売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E05720 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

(経営成績の状況)

 新型コロナウイルス感染症の位置づけが2類相当から5類へ移行し、社会・経済活動は正常化に向けた動きが進みました。一方で、ウクライナ情勢の長期化や円安の影響等により原油をはじめとした資源・エネルギー価格が高騰するとともに、中東情勢の緊迫化の影響が懸念されるなど、社会・経済情勢は依然として不透明な状況が続いています。

 このような状況のなかでも、企業や官公庁等におけるデジタル化が進められ、クラウド基盤の活用推進やビジネス変革、事業領域の拡大を目的としたデジタル投資は、様々な業種・業界で増加基調にあります。また、破壊的なテクノロジーともいわれる生成AIの登場により、あらゆる分野においてAI活用の可能性が探られるなど、デジタルビジネスを活性化させる動きも出ています。

 このようなデジタル化の進展に伴って、サイバー脅威の領域が拡大するとともに、身代金要求型攻撃(ランサム攻撃)をはじめとして、重要インフラ分野にまで及ぶサイバー被害が従来にも増して甚大化、複雑化するなか、検知から対策まで迅速かつ高度な対応を実現するセキュリティ対策が求められています。

 また、大手通信事業者の子会社において大規模な情報持ち出し被害などが報道され、内部不正対策は都度強化されるものの、年が経つにつれほころびが出るという認識が必要であることを改めて社会に認知させるに至りました。当社は、長年にわたり培ってきたセキュリティ事故対応の知見をもとに、外部からの脅威だけでなく内部不正を含めた対応力の更なる向上のため、緊急対応サービスの事業体制強化や運用監視サービスのサービス力強化への取り組みを推進してきました。

 

 当第3四半期連結累計期間の売上高は、セキュリティソリューションサービス事業(SSS事業)は製品販売や運用監視サービスなどが拡大し、またシステムインテグレーションサービス事業(SIS事業)は開発サービスやHW/SW販売などが伸長したことにより、35,290百万円(前年同期比13.2%増)となりました。利益面では、営業利益は694百万円(同41.0%増)、経常利益は618百万円(同26.9%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は373百万円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純損失1,050百万円)となりました。

 

 セグメント別の経営成績は次のとおりであります。

 

 なお、第1四半期連結会計期間より、セキュリティソリューションサービス事業(SSS事業)のサブセグメント間において組み替えを行っています。エンドポイント対策支援サービスをセキュリティコンサルティングサービスからセキュリティ運用監視サービスに、また標的型メール訓練サービスをセキュリティ診断サービスからセキュリティコンサルティングサービスへと組み替えています。それに伴い、前年同四半期比較においては、前年同四半期の数値を変更後の数値に組み替えて比較しております。

 

①セキュリティソリューションサービス事業(SSS事業)

 セキュリティコンサルティングサービスは、緊急対応サービス案件の減少はあったものの、体制・対策強化に向けたコンサルティング案件の拡大や標的型メール訓練など教育サービスが伸長したことにより、売上高は2,616百万円(前年同期比0.9%増)となりました。

 セキュリティ診断サービスは、年間で手掛ける大型案件の売上が期末の一括計上となっている影響があったものの、実践的な疑似攻撃を行い潜在的な脅威を調査するペネトレーションテストの案件が拡大したことなどにより、売上高は1,553百万円(同0.9%増)となりました。

 セキュリティ運用監視サービスは、特定企業向けに高度な対策を行う個別監視サービスや内部不正監視サービスが伸長するとともに、エンドポイント対策支援サービスが拡大したことにより、売上高は4,760百万円(同6.1%増)となりました。

 セキュリティ製品販売は、エンドポイント対策向けおよびサービス妨害型攻撃にも対応したWebセキュリティ対策向けクラウド対応製品や、潜在的な脅威情報を収集・分析するセキュリティ製品などが大幅に拡大したことにより、売上高は5,526百万円(同24.8%増)となりました。

 セキュリティ保守サービスは、クラウド対応製品の拡大等で需要が縮小傾向にあり、既存案件等が減少したことにより、売上高は587百万円(同0.3%減)となりました。

 この結果、SSS事業の売上高は15,044百万円(同10.3%増)、セグメント利益は、大型案件で稼働が先行していることや事業体制・サービス力強化のための先行投資等の影響により、865百万円(同31.5%減)となりました。

 

②システムインテグレーションサービス事業(SIS事業)

 主力ビジネスである開発サービスは、大手銀行やクレジットカードなどの金融業向け案件に加え、公共向け案件が大幅に伸長したことにより、売上高は13,409百万円(前年同期比12.6%増)となりました。

 HW/SW販売は、クラウドサービスの拡大等で需要は縮小しているものの、更新案件等の獲得により大幅に伸長し、売上高は2,409百万円(同59.0%増)となりました。

 IT保守サービスは、更新案件等が減少したことにより、売上高は2,480百万円(同4.8%減)となりました。

 ソリューションサービスは、サイバーセキュリティ対策にも寄与するクラウドソリューション製品の販売が拡大したことにより、売上高は1,947百万円(同29.8%増)となりました。

 この結果、SIS事業の売上高は20,246百万円(同15.5%増)、セグメント利益は2,729百万円(同18.7%増)となりました。

 

(財政状態の状況)

 当第3四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ1,227百万円減少し、21,345百万円となりました。変動は主に現金及び預金の減少1,000百万円、受取手形、売掛金及び契約資産の減少598百万円、商品の増加518百万円等によります。

 負債は、前連結会計年度末に比べ785百万円減少し、6,966百万円となりました。変動は主に買掛金の増加510百万円、1年内返済予定の長期借入金の減少1,336百万円等によります。

 純資産は、前連結会計年度末に比べ441百万円減少し、14,378百万円となりました。変動は主に配当による利益剰余金の減少427百万円等によります。この結果、自己資本比率は67.4%となりました。

 

(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(3)経営方針・経営戦略等

 当第3四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した当社グループが定めている「経営方針・経営戦略等」について重要な変更はありません。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第3四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した当社グループが「優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」について重要な変更はありません。

 

(5)研究開発活動

 当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、207百万円であります。

 なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。