E31131 Japan GAAP
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
①経営成績の分析
当中間連結会計期間における我が国経済は、雇用・所得環境が改善するなか、緩やかな回復基調で推移いたしました。しかしながら、米国の関税政策、ウクライナや中東情勢の長期化、物価の上昇、欧米における高い金利水準の継続の影響など、依然として先行き不透明な状況が続いております。AIビジネスの国内市場においては、引き続き、アプリケーション機能の高度化や特定業務に特化したシステム活用への投資が増えるとみられています。アプリケーションやシステムをユーザーの要望に合わせて複雑化させると、コストや開発スピードなどの要因から外注よりも内製化するケースが多くなると予想され、それに伴い、特に内製化に関連するミドルウェアやサーバー/ストレージ/IaaSなどの品目が大きく伸長することから、2027年度には2021年度比1.7倍の1兆9,787億円が予測されています(富士キメラ総研「2022人工知能ビジネス総調査」)。
グローバルベースでのAI市場においては、当社グループの得意とする生成AIの用途拡大や、社会実装が進展するなど、加速度的な成長も見込まれる市場環境にあります。また、今後深耕するAIデータセンターの領域においても、グローバルベースで、急増するAI処理に対応できるAIデータセンターの構築が求められる市場環境にあるほか、地政学的な課題とセキュリティリスクが渦巻く現在の世界経済・安全保障環境に鑑み、各種課題の解決において、AIがさらに重要要素となってきていることから、AIデータセンターの容量拡大や、クロスボーダーでの連携が強く求められております。加えて、AIモデルのトレーニングに必要な計算能力は業界全体で約6ヶ月毎に倍増(2024年5月 EPOCH AI 調査レポート「Training Compute of Frontier AI Models Grows by 4-5x per Year」より)していることから、将来的には、新たなモデル及びより大規模なモデルの誕生により、AIデータセンターやAIクラウドスタックへの需要が更に高まるものと想定しております。
南米のスマートリテールデバイス市場は、2019年の18億3,220万米ドルから2027年までに26億6,920万米ドルに成長すると予想されています。2020年から2027年までに5.3%のCAGRで成長すると推定されています。南米のスマートリテールデバイス市場は、ブラジル、アルゼンチン、及びその他の南米の地域に分類されます。この地域には複雑なマクロ経済的及び政治的環境を抱える国がいくつかあり、さまざまな成長シナリオが存在します。ブラジル、アルゼンチン、チリ、ペルーなどの発展途上国は、インフラストラクチャーや小売部門の開発に多額の投資を行っています。さらに、これらの地域の多くの小売業者は、競争力を高め、変化のメリットを適応させるためにデジタル変革を開始しています。コロンビアとブラジルはデジタルイノベーションに急速に進化しており、チリはデジタル化とイノベーションにおいて最も優れた国にランクされ、「傑出した」国とみなされています。このデジタル変革は、地域全体のスマート小売デバイス市場に新たな機会を提供します。都市化の進行により、さまざまなショッピング複合施設やレクリエーションセンターが成長しており、この地域のスマート小売デバイスの需要が高まると予想されています(Business Market Insights「South America Smart Retail Devices Market research report」)。
リテールテック(決済端末・セルフ操作端末、次世代ファシリティ、次世代オペレーション)の国内においては、コロナ禍でも事業を維持するために、フルセルフレジや遠隔接客システムなど、非接触対応や少人数のスタッフで業務を行うための投資が進み、従来、データ化できていなかった消費者の属性や店内行動などの可視化、及びデータ利活用に関する品目が伸びており、今後は、レジレス決済システムやスマートエントランスなど、次世代ソリューションが伸びるほか、RFIDソリューションや需要予測システムなど、サプライチェーン全体の最適化に関連する品目が伸長することから、2030年の市場は2021年比2.2倍の5,553億円が予測されています(富士経済「2022年版 次世代ストア&リテールテック市場の現状と将来展望」)。