E02917 Japan GAAP
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症に関する行動制限の緩和による経済・社会活動の正常化を背景に、インバウンド・個人消費の持ち直しと雇用情勢の改善により、緩やかな回復基調が続きました。一方、円安の進行による物価上昇、ウクライナ情勢の長期化及び中東情勢の深刻化による地政学リスクの高まりや、世界的な金融引き締めの影響による景気減速など、国内、海外の経済ともに依然として先行き不透明な状況が続いております。
このような状況の中、当社グループの状況につきましては、ASMO CATERING(HK)事業では低迷する香港経済の影響を受け依然として厳しい状況が続きますが、個人消費の持ち直しやインバウンド需要を取り込んだアスモトレーディング事業、主要顧客である高齢者施設の利用者数が引き続き回復傾向にあるアスモフードサービス事業およびアスモ介護サービス事業においては、好調に推移いたしました。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高15,473百万円(前年同四半期比3.7%増)、営業利益460百万円(前年同四半期比97.8%増)、経常利益498百万円(前年同四半期比78.3%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は、296百万円(前年同四半期比125.0%増)となりました。
売上高においては、いずれの事業も社会経済活動の正常化を受け、前年同四半期実績と比較して増加しております。利益面においては、アスモトレーディング事業では円安による海外からの商品調達コストの上昇、ASMO CATERING(HK)事業では補助金廃止により減少しております。アスモフードサービス事業およびアスモ介護サービス事業では、主要顧客である高齢者施設の利用者数の回復を主要因として、値上げ交渉および原価コントロールの徹底、コロナ感染対策費の縮小、人件費と販管費の見直しにより好調に推移いたしました。
今後におきましても、各事業の状況に応じて売上高の拡大や利益率の改善を推し進めることで、更なる業績向上に向けグループ一丸となって邁進してまいります。
セグメントごとの状況は次のとおりであります。
アスモトレーディング事業におきましては、海外では、世界的なインフレにより、世界各国からの輸入食肉の価格に影響を及ぼしているため食肉の輸入量が減少しております。国内では、昨年よりも断続的な円安により食肉価格の高騰が続き、販売価格への価格転嫁が難しい中で販売を行ってまいりました。このような状況の中、ウィズコロナへの移行によるクリスマスなどの特需は戻ってきていたため、結果として販売高は増加となりました。
また、国内通販事業部門においては、お歳暮などの贈答需要は少し陰りが見えており、提案件数を増やすべく展示会の参加による新規取引先企業への獲得を行っておりますが、販売高は減少となりました。
費用面に関しては、人件費の高騰に加え、展示会参加費用が増加したことにより、営業利益は昨年と比較して減少となりました。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は、3,443百万円(前年同四半期比5.2%増)、セグメント利益(営業利益)は63百万円(前年同四半期比24.2%減)となりました。
今後におきましては、円安基調と物価上昇による消費者の生活防衛意識の高まりなどで厳しい環境が予想されますが、お客様にあった商品の提案を行い、安定的な商品の供給を継続すると共に、販路拡大と業績の向上に専念してまいります。
アスモフードサービス事業におきましては、前四半期報告に継続して、新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行したことを背景に、高齢者施設の入居率や介護サービス利用者数が回復傾向にあり、給食提供数が増加の一途をたどっております。
また仕入先との価格交渉や商談も非対面から対面で実施するケースが増え、営業活動が活発化した結果、原材料費の削減に成功しております。しかしながら依然として物流費の価格高騰が継続することに加え、慢性的な人手不足による人件費が増加にあり、事業環境は厳しい状況が続いております。
そのような状況下の中、新規受託先の開拓や、既存受託先に対する食材費単価の値上げ交渉に取り組み、売上高の底上げを図り、材料費の抑制等徹底したコストコントロールを行うことで利益確保をしてまいりました。
また、慢性的な人員不足を解消するため、社員教育に注力すると同時に、採用においても賃金アップや社宅完備など福利厚生を手厚くした求人募集を行うなど差別化を図り、運営安定に努めております。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は、5,876百万円(前年同四半期比4.2%増)、セグメント利益(営業利益)は238百万円(前年同四半期比40.8%増)となりました。
引き続き、原価管理の徹底に加え、新規受託施設を増やすべく営業活動に取り組むことで収益力の向上に努めてまいります。
アスモ介護サービス事業におきましては、訪問介護事業所、居宅介護支援事業所、有料老人ホーム運営事業及び介護タクシー事業を営んでおります。業界全体としては、新型コロナウイルスならびにインフルエンザ等の感染症対策の徹底を図りながら、ご利用者様、ご入居者様の日々の生活をお守りする事に努めております。そのような状況の中で、引き続き新規入居者獲得活動も精力的に取り組んだ結果、訪問介護事業所、居宅介護支援事業所のご利用者数、ならびに有料老人ホームのご入居者数を順調に伸ばすことが出来ました。
