アルピコホールディングス株式会社

陸運業バス・タクシー

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最終更新:

E15690 Japan GAAP

売上高

926.4億 円

前期

878.0億 円

前期比

105.5%


3【事業の内容】

 当社グループは、当社と当社の子会社10社及び関連会社1社で構成されており、当社は純粋持株会社として子会社の事業活動の支配・管理を行っており、子会社が流通事業、運輸事業、観光事業、不動産事業、その他のサービス事業を行っております。

 なお、当連結会計年度より、報告セグメントの名称を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。

 主要な関係会社の異動は、以下のとおりであります。

 当社の連結子会社である株式会社デリシアが株式会社マックドラッグの全株式を取得したため、同社を連結子会社としております。

 当社の連結子会社であるアルピコ交通株式会社における蓼科高原別荘地事業を分割し、アルピコ蓼科高原リゾート株式会社を設立したため、連結子会社としております。

 当社の連結子会社であるアルピコ交通株式会社が、株式交換により当社の連結子会社であるアルピコタクシー株式会社の全株式を取得しております。

 当社の連結子会社である東洋観光事業株式会社におけるホテル・旅館等の運営事業を分割し、アルピコホテルズ株式会社を設立したため、連結子会社としております。なお、東洋観光事業株式会社はアルピコリゾート&ライフ株式会社へ商号変更をいたしております。


 2023年3月31日現在における当社グループの事業内容は、次のとおりであります。

 (1) 流通事業

 長野県内で小売事業を行っております。

(主な子会社)

 ㈱デリシア、㈱マックドラッグ

 (2) 運輸事業

 鉄道事業の営業路線は、松本~新島々間(14.4キロ)の上高地線であり、松本市西部住民の輸送及び上高地、乗鞍高原方面への観光客の輸送を行っております。

 自動車事業につきましては、長野県内を中心に乗合旅客自動車事業(一般生活路線・高速バス)、貸切旅客自動車事業、乗用旅客自動車事業、自動車整備事業を行っております。

(主な子会社)

 アルピコ交通㈱、アルピコタクシー㈱

 (3) 観光事業

 長野県内で、ホテル・旅館事業、サービスエリア事業、旅行事業、ゴルフ場事業を行っております。

(主な子会社)

 アルピコ交通㈱、アルピコホテルズ㈱、アルピコ長野トラベル㈱、アルピコリゾート&ライフ㈱

 (4) 不動産事業

 不動産の賃貸及び売買事業、別荘分譲地管理事業を行っております。

(主な子会社)

 アルピコ交通㈱、アルピコリゾート&ライフ㈱、アルピコ蓼科高原リゾート㈱

 (5) その他のサービス事業

 長野県内を中心に保険代理店事業等を行っております。

(主な子会社)

 アルピコ保険リース㈱

 以上述べた事項を図によって示すと次のとおりであります。

 

※画像省略しています。

 

(注)当社(連結財務諸表提出会社)は、一般顧客との商品の販売・サービスの提供はありません。

 

23/06/29

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(経営成績等の状況の概要)

(1) 財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度における日本経済は、ウクライナ紛争等に因る資源価格の上昇が物価高や電気料金等のコストアップを招いた他、新型感染症の影響によるサプライチェーンの混乱等により、回復に向けた動きは一進一退の状況が続きました。物価高が消費回復を遅らせており新型感染症の再拡大も見られた半面、宿泊・レジャー・外食等のサービス消費は全国旅行支援の効果も寄与し需要回復が見られました。生産・輸出については設備投資や外需が世界経済の減速の影響を受け、年度末にかけては弱含みで推移いたしました。景気回復は足踏み状態となっており、今後、世界的な景気後退懸念が高まる一方、本邦においては物価高・コストアップや人手不足、金利上昇観測が継続していることから、先行きについては不透明感が増しております。

 このような環境下において、当社グループは、『アルピコグループ中期経営計画(Change & Challenge 2023)』に取り組んでおり、「大胆な構造改革による生産性向上」「新たな事業価値の創造と実践」「企業文化の変革」を3つの基本方針としております。主要事業別では、流通事業においては、「店舗、本部業務の効率化」「店舗外販売チャネルの拡大」等に、運輸事業においては、「車両、人員配置の適正化」、「タクシー配車アプリの導入」等に、観光事業においては、「ホテル内業務の集約・統合」「新たな観光・旅行資源の開発」等に取り組んでおります。

