九州産業交通ホールディングス株式会社

陸運業バス・タクシー

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最終更新:

E04186 Japan GAAP

売上高

216.8億 円

前期

179.6億 円

前期比

120.7%


3 【事業の内容】

当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社、連結子会社11社及び持分法非適用関連会社3社により構成されており、自動車運送事業、食堂・売店事業、旅行業、不動産賃貸業、整備事業、航空代理店業、海上運送事業及びシェアードサービス業を主たる業務としております。

以下に示す区分は、セグメントと同一の区分であります。

(1) 自動車運送事業

九州産交バス㈱、産交バス㈱及び熊本都市バス㈱は、旅客自動車運送事業を行っております。

(2) 食堂・売店事業

九州産交バス㈱、九州産交リテール㈱及び熊本フェリー㈱は、食堂・売店事業を行っております。

(3) 旅行業

九州産交バス㈱、九州産交ツーリズム㈱及び熊本フェリー㈱は、旅行業を行っております。

(4) 不動産賃貸業

九州産交ランドマーク㈱及び九州産交バス㈱は、不動産賃貸業を行っております。

(5) 整備事業

九州産交オートサービス㈱は、自動車整備事業等を行っております。

(6) 航空代理店業

九州産交ツーリズム㈱は、航空代理店業を行っております。

(7) 海上運送事業

熊本フェリー㈱は、一般旅客定期航路事業等を行っております。

(8) シェアードサービス業

当社は、シェアードサービス業を行っております。

(9) その他

㈱KASSE JAPANはコンサルティング事業、九州BMサービス㈱はビルメンテナンス事業、九州産交プランニング㈱は広告業、九州産交カード㈱はクレジットカード事業を行っております。

 

[事業系統図]

以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。

※画像省略しています。

(注) 1 上記事業部門の会社数には、当社及び関係会社が重複して含まれております。

2 親会社である㈱エイチ・アイ・エスは、旅行業他を営んでおり、九州産交ツーリズム㈱と事業上の関係を有しております。

3 このほかに、持分法非適用関連会社として東阿蘇観光開発㈱及び㈱ワンネットがございます。

 

23/12/21

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(業績等の概要)

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大から落ち着きを見せ始め、インバウンド入国制限の緩和やマスク着用緩和対策等により運輸業や観光業をはじめとした幅広い業種で経済活動が回復傾向となりました。一方、世界的なエネルギー価格・原材料価格の上昇、各国の金融政策の方針転換等による金融資本市場の変動に伴う物価上昇や先行きのインフレ懸念、ロシアによるウクライナ侵攻の継続及び中東問題の継続など、中長期的な消費マインドへ影響を与える動きも引き続きみられ、先行きは不透明な状況で推移しております。

このような中、当社グループにおきましては、桜町再開発事業によって完成した「SAKURA MACHI Kumamoto」を中心とした複合施設を第二創業の事業基盤として、既存事業においては、利用者ニーズに即したサービスの提供により集客力を強化し営業基盤の拡充を図ると共に、「組織」、「事業」、「人事制度」及び「働きかた」の4つの取り組みから業務の効率化・合理化に継続的に取り組んでまいりました。

この結果、当連結会計年度における当社グループの業績は、売上高は21,675百万円と前年同期と比べ3,715百万円(20.7%)の増収となり、営業利益は55百万円(前年同期は営業損失1,559百万円)、経常利益は263百万円(前年同期は経常損失592百万円)、減損損失42百万円、法人税等16百万円及び非支配株主に帰属する当期純利益42百万円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は162百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失1,275百万円)となりました。

期末の配当につきましては、経営体質の強化及び今後の事業展開に備えて、内部留保の充実を図ることとし、見送らせて頂きたいと存じます。

セグメント別の業績は、次のとおりであります。文中の各セグメントの売上高は、セグメント間の内部売上高を含んでおりません。

 

(自動車運送事業)

