E02368 Japan GAAP
前期
9,202.3億 円
前期比
108.5%
当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社、子会社118社及び関連会社3社で構成され、ファスニング製品の製造及び販売、建材の製造及び販売、カーテンウォール、窓、サッシ等の工事を主な事業内容とし、更に各事業に関連するアルミ製錬及びその他のサービスの事業活動を展開しております。
当社グループの主な事業内容に係る位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。なお、各事業とセグメントは同一の区分であります。
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ファスニング… |
当社及びYKK U.S.A.社ほか子会社67社で、ファスニング製品の製造及び販売を行っており、一部は当社グループ内で仕入れて再販売しております。 |
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AP……………… |
YKK AP㈱ほか子会社31社及び関連会社2社で、建材の製造及び販売、カーテンウォール、窓、サッシ等の工事を行っております。 |
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その他………… |
YKKアルミニウム・オーストラリア社ほか子会社1社がアルミ製錬に携わっており、主に当社グループで輸入しております。また、YKK不動産㈱ほか子会社15社及び関連会社1社で、その他のサービスの事業活動を行っております。 |
事業系統図
※画像省略しています。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当期における日本経済は、雇用・所得環境の改善や各種政策のもとで緩やかな回復基調となりましたが、エネルギーコスト高や円安傾向継続による物価の上昇、人手不足等による人件費の上昇が続きました。世界経済は、全体としては底堅く推移したものの、各国の政権交代による政策動向やウクライナ、中東地域等の不安定な国際情勢といった様々な不透明要因があり、資源価格や為替相場等とともに、引き続き注視していく必要があります。
このような環境のもと、当期は当社グループ第6次中期経営計画(2021年度~2024年度)の最終年度として、中期経営ビジョン「Technology Oriented Value Creation『技術に裏付けられた価値創造』」のもと、第6次中期事業方針として、ファスニング事業では「新常態下での持続的成長~多様な顧客要望の実現と顧客創造~」、AP事業では「商品による社会価値の提供とモノづくり改革の実現」を目指し、それぞれの事業を推進してまいりました。
当期においては前期に引き続き不安定な世界情勢やインフレ等が継続しており、市場環境は好転していない中、当社グループにおいては、人件費及び材料価格の高騰への対応や円安の進行等が業績に影響しました。
その結果、当期の連結業績は、売上高は998,299百万円(前期比8.5%増)、営業利益は62,404百万円(前期比13.0%増)、経常利益は70,314百万円(前期比15.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は52,955百万円(前期比25.0%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(a)ファスニング事業
当期のファスニング事業を取り巻く事業環境は、アパレル小売市場においては2022年度来高止まりしていた在庫水準が適正な水準に戻りつつあるものの、世界的な物価高騰やエネルギー価格の上昇、欧州や中国経済の停滞、アメリカの政権交代による世界経済への影響等、景気の先行き不透明な状況が続きました。
このような事業環境のもと、顧客要望納期対応をはじめとした施策の奏功により、ISAMEA(India/South Asia/ Middle East/Africa)、ASEAN、中国地域における販売が好調に推移し、さらに為替が前年同期比で円安に推移したことにより、増収となりました。
地域別では、日本地域においては、海外事業会社の好調によるグループ会社向け輸出販売の増加及び円安進行によるロイヤリティ収入増加による増収効果がありました。Americas地域においては、需要減少に伴う官需分野向け販売が低迷したものの、ジーンズ分野向け販売が回復しました。Europe地域においては、ジャケットや鞄等の高級分野におけるブランドホルダーの販売不振により販売が低調に推移しましたが、トルコ社でのトルコリラ安の為替影響とジーンズ好調による増収効果がありました。ISAMEA地域においては、加工輸出向け販売が好調に推移したことに加え、インド社で内需市場向け販売が好調に推移しました。ASEAN地域においては、スポーツアパレル分野をはじめとした加工輸出向け販売が好調に推移しました。中国地域においては、加工輸出向け販売及び内需市場向け販売が好調に推移しました。
その結果、売上高(セグメント間の内部売上高を含む)は、過去最高の前期比14.2%増の433,151百万円となりました。営業利益は、材料価格の高騰や人件費の上昇等の減益要因があったものの、販売ボリュームの増加及び操業度向上に加え、継続的なコストダウンの実施、為替影響等の増益要因により、前期比42.6%増の47,516百万円と、増収増益となりました。
(b)AP事業
当期のAP事業を取り巻く事業環境は、日本においては、資材価格高騰や円安の進行を受けて住宅価格の高騰が継続し、新設住宅着工戸数は減少しました。3省連携補助事業による省エネ改修需要は、緩やかな伸長となりました。海外においては、北米ではビル建材市場は不動産市況の悪化の継続により縮小、住宅建材市場は住宅ローン金利の高止まりにより住宅着工は前年並みとなりました。中国では住宅購入規制緩和策が拡大されたものの市場は縮小、台湾では好調な半導体輸出を背景とした景気回復により住宅着工は増加、インドネシアでは住宅購入税制優遇の景気刺激策により住宅着工は増加しました。