 この結果、当連結会計年度(2022年4月1日~2023年3月31日)の連結営業収益は92,637,628千円と、前連結会計年度に比べ4,840,839千円増加(前期比5.5%増)となりました。また、連結営業利益は545,377千円と、前連結会計年度に比べ2,095,845千円改善(前連結会計年度は1,550,467千円の営業損失)となりました。

 当連結会計年度より、従来の「レジャー・サービス事業」から「観光事業」へとセグメントの名称を変更しております。なお、当該セグメントの名称変更によるセグメント情報に与える影響はありません。

 

 当連結会計年度のセグメント別の概況は次のとおりであります。

 流通事業の営業収益は71,098,677千円と、前期に比べ682,031千円減少(前期比1.0%減)となりました。また、営業利益は1,297,447千円と、前期に比べ667,514千円減少(前期比34.0%減)となりました。

 運輸事業の営業収益は10,707,863千円と、前期に比べ2,191,858千円増加(前期比25.7%増)となりました。また、営業損失は104,533千円と、前期に比べ1,536,750千円改善(前期は1,641,283千円の営業損失)となりました。

 観光事業の営業収益は9,481,497千円と、前期に比べ3,266,554千円増加(前期比52.6%増)となりました。また、営業損失は155,855千円と、前期に比べ1,255,192千円改善(前期は1,411,048千円の営業損失)となりました。

 不動産事業の営業収益は1,286,033千円と、前期に比べ36,334千円増加(前期比2.9%増)となりました。また、営業利益は120,350千円と、前期に比べ8,292千円減少(前期比6.4%減)となりました。

 その他のサービス事業の営業収益は345,714千円と、前期に比べ40,046千円増加(前期比13.1%増)となりました。また、営業利益は70,115千円と、前期に比べ22,740千円増加(前期比48.0%増)となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末と比べ76,757千円減少(前期比2.8%減)し、2,687,383千円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益222,789千円に、減価償却費3,156,053千円、のれん償却額305,533千円、減損損失235,291千円、売上債権の増加額470,995千円、等の項目を加減した結果、3,538,780千円の資金収入(前期比52.8%増)となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出2,636,060千円、無形固定資産の取得による支出208,347千円、補助金収入304,235千円等により、2,470,918千円の資金支出(前期比51.6%増)となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入による収入6,820,000千円、長期借入金の返済による支出7,049,013千円、リース債務の返済による支出977,993千円等により、1,144,619千円の資金支出(前期比29.1%減)となりました。

 

(3) 生産、受注及び販売の実績

 当社グループの各事業は、受注生産形態をとらない事業であるため、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。

 なお、販売の状況については、「(経営成績等の状況の概要) (1)財政状態及び経営成績の状況」における各事業の区分の業績に関連づけて示しております。

 

(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討等)

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2023年3月31日)現在において判断したものであります。

(1) 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般的に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。当連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

(2) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

① 財政状態

(資産合計)

 当連結会計年度末における資産総額は54,307,459千円となり、前連結会計年度末に比べ41,758千円増加いたしました。これは、主に売上債権の増加等によるものであります。

(負債合計)

 負債総額は44,517,549千円となり、前連結会計年度末に比べ84,802千円増加いたしました。これは、主に仕入債務の増加等によるものであります。

 純資産残高は親会社株主に帰属する配当金の支払等により、前連結会計年度末に比べ43,043千円減少し、9,789,909千円となりました。

 

② 経営成績

(営業収益)

 当連結会計年度における連結営業収益は、主に運輸事業における都市間高速路線バス及び貸切バス、また観光事業においてホテル旅館事業の宿泊を中心に回復がみられ売上が増加したこと等から、前連結会計年度に比べ5.5%増の92,637,628千円となりました。

(営業費)