自動車運送事業のうち路線バス事業は、熊本県内バス事業者と共同で公共交通機関の利用促進並びに利便性向上を促すことで、交通渋滞の緩和やCO2削減など環境対策に繋げることを目的として、2022年10月に「熊本県内バス・電車こども無料(大人100円)の日」(主催:花畑広場みらい創造共同企業体)、同年11月には「バス電車子ども無料・大人100円の日」(主催:熊本県バス共同経営推進室・熊本市交通局)、同年12月及び2023年3月には「バス・電車無料の日」(主催:熊本市)をそれぞれ実施しました。その他、2022年10月に運行管理体制の合理化を目的として牛深営業所の駐在化を行いました。2023年1月にはマルチモーダルモビリティサービス「my route」の活用を開始し、同年3月には交通機関と商業施設が連携し時刻案内や乗り換え案内をサポートするデジタルチケット「熊本のれーるかえーるチケット」を販売しました。同年7月には、運転士並びに運行管理者の働き方改革の一つとして松橋営業所と熊本営業所間でICTを活用した遠隔点呼の運用を開始しました。さらにグループ創業80周年を記念して、バス回送時におけるLED方向幕の表示を「80年目のありがとう新たな未来へ向けて回送中」とし、県民の皆様へ感謝の気持ちをお伝えしました。総じて当連結会計年度は、2022年12月から2023年1月まで新型コロナウイルスの感染は拡大傾向であったものの、新型コロナウイルス5類感染症移行後の5月以降、路線バス事業の輸送人員はコロナ前までほぼ回復しました。高速バス事業は、2022年10月のインバウンド入国制限緩和以降、輸送人員は徐々に回復傾向となり熊本-宮崎線「なんぷう号」並びに熊本-鹿児島線「きりしま号」の復便を実施しました。同年11月には、福岡-宮崎線「フェニックス号」並びに熊本-宮崎線「なんぷう号」において期間限定の運賃割引プラン「スーパーみやざきプラン」を共同実施しました。また、各県を結ぶ高速バスと宿泊施設をセットにした「アクセス九州」を継続販売することで、高速バス事業の増収並びに利用促進に努めました。さらに、グループECサイト稼働に先駆け、路線バスによる商品輸送(客貨混載事業)を開始し、2023年3月には阿蘇くまもと空港新旅客ターミナルビル開業に伴い、宅配業者と連携し路線バス(空港リムジンバス等)により手荷物を宿泊先までお届けする配送サービスの実証実験を行うなど、地域密着型の拠点間輸送サービスに取り組むことで利便性向上と収益確保に取り組みました。同年4月には、運行比率の均等化による増収対策のため熊本-福岡線「ひのくに号」の減便並びに新系統を追加(光の森線新設)しました。同年6月には、空港リムジンバスをはじめとする路線の運賃改定による事業全体の収支改善に取り組み、多客時の7月には、空港リムジンバスの増便並びに熊本中心部と阿蘇くまもと空港をダイレクトに結ぶ「空港特快バス」を新設することで、更なる利便性の向上と速達性の向上に取り組みました。また熊本県MaaS事業の一環として南阿蘇鉄道全線開通に合わせ「あそ・みなみあそ旅のレールバス」の発売を開始しました。貸切バス事業は、熊本市助成事業「くま泊」並びに熊本県助成事業「くまもと再発見の旅」の再開により県内の日帰りツアー及び学生団体が好調に推移しましたが、2023年1月には新型コロナウイルス感染拡大に伴い低調傾向となりました。そのような中、TSMC関連並びに各種イベントの送迎バスの稼働が好調に推移し、増収に貢献しました。また同年9月、台北-熊本線の就航に伴い台湾からのインバウンド団体集客が好調に推移し増収に貢献しましたが、一方で貸切バスの運転士不足と高齢化が喫緊の課題となっています。新規事業では2022年11月にECサイトにおいてサステナブルな取り組みの一環として廃棄車両の座席シートを活用したアップサイクル製品の販売を開始し、2023年2月には追加販売を行うなど増収に寄与しました。同年3月には「アイドルマスターシンデレラガールズ」と「熊本城復興応援プロジェクト」の特別キャンペーンとして、当キャンペーンオリジナルデザインのバス模型販売を行い増収に努めました。同年8月には、地域社会の課題解決に向けた新たなビジネスモデルへのチャレンジとして、平常時は地域の電子回覧板や自治体・事務局等からの情報受発信ツールとして活用し、災害時には安否確認システムとしての機能を備えるアプリ「地域ICTプラットフォーム結ネット」の販売代理店として契約を締結しました。その他、TSMCを始めとする工業地域の拡大に伴い周辺地域の渋滞緩和を目的とした、ノーマイカーデー施策「セミコンテクノパークにおけるノーマイカーデー実証実験」を当該工業地域企業の協力のもと、県内バス会社5社と共同で実施し、社会問題への取り組みを行いました。総じて、自動車運送事業はコロナ環境の改善により輸送人員が回復傾向となりました。

