株式会社アマナ

上場廃止 (2024/01/29) 株式の併合 サービス業広告グロース

売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E05403 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期報告書提出日時点において判断したものであります。

 

 (1)財政状態及び経営成績の状況

①経営成績

 当社グループは、写真・CG・映像・イラストレーションなど視覚から訴求するものをビジュアルと総称し、これらビジュアルを活用したコミュニケーション・コンテンツの提供等を通じて、お客様の商品やサービスの価値を可視化することで、「届けたい想いが伝わり、行動を促す」コミュニケーションをお客様と共に創造する、ビジュアルコミュニケーション事業を展開しております。

 

 当社グループでは、2021年を初年度とする中期経営計画において、「One amana!」を掲げる経営方針のもと、“トップライン再成長”“原価削減”“DX推進”を基本戦略に据え、内部統制強化に向けた継続的な取り組みを実施するとともに、利益創出に努め、収益構造の改善及び財務基盤の安定化を図っていくことで、お客様の「Co-Creation Partner」を標榜するビジネスモデルを支える経営基盤の再構築を推し進めております。

 しかしながら、2022年(前連結会計年度)においては、新型コロナウイルス感染症の断続的な再拡大に伴う影響等の外部要因、また、営業及び制作進行を担う人材の減少に伴うリソース不足やワークフロー(組織・ルール・システム等)の大幅な変更の過渡期におけるリソース配分不備等の内部要因が重なり、売上高が大きく減少し、人件費のコントロールを中心とした固定費削減を図ったものの、大きな損失を計上し、債務超過に陥っております。加えて、当社従業員による不適切な取引の判明等による不適切な会計処理を受け、内部統制及びガバナンス体制に大きな課題を残しました。

 このような状況を踏まえて、2023年(当連結会計年度)においては、「利益創出」と「内部統制強化」を基本方針に据えた中期経営計画に立ち返り、2022年(前連結会計年度)において整備を進めたワークフローをさらに発展させながら活用し、あらためて内部統制の強化にむけた継続的な取り組みを徹底するとともに、事業の黒字化を早期に実現するために、利益体質化にむけて収益と費用の両側面から施策を実行し、収益構造の改善を図ることで財務基盤の安定化に努めております。収益構造の改善においては、受注獲得にむけた商談活動の増加を推進するために再編成した営業体制のもと、営業と制作が有機的に連携しながら、グループの総合力を発揮した売上高の再成長を目指し、同時に、受託案件毎における責任体制の明確化と利益設計の強化を図り、重要指標である1人あたり事業付加価値額(売上高-外注原価)の向上を推し進め、さらに、固定費の大幅な削減施策を検討のうえ適時に実施しております。

 

 当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、ウィズコロナ期からアフターコロナ期へ移行するなか、経済活動の正常化を背景に内需を中心に持ち直し、緩やかな回復基調を維持しているものの、物価上昇圧力の強まりによる消費の下振れや、ロシア・ウクライナ情勢の長期化等の地政学的リスクへの懸念等に鑑みても、依然として先行き不透明な状況で推移いたしました。

 

 当第3四半期連結累計期間の売上高は、前連結会計年度から営業及び制作進行を担う人材の減少が継続していることなどを受け、9,116百万円(前年同期比15.6%減)となりました。また、当社グループの財政状態等による与信観点での機会損失が重なったことなども加わり、当第3四半期連結会計期間の売上高は前年同期比25.4%減となり、当第2四半期連結累計期間における前年同期比の水準と比較して、さらに減少した進捗となりました。商流別にみると、直接商流(一般企業等から直接受託する取引)協業商流(広告代理店・制作会社等を経由して受託する取引)双方ともに前年同期比において下落しているものの、相対的には、取引先のキーパーソンと当社グループ営業担当者との個別単位の関係値に一定程度に依拠する協業商流における売上高の減少が顕著な傾向が継続しており、広告マーケット動向を踏まえた広告代理店等における内制強化等の外部環境変化、当社グループの営業及び制作進行を担う人材のリソース減少等の内部環境変化を反映したものとなりました。

 売上高の減少に伴い、事業付加価値額(売上高-外注原価)は4,889百万円(前年同期比14.8%減)、売上総利益は3,816百万円(前年同期比15.7%減)となりました。また、外注原価の抑制のみならず適切な外注差益の獲得や当社グループ内部リソースの有効活用など、案件毎の利益設計強化に関する体系的なモニタリングに基づく施策を推進しており、一部で成果をあげているものの、当第3四半期連結会計期間の売上高の大幅な減少が響いたことで、生産性の観点から重視している指標である、当社グループ稼働人員1人あたり事業付加価値額についても、前年同期比1.9%減と停滞しました。

