売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E00610 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

 (1) 財政状態及び経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の位置づけが5類に移行されて以降、経済活動全般は回復に向かいつつあり、インバウンド需要と共に国内個人消費も回復基調が続いているものの、国際情勢や円安基調を背景としたエネルギー資源や原材料の高騰を始め、国内諸物価の上昇が消費マインドに影響を及ぼすなど、先行きは不透明です。

アパレル・ファッション業界におきましては、流通在庫の補充も終了したことや、諸物価上昇等による消費の減退傾向を受けて、衣料品の生産も鈍化傾向に転じ、手芸関連業界でも、節約意識の高まりによる消費低迷が続くなど、両分野の縫い糸の商況は厳しさが増しております。

とりわけ当社グループにおきましては、一昨年の上海地域の新型コロナウイルス感染症対策に基づく中国子会社の2ヶ月にわたる事業停止による販売機会損失やその後の衣料品生産の中国離れなど、コロナ禍の様々な後遺症により、同国における事業は厳しい状況が続きました。

これらの結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は、円安傾向に伴う為替換算レートの影響があったにもかかわらず、4,427百万円(前年同期比1.4%増)にとどまりました。

また利益面につきましても、一昨年以降実施した国内販売価格の改正や販売品目構成の変化など、増益要因もありましたが、製造コストの高止まりのなか、当社における受注の減少や中国子会社の回復遅れも響いて、営業損失は33百万円(前年同期は127百万円の損失)、経常利益は30百万円(前年同期は83百万円の損失)となりました。

なお、前年同期には上海地域のロックダウンによる事業停止に伴い、新型コロナウイルス関連損失80百万円を特別損失に計上しましたが、当第2四半期には、連結子会社であった上海富士克貿易有限公司の清算に伴う子会社清算益76百万円を特別利益に計上したため、親会社株主に帰属する四半期純利益は102百万円(前年同期は134百万円の損失)となりました。

 

当第3四半期連結累計期間におけるセグメントごとの経営成績は、次のとおりです。

 

日本

当社グループにおきましては、当第3四半期連結累計期間は、当社の2023年4月から12月まで、国内子会社の2023年2月から10月までの業績が連結されております。

当四半期は、上述の通り、経済活動全般の回復傾向が続きましたが、アパレル・ファッション業界におきましては、コロナ禍で減少した流通在庫の補充も終了したこと、国内の諸物価上昇による消費マインドの低下もあって、衣料品の生産は分野ごとの程度差が見られるものの、秋口以降、全体的には鈍化傾向に転じました。

また一方で、自動車生産台数の回復傾向が続いたことにより、車両内装用縫い糸の受注は堅調を維持しましたが、手芸関連業界では、国内の諸物価上昇による節約意識の高まりを受けて、家庭用縫い糸を含む手芸関連商品は全般にわたって消費の低迷が続きました。

このような状況のなか、一昨年以降実施した縫い糸全般の販売価格改正は増収要因となりましたが、当社における受注の減少もあって当セグメントの売上高は、3,585百万円(前年同期比4.5%増)にとどまりました。

一方利益面は、価格改正や販売品目構成の変化は増益要因になりましたが、製造コストの高止まりや、当社における受注及び生産の減少もあって、セグメント利益は26百万円(前年同期は106百万円の損失)となりました。

 

 

アジア

当セグメントに属する全ての海外子会社は、事業年度の末日を12月末日と定めており、当第3四半期連結累計期間は、2023年1月から9月までの業績が連結されております。

当四半期は、上述の通り、日本向け衣料品は、コロナ禍で減少した流通在庫の補充や消費の回復に伴い、その生産は全般に増加傾向となりましたが、当社グループの中国事業におきましては、一昨年の厳しいコロナ政策による販売機会損失や日本向け衣料品の生産の中国離れが進むなど、コロナ禍の様々な後遺症が今なお続いていることで、当セグメントでウェイトの大きい中国子会社の受注は回復の見られぬ状況が続きました。これらにより、当四半期は円安傾向に伴う為替換算レートの影響があったにもかかわらず、当セグメントの売上高は、842百万円(前年同期比9.8%減)となりました。

また、利益面につきましても、製造コスト上昇のなか、販売価格への転嫁が困難であったアジア地域全体の状況に加えて、中国子会社における受注及び生産の回復遅れにより、セグメント損失は46百万円(前年同期は20百万円の損失)となりました。

 

財政状態の状況は、次のとおりです。

当第3四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べて479百万円増加し、11,397百万円となりました。主な増減は、現金及び預金の減少46百万円があったものの、投資有価証券の増加283百万円、棚卸資産の増加155百万円、電子記録債権の増加55百万円などがありました。

負債は、前連結会計年度末に比べて88百万円増加し、1,542百万円となりました。主な増減は、買掛金の減少47百万円があったものの、その他(流動負債)の増加72百万円、その他(固定負債)の増加79百万円などがありました。

純資産は、前連結会計年度末に比べて390百万円増加し、9,854百万円となりました。主な増減は、親会社株主に帰属する四半期純利益102百万円の計上、その他有価証券評価差額金の増加196百万円、為替換算調整勘定の増加113百万円などがありました。

 

 (2) 研究開発活動

当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は55百万円であります。