これにより当第3四半期連結会計期間末現在、訪問介護事業所36事業所(前年同期末は36事業所)居宅介護支援事業所12事業所(前年同期末は12事業所)となり、支援させていただいておりますご利用者様(※)は1,996名(前年同期末は1,881名)となりました。また、有料老人ホーム7施設(前年同四半期末は7施設)のご入居者は378名(前年同四半期末は324名)となりました。(※)介護タクシーでの介護保険利用者を除く
以上の結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は、4,270百万円(前年同四半期比2.7%増)、セグメント利益(営業利益)は360百万円(前年同四半期比176.0%増)となりました。
今後におきましては、更なる介護需要を取り組む事に注力していくと共に、充実した雇用環境を創ることで、より良い人材の確保と定着率向上に努め、介護サービスの更なる質の向上を図ってまいります。
香港では、第1四半期会計期間に一時期見られたコロナ禍からの回復基調が第2四半期会計期間の終盤あたりを境に明らかに減速し、当第3四半期連結累計期間における飲食店舗部門の売上高は、コロナ禍から脱しきれていなかった前年同四半期からも20%下回る955百万円となりました。※連結財務諸表注記(収益認識関係)参照
飲食店舗部門売上高減少の主要因としては、2018年度以降の政治的混乱を機に多くの香港市民がイギリスやカナダ等の西側諸国に移民していることに加え、人民元と香港ドルの変動によりここ十数年で最も香港ドル高になり、香港ドルで収入を得ている香港人が中国に入境し、中国元に両替して消費した方が有利なこともあり、特に週末などに中国本土で過ごす香港人が急増し、街中の人流が大幅に減少していることが挙げられます。
また、コロナ禍において、外食比率が非常に高かった香港人の食習慣が一変して内食を選択する人々の増加を受け食品スーパーが急増し、アフターコロナにおいては明らかに食品スーパーが過剰になっていることにより、食品スーパー内にある当社の『匠工房秀吉』や『Japanese delicatessen彩』などの店舗が苦戦を強いられております。
一方、食品加工販売部門では毎四半期順調に売上を伸ばし、前年同四半期比42.1%増の925百万円となりました。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は、1,880百万円(前年同期比1.9%増)、セグメント損失(営業損失)は42百万円(前年同四半期はセグメント利益2百万円)となりました。
香港の外食業界は採用難が続いており、小ロットに対応できる当社のOEM食品加工に対してのニーズは本物志向である日系レストラン各社において特に高く、今後も受注量の増加が見込まれます。そのようなニーズに応えるため、セントラルキッチンでは加工場の拡張工事を計画しております。引き続きマーケットの状況を見極めながら店舗部門と食品加工販売部門のバランスを取り、効率的な収益体制の確立に取り組んでまいります。
その他セグメントに含まれておりますASMO CARTERING(TAIWAN)COMPANY LIMITEDは2019年3月を期末とする連結会計年度以降、事業を休止しております。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間のセグメント損失(営業損失)は0百万円(前年同四半期はセグメント損失0百万円)となりました。
当第3四半期連結会計期間末における総資産は9,497百万円となり、前連結会計年度末に比べ593百万円増加いたしました。これは主に現金及び預金が312百万円、受取手形及び売掛金が295百万円、前払費用が50百万円、差入保証金が44百万円増加し、未収法人税等が25百万円、繰延税金資産が48百万円、リース資産が31百万円減少したことによるものであります。
当第3四半期連結会計期間末における負債合計は3,014百万円となり、前連結会計年度末に比べ427百万円増加いたしました。これは主に支払手形及び買掛金が245百万円、未払金が189百万円、預り金が81百万円、前受収益が48百万円増加し、賞与引当金が75百万円、未払法人税等が76百万円減少したことによるものであります。
当第3四半期連結会計期間末における純資産合計は6,482百万円となり、前連結会計年度末に比べ166百万円増加いたしました。これは主に利益剰余金が162百万円、為替換算調整勘定が11百万円増加し、非支配株主持分が3百万円、退職給付に係る調整累計額が3百万円減少したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は67.8%(前連結会計年度末は70.5%)となりました。
前連結会計年度末に比べ債権は増加しておりますが、年末年始を繁忙期とする事業の債権など季節的な変動が主であり、また利益剰余金の増加が現金及び預金の増加に反映していることからも、順調な増減であると認識しております。
資本の財源につきましては、当社グループの運転資金・設備投資について一部連結子会社で一時的な借入を行うことがありますが、基本的には自己資金により充当しております。当第3四半期連結会計期間末の有利子負債残高は、短期借入金46百万円とリース債務65百万円であり、前連結会計年度末と比較して6百万円減少しております。
現金及び預金の当第3四半期連結会計期間末残高は5,401百万円であり、資金の流動性は十分に確保できております。
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
該当事項はありません。