売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E00080 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中における将来に関する事項については、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

(1)財政状態及び経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間における我が国経済は、設備投資の持ち直しに足踏みがみられるものの、個人消費は持ち直し、企業収益は総じてみれば改善するなど、緩やかに回復しております。他方、物価上昇、中東地域をめぐる情勢、金融資本市場の変動など、先行きが不透明な状況は続いております。

建設市場においては、資材をはじめとする物価上昇等の影響は受けたものの、公共投資については堅調に推移し、「防災・減災、国土強靭化のための5か年加速化対策」に基づく防災・減災対策、また、防衛力強化に伴う安全保障関係のインフラ整備等、堅調な推移が期待できる状況にあります。

このような状況の下、当社グループは、2020年に策定した10年後のあるべき姿「社会を支え、人と世界をつなぎ、未来を創る」を掲げた長期ビジョン〈TOA2030〉の実現に向け、事業構造の変革に注力するための期間と位置づけた中期経営計画(2020~2022年度)を完遂させ、本年度より事業戦略と人材戦略の融合を基本方針とした中期経営計画(2023~2025年度)を始動させました。本中期経営計画では、事業拡大を推進する組織作りと人材成長の両立による企業価値を持続的に向上させるサイクルを構築するとともに、部門間の連携強化により組織力の最大化、新規事業を含めた新たなビジネスモデルへ果敢に挑戦してまいります。

 

当第3四半期連結累計期間における当社グループの連結業績は、売上高は206,552百万円前年同四半期比39.2%増)、営業利益は13,569百万円前年同四半期比388.7%増)、経常利益は12,840百万円前年同四半期比334.9%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は8,338百万円前年同四半期比313.8%増)となりました。

 

なお、2023年10月3日に「連結子会社従業員による不正行為に関するお知らせ」を公表しましたが、本件不正行為については、外部の弁護士を委員長とする社内調査委員会において事実関係の調査を進め、同年12月21日に社内調査委員会より再発防止策の提言を含む最終の調査報告書を受領しました。今後、当社は本件不正行為が発生したことを厳粛に受け止め再発防止策を実行してまいります。

本件不正行為の過去の連結財務諸表に与える影響は軽微であるため、過年度の連結財務諸表の訂正は行っておりません。当第3四半期連結累計期間の連結財務諸表に与える影響額については、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(追加情報)(当社連結子会社従業員による不正行為について)」をご覧ください。

 

当社グループのセグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 

(国内土木事業)

海上土木分野を中心に、港湾・鉄道・道路などのインフラ・社会資本の整備に継続的に取り組んでおります。当第3四半期連結累計期間の売上高は大型案件を中心に工事が進捗し102,137百万円前年同四半期比51.8%増)となり、セグメント利益(営業利益)は売上高の増加、高採算工事の売上等により10,138百万円前年同四半期比217.9%増)となりました。

なお、当社個別の受注高については、当第3四半期連結累計期間も大型案件を受注したものの92,309百万円(前年同四半期比1.8%減)となりました。

 

(国内建築事業)

特命案件・企画提案案件・設計施工案件の受注拡大に取り組んでおります。当第3四半期連結累計期間の売上高は大型案件をはじめ手持工事の堅調な進捗により59,252百万円前年同四半期比56.6%増)となり、セグメント利益(営業利益)は売上高の増加等により2,652百万円前年同四半期はセグメント損失556百万円)となりました。

なお、当社個別の受注高については物流・住宅・工場などを中心に受注活動を行い、物流分野で大型案件を獲得したことにより、106,983百万円(前年同四半期比249.4%増)となりました。

 

(海外事業)

東南アジアを中心にアフリカ・南アジアなどにおいて、海上土木工事などに取り組んでおります。当第3四半期連結累計期間の売上高は35,787百万円前年同四半期比0.3%減)となり、セグメント利益(営業利益)は1,477百万円(前年同四半期比18.7%減)となりました。

なお、当社個別の受注高についてはアフリカや東南アジアで大型案件を獲得したこと等により68,469百万円(前年同四半期比30.5%増)となりました。

 

(その他)

当第3四半期連結累計期間の売上高は9,376百万円前年同四半期比27.0%増)、セグメント利益(営業利益)は2,434百万円前年同四半期比145.4%増)となりました。

 

当社グループの財政状態は、次のとおりであります。

 

当第3四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末と比較して41,898百万円増加し、268,827百万円となりました。これは、主に大型工事の案件増加により、受取手形・完成工事未収入金等や未成工事支出金等が増加したことによるものです。

負債は、前連結会計年度末と比較して39,789百万円増加し、177,356百万円となりました。これは、主に支払手形・工事未払金等、預り金、未成工事受入金が増加したことによるものです。

純資産は、前連結会計年度末と比較して2,109百万円増加し、91,471百万円となりました。これは主に剰余金の配当と自己株式の取得はあったものの、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上やその他有価証券評価差額金の増加によるものです。なお、自己資本比率は33.6%と、前連結会計年度末と比較して5.5ポイント減少しております。

 

(2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(3)研究開発活動

当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発費は891百万円であります。

なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。