売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E25621 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

① 経営成績の分析

 当第3四半期連結累計期間の我が国の経済は、世界的な金融引締めに伴う影響や中国経済の先行き懸念など、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっているものの、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあり、緩やかに回復しています。

 こうした中、賃貸仲介業界では底堅い需要が引き続き見込まれているものの、海外景気の下振れや物価上昇、金融資本市場の変動等の外的要因により国内の諸産業が影響を受け、転居需要に影響を与える可能性も想定されます。またコロナ禍以降、人材不足の問題がさらに顕著化しており収益やサービス品質の低下が懸念されます。こうした変動下においても収益の確保・持続的な成長を可能にするために、事業収益の多角化や顧客満足度の向上に加え、さらなる事業の効率化、人材の採用・育成・従業員満足度の向上などが当社グループの重要な課題になっています。

 このような環境の下、当社グループは2023年6月20日に関西圏で不動産に関する「クラスモ」ブランドを展開するフランチャイズ本部である株式会社シーアールエヌの株式を取得し子会社化し(同年11月に完全子会社化)、事業収益の多角化を進めています。

 また、2020年3月に子会社化された株式会社宅都を前身とする大阪ハウスコム株式会社においては、ハウスコム本社の基幹システムやその他本社機能の活用が進み、事業効率が向上しました。

 さらに、当第3四半期連結累計期間においては、不動産ポータルサイトへの効率的な広告施策により、お客様のお問い合わせ件数が堅調に推移するとともに、ITを駆使したオンラインによるお客様への重要事項の説明等、店舗業務のDX化にも継続的に取り組み、店舗での業務の質的向上・効率化を図り、営業費用を抑制しました。

 そして、人材不足への対応としましては、従来の採用活動だけではなく、外国人、スポーツ選手、障害者、シニアの方々なども対象とした採用の多様化を積極的に進めています。また、店舗の定休日設定や有給休暇取得の奨励など従業員満足度の向上にも取り組んでいます。

 

 以上の結果、当第3四半期連結累計期間の当社グループ連結経営成績は、営業収益9,094百万円(前年同四半期比7.5%減)、営業損失400百万円(前年同四半期は営業損失332百万円)、経常損失395百万円(前年同四半期は経常損失321百万円)、親会社株主に帰属する四半期純損失389百万円(前年同四半期は親会社株主に帰属する四半期純損失269百万円)となりました。

 

 セグメントごとの業績は、次のとおりです。また、セグメント区分による各事業の内容・連結決算への反映期間は(注1)(注2)に記載しています。

 

1)不動産関連事業(注1)

 当社グループの主業で、不動産賃貸仲介業務及び関連サービスから成る不動産関連事業について、営業収益は7,996百万円(前年同四半期比7.3%減、625百万円減)、営業利益は970百万円(前年同四半期比3.3%減、33百万円減)となりました。

 前第3四半期連結累計期間においては、当社グループとは決算期が異なっていた大阪ハウスコム株式会社について、進学・就職・転勤などにより賃貸仲介件数がハイシーズンを迎える3月分を含んだ3月から11月までの営業収益が計上されていたのに対し、当第3四半期連結累計期間は3月分を含まない4月から12月までの営業収益を計上しました。また、従業員満足度の向上のため店舗の定休日設定や有給休暇取得の奨励による店舗の稼働日数の低下などにより営業収益は前年同四半期比で減少しましたが、店舗の統廃合やITを駆使したオンラインによるお客様への重要事項の説明等、店舗業務のDX化にも継続的に取り組み、営業費用を抑制しました。

 

2)施工関連事業(注2)

 不動産仲介を契機とする家主様・入居者様からの原状回復工事やリフォーム工事、鍵交換・サニタリー工事の依頼に対応する諸工事等と、リフォームや改修工事等に関わる営繕・建築請負工事、下請け工事等から成る当社グループの施工関連事業について、営業収益は1,098百万円(前年同四半期比9.2%減、111百万円減)、営業利益は123百万円(前年同四半期比4.0%増、4百万円増)となりました。

 住宅の資産価値を向上させる手段の一つとしてのリフォームを中心とした「ハウスコムコミュニケーションズ株式会社」のリフォーム職人確保・施工の内製化が進み、コスト削減に寄与しました。また、リフォーム営業を担う同社スタッフの提案力向上のための研修の実施も同社の収益向上に貢献しました。

 

(注1)「不動産関連事業」はハウスコム株式会社及び子会社13社の合計14社により構成されています。また、第3四半期連結累計期間の連結業績への反映期間は、以下のとおりです。

