売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E22440 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

なお、第1四半期連結会計期間より、メーカーへの販売情報提供に係る収入を「営業外収益」の「受取事務手数
料」から「売上高」に含めることとした表示方法の変更を行っており、表示方法の変更の内容を反映させた組替え後
の数値で前年同四半期連結累計期間及び前連結会計年度との比較・分析を行っております。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、コロナ前を上回るインバウンド需要や内需のゆるやかな回復等、社会経済活動の動きが活発になった一方で、国際情勢不安、円安傾向、物価の上昇、供給面での制約及び金融資本市場の変動等、依然として不確実性が高く、景気の先行きは不透明な状況が続いております。

当社グループの主たる事業である医薬品卸売業界におきましては、2023年4月の薬価改定による医療費削減効果は3,100億円規模となり、今後も社会保障制度や薬価制度など人々の生命、健康にかかわる政策・制度の抜本改革へ向けた議論が活発化し薬剤費の抑制政策は継続されることが予想されます。医薬品市場の開発、製造、流通の現場では日々ダイナミックな変化が起こる中にあり、医薬品流通にかかわる諸課題の解決の道筋も複雑化しており事業環境は依然として厳しい状況が続いております。

このような市場構造と経営環境の変化を踏まえて、当社グループでは、2024年3月期より「長期ビジョン2035」を「垣根を越えて 薬の先へ “つなぐ” ことで医療の未来を革新する」として策定しました。この長期ビジョンのもと、自立と連携により医薬品・メディカル関連商品の持続可能な流通体制を構築するとともに、社会課題の解決、健康寿命の延伸に寄与することを目的に医療周辺ビジネスを拡大してまいります。また、当社グループは「次代を見据えたビジネスモデルの革新」を中期ビジョンとし、2023年3月期から2025年3月期までの3年間にわたる第5次中期経営計画に取り組んでおります。本中期経営計画では、実践課題として「1.市場の構造変化と市場特性に合わせた医薬品流通モデルの追求」「2.医療のDX進展に伴う流通・マーケティングモデルの進化」「3.プライム市場に対応したグループ経営推進」を設定しその実現に向けて取り組んでおります。

 

当第3四半期連結累計期間の業績につきましては、医療用医薬品市場全体の伸長に加え、抗がん剤や新型コロナウイルス感染症治療薬の販売が好調に推移したことなどから、わずかに増収となりました。利益面では、前述の増収効果に加えて、前期計上した大口得意先に対する貸倒引当金の反動などにより前年を上回ることとなりました。以上の結果、売上高448,909百万円(前年同期実績は444,384百万円)、営業利益5,658百万円(前年同期実績は3,061百万円)、経常利益は6,506百万円(前年同期実績は4,302百万円)、親会社株主に帰属する四半期純利益5,054百万円(前年同期実績は2,433百万円)となりました。

 

セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。

 

①   医薬品卸売事業

医薬品卸売事業の当第3四半期連結累計期間におきましては、薬価改定や一部メーカーの取扱い停止の影響、新型コロナウイルス関連の検査試薬や機器等の販売が落ち込む等によるマイナスの影響はあったものの、抗がん剤や新型コロナウイルス治療薬やインフルエンザ治療薬等の販売が想定以上に伸長し、これらが減収分を上回り、わずかに増収となりました。また利益面においても、この増収効果に加えて、得意先1軒ごとに取引コストを意識した価格交渉を進めたことで、前年実績を大きく上回る結果となりました。

以上の結果、売上高は423,218百万円(前年同期実績は419,449百万円)、セグメント利益(営業利益)は、5,211百万円(前年同期実績は2,810百万円)となりました。

 

② 薬局事業

薬局事業におきましては、2023年8月に事業譲受により1店舗増加したことに加え、調剤技術料収入および薬学管理料収入の増大に努めるとともに、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の分類が5類に変更されたことに伴う人流増加等により受付処方箋枚数が増加したことなどから、売上高は、14,295百万円(前年同期実績は13,769百万円)、セグメント利益(営業利益)は、その増収効果に加え、のれんの償却費が大幅に減少したことにより増益の259百万円(前年同期実績は77百万円)となりました。

 

③ 動物用医薬品卸売事業

動物用医薬品卸売事業におきましては、コンパニオンアニマル部門の売上が伸長し、売上高は8,472百万円(前年同期実績は8,164百万円)、セグメント利益(営業利益)は、仕入価格の上昇等の影響がある中、288百万円(前年同期実績は283百万円)となりました。

 

④ その他事業

その他事業におきましては、農薬・農業資材等卸売事業における売上減などにより、売上高は、2,922百万円(前年同期実績は3,000百万円)となる一方、介護関連事業における収益改善が寄与したこと等によりセグメント損失(営業損失)は、162百万円(前年同期実績は236百万円のセグメント損失)となりました。

 

当第3四半期連結会計期間末の資産は、前連結会計年度末から31,028百万円増加し、328,344百万円となりました。内訳は、流動資産215,575百万円、固定資産112,769百万円であります。

流動資産の主な内訳は、現金及び預金31,100百万円、受取手形及び売掛金131,235百万円、棚卸資産33,863百万円、未収入金16,523百万円であります。なお前連結会計年度末に比べ、現金及び預金が12,071百万円、受取手形及び売掛金が12,649百万円増加したこと等により、流動資産が27,073百万円増加しております。

固定資産の内訳は、有形固定資産48,747百万円、無形固定資産4,055百万円、投資その他の資産59,966百万円であります。

負債は、前連結会計年度末から28,490百万円増加し、225,641百万円となりました。内訳は、流動負債207,259百万円、固定負債18,381百万円であります。

流動負債の主な内訳は、支払手形及び買掛金195,107百万円、短期借入金980百万円であります。なお前連結会計年度末に比べ、未払法人税等が1,025百万円及び賞与引当金が956百万円減少したものの、支払手形及び買掛金が30,536百万円増加したこと等により、流動負債が28,600百万円増加しております。

固定負債の主な内訳は、長期借入金6,065百万円、退職給付に係る負債900百万円であります。なお前連結会計年度末に比べ、長期借入金が724百万円が減少したこと等により、固定負債が109百万円減少しております。

純資産は、前連結会計年度末から2,538百万円増加し、102,703百万円となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する四半期純利益5,054百万円の計上、その他有価証券評価差額金1,665百万円があったものの、自己株式の取得1,626百万円及び配当金の支払2,367百万円の減少等によるものであります。

 

(2)事業上及び財務上の対処すべき課題

当第3四半期連結累計期間において新たに発生した対処すべき事業上及び財務上の課題はありません。また、前事業年度の有価証券報告書に記載した対処すべき課題に重要な変更はありません。

 

(3)研究開発活動

該当事項はありません。