売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E05312 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
 

(1)財政状態及び経営成績の状況

① 業績の状況

 当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による制約が解消され、社会経済活動は徐々に広がりをみせ、景気は緩やかな改善が続いています。一方で、世界的な資源・原材料価格の高騰にともなう物価の上昇や国際情勢の緊迫化等、依然として先行きが不透明な状況が続いております。

 このような状況下において、情報サービス産業では、顧客の人材不足を背景としたDX(ビジネス変革・プロセス変革)需要の高まりに加え、電子帳簿保存法等の法改正対応により情報化投資が活発化しております。また、老朽化した基幹システムのクラウドへの移行(Lift)、利便性の向上に向けたシステム構築(Shift)に対するニーズも強く、今後もIT投資は拡大する見通しです。一方で、継続的なIT人材の不足から生じる受注機会の損失や人材獲得競争の激化に起因する人件費の増加により、収益環境が悪化する懸念があります。

 当社グループにおきましては、金融分野での受注が拡大する中、リソースの最適化や生産体制の確保に努めてまいりました。また、キャリアフィールドに応じた人材育成や経営管理に係る情報化投資等を図り、経営基盤の強化・整備を進めました。こうした活動が実を結び、当第3四半期連結累計期間における業績は売上高13,565百万円(前年同期比13.3%増)、営業利益は1,161百万円(同22.1%増)、経常利益は1,169百万円(同22.6%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は758百万円(同20.7%増)となり、増収増益で推移いたしました。

 当社グループでは、中長期経営ビジョン≪Vision 2026≫の実現に向け、ニアショア拠点の生産体制拡充ならびに事業拡大に取り組んでおります。前四半期での福岡オフィスの開設に加え、当四半期では北海道キューブシステムで生産体制強化に向けた増床を実施いたしました。

 当社では、多様な人材がそれぞれの状況に合わせた働き方で活躍し、成長することができるよう制度の拡充や環境整備、意識改革を進めております。障害のある社員が業務にやりがいを感じられる職場環境の構築を行っており、当四半期においては、当社社員が全国アビリンピック大会(全国障害者技能競技大会)のデータベース種目にて東京都代表として出場するなど、各々の得意分野で活躍の場を広げております。

 また、当社の成長の鍵となる人的資本については、社員一人ひとりが多様なプロフェッショナル人材として活躍するために、新たな人事制度を構築し、2024年4月より制度開始いたします。当四半期では、全社員に対して、社員一人ひとりが将来の成長を描けるよう、新人事制度に応じたキャリアパスの説明が行われました。引き続き、個々の能力や価値観を尊重し、社員が働きがいを一層実感できる制度・運用を通じて、人的資本の強化を図ってまいります。

 

 品目別の業績を示すと次のとおりであります。

(システムインテグレーション・サービス)

 地銀・ネットバンク向けシステム案件、メガバンク向けシステム案件、教育事業会社向けシステム案件の拡大により、売上高は10,530百万円(前年同期比19.9%増)となりました。

(システムアウトソーシング・サービス)

 証券取引所向けシステム案件の縮小により、売上高は1,264百万円(同3.8%減)となりました。

(プロフェッショナル・サービス)

 通信事業会社向けシステム案件の縮小により、売上高は1,770百万円(同5.6%減)となりました。

 

② 財政状態の分析

(資産)

 当第3四半期連結会計期間末における流動資産は9,583百万円となり、前連結会計年度末に比べ119百万円減少いたしました。これは主に、有価証券の減少100百万円、現金及び預金の減少99百万円、売掛金及び契約資産の増加76百万円によるものです。また、固定資産は3,289百万円となり、前連結会計年度末に比べ445百万円増加いたしました。これは主に、投資有価証券の増加350百万円、敷金及び保証金の増加54百万円によるものです。

 これらの結果、総資産は12,873百万円となり、前連結会計年度末に比べ325百万円増加いたしました。

 

(負債)