ハウスコム株式会社 2023年4月1日より2023年12月31日迄。

ハウスコムテクノロジーズ株式会社 2023年4月1日より2023年12月31日迄。

大阪ハウスコム株式会社 2023年4月1日より2023年12月31日迄。

ハウスコム東東京株式会社 2023年4月1日より2023年12月31日迄。

ハウスコム西東京株式会社 2023年4月1日より2023年12月31日迄。

ハウスコム東神奈川株式会社 2023年4月1日より2023年12月31日迄。

ハウスコム西神奈川株式会社 2023年4月1日より2023年12月31日迄。

ハウスコム千葉株式会社 2023年4月1日より2023年12月31日迄。

ハウスコム埼玉株式会社 2023年4月1日より2023年12月31日迄。

ハウスコム関東株式会社 2023年4月1日より2023年12月31日迄。

ハウスコム静岡株式会社 2023年4月1日より2023年12月31日迄。

ハウスコム東海株式会社 2023年4月1日より2023年12月31日迄。

琉球ハウスコム株式会社 2023年4月1日より2023年12月31日迄。

株式会社シーアールエヌ 2023年7月1日より2023年12月31日迄。

 

(注2)「施工関連事業」は子会社2社により構成されています。また、第3四半期連結累計期間の連結業績への反映期間は、以下のとおりです。

エスケイビル建材株式会社 2023年1月1日より2023年9月30日迄。

ハウスコムコミュニケーションズ株式会社 2023年4月1日より2023年12月31日迄。

 

 当社グループの当第3四半期連結累計期間における経営成績は、以下のとおりです。

(単位:千円)

 

 

2023年3月期

第3四半期

2024年3月期

第3四半期

増減額

増減率

営業収益

 

 

 

 

不動産関連事業

8,621,585

7,996,028

△625,557

△7.3%

施工関連事業

1,209,896

1,098,108

△111,788

△9.2%

合計

9,831,482

9,094,137

△737,345

△7.5%

営業利益又は営業損失(△)

 

 

 

 

不動産関連事業

1,004,207

970,914

△33,292

△3.3%

施工関連事業

118,621

123,363

4,741

4.0%

調整額

△1,455,073

△1,494,555

△39,482

合計

△332,243

△400,277

△68,033

経常損失(△)

△321,608

△395,210

△73,601

親会社株主に帰属する四半期純損失(△)

△269,870

△389,400

△119,529

 

 

② 財政状況の分析

 当第3四半期連結会計期間末における総資産は、9,536百万円(前連結会計年度末は11,482百万円)となり、前連結会計年度末と比べ1,946百万円減少しました。

 

(流動資産)

 当第3四半期連結会計期間末における流動資産の残高は、4,888百万円(前連結会計年度末は5,808百万円)となり、前連結会計年度末と比べ919百万円減少しました。これは現金及び預金が969百万円減少したことが主たる要因であります。

 

(固定資産)

 当第3四半期連結会計期間末における固定資産の残高は、4,648百万円(前連結会計年度末は5,674百万円)となり、前連結会計年度末と比べ1,026百万円減少しました。これは、持株会社体制へ移行前に供託していた営業保証金が還付されたことにより営業保証金が955百万円減少し、投資その他の資産が788百万円減少したこと、及びソフトウエア等の無形固定資産が216百万円減少したことが主たる要因であります。

 

(流動負債)

 当第3四半期連結会計期間末における流動負債の残高は、2,122百万円(前連結会計年度末は3,597百万円)となり、前連結会計年度末と比べ1,475百万円減少しました。これは持株会社体制移行前に供託していた営業保証金が還付されたことにより、当該還付金で短期借入金1,000百万円を返済したことが主たる要因であります。

 

(固定負債)

 当第3四半期連結会計期間末における固定負債の残高は、918百万円(前連結会計年度末は866百万円)となり、前連結会計年度末と比べ51百万円増加しました。これは退職給付に係る負債が46百万円増加したことが主たる要因であります。

 

(純資産)

 当第3四半期連結会計期間末における純資産の残高は、6,495百万円(前連結会計年度末は7,018百万円)となり、前連結会計年度末と比べ522百万円減少しました。これは剰余金の配当を123百万円行ったこと、並びに親会社株主に帰属する四半期純損失389百万円を計上したことが要因であります。

 

 当社グループの当第3四半期連結会計期間末における財政状態は、以下のとおりです。

(単位:千円)

 

 

2023年3月末

2023年12月末

増減額

流動資産

5,808,093

4,888,351

△919,742

有形固定資産

403,035

381,330

△21,704

無形固定資産

1,810,592

1,594,074

△216,518

投資その他の資産

3,460,811

2,672,758

△788,053

資産合計

11,482,533

9,536,514

△1,946,018

 

 

2023年3月末

2023年12月末

増減額

流動負債

3,597,622

2,122,370

△1,475,252

固定負債

866,451

918,248

51,797

純資産

7,018,459

6,495,895

△522,563

 

 

2023年3月末

2023年12月末

自己資本比率

60.9%

67.8%

 

 当社グループの財政状態は、これまでの事業活動の結果として資金と資本の蓄積が進み、高い水準の自己資本比率(67.8%)となっており、安全性の高い状況にあると認識しています。企業環境と事業戦略により重視すべき基準が変わり得るため単独の指標による評価は行っておりませんが、現時点では、成長投資向け資金・株主還元用原資が確保されているとともに、不確実性に対応することのできる財務内容であるものと評価しております。

 

(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(3)経営方針・経営戦略等

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(5)研究開発活動

 該当事項はありません。