 販売費及び一般管理費については、稼働人員数の減少に伴う報酬・給与等の減少、業績進捗を勘案した賞与勘定の抑制など人件費のコントロールを継続し、また、非中核部門の見直しにより事業及び組織の最適化を図ることなどで、固定的な費用の削減施策に努め、さらに、前連結会計年度において事業供与資産について減損損失を計上したことを受け、当連結会計年度からの償却費負担の軽減も加わり、4,472百万円(前年同期比15.6%減)となりました。

 以上の結果、営業損失は655百万円(前年同期は773百万円の営業損失)となりました。さらに、為替差益などによる営業外収益109百万円、支払利息などによる営業外費用157百万円を計上し、経常損失は703百万円(前年同期は837百万円の経常損失)となりました。また、特別利益において、オフィス閉鎖に伴う会計処理として、将来使用する見込みがなくなった資産除去債務について取崩を行ったことによる資産除去債務取崩益96百万円などを反映し、さらに、関係会社株式売却益16百万円などを計上した一方で、特別損失において、不適切な会計処理に係る特別調査費用等656百万円、オフィス閉鎖に伴う減損損失31百万円及び事務所移転費用17百万円などを計上し、税金等調整前四半期純損失は1,214百万円(前年同期は391百万円の税金等調整前四半期純損失)となり、最終的な親会社株主に帰属する四半期純損失は1,249百万円(前年同期は591百万円の親会社株主に帰属する四半期純損失)となりました。

 

 当社グループはビジュアルコミュニケーション事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

②財政状態

(資産)

 当第3四半期連結会計期間末における流動資産合計は4,828百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,268百万円減少しました。これは主として、現金及び預金の減少743百万円、受取手形、売掛金及び契約資産が前連結会計年度末の受取手形及び売掛金と比べて302百万円減少したほか、その他に含まれる未収入金の減少53百万円及び未収消費税等の減少82百万円等によるものです。

 固定資産合計は1,252百万円となり、前連結会計年度末に比べ209百万円減少しました。これは、有形固定資産の減少115百万円、無形固定資産の増加66百万円、投資その他の資産の減少160百万円によるものです。

 この結果、総資産は6,084百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,480百万円減少しました。

(負債)

 当第3四半期連結会計期間末における流動負債合計は4,171百万円となり、前連結会計年度末に比べ353百万円増加しました。これは主として、支払手形及び買掛金の増加159百万円、1年内返済予定の長期借入金の増加229百万円、未払法人税等の減少20百万円等によるものです。

 固定負債合計は5,700百万円となり、前連結会計年度末に比べ506百万円減少しました。これは主として、長期借入金の減少374百万円、資産除去債務の減少93百万円等によるものです。

 この結果、負債合計は9,872百万円となり、前連結会計年度末に比べ153百万円減少しました。

(純資産)

 当第3四半期連結会計期間末における純資産合計は△3,787百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,327百万円減少しました。これは主として、当第3四半期連結累計期間の親会社株主に帰属する四半期純損失の計上1,249百万円等によるものです。

 この結果、当第3四半期連結会計期間末の自己資本比率は△64.2%(前連結会計年度末は△34.3%)となりました。

 

 (2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定について重要な変更はありません。

 

 (3)経営方針・経営戦略等

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき新たな課題の発生、または、2023年10月26日に提出した有価証券届出書に記載した優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

 (5)研究開発活動

 該当事項はありません。

 

 (6)主要な設備

 当第3四半期連結累計期間において、ロケーション及びファシリティの最適化の一環として2023年7月にPORTオフィスを閉鎖しておりますが、これ以外に重要な設備の新設、休止、大規模改修、除却、売却等による著しい変動はありません。また、前連結会計年度末において計画中であった重要な設備の新設、休止、大規模改修、除却、売却等について著しい変更はありません。

 

 (7)生産、受注及び販売の実績

 当第3四半期連結累計期間において、仕入の実績が著しく減少いたしました。これは、連結子会社であった株式会社アマナイメージズが2022年12月期第2四半期連結累計期間に連結の範囲から除外されたことによるものであります。なお、販売(売上)の実績については、「(1)財政状態及び経営成績の状況 ①経営成績」に記載しております。