売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E02998 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

(1)業績の状況

 当第3四半期連結累計期間における世界経済は、ウクライナや中東情勢をめぐる地政学的リスクの拡大や、資源・エネルギー価格の高止まりの他、中国経済では不動産セクターの減速を発端とした内需の停滞等、総じて先行き不透明な状況で推移いたしました。国内においては行動制限撤廃による経済活動の本格的な再開やインバウンド需要の回復から、サービス関連の個人消費の改善が進む一方で、原材料や各種消費財の価格上昇によるインフレの進行や金利上昇の影響もあり、全般的に景気回復ペースは緩やかな状況で推移いたしました。

 当社グループを取り巻く業界では、自動車関連では半導体部品等の不足緩和により完成車メーカーの一部で生産回復が進み、また円安効果もあり収益性が改善した他、電子部品・半導体関連ではEV車関連や生成AI向けデータセンター需要は旺盛なものの、スマートフォン・タブレット端末は世界的な需要低迷が続いており、これに伴う半導体実装装置に関連する需要の減速、及び素材・部材価格の高止まり等により総じて厳しい状況で推移いたしました。

 このような経済環境のもと、当社グループの売上高においてはアルミ原料、ニッケル、チタン展伸材の取扱い、及び自動車用精密金属プレス部品、非破壊・マーキング関連の装置及び消耗材の出荷が前年同期に比べて増加した他、前連結会計年度に連結子会社化した製造子会社による車載電池向け小型精密プレス部品の収益が当第3四半期連結累計期間業績に貢献いたしました。一方、電子部品向け伸銅品、銅スクラップ等の取扱い、及び半導体実装装置向け精密研削加工部品等の出荷が低調であったことから売上高は前年同期に比べ減少いたしました。損益面においてはエネルギー価格や原材料価格の高騰による仕入コストの上昇や、グループ全体での人的資本の増加もあり、これにより税金費用を控除した結果、段階利益は前年同期に比べ減少いたしました。

 

当第3四半期連結累計期間における主な経営成績は次のとおりであります。

 

前第3四半期

連結累計期間

(百万円)

当第3四半期

連結累計期間

(百万円)

前年同期比増減額

(百万円)

前年同期比増減率

(%)

売上高

135,712

130,846

△4,865

△3.6

営業利益

7,255

4,263

△2,991

△41.2

経常利益

7,650

4,476

△3,174

△41.5

親会社株主に帰属する四半期純利益

5,092

2,801

△2,291

△45.0

 

 

当第3四半期連結累計期間におけるセグメントの業績は次のとおりであります。また、各セグメントの売上高は、セグメント間の内部売上高を含んでおります。

 

 

前第3四半期

連結累計期間

(百万円)

当第3四半期

連結累計期間

(百万円)

前年同期比

増減額

(百万円)

前年同期比

増減率

(%)

商社流通

-電子機能材

売上高

35,317

25,269

△10,047

△28.4

セグメント利益

3,374

1,663

△1,711

△50.7

商社流通

-アルミ銅

売上高

49,803

53,279

3,476

7.0

セグメント利益

1,301

392

△908

△69.8

製造

-装置材料

売上高

31,559

31,675

116

0.4

セグメント利益

1,106

453

△653

△59.1

製造

-金属加工

売上高

21,478

24,132

2,654

12.4

セグメント利益

1,883

1,963

79

4.2

 

・商社流通-電子機能材事業

電子機能材においては、自動車生産の回復により、電池用途やめっき関連のニッケルが好調に推移し、取扱量は前年同期に比べ増加いたしましたが、相場下落等により利益面では前年同期に比べ減少しました。二次電池用材料に関しては、スマートフォン等のデジタル端末の需要低迷が底打ちし、取扱量・売上高は共に前年同期に比べ増加に転じるものの、本格的な回復には時間を要しております。また、レアメタル・レアアースは、自動車需要の回復により関連するレアメタルの出荷は増加しましたが、中国経済の停滞等の影響で、取扱量・売上高は共に前年同期に比べ減少いたしました。

・商社流通-アルミ銅事業

製品分野においては、チタン展伸材の欧州向け輸出取引が顧客の需要増加により伸長し、アルミ圧延品も自動車関連需要の回復により、取扱いが前年同期に比べ増加し、また自動車向け冷延鋼板の取扱いが前年同期に比べ大きく伸長いたしました。一方で、伸銅品はIT関連や家電分野等、多くの顧客で需要低迷が長引いており、取扱量・売上高は共に前年同期に比べ減少いたしました。原料分野においては、自動車生産の回復によりアルミ再生塊・スクラップの取扱いが前年同期に比べ増加した一方で、銅スクラップはデジタル機器の需要減少による各顧客での生産調整や操業低下の他、市況下落等によりスクラップの流通量が低下し、売上高・セグメント利益は共に前年同期に比べ減少しました。

・製造-装置材料事業

材料分野においては、めっき材料は円安効果による収益貢献はあったものの、半導体需要の低迷や中国における建築関連需要の減少により取扱量が前年同期に比べ減少いたしました。他方、自動車生産の回復により、自動車金型補修用材料やブレーキ用カシュー樹脂製品の売上高が前年同期に比べ増加した他、電波吸収体用材料の出荷増が当セグメントの収益に寄与しました。装置分野においては、自動車や製鉄関連向け非破壊・マーキング関連の装置及び消耗品の国内市場向けは低調な半面、海外市場での需要が堅調であり、出荷は前年同期に比べ増加しましたが、原料価格高騰による仕入コストの上昇により、セグメント利益では前年同期に比べ減少しました。