この結果、売上高は8,689百万円と前年同期と比べ1,462百万円(20.2%)の増収となり、営業利益は87百万円(前年同期は営業損失984百万円)となりました。

 

(食堂・売店事業)

食堂・売店事業は、2022年11月に北熊本サービスエリア下り線店のリニューアル工事着工に伴い、規模を縮小し仮設店舗での営業を開始しました。同年12月には「SAKURA MACHI Kumamoto」地下1階に自社で和菓子を製造・販売する新開発業態「どらがしあんあん」を出店しました。2023年1月には熊本大学食料支援事業に参画し、コロナ禍で困窮する学生への食料支援を行いました。また同年2月には、売上の一部を熊本城災害復旧支援金として熊本市へ贈呈するなど、社会貢献活動にも積極的に取り組みました。同年3月には、「アイドルマスターシンデレラガールズ」と「熊本城復興応援プロジェクト」の開催に伴い、POPUPショップの出店及びコラボ商品の販売を行いました。また、旬彩館のブランドコンセプトを新たに設定し「くまもと旬彩館」としてリニューアルすると同時に、阿蘇くまもと空港新旅客ターミナルビル開業に伴い既存の5店舗を閉店し、新たに3店舗を出店しました。同年6月には、「どらがしあんあん」の一日店長としてタレントの八代亜紀さんをお招きし、当該商品を広くアピールすることで魅力向上に繋げました。また従業員のスキル向上及びやる気の創出を目的として、サービスエリア3店舗の代表者による「社内接遇コンテスト」並びに「社内メニューコンテスト」を行いました。総じて新型コロナウイルス感染症の縮小により人流が回復基調となり、特に交通・観光拠点においては来客数が顕著に増加傾向となりました。一方、費用面において食材費等の高騰により飲食店舗では一部メニューの値上げを実施すると共に、コスト削減にも努めました。

この結果、売上高は5,806百万円と前年同期と比べ1,288百万円(28.5%)の増収となり、営業利益は48百万円(前年同期は営業損失271百万円)となりました。

 

(旅行業)

旅行業は、熊本市助成事業「くま泊」並びに熊本県助成事業「くまもと再発見の旅」の再開に伴い宿泊商品及びバスツアー商品の販売に努めましたが、2023年1月から助成事業の割引額減額により販売数は低調に推移しました。また、2022年11月には宮城県と熊本県双方の創造的復興のすがたを届ける「東北・福島震災復興チャーター」を実施、2023年3月には、阿蘇くまもと空港新旅客ターミナルビル開業記念として「台湾チャーター」を実施し、増収に努めました。同年6月には、MSCベリッシマをはじめとするクルーズ商品の販売強化に取り組み、新たな客層の獲得に繋げました。

この結果、売上高は1,352百万円と前年同期と比べ503百万円(59.2%)の増収となり、営業損失は32百万円(前年同期は営業損失67百万円)となりました。

 

(不動産賃貸業)

