売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E00056 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものである。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

① 経営成績

 当第3四半期連結累計期間における我が国経済は、外需の低迷により機械投資などが伸び悩み、設備投資は持ち直しに足踏みがみられたが、企業収益は全体として高水準であり、雇用・所得環境が改善する中で個人消費にも持ち直しの動きがみられるなど、景気は一部に足踏みもみられるものの緩やかに回復が進んだ。

 建設業界においては、建設コスト高止まりの影響から住宅建設投資は弱含み、民間企業の建設投資にも伸び悩みがみられた。一方で、公共投資は関連予算の執行により堅調に推移し、総じてみれば受注環境は底堅く推移した。しかし、資材費や労務費の上昇もあり、採算面では一部に厳しさが残った。

 このような経営環境のもと、当社グループは2021年5月に策定した①建設請負事業の深化、②建設周辺事業の進化、③新たな事業領域の開拓、④経営基盤の強化を基本方針とする『熊谷組グループ 中期経営計画(2021~2023年度)~持続的成長への弛まぬ挑戦~』にグループ一丸となって取り組み、持続的成長への挑戦を続けているところである。

 当第3四半期連結累計期間における業績は、売上高(完成工事高)は、手持ち工事の順調な消化により前年同四半期に比べ221億円(7.8%)増の3,077億円となった。利益面については、売上高の増加及び売上総利益率(完成工事総利益率)の改善により、営業利益は、前年同四半期に比べ35億円(60.8%)増の92億円、経常利益は、前年同四半期に比べ29億円(46.8%)増の93億円となった。親会社株主に帰属する四半期純利益は、法人税等31億円などを加減算し、前年同四半期に比べ19億円(48.4%)増の59億円となった。

 

セグメントの業績(セグメント間取引消去前)は次のとおりである。

(土木事業)

 売上高は728億円(前年同四半期比16.7%増)、セグメント利益は23億円(前年同四半期はセグメント利益5千万円)となった。受注高は767億円(同114.8%増)であった。

(建築事業)

 売上高は1,596億円(前年同四半期比6.4%増)、セグメント利益は37億円(同6.0%減)となった。受注高は1,900億円(同24.5%増)であった。

(子会社)

 売上高は819億円(前年同四半期比1.4%増)、セグメント利益は31億円(同88.1%増)となった。

 なお、当該セグメントにおいては、受注生産形態をとっていない子会社もあるため受注実績を示すことはできない。

② 財政状態

 当第3四半期連結会計期間末における総資産は、手持ちの大型工事における受取手形・完成工事未収入金等の増加に加え、保有株式の時価上昇や米国における不動産開発事業への投資による投資有価証券の増加等により、前連結会計年度末に比べ518億円(13.8%)増の4,284億円となった。負債合計は、シンジケートローンを含む借入金の増加やコマーシャル・ペーパーの発行等により、前連結会計年度末に比べ469億円(22.7%)増の2,537億円となった。純資産は、配当金の支払いによる利益剰余金の減少や自己株式の消却による資本剰余金の減少があったものの、保有株式の時価上昇に伴うその他有価証券評価差額金の増加や親会社株主に帰属する四半期純利益の計上等により、前連結会計年度末に比べ48億円(2.9%)増の1,747億円となった。なお、自己資本比率は、前連結会計年度末の45.1%から4.3ポイント低下し、40.8%となっている。

(2)経営方針・経営戦略等並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題等

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループ(当社及び連結子会社)が定めている経営方針・経営戦略並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題等について重要な変更はない。

(3)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 前連結会計年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はない。

(4)研究開発活動

 当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、21億円である。

 なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はない。