デジタルトランスフォーメーションに係る流通/小売業界については、実店舗の人手不足を補い、来店客の購買体験を改善・拡充するフルセルフレジ、また、食品スーパーや総合スーパーではタブレット端末付きショッピングカートの導入が進んでおり、今後は無人店舗ソリューションの伸びも期待されること、ショッピング体験の拡充に向けて、小売事業者やSI、広告事業者がAR/VR技術を活用した展開を進められていること、デジタルオペレーションでは、自動発注システムが食品や総合スーパーを中心に採用が広がっており、卸事業者のSCM向けの導入も期待され、また、需要予測システムは廃棄ロス削減やSDGs対応ニーズにより、全国展開する大手リテーラーで導入が進んでいることから、2030年度予測は2021年度比3.6倍の1,852億円と予測されています(富士キメラ総研「2023 デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望 市場編、ベンター戦略編」)。
当社グループは、前連結会計年度において、戦略的コア事業として、新規にグローバルベースでのAIデータセンター事業を立ち上げ、これを展開・拡大するために、経営体制を刷新するとともに、高度人材の獲得を推進してまいりました。事業上は、世界中で供給が逼迫するNVIDIA製GPUについて、台湾サーバー機器サプライヤー各社との業務提携を通じて確保する戦略を採用・実行し、大型GPUクラスターの運用を最適化する独自アルゴリズムシステム『TAIZA』の開発・構築等を進め、事業パートナー及び事業パートナー候補との連携・協議を深化させてまいりました。また、これらの取組みと並行して、グローバルネットワークを活用した営業活動も推進し、国内を中心とするアジア・オセアニア及び欧州でのAIデータセンターサービスの提供に向けて大型の見込パイプライン数が拡大しております。当中間連結会計期間において、当社は、2025年7月10日付で第1号のAIデータセンター案件(以下、「第1号案件」といいます。)として、業務提携先であるナウナウジャパン株式会社(本社:東京都中央区、代表者:近江 麗佳)を通じて、間接的に、世界最大規模のクラウドサービスプロバイダーである顧客との間で、AIデータセンターに係る大口のサービス利用契約締結し、第1号案件のプロジェクトが進捗いたしました。また、これに先立ち、2025年7月4日付で第1号案件のAIデータセンターに導入するため、業務提携先であるGIGA COMPUTING CO., LTD.(本社:台湾新北市、代表者:CEO、Daniel Hou)との間で、NVIDIA製B200(5,000個)を搭載したGPUサーバー(625台)一式の固定資産取得に係る売買契約を締結いたしました。
これに加え、当社は、2025年6月に、NVIDIA Corporation(本社:米国カリフォルニア州、代表者:CEO, Jensen Huang、以下「NVIDIA社」といいます。)認定のAIパートナー(NVIDIA Cloud Partner、以下「NCP」といいます。)としてAIクラウドスタック及びデータセンターインフラにかかる運用実績と技術力を有するCUDO Ventures Ltd.(本社:英国ロンドン市、代表者:CEO, Matt Hawkins、サービスブランド名はCUDO Compute、以下「CUDO社」といいます。)との資本提携に伴う同社の子会社化(以下「本資本提携」といいます。)について、CUDO社の筆頭株主かつ代表者である Mathew Hawkins 氏と基本合意するとともに、CUDO社との合弁で当社子会社を設立することで合意いたしました。本資本提携は、当社が業務提携先である台湾サーバー機器サプライヤー各社を通じて確保するNVIDIA社製GPUを、CUDO社がサービス提供用に調達するには、CUDO社が当社の子会社であることが前提条件とされていること、また、両社の事業基盤が最適な相互保管関係にあると判断したことから、連携によるシナジーの最大化に向けて、両社のAIデータセンター事業の一体化を図ることを目的としております。
当中間連結会計期間の経営成績は次のとおりであります。
なお、当中間連結会計期間において、重要性が増したことに伴い、メキシコの非連結子会社であったFupbimx, S.A.P.I. de C.V.を連結の範囲に含めております。
(売上高)
売上高は1,746百万円(前年同期比28.5%増)となりました。これは、既存事業が堅調に推移したことに加え、AIデータセンター事業に係るサービス提供を2025年9月より開始したことを主要因とするものであります。
(売上原価)
売上原価は1,276百万円(前年同期比64.7%増)となりました。売上原価の主な内訳は、人件費484百万円、サーバー使用料338百万円、業務委託費219百万円、減価償却費200百万円であります。
(販売費及び一般管理費)