不動産賃貸業は、「SAKURA MACHI Kumamoto」を中心に、各種イベントの開催や周辺イベントとのコラボ等に注力し、運営基盤の強化を図りました。具体的には2022年10月に、九州産交グループ80周年記念イベントとの連動企画として「3rdアニバーサリーイベント本編・後編」を開催し、話題のスイーツを揃えた「ご褒美スイーツコレクション」や屋上サクラマチガーデンでキャンプ体験を行う「MACHI CAMP」の他、「保護犬・保護猫譲渡会(ジョートフル)」等を開催しました。同年11月には、期間限定で「ポケモンセンター出張所」をオープンし、同年12月には、花畑広場で「クリスマスマーケットイベント」が開催され多くのお客様で「SAKURA MACHI Kumamoto」も賑わいをみせました。併せて地域貢献活動の一環として「街なか清掃活動」も実施しました。2023年1月には館内で九州産交オートサービスによる「愛車無料点検」を行う等、九州産交グループ連携によるイベントを開催しました。同年2月には「バレンタインイベント」等の開催、同年3月には「アイドルマスターシンデレラガールズ」と「熊本城復興応援プロジェクト」を開催し、熊本観光のシンボルである熊本城の復興に向け、熊本に縁あるアニメアイドルグループとのコラボレーション企画を実施しました。当企画は熊本市中心市街地の活性化に寄与することも目的とし、デジタルスタンプラリーなどの実施により街なか
の回遊性を高め、熊本貢献企業としての役割を担いました。また同年9月には「4thアニバーサリーイベント」の開催、バス事業等のグループ会社と連携し「バスde産直天草うまかもん市場」を開催し、産地直送の地域産品を最寄りの天草営業所で集荷し「SAKURA MACHI Kumamoto」のスーパーマーケットでの販売を開始しました。以上のようにお客様の安全に最大限配慮しながら、集客力のあるイベントを継続実施し、また施設の特徴及び他に類のない立地性を最大限活かしつつ、お客様にいつご来館いただいてもご期待に添える施設運営を行いました。さらに施設面において「SAKURA MACHI Kumamoto」は同年4月地域ブランド形成のための情報発信並びに交流イベント、また地域住民の方への生活サポート機能及び防災拠点として地域インフラの中心的役割を担っているという点が評価され、一般社団法人日本ショッピングセンター協会主催「第7回地域貢献大賞(倉橋良雄賞)/国土交通省都市局長賞」を受賞しました。

この結果、売上高は2,211百万円と前年同期と比べ93百万円(4.4%)の増収となり、営業損失は577百万円(前年同期は営業損失541百万円)となりました。

 

(整備事業)

整備事業は、2022年10月に九州産交バス光の森営業所内に「バス光の森整備場」を新設し、バス整備体制の強化を図りました。2023年1月には燃料価格並びに部品原価の高騰を受け、車検の基本料金改定、自動車整備及び鈑金整備の基本料金改定を行い、適正な価格転嫁を実施することで収益改善に努めました。また、すまいる館八代南インター店では人材確保が厳しい状況のなか、外国人技能実習生を2名新規採用、更に自動車整備士資格取得の支援制度及び支援体制の充実を図りました。また同年4月には、整備士職の初任給及び基本給のベースアップを実施するなど、人材確保に注力しました。しかし、新型コロナウイルスは収束傾向にあるものの、ウクライナ侵攻による地政学リスク等の影響による継続的な部品調達コストの上昇と供給不足による新車納期の長期化、更に中古車の価格上昇が商材仕入れに影響を及ぼし、厳しい状況が継続しております。

この結果、売上高は1,189百万円と前年同期と比べ21百万円(1.8%)の減収となり、営業利益は96百万円と前年同期と比べ21百万円(18.4%)の減益となりました。

 

(航空代理店業)

航空代理店業は、委託を受ける航空会社のニーズに沿った安全性・定時制・快適性の基本品質向上を目指し、お客様へより良いサービスが提供できるように努めました。2023年3月には阿蘇くまもと空港新旅客ターミナルビルが開業し、スターラックス航空(台湾線)チャーターのハンドリング業務を受託するなど、国際線の乗り入れも動き始めました。旅客数の増加に伴う大型機材の就航、さらに国際線の増便と力強い回復傾向にあり、各種受託業務などによる増収対策に取り組みました。同時に採用活動にも注力し人材確保と教育の充実を図りました。

この結果、売上高は661百万円と前年同期と比べ125百万円(23.5%)の増収となり、営業利益は93百万円と前年同期と比べ26百万円(38.8%)の増益となりました。

 

(海上運送事業)

海上運送事業は、全国旅行支援の再開・期間延長に伴い国内旅行の気運が高まり、特に修学旅行並びにインバウンド需要が徐々に回復基調となりました。2022年10月よりオーシャンアロー船内において、ピアノや管楽器による演奏会を実施しお客様満足度の向上に取り組みました。2023年1月には「クルーズトレインななつ星in九州」の行程にオーシャンアローに乗船するコースが採用され、同年9月には島原温泉ガマダス花火大会に合わせた「オーシャンアロービアクルーズ&花火」を開催し増収に努めました。また、第二のコア事業である調査観測清掃船「海煌」等の運航管理業務受託による、さらなる運航体制を確立し、毎年受託可能な基盤作りを整えることで収益確保に努めてまいります。