 当連結会計年度における運輸業等営業費及び売上原価は、売上増加に伴う売上原価の増加等から、前連結会計年度に比べ2.4%増の66,126,258千円、販売費及び一般管理費では4.8%増の25,965,992千円となりました。

(営業利益)

 当連結会計年度における営業利益は、流通事業おいて営業収益が減少する一方、人件費及び経費の抑制により、前連結会計年度に比べ2,095,845千円増加し545,377千円(前連結会計年度は1,550,467千円の営業損失)となりました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

 親会社株主に帰属する当期純利益は、営業利益が増加したこと等により、72,528千円(前連結会計年度は643,116千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。

 

③キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(経営成績等の状況の概要) (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

(3) 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社グループの経営に影響を与える大きな要因としては、従来から認識していた、労働人口の減少、消費行動の変化、社会規範の厳格化、技術革新の加速等に加えて、新型感染症の流行の長期化を大きな要因として認識しております。

 これらの事業環境に対応すべく、長野県内における各事業シェアの拡大、保有・運営する施設と商品及びサービスの質の向上、経営資源の効率活用や経営基盤の強化に取り組んでおります。

 ここ数年の具体的な取組として、流通事業におきましては、食品スーパー「デリシア」50店舗及び業務スーパー「ユーパレット」8店舗の合計58店舗の展開に加え、移動販売「とくし丸」を29台運行、ネットスーパーを15拠点で展開しマルチチャネル化による顧客・マーケットの拡大、深耕を進めております。また、株式会社デリシアは、調剤薬局事業及びドラッグストア事業を営んでいる株式会社マックドラッグを子会社化し、OTC医薬品販売取扱い店舗拡大や、調剤薬局事業への進出を進めております。運輸事業におきましては、アルピコ交通大阪株式会社及びアルピコ交通東京株式会社をアルピコ交通株式会社に吸収合併し、また、アルピコタクシー株式会社を株式交換によりアルピコ交通株式会社の子会社とし経営の効率化を図っております。観光事業におきましては、中核会社の東洋観光事業株式会社を、ホテル・旅館の運営を担うアルピコホテルズ株式会社と、主に蓼科地区での別荘・ゴルフ場運営等を担うアルピコリゾート&ライフ株式会社との2社に分社化しそれぞれの専門性を十分発揮できる体制といたしました。

 このような諸施策の実行に加えて、当社グループは以下の事業戦略を確実に実施してまいります。

・外部環境に左右されない強靭な経営基盤への変革

・SDGsに取り組み、社会課題解決に資すること

・グループ内の経営資源の活用による事業シナジーの創出

・新たな事業価値の創造と実践に向けた新規事業開発

 

(4) 資本の財源及び資金の流動性

(資金需要)

 当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、流通事業における仕入原価及び物流費、運輸事業における車両維持管理費、その他各事業における一般管理費等があります。また、設備資金需要としては流通事業における老朽化店舗への更新投資、運輸事業における車両更新投資、観光事業におけるホテル・旅館等に対する設備投資等があります。

(財務政策)

 当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、金融機関からの借入により資金調達を行い、CMS(キャッシュ・マネジメント・システム)により効率的に資金を運用しております。また、運転資金及び設備資金につきましては、当社において一元管理しております。

 当社グループの主要な事業資産に対しては、各事業を取り巻く事業環境を考慮したバランスのとれた投資を行うことで、回収効率を高め、当社グループの全体の有利子負債の削減を図ってまいります。

 また、資金調達コストの低減に努める一方、過度の金利変動リスクに晒されないよう、借入の一部について金利スワップ等の手段を活用しております。

 

(5) 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループが、中期経営計画「Change & Challenge 2023」において定めた主な指標等は次のとおりであります。

 ①生産性向上に向け、グループ間接部門業務の集約と合理化・システム化に取り組みます。

 ②経営体質の強靭化に向け、事業構造の変革により高い固定費比率の改善と労働生産性の向上に取り組みます。

 ③事業価値の創造に向けて、新たな収益の柱の構築に取り組みます。新技術や新サービスをグループ横断的に導入し連携を強化します。

 ④企業文化の変革に向けて、従業員のモチベーションとエンゲージメントの向上を図ります。

 