 当第3四半期連結会計期間末における流動負債は2,331百万円となり、前連結会計年度末に比べ142百万円増加いたしました。これは主に、未払費用の増加117百万円によるものです。固定負債は843百万円となり、前連結会計年度末に比べ100百万円増加いたしました。これは主に、繰延税金負債の増加46百万円、株式報酬引当金の増加44百万円によるものです。

 これらの結果、負債合計は3,174百万円となり、前連結会計年度末に比べ243百万円増加いたしました。

 

(純資産)

 当第3四半期連結会計期間末における純資産は9,699百万円となり、前連結会計年度末に比べ82百万円増加いたしました。これは主に、利益剰余金の増加97百万円によるものです。

 この結果、自己資本比率は75.3%(前連結会計年度末は76.6%)となりました。

 

(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分
析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(3)経営方針・経営戦略等

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(5)研究開発活動

 当社グループは、新規事業創発、新技術の社内展開を目的に、クラウドソリューション、AI、ブロックチェーンに係る研究開発活動を組織横断的に行っております。

 具体的には、クラウドソリューション領域ではSaaS製品に対する技術調査、評価、当社の提供サービス適用に向けたソリューション開発を進めております。また、AI及びブロックチェーン分野では、自社プロダクトである「スマイルシェアプロダクト」にブロックチェーン技術を活用したピアボーナスネットワークプラットフォームおよび、AI画像認識技術を活用した非接触型決済システムを構築しました。「スマイルシェアプロダクト」は現在社内展開を行っており、社員間のコミュニケーション可視化・充実の仕組みづくり等、応用ノウハウに関する研究開発を進めております。

 今後は、社内向けにはウェルビーイング経営の実践を主眼としたプロダクト活用を促進し、並行して外販に向けた製品化への取り組みを実施してまいります。

 なお、当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は17百万円であります。

 

(6)従業員数

                                         2023年12月31日現在

事業部門の名称

従業員数(人)

 システムソリューション・サービス部門

                                      775

 管理部門

                    110

合計

                    885

    (注)従業員数は就業人員数(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループ

       への出向者を含む。)であります。

 

(7)生産、受注及び販売の実績

 当社グループは、システムソリューション・サービスの単一セグメントのため、生産、受注及び販売の実績については、セグメントに代えて品目別に示しております。

① 生産実績

 当第3四半期連結累計期間における品目毎の生産実績を示すと、次のとおりであります。

品目

金額(千円)

前年同期比(%)

 システムインテグレーション・サービス

10,530,085

119.9

 システムアウトソーシング・サービス

1,264,746

96.2

 プロフェッショナル・サービス

1,770,644

94.4

合計

13,565,476

113.3

 (注)金額は販売価格によっております。

 

② 受注実績

 当第3四半期連結累計期間における品目毎の受注実績を示すと、次のとおりであります。

品目

受注高

(千円)

前年同期比

(%)

受注残高

(千円)

前年同期比

(%)

 システムインテグレーション・サービス

10,192,631

119.0

3,299,848

106.2

 システムアウトソーシング・サービス

1,321,545

94.3

369,490

86.9

 プロフェッショナル・サービス

1,727,674

93.4

579,065

98.5

 合計

13,241,851

112.1

4,248,405

103.1

 (注)金額は販売価格によっております。

 

③ 販売実績

 当第3四半期連結累計期間における品目毎の販売実績を示すと、次のとおりであります。

品目

金額(千円)

前年同期比(%)

 システムインテグレーション・サービス

10,530,085

119.9

 システムアウトソーシング・サービス

1,264,746

96.2

 プロフェッショナル・サービス

1,770,644

94.4

合計

13,565,476

113.3

 (注)主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前第3四半期連結累計期間

当第3四半期連結累計期間

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

 株式会社野村総合研究所

4,736,945

39.6

5,951,746

43.9

 富士通株式会社

2,140,401

17.9

2,125,492

15.7

 

(8)主要な設備

 当第3四半期連結累計期間において、主要な設備に重要な異動はありません。

 

(9)経営成績に重要な影響を与える要因

 当第3四半期連結累計期間において、経営成績に重要な影響を与える要因について重要な変更はありません。