売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E21381 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

(経営成績)

当第3四半期連結累計期間(2023年7月1日~2024年3月31日)における当社グループは、PRを軸に、グループシナジーを創出しながら、コミュニケーションに係るソリューションを幅広く提供してまいりました。

中長期的な企業価値の向上を目指す当社グループは、成長の加速と経営効率改善の双方を実現するため、㈱サニーサイドアップを存続会社とする連結子会社3社間の吸収合併を実施し、2023年7月1日を効力発生日として㈱スクランブルを、9月1日を効力発生日として㈱ワイズインテグレーションを合併しました。吸収合併完了後、組織改編と部門間連携強化を目的とするオフィス改装を行い、統合効果の最大化に向けた活動を本格化させました。

また、中長期経営方針に掲げる「人的資本経営ガイドライン」に沿って、①女性活躍の推進、②教育投資の拡充、③エンゲージメントの向上に取り組むなか、多様なライフスタイルを支える独自の福利厚生制度や女性の社会的課題の解決を目指す啓発活動が評価され、東京都主催の「令和5年度東京都女性活躍推進大賞」を受賞しました。国際連合が定める3月8日の国際女性デーに際しては、対外的な啓発活動を継続的に行いながら、従業員を対象に健康意識を高めるためのキャンペーンを展開しました。

当社グループでは、成長への事業ポートフォリオ構築に向けて、ブランドコミュニケーション事業を基幹事業と位置づけ、その強化を図りました。活発化する企業のマーケティング活動が追い風となり、食品・飲料のほか、コスメ・ファッション、商業施設・ホテルの開業に係るPRを順調に受注しました。施設関連のPRにつきましては、都心の大型複合施設の開発に加え、インバウンド需要の高まりを背景に、東京・大阪のみならず、札幌・福岡等の広域中心都市でもホテルの開業が相次ぎ、受注機会が広がりを見せました。さらに、官公庁や地方自治体とともに地域の観光や文化振興支援等に携わってきた知見を活かして、㈱サニーサイドアップで発足した「地方創生ユニット」が本格稼働し、食や観光資源の魅力を伝えるPRやコンサルティングを受注しました。

売上高につきましては、ブランドコミュニケーション事業のうち、販促施策・商品企画の受注変動の影響により、第2四半期連結累計期間まで減収で推移したものの、第3四半期連結会計期間は大幅に伸長し、僅かに減収となりました。利益につきましては、ブランドコミュニケーション事業で第2四半期連結会計期間に顕在化した統合効果が持続・拡大し、PRの提供サービスの高付加価値化と販促施策・商品企画の効率改善が進んだことから、営業利益が大幅に増加しました。

 なお、経営の効率化に向けて、2023年7月にビジネスディベロップメント事業に含まれていた㈱アジャイルの株式を譲渡したほか、連結子会社が保有する上場株式の縮減を進め、子会社株式売却益37百万円及び投資有価証券売却益45百万円を特別利益に計上する一方、出資金評価損101百万円及び投資有価証券評価損55百万円を特別損失に計上しましたが、営業利益の増加に伴い、営業利益以下の各段階で増益となりました。

 

(財政状態)

 当第3四半期連結会計期間末における資産合計は、前連結会計年度末と比べて430百万円減少し、8,164百万円となりました。資産の内訳につきましては、流動資産が118百万円の減少により6,504百万円に、固定資産が312百万円の減少により1,660百万円となりました。流動資産減少の主な要因は、現金及び預金が308百万円増加したものの、売掛金が259百万円、未成業務支出金が242百万円それぞれ減少したことによるものです。固定資産減少の主な要因は、投資その他の資産合計が324百万円減少したことによるものです。

当第3四半期連結会計期間末における負債合計は、前連結会計年度末と比べて1,000百万円減少し、3,866百万円となりました。負債の内訳につきましては、流動負債が918百万円の減少により3,182百万円に、固定負債が82百万円の減少により683百万円となりました。流動負債減少の主な要因は、買掛金が247百万円、短期借入金が350百万円百万円、1年内返済予定の長期借入金が53百万円それぞれ減少したことによるものです。固定負債減少の主な要因は、長期借入金が78百万円減少したことによるものです。