販売費及び一般管理費は1,840百万円(前年同期比144.8%増)となりました。販売費及び一般管理費の主な内訳は、人件費437百万円、支払手数料388百万円、業務委託費338百万円、株式報酬費用307百万円、支払報酬料108百万円、のれん及び顧客関連資産償却費60百万円、旅費交通費36百万円、地代家賃31百万円であります。
(営業外損益)
為替差損として52百万円、支払利息として6百万円を計上いたしました。
(特別損益)
投資有価証券売却損として2百万円、投資有価証券評価損として1百万円を計上いたしました。
(法人税等合計)
法人税、住民税及び事業税34百万円、法人税等調整額として△8百万円を計上したことにより、法人税等合計については、26百万円を計上いたしました。
新規事業であるAIデータセンター事業に係るサービス提供を2025年9月より開始したことなどにより、売上高は1,746百万円(前年同期比28.5%増)となった一方、AIデータセンター事業向けの多額の先行投資費用等により、営業損失1,370百万円(前年同期は167百万円の営業損失)、調整後EBITDAは△784百万円(前年同期は△16百万円)となりました。また、営業外損失に為替差損52百万円等を計上した結果、経常損失△1,430百万円(前年同期は225百万円の経常損失)となり、投資有価証券売却損として2百万円、投資有価証券評価損として1百万円、法人税等合計26百万円を計上した結果、親会社株主に帰属する中間純損失△1,465百万円(前年同期は246百万円の親会社株主に帰属する中間純損失)となりました。
※調整後EBITDA=営業利益+減価償却費+無形固定資産償却費+株式報酬費用+M&A関連費用
当中間連結会計期間におけるセグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
イ. 国内事業
国内事業におきましては、AIデータセンター事業のほか、データサイエンス事業、システムインテグレーション事業、マーケティングソリューション事業で構成されております。新規のAIデータセンター事業においては、AIクラウドスタック『TAIZA』の開発・提供、AIデータセンタープラットフォームの提供、AIデータセンターの運営、AIデータセンター向け投資、AI向けGPU販売を展開いたします。データサイエンス事業では、データ活用とAIの開発実績を強みとして、大手優良企業を中心に、データの利活用などのコンサルティング、IT教育等のソリューションを通じて、企業のデータドリブン経営やDX推進をサポートしております。システムインテグレーション事業では、ビッグデータ分析で培った技術力・ノウハウとAI技術(テキスト/画像/音声)を活用したユーザー個別ソリューション開発を行うとともに、連結子会社の株式会社ディーエスエス(以下「DSS」といいます。)では、決済サービスの提供(法人向けプリペイドカードサービス「Biz プリカ」( https://bizpreca.jp/ ))、SES事業(カード会社、決済会社、証券会社等)、カード会社を中心とした金融系受託開発、MSPサービス(AWSを中心としたクラウドシステム構築・運用・保守サービス)、セキュリティサービス(PCIDSSコンサル業務やセキュリティ診断サービス等)を提供しております。マーケティングソリューション事業では、小売店舗に設置したAIカメラで取得する画像・動画データとPOSデータと掛け合わせて分析することで店舗の業績向上を支援するストック型のサービス「FollowUP」を国内展開する他、ソーシャルメディア分析ツール「Insight Intelligence」及び「Insight Intelligence Q」などのストック型のサービスを提供するとともに、連結子会社のソリッドインテリジェンス株式会社においては、海外特化型の多言語ソーシャルメディア分析におけるコンサルティングサービス、連結子会社の株式会社MSS(以下「MSS」といいます。)においては、マーケティングリサーチに関するリサーチコンサルティング及び主に食品関連の小売業界、メーカー、物流企業に対して、セールスプロモーション活動の支援等を提供しております。
当中間連結会計期間におけるデータサイエンス事業、システムインテグレーション事業は、連結子会社であるDSSにおける堅調な受注により売上高は堅調に推移いたしました。
当中間連結会計期間におけるマーケティングソリューション事業は、2024年7月1日付で買収した株式会社MSSを当中間連結会計期間より連結子会社化した影響により、売上高は前年同期と比べ増加いたしました。
当中間連結会計期間におけるAIデータセンター事業においては、サービス提供開始に伴う売上高を2025年9月より計上したほか、事業基盤構築及び事業拡大に向けた大規模な先行投資を行いました。