この結果、売上高は730百万円と前年同期と比べ210百万円(40.6%)の増収となり、営業利益は33百万円(前年同期は営業損失132百万円)となりました。

 

(シェアードサービス業)

シェアードサービス業は、費用面において周年行事による広告費の増加等により、売上高は33百万円と前年を上回り、営業利益は183百万円と前年同期と比べ40百万円(28.6%)の増益となりました。

 

(その他)

コンサルティング事業は、引き続き、熊本県が実施する委託事業の受託等に注力しました。また上天草市観光交流施設「mio camino AMAKUSA」では、2022年12月にBBQメニューに牡蠣メニューを導入、その他天草陶器フェアを開催するなど商品構成とイベント性の魅力を高め、さらに新型コロナウイルス収束傾向を追い風に収益が改善しました。また、「SAKURA MACHI Kumamoto」2階の「くまモンビレッジ」も観光を含む人流が活発になったことで好調に推移し、2023年3月には「くまモン誕生祭WEEK企画」を開催しました。また5月には、グループECサイト「KUMATOKU」をグランドオープンし、熊本を代表する特産品をはじめグループの商材等の販売を本格的に開始しました。「阿蘇山上ターミナル」では、2022年11月の噴火警戒レベル移行により、約13カ月振りに「阿蘇山火口シャトル」の運行が再開されました。その後再び入山規制があったものの、2023年3月には運行再開と共にインバウンド需要の高まりを受け運行便数を18便へ増便しました。また、同年8月には阿蘇中岳火口新見学エリア(Eゾーン)が開設し、ガス規制時の新たな見学ルートとして運用が開始されました。引き続き各種委託事業の確実な受託と観光需要を最大限結果に繋げ、収益確保に努めてまいります。

ビルメンテナンス事業は、「SAKURA MACHI Kumamoto」をはじめとするグループ保有施設及び、桜町再開発複合施設のホテルや施設共用部などの円滑な施設運営並びに管理に取り組んでまいりました。2022年10月には「桜町ガードセンター」を内製化し、外注コストの削減に努めました。また、従業員の資格取得モチベーション並びに技術力向上を図るため資格手当の拡大に取り組み、サポート体制を強化しました。2023年4月には、桜町ビルに所有する「KOKO HOTEL premier」のレストラン開設に伴う設備管理業務の受託、同年7月には同施設共有部の清掃業務受託、さらに8月には法定点検業務の内製化を実施することで外注原価の削減を実現しました。引き続き各施設の運営・管理を維持し外注原価の低減及び品質の向上に取り組むことで、更なる受託物件の拡大と収益向上に向け取り組んでまいります。

広告事業は、引き続き、九州産交グループ内の広告出稿の内製化に取り組むと共に、新規クライアント獲得(外販)にも注力しました。2022年10月には、「九州産交80祭」の企画運営並びにサクラマチ開業3周年のプロモーションに努めました。2023年3月には、阿蘇くまもと空港新旅客ターミナルビルオープニングセレモニーの運営を行い、同年9月にはサクラマチ開業4周年のプロモーション等、増収に努めました。

クレジットカード事業は、「SAKURA MACHI Kumamoto」を中心に展開している公式カード「SAKURA MACHI Card」の会員募集を継続的に行い、会員獲得に注力しました。

この結果、売上高は1,000百万円と前年同期と比べ32百万円(3.3%)の増収となり、営業利益は24百万円と前年同期と比べ23百万円(1,943.4%)の増益となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて637百万円(44.5%)増加し、2,068百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により獲得した資金は、2,293百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益220百万円及び減価償却費1,718百万円及び未払金の増加288百万円と預り金の増加298百万円があったものの、法人税等の支払額167百万円があったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により使用した資金は、982百万円となりました。これは主に、固定資産の売却による収入155百万円があったものの、固定資産の取得による支出626百万円及び投資有価証券の取得による支出が496百万円があったことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により使用した資金は、674百万円となりました。これは主に、短期借入れによる収入52,193百万円及び長期借入による収入732百万円があったものの、短期借入金の返済による支出51,650百万円、長期借入金の返済による支出1,390百万円及びファイナンス・リース債務の返済による支出559百万円があったことによるものであります。

