売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E31167 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、物価上昇などの懸念もありますが、インバウンド需要の増
加など、景気は緩やかに持ち直しています。世界経済におきましては、国際情勢が一段と不安定になる中、中
国経済の停滞、為替レートの変動、米中貿易摩擦など、先行き不透明な状況が続いております。
 当社の属するエレクトロニクス産業におきましては、半導体・電子部品の供給逼迫状況がピークを過ぎ、需要
は調整局面となりました。そのような中、産業機器市場におきましては、製造業DX(デジタルトランスフォーメ
ーション)向けのFA・工作機械等への設備投資が堅調に推移しています。また、将来の半導体確保に向け各国政
府主導により半導体工場への設備投資の支援策が行われ、半導体製造装置等に長期的な需要が期待されていま
す。車載市場では、ADAS(先進運転支援システム)をはじめとした安全性の向上・自動化に向けた高度な制御シ
ステム、脱炭素化に向けたEV(電気自動車)化の動きが加速し、車1台当たりの半導体搭載量が増加する中、
半導体供給不足も解消し生産数も回復しています。IT産業におきましては、企業のIT投資環境は引き続き良好と
なっており、DX等をテーマとする投資に加えて、国内外の経済活動の正常化によるビジネス規模の拡大に伴って
IT投資が拡大しています。セキュリティに関しては、自社の取引先等、サプライチェーンの弱点を悪用したイン
シデントが発生しており、サイバー攻撃のリスクが再認識されています。特に、企業が保有する情報資産の増加
と管理不足を背景に、情報資産を発見・管理し、脆弱性などのリスクを継続的に検出・評価するアタック・サー
フェイス・マネジメント(ASM)サービスへの注目が高まっています。

以上の結果、当第3四半期連結累計期間における売上高は800,303百万円(前年同四半期比4.2%増)、営業利益は51,310百万円(前年同四半期比13.3%増)、経常利益は48,793百万円(前年同四半期比19.5%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益につきましては35,158百万円(前年同四半期比20.0%増)となりました。

 

セグメント別の業績を示すと、次のとおりであります。

① 集積回路及び電子デバイスその他事業

当事業におきましては、半導体製品の供給状況が改善されてきました。そのような中、当社グループの注力
市場である産業機器市場においては、メモリーなど最先端半導体需要の停滞から各種半導体製造装置への設備
投資の抑制がある中、生産の高度化・自動化を目的としたFA機器や工業用ロボット向けが堅調でした。車載市
場では、世界的な脱炭素化の流れによるEV化やより高度な自動化・電動化が進み、半導体搭載量も増加してい
ることから、その他標準ICを中心に伸長しました。中国向けサーバー需要が落ち込んだ影響を受け通信インフ
ラ・コンピュータ市場向けメモリーの需要が減少しました。コンピュータ市場では、生成AI向け製品の需要は
増加しました。また、マーケットシェアの拡大が進んでいることも寄与しました。これらの結果、同事業の当第3四半期連結累計期間の売上高は713,630百万円(前年同四半期比2.3%増)、営業利益は46,123百万円(前年同四半期比13.1%増)となりました。

 

 

② ネットワーク事業

当事業におきましては、働き方改革やリモートワークの普及によりクライアント端末へのセキュリティ対策
の重要性認識が浸透してきたことにより、エンドポイントセキュリティ関連商品が大幅に伸長しました。企業
や官公庁におけるクラウド技術やデータ活用の広がりを背景に、クラウドアプリケーションとデータ分析基盤
関連商品が伸長しました。加えて、東南アジア地域を中心とした海外ネットワーク事業も大幅に伸長しまし
た。また、国内ビジネスにおいて、期中の急激な為替の円安傾向により、新規案件を中心に売上原価率が上昇
しました。これらの結果、同事業の当第3四半期連結累計期間の売上高は86,691百万円(前年同四半期比22.6%増)、営業利益は5,187百万円(前年同四半期比14.9%増)となりました。

 

(2) 財政状態の状況

当第3四半期連結会計期間末における総資産は516,847百万円となり、前連結会計年度末に比べ772百万円減少となりました。

流動資産は、前連結会計年度末に比べ3,826百万円減少となりました。これは主に電子記録債権が6,494百万円、その他の流動資産が2,797百万円、商品が1,135百万円それぞれ増加したものの、現金及び預金が8,702百万円、受取手形、売掛金及び契約資産が5,544百万円それぞれ減少したことによるものです。

固定資産は、前連結会計年度末に比べ3,054百万円増加となりました。これは主にその他の無形固定資産が639百万円減少したものの、投資有価証券が2,851百万円増加したことによるものです。

流動負債は、前連結会計年度末に比べ32,393百万円減少となりました。これは主にその他の流動負債が17,980百万円増加したものの、支払手形及び買掛金が11,212百万円、短期借入金が29,470百万円、未払法人税等が6,094百万円それぞれ減少したことによるものです。

固定負債は、前連結会計年度末に比べ227百万円減少となりました。これは主にその他の固定負債が231百万円減少したことによるものです。

純資産は、前連結会計年度末に比べ31,848百万円増加となりました。これは主に利益剰余金が25,768百万円、為替換算調整勘定が5,552百万円それぞれ増加したことによるものです。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末の37,492百万円に比べ8,707百万円減少し、28,785百万円となりました。

営業活動によるキャッシュ・フローは37,007百万円増加 (前年同四半期は、14,695百万円増加)となりました。これは主に法人税等の支払いがあったものの、税金等調整前四半期純利益50,178百万円の計上及び売上債権の減少があったことによるものです。

投資活動によるキャッシュ・フローは3,378百万円減少 (前年同四半期は、88百万円減少)となりました。これは主に貸付けによる支出、有形固定資産及び関係会社株式の取得による支出があったことによるものです。

財務活動によるキャッシュ・フローは43,943百万円減少 (前年同四半期は、19,144百万円減少)となりました。これは主に短期借入金の純減、配当金の支払い及び非支配株主への配当金の支払いがあったことによるものです。

 

(4) 研究開発活動

当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は207百万円であります。

なお、当第3四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

 

(5) 仕入、受注及び販売の実績

当第3四半期連結累計期間における集積回路及び電子デバイスその他事業の受注高、受注残高が減少しております。これは、「第2 事業の状況 2 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュフローの状況の分析 (1)経営成績の状況」に記載したとおり、半導体製品の供給不足が改善され、半導体のリードタイム短縮に伴い、顧客からの長納期の発注が減少していることが主な要因です。

 

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

集積回路及び電子デバイスその他事業

 439,997

△49.2

   587,022

△40.5