・製造-金属加工事業

精密切削加工部品は好調を維持していた半導体製造装置向けの出荷が当第3四半期連結累計期間においては若干弱含みましたが航空機関連等の出荷が前年同期に比べ増加いたしました。半導体実装装置向けの精密研削加工部品はスマートフォン等の民生品需要の本格回復が遅れており、出荷は低調に推移しました。一方、精密金属プレス部品は自動車関連需要の回復により、出荷が前年同期に比べ増加した他、車載用リチウムイオン電池向けの小型精密金属プレス部品が当セグメントの収益に貢献いたしました。なお、端子コネクタ用精密プレス部品はスマートフォン需要の回復が遅れた影響から、当初の計画値を下回りました。

 

・財政状態に関する説明

①財政状態

a.流動資産

 当第3四半期連結会計期間末における流動資産は150,486百万円であり、前連結会計年度末比6,273百万円の増加となりました。主な内訳は、現金及び預金の増加5,788百万円、受取手形及び売掛金の増加1,646百万円、及び棚卸資産の減少587百万円であります。

b.固定資産

 当第3四半期連結会計期間末における固定資産は48,724百万円であり、前連結会計年度末比1,046百万円の増加となりました。主な内訳は、投資その他の資産の増加1,069百万円、有形固定資産の増加409百万円、及び無形固定資産の償却による減少432百万円であります。

c.流動負債

 当第3四半期連結会計期間末における流動負債は102,502百万円であり、前連結会計年度末比2,154百万円の増加となりました。主な内訳は、支払手形及び買掛金の増加3,540百万円、1年内返済予定の長期借入金の増加495百万円、短期借入金の減少1,053百万円、賞与引当金の減少427百万円、及び未払法人税等の減少263百万円であります。

d.固定負債

 当第3四半期連結会計期間末における固定負債は28,406百万円であり、前連結会計年度末比88百万円の減少となりました。主な内訳は、長期借入金の減少414百万円であります。

e.純資産

 当第3四半期連結会計期間末における純資産は68,300百万円であり、前連結会計年度末比5,253百万円の増加となりました。主な内訳は、為替換算調整勘定の増加2,808百万円、その他有価証券評価差額金の増加1,206百万円、及び利益剰余金の増加1,137百万円であります。

②経営成績

a.売上高

 売上高は、世界的なエネルギー・原材料価格高止まりによるインフレや金利上昇、中国経済の減速、国内における円安の進行による物価上昇等、当社グループを取り巻く事業環境は前連結会計年度から引続き不透明感が深まっております。取扱品及び製品別でみると、商社流通では車載向けニッケル製品、アルミ原料及び冷延鋼板、チタン展伸材の取扱いが前年同期に比べ増加いたしましたが、電子部品・半導体関連需要の減速により電子材料向け伸銅品、銅スクラップ等の取扱いが前年同期に比べ減少いたしました。

 製造では自動車生産の回復により精密金属プレス部品の出荷が前年同期に比べ増加した他、リチウムイオン電池向け小型精密プレス部品が収益に寄与する一方で、半導体製造装置向け精密切削加工部品の出荷は電子部品・半導体関連需要の減速により前年同期に比べ若干弱含み、また、半導体実装装置向け精密研削加工部品はスマートフォン向け需要の減速の影響を受けた他、めっき材料は中国経済の低迷等の影響もあり出荷は共に前年同期に比べて減少いたしました。

 この結果、当第3四半期連結累計期間における売上高は130,846百万円(前年同期比3.6%減少)となりました。

b.売上総利益

 グループ全体での減収に加え原材料価格高騰による仕入コストの上昇により、当第3四半期連結累計期間における売上総利益は17,101百万円(前年同期比11.9%減少)となりました。

c.販売費及び一般管理費

 前連結会計年度に連結子会社化した製造子会社の損益取込み、及びグループ全体における人的資本の増加等から、当第3四半期連結累計期間における販売費及び一般管理費は12,837百万円(前年同期比5.6%増加)となりました。

d.営業利益

 上記の結果、当第3四半期連結累計期間における営業利益は4,263百万円(前年同期比41.2%減少)となりました。

e.営業外収益、営業外費用

 受取配当金が増加した一方で、為替差益の減少と支払利息の増加により、当第3四半期連結累計期間における営業外収支(営業外収益-営業外費用)は212百万円の収入超となりました(前年同期は394百万円の収入超)。

f.経常利益

 上記の結果、当第3四半期連結累計期間における経常利益は4,476百万円(前年同期比41.5%減少)となりました。

 

g.特別利益、特別損失

 連結ベースでの政策保有株式売却に伴い、投資有価証券売却益等を特別利益として475百万円計上する一方、投資有価証券売却損等を特別損失として79百万円、それぞれ計上いたしました。

h.親会社株主に帰属する四半期純利益

税金等調整前四半期純利益4,872百万円から、法人税等2,014百万円、非支配株主に帰属する四半期純利益56百万円を差引き、当第3四半期連結累計期間における親会社株主に帰属する四半期純利益は2,801百万円(前年同期比45.0%減少)となりました。

(2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

(3)研究開発活動

当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動について特記すべき事項はありません。

(4)経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通し

当第3四半期連結累計期間において、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通しについて重要な変更はありません。

(5)経営者の問題認識と今後の方針について

当第3四半期連結累計期間において、当社グループの経営者の問題認識と今後の方針について重要な変更はありません。