 

 

(生産、受注及び販売の状況)

(1) 生産実績

該当事項はありません。

 

(2) 受注実績

該当事項はありません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

自動車運送事業

8,689

20.2

食堂・売店事業

5,806

28.5

旅行業

1,352

59.2

不動産賃貸業

2,211

4.4

整備事業

1,189

△1.8

航空代理店業

661

23.4

海上運送事業

730

40.6

シェアードサービス業

33

183.0

その他

1,000

3.3

合計

21,675

20.7

 

(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。

2 主要な相手先(総販売実績に対する割合が10%以上)に該当するものはありません。

 

(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表作成にあたって、経営者は、決算日における資産・負債及び報告期間における収益・費用の報告金額ならびに開示に影響を与える見積りを必要としております。

経営者は、この見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

(2) 当連結会計年度の経営成績の分析

当社グループの当連結会計年度の経営成績の分析につきましては「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(業績等の概要)」に記載しているとおりであります。

 

(3) 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループを取り巻く事業環境は、新型コロナウイルス感染症に対するワクチン接種が進み、景気回復が期待されるものの、経済活動の再開に伴う需要拡大による原油価格の高騰やロシアによるウクライナ侵攻などの地政学的リスクもあり、依然として先行きは不透明な状況です。また、都市部での交通渋滞による路線バス定時性の悪化、地方の過疎化などが更に進むことによるバス利用需要の収縮、新興国の経済成長による原油価格上昇等にも留意する必要があります。

 

(4) 戦略的現状と見通し

当社グループは、これらの現状を踏まえ「攻めの経営」を基本方針として実践していくため、2023年度経営方針である「社会が求める商品とサービスを探求し顧客と社員の満足度を高め九州産交グループを再構築しよう」、経営スローガンの「スピード!チャレンジ!あきらめるな!」を掲げ、社員1人1人が経営方針及び経営スローガンを強く意識し自らの行動に反映させ、個々のお客様のニーズに応じたサービスや商品の提供により収益を獲得し(顧客本位、需要創造)、お客様に選んで頂ける商品造成及びサービスの提供に注力して(価値向上、営業力の強化)、収益確保に努めてまいります。

事業別の戦略的現状と見通しにつきましては「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しているとおりであります。

 

(5) 財政状態

当連結会計年度の総資産は、前連結会計年度末より964百万円(1.8%)増加し、55,001百万円となっております。

流動資産は、未収入金が171百万円(57.1%)増加し、売掛金が374百万円(12.2%)増加したこと等により、前連結会計年度末より1,094百万円(20.4%)増加し6,452百万円となっております。

固定資産は、建物及び構築物が730百万円(3.4%)減少し、リース資産が83百万円(4.0%)減少したこと等により、前連結会計年度末より130百万円(0.3%)減少し48,549百万円となっております。

負債残高は、前連結会計年度末より694百万円(1.6%)増加し、44,092百万円となっております。

流動負債は、短期借入金が43百万円(1.0%)増加し、1年内返済予定の長期借入金が1,170百万円(80.9%)増加したこと等により、前連結会計年度末より2,025百万円(21.2%)増加し,11,585百万円となっております。

固定負債は、長期借入金が1,328百万円(5.2%)減少したこと等により、前連結会計年度末より1,330百万円(3.9%)減少し32,506百万円となっております。

純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により、前連結会計年度末より269百万円(2.5%)増加し10,909百万円となっております。

なお、当社グループの資金の状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(業績等の概要) (2)キャッシュ・フローの状況」に記載しているとおりであります。

 

(6) 経営者の問題意識と今後の方針について

当社グループを取り巻く事業環境は、原材料価格の高騰や軽油価格の不安定により、依然として厳しい状況と認識しております。

このような中、当社グループにおきましては、桜町再開発によって完成した複合施設を第二創業の事業基盤とし、桜町再開発による収益を柱とし、既存事業においては「組織」、「事業」、「人事制度」及び「働きかた」の4つの企業改革を実施し、事業の選択と集中(捨象)により不採算事業から撤退するとともに、多角化により経営基盤を強化し収益力を向上いたします。また、「攻めの経営」を加速し、新規事業の創出を図り事業拡大の実現にチャレンジしてまいります。