱他8社を株式取得により連結の範囲に含めたこと等により前年同期に比べ183,854百万円増加し、544,120百万円となりました。
自己資本は、非支配株主との取引に係る親会社の持分変動により資本剰余金が112百万円減少、親会社株主に帰属する当期純利益等により利益剰余金が8,541百万円増加、その他の包括利益累計額が10,304百万円増加したこと等により前年同期に比べ18,721百万円増加し、93,484百万円となりました。
ロ 経営成績の分析
|
前連結会計年度 (自 令和3年4月1日 至 令和4年3月31日) |
当連結会計年度 (自 令和4年4月1日 至 令和5年3月31日) |
前年同期比(%) |
売上高(百万円) |
192,630 |
338,445 |
175.7 |
営業利益(百万円) |
9,843 |
9,305 |
94.5 |
経常利益(百万円) |
18,306 |
20,987 |
114.6 |
税金等調整前当期純利益 (百万円) |
25,146 |
21,480 |
85.4 |
親会社株主に帰属する当期純利益 (百万円) |
14,983 |
8,619 |
57.5 |
当連結会計年度における売上高は、前年同期に比べ145,815百万円(75.7%)増加し338,445百万円となりました。この増加は主に、情報・ソフト事業及び建築土木事業における売上高増加の影響によるものであります。セグメント別の売上高については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
経常利益は、前年同期に比べ2,681百万円(14.6%)増加し20,987百万円となりました。
この増加は主に、営業損益は減少した一方で、持分法投資利益が増加したこと等によるものであります。
親会社株主に帰属する当期純利益は、前年同期に比べ6,364百万円(42.5%)減少し8,619百万円となりました。
この減少は主に、経常損益は増加した一方で、前連結会計年度において負ののれん発生益が発生したこと、法人税、住民税及び事業税が増加したこと等の影響によるものであります。
② 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、診療材料の購入のほか、各種材料や商製品の購入、人件費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資、金融商品購入等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金、設備投資や長期運転資金はいずれも自己資金及び金融機関からの借入を基本としております。
キャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
なお、重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。