(6) セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

(流通事業)

 流通事業は、長野県内において2023年3月末現在で食品スーパー「デリシア」50店舗(内フランチャイズ1店舗)及び業務スーパー「ユーパレット」8店舗の合計58店舗の展開に加え、移動販売「とくし丸」を29台運行、ネットスーパーを15拠点で展開しマルチチャネル化による顧客・マーケットの拡大、深耕を進めております。当連結会計年度は物価高によるお客様の消費マインドの低下が顕著に見られ、前期比では減収となりました。

 損益面では、原材料、仕入価格の高騰による粗利益率の悪化、電気料金の高騰等が利益の押下げ要因となりました。

 これらの結果、流通事業の営業収益は71,098,677千円と、前期に比べ682,031千円減少(前期比1.0%減)となりました。また、営業利益は1,297,447千円と、前期に比べ667,514千円減少(前期比34.0%減)となりました。

(運輸事業)

 新型感染症の影響により需要の回復に足踏みが見られた一方、都市間高速路線が年度末にかけては回復の動きが顕著となりました。また、全国旅行支援や入国制限の緩和により観光利用は一定程度回復した他、イベント輸送や貸切バス利用も回復し、バス事業全体で 前期比増収となりました。

 タクシー事業は、新型感染症の動向に敏感に左右される中、主力の市街地乗用利用に回復の動きが見られた他、燃料価格補助金等の受給もあり、前期比増収となりました。

 鉄道事業は、2021年8月の豪雨による田川橋りょう被災の復旧工事の完了により、全線にて運行が再開(2022年6月)され、通勤通学等による定期利用客や観光利用に回復が見られ、前期比増収となりました。

 これらの結果、運輸事業の営業収益は10,707,863千円と、前期に比べ2,191,858千円増加(前期比25.7%増)となりました。また、営業損失は104,533千円と、前期に比べ1,536,750千円改善(前期は1,641,283千円の営業損失)となりました。

(観光事業)

 ホテル・旅館事業は、松本市内5施設、諏訪市内1施設の全6施設において宿泊を中心に回復が見られ、前期比増収となりましたが、宴会利用の本格的な需要回復には至っておりません。この間、人手不足が顕在化し稼働率向上に向けてのボトルネックとなりました。

 サービスエリア事業は、秋の観光シーズンや年末年始の連休期間中に行動制限が実施されず、また、年度末にかけては立寄り客の増加が顕著となり前期比増収となりました。

 旅行事業は、新型感染症の動向に大きく左右され本格回復には至らず、コロナ禍前(2019年度実績)との比較では営業収益は5割程度に留まるものの、修学旅行等の教育関連を中心に一定の収益を確保した他、全国旅行支援等の効果も加わり前期比では増収となりました。

 これらの結果、観光事業の営業収益は9,481,497千円と、前期に比べ3,266,554千円増加(前期比52.6%増)となりました。また、営業損失は155,855千円と、前期に比べ1,255,192千円改善(前期は1,411,048千円の営業損失)となりました。

(不動産事業)

 テナント賃貸事業は、新型感染症のワクチン接種会場として空きフロアの利用が継続する等、前期比増収となりました。また、別荘分譲地管理事業は、都市圏からの移住需要等を背景に茅野市の「蓼科高原別荘地」及び原村の「八ヶ岳中央高原四季の森」分譲地の区画販売と別荘工事受注が堅調に推移しましたが、原価高により利幅の圧縮を余儀なくされました。

 これらの結果、不動産事業の営業収益は1,286,033千円と、前期に比べ36,334千円増加(前期比2.9%増)となりました。また、営業利益は120,350千円と、前期に比べ8,292千円減少(前期比6.4%減)となりました。

(その他のサービス事業)

 保険代理店事業は、既存顧客への多種目提案により保険契約が増加すると共に、保険ショップ第1号店の開店(2022年9月)も寄与し、前期比増収となりました。

 これらの結果、その他のサービス事業の営業収益は345,714千円と、前期に比べ40,046千円増加(前期比13.1%増)となりました。また、営業利益は70,115千円と、前期に比べ22,740千円増加(前期比48.0%増)となりました。