このような事業環境のもと、日本においては、住宅事業では、リフォーム商品に加えて高断熱窓化の更なる推進や、開口部商品とエクステリア商品等の同時提案による販売拡大に取り組んだものの、販売は前期を下回りました。ビル事業では、新築・改装分野ともに販売を拡大しました。海外においては、北米ではビル建材・住宅建材ともに販売が前期を上回りました。中国では内需における中級住宅市場での拡販により、台湾では順調な物件施工進捗により販売が前期を上回りました。インドネシアでも中級上位向け商品等の拡販により販売が好調に推移しました。
その結果、売上高(セグメント間の内部売上高を含む)は、4期連続で過去最高を更新し、前期比4.4%増の561,630百万円となりました。営業利益は、日本における原材料・資材価格の高騰や販管費の増加等の影響を販売増加や価格改定、製造コストダウン等により吸収できず、前期比29.3%減の18,108百万円と、増収減益となりました。
(c)その他
その他の事業については、不動産、アルミ製錬事業等を行っております。
その他の事業の売上高(セグメント間の内部売上高を含む)は、前期比29.3%増の39,850百万円、営業利益は1,490百万円(前期は営業損失219百万円)となりました。
当社グループの財政状態については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容」に記載しております。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、営業活動によるキャッシュ・フローの収入が、投資活動によるキャッシュ・フロー及び財務活動によるキャッシュ・フローの支出を上回り、これらに現金及び現金同等物に係る換算差額を加えた結果、前連結会計年度末に比べ29,387百万円増加し、353,329百万円となりました。
当社グループのキャッシュ・フローの状況の詳細については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報」に記載しております。
③ 生産、受注及び販売の実績
当連結会計年度末における実績は、次のとおりであります。
(a)生産実績
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セグメントの名称 |
生産高(百万円) |
前年同期比(%) |
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ファスニング |
381,836 |
114.7 |
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AP |
444,007 |
101.9 |
(注)1.上記の金額は、販売価格で表示しております。
2.その他については、そのほとんどがグループ内への販売のため記載を省略しております。
(b)受注実績
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セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高(百万円) |
前年同期比(%) |
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ファスニング |
426,985 |
115.3 |
19,550 |
106.5 |
|
AP |
557,169 |
99.2 |
279,645 |
104.9 |
(注)1.上記の金額は、販売価格で表示しております。
2.その他については、そのほとんどがグループ内への販売のため記載を省略しております。
(c)販売実績
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セグメントの名称 |
販売高(百万円) |
前年同期比(%) |
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ファスニング |
430,816 |
114.2 |
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AP |
561,415 |
104.4 |
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その他 |
6,067 |
116.7 |
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合計 |
998,299 |
108.5 |
(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループは、継続的に収益性の向上及び経営の効率性を追求してまいります。当連結会計年度(以下「当期」という)末の売上高営業利益率は、前連結会計年度(以下「前期」という)末比0.3ポイント増加の6.3%、ROA(総資産利益率)は前期末比0.5ポイント増加の3.8%となりました。
なお、当社グループの総資産は、前期末比46,979百万円増加(+3.5%)して1,402,292百万円となりました。流動資産は前期末比21,677百万円増加(+2.7%)の819,931百万円、固定資産は前期末比25,301百万円増加(+4.5%)の582,361百万円となりました。流動資産増加の主な要因は、現金及び預金の増加等です。固定資産増加の主な要因は、有形固定資産の増加等です。
当期末の負債合計は、前期末比5,489百万円減少(△1.8%)して295,330百万円となりました。流動負債は前期末比7,015百万円増加(+3.3%)の222,126百万円、固定負債は前期末比12,505百万円減少(△14.6%)の73,203百万円となりました。流動負債増加の主な要因は、賞与引当金の増加等です。固定負債減少の主な要因は、退職給付に係る負債の減少等です。
当期末の純資産は、前期末比52,468百万円増加(+5.0%)して1,106,961百万円となりました。純資産増加の主な要因は、利益剰余金の増加等です。
これらの結果、自己資本比率は前期末の76.1%から77.3%となりました。また1株当たり純資産額は、前期末の860千円から903千円となりました。
