売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E21706 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期報告書提出日現在において判断したものであります。

 

(1)経営成績の状況

①当第3四半期連結累計期間の経営成績の状況

 当第3四半期連結累計期間の経営成績は、日本、欧州等が前年同期比で減収となったものの、米国、韓国が好調に推移し増収となったことに加え、為替が円安で推移したこと等により、売上高は9,248百万円(前年同期比0.0%増)となりました。一方、利益面では、米国、韓国が増益となりましたが、欧州等が営業赤字となったことに加え、日本も減益となったことから営業利益は641百万円(前年同期比13.4%減)となりました。経常利益は632百万円(前年同期比17.7%減)となりました。親会社株主に帰属する四半期純利益は、前期に保険金の受取が発生したことに対して、今期は欧米子会社の経営管理体制の統合に伴う事業構造改善費用148百万円が発生したことから253百万円(前年同期比56.1%減)となりました。

 

②地域別の状況

 日本においては、新型コロナウィルス感染症が5類に分類され治験環境が改善し、順調に受注案件を消化して売上高を計上しましたが、第1四半期に既存案件の中止が発生した影響等に加え、受注獲得が想定通りに進まなかったことから前年同期比で減収となりました。また、利益面でも上記の理由から減益となりました。

 米国においては、前期は米欧地域で大型国際共同治験の開始遅延があった一方で、当期は既存案件の進捗が想定を上回って推移したことに加え、為替が円安に推移したこと等により前年同期比で大幅に増収増益となりました。なお、現在米国のバイオテック企業の引き合いは旺盛であり、引き続き米国CRO市場の深耕に注力し、持続的な成長を図ってまいります。

 欧州においては、既存試験の中止や新規案件の開始延期に加え、既存試験の進捗が想定を下回りました。さらに欧州経済はロシア・ウクライナ紛争など地政学リスクの高まりからエネルギー価格の高騰や高インフレが継続し、これに対処する高金利政策が、ドイツをはじめとした欧州の経済情勢にマイナスの影響を与えており、バイオベンチャーの資金調達が難しい環境で新規案件の受注獲得も想定を下回ることとなりました。この結果、前年同期比で減収、営業赤字となりました。米国事業との連携をより一層推し進め、営業面でグローバル・シナジーをさらに強化することで、米国企業からの欧州を含む新規案件の受注獲得を拡大してまいります。

 韓国においては、既存案件の順調な進捗や複数の新規案件の開始等に加え、円安の影響もあり前年同期比で増収増益となりました。

 中国においては、既存案件の収束に伴う売上減少等により前年同期比で減収、営業赤字となりました。

 台湾においては、既存案件で中止が発生したこと等により、前年同期比で減収、営業赤字となりました。

 なお、アジアにおいては、日本、米国と営業面での連携を強化して現地製薬会社からの受注の掘り起こしに注力しており、複数の新規顧客から案件の打診を受けるなどしております。

 

 

 

③セグメントごとの経営成績

CRO事業

 当社グループのCRO事業につきましては、売上高は8,682百万円(前年同期比0.9%増)、営業利益は2,130百万円(前年同期比17.9%増)となり、前年同期比で増収増益となりました。

 

育薬事業

 当社グループの育薬事業につきましては、売上高は566百万円(前年同期比11.9%減)、営業利益は107百万円(前年同期比53.6%減)となり、前年同期比で減収減益となりました。

 

(2)財政状態の分析

① 資産の部

当第3四半期連結会計期間末における資産合計は、前連結会計年度末と比べ216百万円(1.2%)増加し、17,681百万円となりました。これは、主に現金及び預金の増加等によるものであります。

② 負債の部

当第3四半期連結会計期間末における負債合計は、前連結会計年度末と比べ25百万円(0.3%)減少し、9,857百万円となりました。これは、主に前受金及び預り金が増加する一方、未払法人税等及び長期借入金が減少したことによるものであります。

③ 純資産の部

当第3四半期連結会計期間末における純資産合計は、前連結会計年度末と比べ242百万円(3.2%)増加し、7,823百万円となりました。これは、主に為替換算調整勘定の増加等によるものであります。

 

(3)経営成績の分析

① 売上高

当第3四半期連結累計期間の売上高は、(1)経営成績の状況に記載の要因により、9,248百万円(前年同期比0.0%増)となりました。

② 売上原価

当第3四半期連結累計期間の売上原価は、6,276百万円(前年同期比0.3%増)となりました。

③ 販売費及び一般管理費

当第3四半期連結累計期間の販売費及び一般管理費は、2,330百万円(前年同期比3.6%増)となりました。

④ 営業利益

当第3四半期連結累計期間の営業利益は、(1)経営成績の状況に記載の要因により、641百万円(前年同期比13.4%減)となりました。

⑤ 経常利益

当第3四半期連結累計期間の経常利益は、(1)経営成績の状況に記載の要因により、632百万円(前年同期比17.7%減)となりました。

⑥ 税金等調整前四半期純利益

当第3四半期連結累計期間の税金等調整前四半期純利益は、(1)経営成績の状況に記載の要因により、520百万円(前年同期比36.7%減)となりました。

⑦ 親会社株主に帰属する四半期純利益

当第3四半期連結累計期間の親会社株主に帰属する四半期純利益は、(1)経営成績の状況に記載の要因により、253百万円(前年同期比56.1%減)となりました。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(5)研究開発活動

 該当事項はありません。

(6)経営戦略の現状と見通し

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループの経営戦略の現状と見通しについて重要な変更はありません。
 引き続き、当社グループは受託業務の選択と集中を推し進めることによって既存のCROとの差別化を図り、大手製薬会社と同等の立場で医薬品開発を実行・サポートできる知識・技術・経験を有するCROすなわち「CDO(Contract Development Organization)」を目指していく方針であります。