アルピコホールディングス株式会社

陸運業バス・タクシー

売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E15690 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

①経営成績

 当第3四半期連結累計期間(2023年4月1日~2023年12月31日)における日本経済は、新型感染症の影響がほぼ解消され、外食・宿泊・レジャー等のサービス関連消費が力強い回復を示しました。また、生産や輸出も全般的に堅調に推移しております。一方で、運輸や観光業界では労働力不足の深刻化が継続しており、さらに、物価の上昇やコストの増加、そして金利上昇の懸念が経済の先行きを不透明にしております。

 このような環境下において、当社グループは、『アルピコグループ中期経営計画(Change & Challenge 2023)』に取り組んでおり、「大胆な構造改革による生産性向上」「新たな事業価値の創造と実践」「企業文化の変革」を3つの基本方針としております。主要事業別では、流通事業においては、「店舗、本部業務の効率化」「店舗外販売チャネルの拡大」等に、運輸事業においては、「車両、人員配置の適正化」、「タクシー配車アプリの導入」等に、観光事業においては、「ホテル内業務の集約・統合」「新たな観光・旅行資源の開発」等に取り組んでおります。

 この結果、当第3四半期連結累計期間の業績は、連結営業収益75,716,718千円(前年同期比7.8%増)、連結営業利益2,419,957千円(前年同期比344.0%増)となりました。

 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 

a. 流通事業

 流通事業は、食品スーパー「デリシア」51店舗(フランチャイズ含む)と業務スーパー「ユーパレット」9店舗を運営しており、合計で60店舗を展開しております。さらに、マルチチャネル戦略として、移動販売「とくし丸」31台やネットスーパー16拠点を展開しており、また、2023年8月には長野県内初となる「セルフ型無人決済店舗」1号店を茅野市蓼科にオープンし、顧客基盤とマーケット及びチャネルの拡大を推進しております。当第3四半期では、商品価格の見直しによる単価の上昇が貢献し、前年同期比で増収となりました。また、原材料価格や人件費等、コストの増加を増収によりカバーし、前年同期比で増益となりました。

 この結果、当第3四半期連結累計期間の業績は、営業収益56,753,323千円(前年同期比5.2%増)、営業利益1,579,958千円(前年同期比34.7%増)となりました。

 

 

 

b. 運輸事業

 バス事業は、上高地や白馬等の県内観光地への輸送を担う観光系路線の国内外からの需要取り込みを主因に回復が鮮明となりました。

 タクシー事業は、市街地での利用回復と運賃改定(2023年9月)により前年同期比で増収となりましたが、乗務員の不足が業績回復の阻害要因となっております。

 鉄道事業は、観光需要の回復により、前年同期比で増収となりました。

 この結果、当第3四半期連結累計期間の業績は、営業収益8,955,336千円(前年同期比16.2%増)、営業利益576,760千円(前年同期は424,389千円の営業損失)となりました。

 

c. 観光事業

 ホテル・旅館事業は、松本市内5施設、諏訪市内1施設を運営し、宿泊を中心に回復基調が強まる一方、労働力不足や競合激化が大きな課題となっております。

 サービスエリア事業は、立寄り客の増加による需要回復や価格の見直しにより、前年同期比で増収となりました。

 旅行事業は、修学旅行等の教育関連や法人需要の回復により、前年同期比で増収となりました。

 また、茅野市蓼科のリゾート事業は、ゴルフ場の来場者数が好調に推移した他、2023年7月には新たにキャンプ場施設をオープンし増収に寄与しました。

 この結果、当第3四半期連結累計期間の業績は、営業収益8,998,573千円(前年同期比19.9%増)、営業利益645,770千円(前年同期比382.6%増)となりました。

 

d. 不動産事業

 別荘分譲地管理事業は、建築サービス売上が伸び悩んでおります。また、テナント賃貸事業は、新型感染症のワクチン接種会場としての利用が減少し、前年同期比で減収となりました。

 この結果、当第3四半期連結累計期間の業績は、営業収益932,576千円(前年同期比6.8%減)、営業利益52,474千円(前年同期比48.1%減)となりました。

 

e. その他のサービス事業

 保険事業は、前年同期比で増収となりましたが、人件費やその他経費の増加が利益を圧迫しております。

 この結果、当第3四半期連結累計期間の業績は、営業収益284,232千円(前年同期比6.4%増)、営業利益61,310千円(前年同期比4.1%減)となりました。

 

②財政状態

(資産合計)

 当第3四半期連結会計期間末における資産総額は60,405,468千円となり、前連結会計年度末に比較して6,098,009千円増加しました。これは、主に当第3四半期連結会計期間末が休日であったことに伴う現金及び預金の増加等によるものであります。

(負債合計)

 当第3四半期連結会計期間末における負債総額は49,229,675千円となり、前連結会計年度末に比較して4,712,126千円増加しました。これは、主に当第3四半期連結会計期間末が休日であったことに伴う支払手形及び買掛金の増加等によるものであります。

(純資産合計)

 当第3四半期連結会計期間末における純資産総額は11,175,792千円となり、前連結会計年度末に比較して1,385,883千円増加しました。これは、主に親会社株主に帰属する四半期純利益の計上及び配当金の支払い等によるものであります。

 

(2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(3)研究開発活動

 該当事項はありません。