E01566 Japan GAAP
前期
35.4億 円
前期比
99.6%
当社は子会社及び関連会社を有していない。
なお、当社は自動車部品等の製造販売を主な事業とするサンデン株式会社の関連会社であり、コンプレッサ部品とカーエアコン取付部品を主力とする同社製品の部品加工を行っている他、その他製品販売を行っている。
事業の系統図は次の通りである。
当事業年度の世界経済動向は、ロシア・ウクライナ戦争の長期化や欧州経済の低迷といった悪材料の他、金融引締めにも関わらず堅調な米国経済が齎す大幅な円安の進行並びにイスラエル・ハマス戦争など想定外の要因もあり、なお一層先の見通せない状況で推移した。当社においては、今後成長が見込まれるEV車向け電動コンプレッサ部品加工用の新規設備群を一昨年に導入。自動車メーカー側の計画変更により大幅遅延となっていた獲得済案件がいよいよ翌事業年度の本格稼働を予定している。併せて前事業年度に獲得した半導体関連製品の安定受注を背景に生産効率化を推進すると共に、現在の主柱となっているエンジン車向けカーエアコン用コンプレッサ部品の加工ラインを生産規模に合わせ最適化及び既存加工ラインの効率化を推進し、EV車向けの新規案件獲得や成長分野製品の獲得に努めた。また今後の急激な環境変化への対応、コンプライアンスの遵守並びにBCP対策、業務効率化の施策として基幹システムのハイブリッド化及びポータルサイトを構築。一例としてSDGsの観点からは業務フローの見直しによるペーパーレス化の推進に寄与した。当社はこれらに留まらず更なる効率化、経営安定化に努めて行く所存である。
先述の結果、当事業年度のコンプレッサ部品関係の売上高は前期比0.4%増の34億50百万円となった。カーエアコン取付部品関係の売上高は、前期比78.3%増の5.2百万円、新事業を含むその他売上高は前期比31.9%減の71.3百万円であった。これらを合計した当事業年度の売上高は、前期比0.4%減の35億27百万円となった。一方、損益面では各種改善活動に加え製造経費の最適管理、特に変動労務費抑止策を遂行したが、鋼材及び消耗部材等の大幅な価格上昇を売価に転嫁することができず、営業損失45百万円 (前事業年度は営業損失14百万円)となった。これに事業再構築補助金の受給があり、結果として当期純利益15百万円(前事業年度は当期純利益3百万円) の計上となっている。
財政状況については、事業年度末の総資産は13億39百万円(前期末比1億53百万円減少)と屈曲されたが、当期純利益計上により純資産は1億56百万円(前期末比18.9百万円増加)となった。また自己資本比率は前期末より2.5ポイント増加し11.7%となった。今後も継続して安定的な財務体制を目指し活動を進める。
② キャッシュ・フロー
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、営業活動によるキャッシュ・フローで得られた資金、投資活動で使用した資金、財務活動で使用された資金の差引により、前事業年度末に比べ46百万円増加し、当事業年度末には1億47百万円となった。
また当事業年度中における各キャッシュ・フローは次の通りである。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動により得られた資金は、前年同期と比べて1億84百万円増加し1億99百万円となった。これは主に売上債権の減少額1億32百万円、棚卸資産の減少額22百万円など並びに税引前当期純利益16百万円と、仕入債務の減少額1億14百万円などによる収入と支出との差引によるものである。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動の結果使用した資金は前年同期と比べて1億円減少し12百万円となった。これは主に有形固定資産の取得による支出が減少したことによるものである。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動の結果使用された資金は前年同期と比べて2億50百万円減少し1億39百万円となった。これは主に長期借入金の借入れによる収入額1億円と、長期借入金の返済による支出額84百万円及び短期借入金の減少額1億36百万円などとの差引によるものである。
③ 生産、受注及び販売の状況
当社はカーエアコン関連部品の製造を行う単一セグメントのため、生産、受注及び販売の実績については製品区分別に記載している。
当事業年度の生産実績を製品区分別に示すと、次の通りである。
(注) 金額は販売価格によっている。
当事業年度の受注状況を製品区分別に示すと、次の通りである。
当事業年度の販売実績を製品区分別に示すと、次の通りである。
(注) 最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、以下の通りである。
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りである。
なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものである。
①財政状態の分析
当社の当事業年度末における財政状態は、当期純利益15百万円の計上となったことにより剰余金が36百万円(前事業年度は20百万円)とプラスとなった。これにより自己資本比率は11.7%と2.5ポイント上昇した。経営の安定化を図るためには、継続した利益創出による財政強化の必要があると考える。
②経営成績の分析
当事業年度の経営成績は、EV車向け電動コンプレッサ部品の需要拡大を見据え加工用設備群を一昨年導入したところではあったが、メーカー側の計画変更により稼働の大幅な遅延が生じた結果となった。これと併せ前事業年度に獲得した半導体関連製品の安定受注を背景に生産効率化を推進。各種改善活動に加え製造経費の最適管理、特に変動労務費抑止策を遂行したが、鋼材及び消耗部材などの価格上昇が売価に転嫁できていない影響が大きく、営業損失45百万円となった。しかし事業再構築補助金の受給により結果として、当期純利益15百万円(前事業年度は当期純利益3百万円)を計上することができた。今後の自動車用コンプレッサ事業においての需要動向は、中長期的には電動化の方向性と思料されるが、商用車、建設機械、農業向け車両など内燃機関車両の根強い需要も見られることから、多種多様な受注に即時対応できるよう技術力・コスト競争力向上を図り、変化に強い生産体制を構築して行く所存である。なお、サンデン株式会社の生産及び販売動向等の影響や世界情勢などが当社に及ぼす影響の見極めができていないことから、現時点では数字による見通しを示すことが困難な状態となっている。
③キャッシュ・フローの状況の分析
当事業年度における現金及び現金同等物の期末残高は、営業活動による資金が得られたことなどにより1億47百万円(前事業年度末は1億円)となった。今後の世界情勢並びに地政学リスクによる影響が発生しないとも言えないため、財務活動による資金調達を前倒しで進め資金繰りを管理することが重要となる。
④重要な会計方針及び見積り
財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されている。この財務諸表の作成にあたって、決算日における資産・負債の報告数値、報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りは、主に賞与引当金及び退職給付引当金であり、継続して評価を行っている。