当第3四半期連結会計期間末における純資産合計は、前連結会計年度末と比べて569百万円増加し、4,298百万円となりました。これらの結果、自己資本比率は50.7%となり、前連結会計年度末の41.4%より上昇しました。

 

(経営成績)

 当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高13,663百万円(前年同期比2.5%減)、営業利益1,505百万円(前年同期比34.3%増)、経常利益1,535百万円(前年同期比32.5%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益959百万円(前年同期比42.4%増)となりました。

 

 セグメントの構成およびセグメントの経営成績は次の通りです。

構成子会社

セグメント変更前

セグメント変更後

㈱サニーサイドアップ(コンテンツ関連部門を除く)

①マーケティング&

コミュニケーション事業

①ブランドコミュニケ―ション事業

㈱クムナムエンターテインメント

㈱ステディスタディ

㈱スクランブル(注1)

㈱エアサイド

㈱ワイズインテグレーション(注2)

②セールスアクティベーション事業

㈱サニーサイドアップ(コンテンツ関連部門)

㈱フライパン

③フードブランディング事業

②フードブランディング事業

SUNNY SIDE UP KOREA, INC

㈱グッドアンドカンパニー

④ビジネスディベロップメント事業

③ビジネスディベロップメント事業

㈱サニーサイドエックス(注3)

(注)1.2023年7月1日を効力発生日として、㈱サニーサイドアップに吸収合併しております。

   2.2023年9月1日を効力発生日として、㈱サニーサイドアップに吸収合併しております。

   3.2023年7月1日付で㈱サニーサイドアップパートナーズより商号変更しております。

 

報告セグメントごとの売上高及び利益又は損失                      (単位:百万円)

 

2023年6月期

第3四半期累計

2024年6月期

第3四半期累計

 

セグメント変更前

 

(注)

 

セグメント変更後

①マーケティング&

コミュニケーション事業

売上高

5,645

11,481

11,113

売上高

①ブランド

 コミュニケ―ション事業

利益

1,468

②セールス

 アクティベーション事業

売上高

5,836

1,773

2,223

利益

利益

308

③フードブランディング事業

売上高

2,104

2,104

2,416

売上高

②フードブランディング事業

利益

50

50

78

利益

④ビジネス

 ディベロップメント事業

売上高

421

421

133

売上高

③ビジネス

 ディベロップメント事業

利益

46

46

△2

利益又は

損失(△)

(注)前第3四半期連結累計期間の実績を変更後のセグメントに組み替えて表示しております。

 

①ブランドコミュニケーション事業

 従来のマーケティング&コミュニケーション事業とセールスアクティベーション事業を統合した当事業では、PRを軸に、プロモーション、ブランディング、スポーツマーケティング等、マーケティングやコミュニケーションに係る多様なソリューションを提供するとともに、店頭等の消費者とのコンタクトポイントで購買・成約の意思決定を促すためのソリューションを提供しております。

 ㈱サニーサイドアップでは、クライアントニーズにきめ細かく対応した企画力とメディアリレーションを強みとし、特定の業種に限定することなく、国内外のクライアントの商品・サービス、施設等のPRを手掛けております。同社では、吸収合併を通じて、㈱スクランブルが展開していたインフルエンサーとSNSを組み合わせたマーケティングサービスを取り込み、提供ソリューションを拡充しています。また、コンテンツ関連部門では、タレントやキャラクター等のIP(知的財産)を活用したコンテンツ制作及び販促施策を手掛けており、㈱ワイズインテグレーションの商品キャンペーンの企画及びグッズ制作、雑貨の商品企画やOEMの機能・ノウハウを移管しております。

 ㈱クムナムエンターテインメントでは、強力なキャスティングネットワークと企画力を強みとして、日本及び韓国の人気ア-ティスト、有名プロスポーツ選手等を起用したブランディングやコンテンツ開発を手掛けております。㈱エアサイドでは、高いクリエイティビティとエンターテインメント業界とのリレーションを武器に、人気アーティストを起用したCMをメディアに紹介するPR等を手掛けています。㈱ステディスタディでは、ファッション・ライフスタイルブランドに関する専門的な知見やキャスティング力を活用し、PRやイベントの企画・制作・運営、コンサルティングを提供しています。