これらの結果、国内事業における当中間連結会計期間の外部顧客への売上高は1,198百万円(前年同期比46.4%増)、セグメント損失は△164,790百万円(前年同期は47百万円のセグメント損失)となりました。
ロ. 海外事業
海外事業では、マーケティングソリューション事業のうち、「FollowUP」の海外展開を行っております。
当中間連結会計期間における海外事業は、主要な拠点であるチリ・コロンビアにおける受注が堅調に推移した
結果、海外事業における当中間連結会計期間の外部顧客への売上高は547百万円(前年同期比1.4%増)となり、セグメント利益は90百万円(前年同期比7.9%増)となりました。
②財政状態の分析
(資産)
当中間連結会計期間末における資産合計は、前連結会計年度末と比較して9,208百万円増加し(前年度末比200.4%増)、13,802百万円となりました。
これは、前払金が5,111百万円、有形固定資産が3,543百万円、無形固定資産が305百万円増加したことを主要因とするものであります。
(負債)
当中間連結会計期間末における負債合計は、前連結会計年度末と比較して5,749百万円増加し(前年度末比262.1%増)、7,942百万円となりました。
これは、前受金が5,301百万円、未払金が137百万円増加した一方、短期借入金が467百万円、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む)が81百万円減少したことを主要因とするものであります。
(純資産)
当中間連結会計期間末における純資産は、前連結会計年度末と比較して3,459百万円増加し(前年度末比144.1%増)、5,859百万円となりました。
これは、2025年3月6日付で発行いたしました第20回新株予約権(行使価額修正条項付)の行使により、資本金及び資本剰余金がそれぞれ2,293百万円増加したことに加え、2025年4月10日付で発行いたしました有償新株予約権(業績連動型有償ストックオプション)である第21回新株予約権、並びに、2025年7月10日付で発行いたしました有償新株予約権(業績連動型有償ストックオプション)である第22回新株予約権等に係る新株予約権を307百万計上した一方、利益剰余金が1,479百万円減少したことを主要因とするものであります。
また、後記「第4経理の状況 1中間連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおり、AIデータセンター事業における大型のプロジェクト資金に充当するため、第三者割当による第23回新株予約権(行使による発行株式数44,000,000株、行使価額1,250円、行使期間1年)の発行を2025年9月10日付で当社取締役会において決議いたしました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べて97百万円減少し、407百万円となりました。
当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における営業活動の結果減少した資金は、68百万円となりました(前年同期は395百万円の減少)。これは主に、税金等調整前中間純損失1,434百万円、減価償却費210百万円及びのれん償却費58百万円の計上、売上債権の増減額101百万円、未払金及び未払費用の増減額137百万円、その他789百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における投資活動の結果減少した資金は、4,053百万円となりました(前年同期は319百万円の減少)。これは主に、有形固定資産の取得による支出3,613百万円、無形固定資産の取得による支出404百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における財務活動の結果増加した資金は、4,033百万円となりました(前年同期は29百万円の増加)。これは主に、新株予約権の行使による株式の発行による収入4,586百万円、短期借入金の増減額△466百万円、長期借入金の返済による支出81百万円によるものであります。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当中間連結会計期間において、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定に重要な変更はありません。
(4)経営方針・経営戦略等
当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
当中間連結会計期間におけるグループ全体の研究開発活動はありません。なお研究開発活動に重要な変更はありません。