E04631 Japan GAAP
前期
6.30億 円
前期比
123.7%
当社は、メンバーシップ制によるゴルフ場を経営し、ゴルフプレイヤーにゴルフコースを使用させ、それに付随して、食堂、売店及びロッジの運営を行っております。
倶楽部は、諸規定により合理的に運営されており、経費については年会費、メンバーフィ、ビジターフィ、食堂収入及びキャディフィ等をもって賄っております。
なお、営業収入の内容を構成比で示すと次のとおりであります。
(注)当社は、ゴルフ場事業の単一セグメントであるためセグメント関連の記載は省略しております。
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度は、前半ではコロナ禍による活動自粛、後半では積雪による3日間のクローズの影響を受けつつも、トーナメント等の開催効果と開場70周年を次年度に控えた事前営業活動が功を奏し、2年連続で最終黒字を実現しました。
営業収益は、ビジター来場者数が前年同期比2,242名増加した等により149,218千円(前期比+23.7%)増収の779,292千円となりました。
費用の面では、来場者数増加に伴う変動費の増加に加え、トーナメント開催時準備に係る修繕費の増加、エネルギー価格の高騰に伴う物件費の増加があり、営業費用は645,858千円(前年同期比10.5%増)、一般管理費は148,875千円(前年同期比9.7%増)の費用合計794,733千円(前年同期比10.4%増)となり、営業損失は15,441千円(前年同期比74,499千円改善)となりました。
一方、営業外収益は、開場70周年記念協賛金の協力を得て、30,552千円を計上しました。その結果、税引前当期純利益は15,111千円となり、2期連続の黒字を確保できました。
また、総資産合計1,069,426千円に対し、負債合計801,152千円、純資産合計268,274千円であり、財務健全性に支障ない財政状態を維持しているものと判断しております。
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、営業活動によるキャッシュ・フローがその他営業外収益の受取額29,878千円が生じたこと等により55,438千円増加した寄与が大きく、投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出36,120千円があったものの、当事業年度中の資金は16,373千円増加し、当事業年度末は422,579千円(前期比4.0%増加)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度の営業活動の結果、増加資金は55,438千円となり、前年同期比で45,943千円減となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、36,120千円(前期比25,002千円増)となりました。
主な要因は、コース管理作業場新設工事14,068千円、男子更衣ロッカー設置12,730千円、上水・下水系統配管切替工事3,836千円等有形固定資産の取得によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、2,946千円となりました。
コンピューター機器、グリーンモア機に係るリース債務の返済によるものであります。
③(生産・受注及び販売の実績)
(注)当期における会計方針の変更により、名義変更料は営業外収益から営業収益に移動しております。
前事業年度において当事業年度と同一の会計方針を採用した場合、名義変更料は81,620千円計上されることとなります。
(2)(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。財務諸表の作成に当たっては、決算日における資産・負債の報告数値および偶発資産・負債の開示、ならびに報告期間における収入・費用の報告数字に影響を与える見積りについては、過去の実績や状況に応じ、合理的と見られる見積りおよび判断によって行っています。
ゴルフ業界を取り巻く環境は、コロナ禍がワクチンの普及等により収束に向かう中、引き続きソーシャルディスタンスを保てるスポーツとして、ゴルフ人口は持ち直しの傾向がみられます。当事業年度においては、9年振りとなる「アジアパシフィックオープンゴルフ ダイヤモンドカップ2022」の開催や、当倶楽部初となる日本女子プロゴルフ協会女子プロテスト最終選考会の開催により、来場者総数は36,708名で前期比2,382名増加(6.9%増)し、営業収益は名義変更料の表示及び会計基準変更もあり、779,292千円、前期比149,218千円の増収(23.7%増)となりました。収益面は、開場70周年記念事業協賛金等の営業外収益30,552千円計上となり、経常利益は15,111千円、当期純利益は14,488千円と2期連続の黒字計上となりました。
コロナ禍による移動自粛、台風等による倒木被害及び積雪など自然災害によるクローズを要因とする来場者数の減少、プレー料金の低価格競争への追従はゴルフ場共通の成績悪化要因として認識しております。また、当倶楽部特有の要因として、近隣の原子力関連施設の放射能漏れの風評状況は経営成績に影響を及ぼす要因となります。
ゴルフがウィズコロナ等に適したスポーツとして認識されてきた中、当倶楽部の経営成績向上を図る策としては、他コースとのプレー低価格競争には一線を画し、トーナメント会場誘致等によりプロやトップアマが認める日本屈指の戦略的難コースとして改めて広報することで品格とプレー価格を維持していくことが重要と考えております。その考えに基づいた営業努力の結果、当事業年度のプロのトーナメントやプロテストを開催することができました。今後も同種の競技の誘致を行うとともに、その実績を活用して経営成績向上につなげることに努めます。
当期末資金残高は422,579千円となり、前期比16,373千円増加しております。当該資金を原資として、当社財務健全性を堅持しつつ将来におけるコースメンテナンスに備えることが必要となっております。キャッシュ・フローの状況は、「(1)経営成績等の状況の概要、②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社の経営陣は、現在のゴルフ場経営を取巻く事業環境が厳しく、本県内外を問わず来場者数の増加促進が極めて重要であると認識しております。かかる状況認識に基づき、各種イベント開催や潜在的顧客を開発するための営業施策を企画立案の上その実践に尽力しております。
また当社ゴルフ場の提供するサービスやその品質を低下させることなく、諸経費の圧縮に取り組みながら、健全経営の構築に努めております。
なお、本記載において将来に関する事項は当期末時点に拠るものであります。