 当第3四半期連結累計期間におきましては、㈱サニーサイドアップを中心にクライアントリレーションの強化やサービスの高付加価値化に取り組みました。リテナー契約の獲得・更新に注力するとともに、クロスセルやアップセルの提案を行った結果、インフルエンサーマーケティングや商品企画の追加受注に繋がり、クライアント当たりの売上高が増加しました。また、生産性の改善に向けて、PRでは低収益案件の見直しや稼働体制の適正化を図り、販促施策・商品企画については原価率の低減に向けてマネジメントを強化しました。さらに、教育投資を拡充し、経営陣や外部専門家を講師に招聘した実践的な教育プログラム「SUNNY UNIVERSITY」には、延べ1,070名が参加しました。

 当事業では、第1四半期連結会計期間に販促施策・商品企画が大幅減収となったものの、PRの順調な受注が続いたほか、第3四半期連結会計期間に大型のキャスティングや販促施策・商品企画の受注が加わり、小幅減収となりました。利益につきましては、PRと販促施策・商品企画の双方の改善が寄与し、増益となりました。

 

 これらの結果、当事業の当第3四半期連結累計期間の業績は以下の通りとなりました。

 売上高       11,113百万円(前年同期比  3.2%減)

 セグメント利益   2,223百万円(前年同期比 25.4%増)

 

②フードブランディング事業

 当事業では、オーストラリア・シドニー発のオールデイダイニング「bills」の国内におけるブランディング、ライセンシングビジネス及び韓国におけるライセンス管理と店舗運営を行っております。

国内で直営7店舗、韓国で直営2店舗を展開する当事業では、当第3四半期連結累計期間に出退店はないものの、ブランド価値の更なる向上を図るため、店舗改装を進め、七里ヶ浜店(神奈川県鎌倉市)が17日間の休業を経て2023年12月に、表参道店(東京都渋谷区)が24日間の休業を経て2024年3月にリニューアルオープンしました。

 当事業では、国内を中心に売上が拡大し、2022年12月にリニューアルオープンした横浜赤レンガ倉庫店(神奈川県横浜市中区)のほか、銀座店、インバウンド需要を取り込んだ大阪店及び福岡店が好調に推移しました。また、年2回のメニュー改編を通じて新たなテーマを訴求し、集客と客単価の上昇に繋げました。

 

 これらの結果、当事業の当第3四半期連結累計期間の業績は以下の通りとなりました。

 売上高        2,416百万円(前年同期比  14.8%増)

 セグメント利益      78百万円(前年同期比  55.9%増)

 

③ビジネスディベロップメント事業

 当事業は、新規事業の開発・創出を通じてグループの事業領域を拡充する位置づけにあり、セグメント特性上、費用が先行する傾向にあります。

 ㈱グッドアンドカンパニーでは主に、ウェルビーイングや女性活躍推進等、社会課題の解決に資するコミュニケーションサービスを提供しております。㈱サニーサイドエックスでは、商業施設及び建物の企画、開発、管理運営等に加え、2023年9月に設置したXRスタジオで最先端のデジタル技術を駆使したXR映像を制作し、新たなソリューションの提供を開始しました。同社では、ブランドコミュニケーション事業と連携して企画提案を行うなど、営業体制を強化してきましたが、XR技術の活用を企業向けのマーケティングソリューションだけでなく、一般顧客向けのエンターテイメント領域にも広げるため、2024年3月に㈱STPR(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:柏原真人)とスタジオ機能の移管を含む戦略的な提携について合意しました。

 当事業では、㈱アジャイルが連結対象外となったことに加えて、XR事業の立ち上げ費用が影響し、事業全体で減収減益となりました。

 

 これらの結果、当事業の当第3四半期連結累計期間の業績は以下の通りとなりました。

 売上高        133百万円(前年同期比  68.2%減)

 セグメント損失  △2百万円(前年同期実績 46百万円)

 

(2)経営方針・経営戦略等

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針、経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(3)事業上及び財務上の対処すべき課題

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(4)研究開発活動

 該当事項はありません。