売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E00012 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当第3四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営成績の分析

 当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、コロナ禍からの脱却により、経済活動の正常化が進んだ一方で、急激な為替相場の変動やロシア・ウクライナ情勢の長期化に加え、中東情勢の緊迫化など、依然として先行き不透明な状況が続きました。

  水産・食品業界におきましては、旺盛なインバウンド需要などにより、外食・観光産業の状況が改善してきたものの、ALPS処理水放出の影響を懸念する動きや、生産面におけるエネルギーや原材料価格、物流費の高止まりにより、厳しい経営環境が続きました。

  このような状況の中で、中期経営計画『Build Up Platform 2024』(2021年度~2023年度)の最終年度として、『経営基盤の強化を図りながら、「事業課題への継続的取組み」と「持続的成長への挑戦」を柱とする戦略を進め、社会と極洋それぞれが共有するべき価値を創造していくことで、新たな成長への礎となる「高収益構造への転換」を目指す。』という基本方針のもと、目標達成に向け取り組んでおります。

  当第3四半期連結累計期間における当社グループの売上高は2,016億14百万円(前年同期比5.5%減)、営業利益は69億円49百万円(前年同期比14.5%減)、経常利益は69億93百万円(前年同期比16.1%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は49億85百万円(前年同期比16.4%減)となりました。

 

  なお、第1四半期連結会計期間より報告セグメントの変更を行っており、当第3四半期連結累計期間の比較・分析は、変更後のセグメント区分に基づいています。詳細は「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)セグメント情報」のⅡ当第3四半期連結累計期間の「3.報告セグメントの変更等に関する事項」をご覧ください。

 

セグメント別の業績は次のとおりです。

①水産事業セグメント

  世界的な水産物市況の不透明感を背景に、流通・加工業者の手堅い買付状況が続いたことから、第3四半期連結累計期間では主要魚種のサケ、エビを中心に全体として販売が減少したものの、国内の需給バランスが整っていたことから、加工品を主体に一定の収益を確保しました。最大需要期である年末商戦においては、前年比で割安感のあったカニや魚卵などの高額商品が順調に推移しました。

  海外事業については、輸出は円安を背景に青物の販売が増加した一方で、中国政府がALPS処理水放出を受けて日本産水産物の輸入を禁止したことによりホタテの販売が大幅に減少したため、前年同期を下回りました。海外現地販売においては、インフレに起因した消費減退により、北米での販売が落ち込みました。

  この結果、売上は前年同期を下回りましたが、利益は前年同期を上回りました。水産事業セグメントの売上高は989億17百万円(前年同期比10.8%減)、営業利益は41億39百万円(前年同期比23.6%増)となりました。

 

②生鮮事業セグメント

  寿司種を中心とする生食商材は、値上げの影響により販売減少の動きが見られたものの、コスト上昇を反映した価格の浸透により、収益は改善しました。マグロは昨年来の高値疲れから消費が減退し、冷凍品全般の販売が大幅に減少したところに、期首からの相場下落が加わり収益も悪化しました。海外まき網事業は、水揚げ量が減少し、売上・利益とも減少しました。国産養殖クロマグロについては、売上は前年同期比で伸長したものの、高止まりする飼料費が収益を圧迫しました。

  この結果、売上・利益とも前年同期を下回りました。生鮮事業セグメントの売上高は506億64百万円(前年同期比10.0%減)、営業利益は15億28百万円(前年同期比67.3%減)となりました。

 

③食品事業セグメント

  業務用冷凍食品は、製造コスト上昇に伴う値上げが影響し、販売数量減少の動きが見られたものの、価格改定効果により煮魚・焼魚や水産フライなどの売上が拡大しました。市販用冷凍食品は煮魚・焼魚のほか、フライ製品などの弁当用商材の販売が伸長しました。冷凍食品は全体として、自社工場製品の拡販と価格改定効果により、収益が大きく改善しました。

  缶詰は、重点商材としているイワシ缶の販売は伸長したものの、値上げによる消費マインドの落ち込みにより、全体として販売が減少しました。おつまみ・珍味製品の売上は前年同期並みだったものの、価格改定により利益が改善しました。

  この結果、売上・利益とも前年同期を上回りました。食品事業セグメントの売上高は504億17百万円(前年同期比12.5%増)、営業利益は22億40百万円(前年同期比202.0%増)となりました。

 

④物流サービスセグメント

  冷蔵倉庫事業においては、前年比で年末商戦の水産物の荷動きが改善したこともあり、売上が拡大しました。利用運送事業においては、外部取引先からの受注が増加し、売上が伸長しました。

  この結果、売上・利益とも前年同期を上回りました。物流サービスセグメントの売上高は12億15百万円(前年同期比19.0%増)、営業利益は2億25百万円(前年同期比44.2%増)となりました。

 

 

 

(2)財政状態の分析 

当第3四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ228億35百万円増加し、1,691億37百万円となりました。

流動資産は、前連結会計年度末に比べ195億51百万円増加し、1,337億53百万円となりました。固定資産は、有形固定資産が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ32億84百万円増加し、353億83百万円となりました。

負債合計は、長期借入金が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ165億44百万円増加し、1,158億79百万円となりました。

純資産は、前連結会計年度末に比べ62億91百万円増加し、532億57百万円となりました。

この結果、自己資本比率は31.4%(前連結会計年度末比1.1ポイント減)となりました。

 

(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当第3四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の「重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定」の記載について重要な変更はありません。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期連結累計期間において、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(5)研究開発活動

当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は2億74百万円であります。