E05413 Japan GAAP
文中の将来に関する事項は、当四半期報告書提出日現在において、当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものです。
(1) 業績の状況
<当第3四半期連結累計期間の概況>
当第3四半期連結累計期間においては、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響が緩和されつつあるものの、地政学的リスクの高まりによる原材料価格の高騰、世界的な金融引き締めによる為替相場の変動等により、世界経済は依然として先行き不透明な状況にあります。
このような状況において当社グループは、事業構造改革による収益基盤の改善を進めつつ、SaaS(*1)をはじめとするクラウド関連製品・サービスを拡大させ、顧客のDX(*2)に資する最適なソリューションを提供してまいります。
当第3四半期連結累計期間の各セグメントの業績は、次の通りとなりました。
① オープンシステム基盤事業
半導体不足の解消に伴い、ハードウェアの需給が緩和し、オンプレミス向けの製品・サービスが復調傾向となりました。この結果、Red Hat Enterprise Linux(*3)をはじめとするRed Hat, Inc.関連商品(*4)は順調な増収となりました。また、主力自社製品である「LifeKeeper」(*5)はオンプレミス向けの復調に加え、クラウド向けも伸長したことから堅調な増収となりました。これらにより、売上高は7,165百万円(前年同期比12.0%増)、セグメント利益は62百万円(前年同期は20百万円の損失)となりました。
② アプリケーション事業
金融機関向け経営支援システム販売は減収となりました。一方、システム開発・構築支援はAPI(*6)関連や証券系業務システムの案件が増加したことにより好調な増収となりました。また、「Gluegentシリーズ」(*7)も順調な増収となりました。これらにより、売上高は4,526百万円(前年同期比5.7%増)となりました。
利益面では、増収により前年同期比で改善したものの、人件費の増加、Med Tech(*8)事業を中心に新製品・サービスへの投資を強化したことにより、セグメント損失は266百万円(前年同期は455百万円の損失)となりました。
これらの結果、当第3四半期連結累計期間における売上高は11,701百万円(前年同期比9.5%増)、営業損失は194百万円(前年同期は468百万円の損失)、持分法による投資利益の計上等により経常損失は139百万円(前年同期は419百万円の損失)となりました。また、減損損失及び事業譲渡損失を計上したことにより、親会社株主に帰属する四半期純損失は186百万円(前年同期は566百万円の損失)となりました。
当社グループの重視する経営指標であるEBITDA(営業利益+減価償却費+のれん償却額)とROIC(年率換算数値、税引後営業利益÷(株主資本+有利子負債))は、次の通りとなりました。
EBITDA:△147百万円(前年同期は△383百万円)
ROIC(年率換算数値):△14.0%(前年同期は△26.1%)
(*1) SaaS
Software as a Serviceの略。ソフトウェアをクラウドサービスとして提供すること。
(*2) DX
デジタルトランスフォーメーションの略。企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。
(*3) Red Hat Enterprise Linux
オープンソースソフトウェア&サービス・プロバイダーRed Hat, Inc.が開発するLinux OS。
(*4) Red Hat, Inc.関連商品
オープンソースソフトウェア&サービス・プロバイダーRed Hat, Inc.が開発するオープンソースの製品。
(*5) LifeKeeper
本番稼働のサーバーとは別に同じ環境の予備サーバーを待機させ、万が一の障害の際には自動的に予備サーバーに業務を引き継がせる役割を担うソフトウェア。
(*6) API
ソフトウェアやアプリケーション同士が互いに情報をやり取りするための仕組み。
(*7) Gluegentシリーズ
IDの管理をクラウドで行うサービス「Gluegent Gate」をはじめ、クラウド型ワークフローの「Gluegent Flow」、Google Calendarにチームメンバーの予定管理機能等を付加した「Gluegent Appsグループスケジューラ」等、企業におけるクラウドを利用した業務効率化等を支援するサービス。
(*8) Med Tech
Medical(医療)とTechnology(技術)を組み合わせた造語。
(2) 財政状態の分析
①資産
流動資産は、現金及び預金の増加220百万円等の要因により、5,215百万円(前連結会計年度末比0.4%増)となりました。
固定資産は、投資有価証券の増加35百万円等の要因により、902百万円(同9.2%増)となりました。
この結果、総資産は、6,118百万円(同1.6%増)となりました。
②負債
流動負債は、契約負債の増加223百万円等の要因により、4,672百万円(前連結会計年度末比7.7%増)となりました。
固定負債は、長期借入金の減少49百万円等の要因により、395百万円(同10.3%減)となりました。
この結果、負債合計は、5,068百万円(同6.1%増)となりました。
③純資産
純資産合計は、利益剰余金の減少272百万円等の要因により、1,049百万円(前連結会計年度末比15.6%減)となりました。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、663百万円です。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。