当社グループの経営成績は、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(a)キャッシュ・フローの状況
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(単位:百万円) |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
増減額 |
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営業活動によるキャッシュ・フロー |
105,708 |
118,690 |
12,982 |
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投資活動によるキャッシュ・フロー |
△99,612 |
△75,243 |
24,368 |
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フリーキャッシュ・フロー |
6,096 |
43,446 |
37,350 |
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財務活動によるキャッシュ・フロー |
1,394 |
△8,483 |
△9,877 |
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現金及び現金同等物に係る換算差額 |
24,744 |
△5,575 |
△30,320 |
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現金及び現金同等物の期末残高 |
323,941 |
353,329 |
29,387 |
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は118,690百万円と、前期に比べ12,982百万円増加しました。これは主に仕入債務の増加等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用された資金は75,243百万円と、前期に比べ24,368百万円減少しました。これは主に定期預金の払戻による収入が前期と比べ21,263百万円増加し、36,273百万円となったこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用された資金は8,483百万円(前期は1,394百万円の獲得)となりました。これは主にファイナンス・リース債務の返済による支出等によるものです。
また、為替変動の影響により、当連結会計年度は現金及び現金同等物が5,575百万円減少しました。
以上の結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末の323,941百万円から29,387百万円増加(+9.1%)して353,329百万円となりました。
(b)流動性及び資金の源泉
ア.資金調達の基本方針及び資金調達手段
当社グループは、当連結会計年度末において現金及び現金同等物を353,329百万円保有し、また、換金性の高い金融資産を19,712百万円保有しております。そのうち、海外の連結子会社が保有する現金及び現金同等物と換金性の高い金融資産の合計額は294,411百万円でありますが、これらは将来における海外事業の成長投資に充当する予定であります。なお、連結子会社は原則として銀行等の外部からの資金調達は行わず、当社や地域統括会社が連携して効率的なグループファイナンスを行っております。
当社グループは、当連結会計年度末において手許現金及び現金同等物を十分に確保しておりますが、将来における成長投資に備えて、安定的な外部資金調達能力の維持向上を図っております。当社グループにおける当連結会計年度末の外部からの借入金及び社債残高は26,623百万円であり、総資産に対して1.9%と非常に低い依存度となっており、かつ、流動比率は369.1%、自己資本比率は77.3%と、強固な財務基盤を保っております。また、当社グループは、外部機関から格付を取得しておりますが、当連結会計年度末における格付投資情報センター(R&I)の格付はAA-(信用力は極めて高く、優れた要素がある)となっております。これらに基づき、金融機関から低コストにて借入金等による追加の資金調達が可能と考えております。
なお、一時的な余資は安全性の高い金融資産で運用し、投機的な取引は一切行わないという基本方針に従い取り組んでおります。
イ.資金需要
当社グループの主な資金の源泉は営業活動によって獲得した資金であり、投資活動によるキャッシュ・フローを営業活動によるキャッシュ・フローの範囲内とする方針を掲げており、これらキャッシュ・フローの合計をフリーキャッシュ・フローと定義しております。当連結会計年度は、営業活動によるキャッシュ・フローにより118,690百万円の資金を獲得しましたが、投資活動によるキャッシュ・フローにより75,243百万円の資金を使用し、フリーキャッシュ・フローは43,446百万円となりました。財務活動によるキャッシュ・フローでは、配当金の支払い及び有利子負債の返済により8,483百万円の資金を使用しました。これらに円安による海外の連結子会社が保有する現金及び現金同等物の換算差額による減少5,575百万円を合わせ、現金及び現金同等物は前連結会計年度から29,387百万円増加し、将来における更なる成長投資に備えております。
当社グループの当連結会計年度における主な資金需要は、運転資金、設備投資資金、研究開発資金、配当金支払い資金、納税資金、M&A資金、有利子負債の返済資金等となり、当社グループは、これらの資金需要に対して主に自己資金で賄いました。翌連結会計年度における主な資金需要として、増収に伴い増加が見込まれる運転資金、設備投資資金、研究開発資金、配当金支払い資金、納税資金、及び有利子負債の返済資金等を見込んでおります。
なお、配当政策については、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載しております。
③ 重要な会計方針及び見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。