E01566 Japan GAAP
(1) 経営成績等の状況の概要
当中間期間における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りである。
当中間会計期間の経済情勢は新型コロナウィルス感染症拡大による落ち込みからの持ち直しが見られたものの、中国のコロナ政策やロシア・ウクライナ情勢も影響した資源価格の高騰、半導体不足、高インフレ、物流の混乱などにより先の見通せない不安定な状況で推移した。日本経済においても社会経済活動と感染症対策の両立により景気回復の兆しが見られたものの、急激な為替相場の変動や物資・物価上昇などが現在も懸念材料となっており、先行き不透明な状況が続いている。
当社は当該状況下、自動車用コンプレッサ事業に次ぐ事業としての拡大を図るべく前事業年度に導入した制御機器関連製品向け製造設備の本格稼動による売上増加に取り組むと共に、既存の自動車用コンプレッサ事業では、今後成長が見込まれるEV車向け電動コンプレッサ部品加工において既得案件の量産対応により付加価値の創出、並びに新規大型案件を獲得し2024年初頭より量産開始の見込みである。人員面では、人財育成を最重点項目と位置づけ、組織の中核人財の育成と併せ組織活性化を目的とした求人媒体活用による新卒及び中途採用を積極的に推進しているところである。またIT面では、BCP対策の観点からクラウドとオンプレミスのハイブリッドにより各々の利点を活かしたシステムを構築、日常及び有事の際の情報格差解消を目指した従業員間のコミュニケーションの変化並びに、SDGsの観点からは業務フローを見直すことでペーパーレス化の推進に寄与している。
これらの結果、当中間会計期間のコンプレッサ部品関係の売上高は前年同期比で9.4%増の17億29百万円となった。カーエアコン取付部品関係の売上高は前年同期比3.3%増の2.0百万円、またその他空圧機器を含む外販事業の売上高は前年同期比27.6%減の38.5百万円であった。これらを合計した当中間会計期間の売上高は、前年同期比8.2%増の17億70百万円となった。
損益面では、生産効率化推進と徹底した支出管理の継続を行ったものの、営業損失13.3百万円(前年同期は営業損失1.7百万円)、損失補償金の受給影響などを含め中間純利益1.6百万円(前年同期は中間純利益3.3百万円)となった。
財政状態については、当中間会計期間末の総資産は前事業年度末に比べ26.2百万円減少し14億66百万円となった。負債は前事業年度末に比べ29.7百万円減少し13億25百万円、純資産は前事業年度末に比べて3.5百万円増加し1億41百万円となった。また自己資本比率は前事業年度末から0.4ポイント増の9.6%となった。
②キャッシュ・フロー
当中間会計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動によるキャッシュ・フローで得られた資金、投資活動で使用した資金、財務活動で得られた資金の相殺により、前事業年度末に比べ105.6百万円増加し、当中間会計期間末には206.4百万円となった。
当中間会計期間における各キャッシュ・フローは次の通りである。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当中間会計期間において営業活動により得られた資金は前年同期と比べ70.0百万円と大幅増加し80.0百万円となった。これは主に売上債権の減少額、棚卸資産の減少額並びに税引前中間純利益等と、仕入債務の減少額などとの差引によるものである。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当中間会計期間において投資活動の結果使用した資金は前年同期と比べて13.0百万円減少し6.9百万円となった。
これは有形固定資産の取得による支出が減少したことによるものである。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当中間会計期間において財務活動により得られた資金は前年同期と比べて32.8百万円増加し32.6百万円となった。これは主に、長期借入による収入と長期借入金の返済及び短期借入金の減少額との差引によるものである。
③生産、販売及び受注の実績
当中間会計期間における当社の生産、受注及び販売実績は次の通りである。
なお、当社はカーエアコン関連部品の製造を行う単一セグメントであるため、生産、受注及び販売の実績については製品区分別に記載している。
当中間会計期間の生産実績を製品区分別に示すと、次の通りである。
(注) 金額は販売価格によっている。
当中間会計期間の受注状況を製品区分別に示すと、次の通りである。
当中間会計期間の販売実績を製品区分別に示すと、次の通りである。
(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、以下の通りである。
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りである。
なお、文中の将来に関する事項は、当中間会計期間の末日現在において判断したものである。
①当中間会計期間の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態
当中間会計期間末の総資産は、売掛金を始めとする流動資産の減少などで前事業年度末に比べ26.2百万円減少し14億66百万円となった。負債は仕入債務及び短期借入金等の流動負債の減少などで前事業年度末に比べ29.7百万円減少し13億25百万円、純資産は中間純利益の計上により前事業年度末に比べて3.5百万円増加し1億41百万円となった。また中間純利益の計上により、自己資本比率は前事業年度末から0.4ポイントと微増ではあるが9.6%となった。今後も継続して自己資本比率を高め、安定的な財務体制を目指した活動を推進する。
b.経営成績
当中間会計期間の売上高は、主力のカーエアコン用コンプレッサ部品が自動車市場の時勢を反映し増加したことから、前年同期比8.2%増の17億70百万円となった。損益面では、徹底した支出の管理を行ったものの、営業損失13.3百万円(前年同期は営業損失1.7百万円)、また最終顧客の方針転換により被った損失の補償金受給などの影響もあり中間純利益1.6百万円(前年同期は中間純利益3.3百万円)となった。今後も継続した利益創出による経営安定化を図る必要があると考える。
当社の資金需要の主なものは、設備投資と売上債権及び仕入債務の増減影響などによる運転資金である。現在のところ資金需要を伴う大きな設備投資の計画はない。また資金調達については、設備投資は長期、運転資金は短期及び長期の金融機関からの借入れをメインとしている。