売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E31977 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

 当社グループは、業績目標を「2026年3月期 調整後連結営業利益5億円」とし、目標達成に向け成長事業の加速、基盤事業の拡大に取り組んでおります。

 当社グループ(当社及び連結子会社)の当第3四半期連結累計期間については、ITツール事業のセキュリティツール商品「Cato SASE Cloud」が引き続き受注並びに新規導入が伸びており、売上高は四半期会計期間の過去最高を更新いたしました。セキュリティツール製品である当社開発セキュリティソフト関連製品については、有力販売代理店とのさらなるリレーション強化及び新規販売代理店の開拓・立ち上げに注力し、第2四半期連結累計期間までの遅れの挽回に取り組んでおります。

 また、従前のセキュリティツールの提供に加え、セキュリティサービス「FB SAT(エフビーサット)」シリーズを開始し、セキュリティツール及びセキュリティサービスの充実による「セキュリティソリューションプラットフォーム」を構築し、提供製品サービスを拡大してまいります。

 働き方改革ツール製品「Eye“247”Work Smart Cloud」は、デジタルマーケティングによる直接販売は概ね想定通りに推移しております。チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズ株式会社の「Check Point Harmony Endpoint」と共に、外部脅威対策と内部不正対策を可能にする「クリスタルプロテクション」(2023年4月販売開始)については、パートナー企業とともに顧客開拓に取り組んでおります。

 ITサービス事業においては、連結子会社GHインテグレーション株式会社(以下、「GHI」という。)については、同社の強みでもある韓国におけるITエンジニア人材(以下、「IT人材」という。)採用は計画どおり進んでおります。また、参画プロジェクトの終了した人材の別プロジェクトへの早期参画に努め、売上高拡大に取り組んでおります。

 採用支援・人材紹介を提供する連結子会社株式会社アド・トップ(以下、「アド・トップ」という。)については、PMI(注1)を経て、月次での営業利益が黒字に転換しております。

 当社グループの成長トリガーとしてのM&A及び投資については、投資専門子会社フーバー・インベストメント株式会社を通して、AI時代のサイバーセキュリティ人材不足の解消を目指すサイバーコマンドとの資本提携(注2)を行い、また、当社、サイバーコマンド及びジーエフホールディングスとの3社で、ネットワーク・セキュリティの構築・運用に係る事業を共同して行う新設会社FXTを設立いたしました。(注3)

(注)1.PMI:M&A成立後の「経営統合プロセス」(Post Merger Integration)

2.サイバーコマンドとの資本提携の詳細は、2023年11月16日付公表「当社連結子会社による第三者割当増資引き受けに関するお知らせ」及び2023年12月8日付公表「(開示事項の変更)当社連結子会社による第三者割当増資引き受けに関するお知らせ」をご参照ください。

3.FXT新設の詳細は、2023年11月20日付公表「サイバーコマンド株式会社等との共同出資による新設会社設立(持分法適用関連会社化)に関するお知らせ」をご参照ください。

 

 以上の結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は2,187,251千円(前年同期比134.5%)となりましたが、売上構成の変化による売上総利益率の低下及びグループ拡大による販売費及び一般管理費の増加により、営業損益については、営業損失25,855千円(前年同期は営業利益55,794千円)となりました。経常損益及び親会社株主に帰属する四半期純損益は、外貨建預金等に係る為替差益12,223千円を計上し、経常損失15,182千円(前年同期は経常利益46,921千円)となり、子会社のPMI過程における組織再編に伴う特別退職金5,636千円を計上し、親会社株主に帰属する四半期純損失35,681千円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純利益21,353千円)となりました。

 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

(ITツール事業)

 当第3四半期連結累計期間の売上高は1,263,497千円(前年同期比118.8%)、セグメント利益は93,876千円(前年同期比60.9%)となりました。

 

(ITサービス事業)

 当第3四半期連結累計期間の売上高は923,754千円(前年同期比164.0%)、セグメント利益は87,024千円(前年同期比93.9%)となりました。

 

 当第3四半期連結会計期間末における財政状態は、次のとおりであります。

(資産)

 当第3四半期連結会計期間末における資産合計の額は、前連結会計年度末に比べ925,073千円増加し、4,152,055千円となりました。これは主に、現金及び預金が78,521千円、前払費用が350,434千円及び長期前払費用が578,900千円それぞれ増加したことによるものであります。

(負債)

 当第3四半期連結会計期間末における負債合計の額は、前連結会計年度末に比べ1,057,749千円増加し、2,854,048千円となりました。これは主に、前受金が357,828千円及び長期前受金639,912千円それぞれ増加したことによるものであります。

(純資産)

 当第3四半期連結会計期間末における純資産合計の額は、前連結会計年度末に比べ132,676千円減少し、1,298,006千円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純損失35,681千円の計上により利益剰余金の減少及び自己株式99,946千円の増加によるものであります。

 

(2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題を以下のように認識し、推進策に取り組んでまいります。

 セキュリティツール製品である当社開発セキュリティソフト関連製品については、2023年11月1日に販売を開始した「FB SAT」シリーズ等のドアノック商材による需要喚起、また2024年1月29日に次世代エンドポイント製品「Eye“247”Safety Zone」の販売を開始し、既存販売代理店網の販売回復に取り組んでまいります。

 セキュリティツール商品であるCato SASE Cloudについては、販売実績の拡大に加え、案件利益率向上に向け、導入・運用支援サポート体制の強化に取り組んでまいります。

 働き方改革ツール製品「Eye“247”Work Smart Cloud」については、インサイドセールス・カスタマーサクセス活動の強化による商談増・受注増に加え、「クリスタルプロテクション」では、早急な成果ではなく、新たな販売チャンネルパートナーと共に、来期顧客予算確保に向けた戦略的活動に取り組んでまいります。

 GHIについては、GHIの共同株主である伊藤忠テクノソリューションズ株式会社と共に、韓国IT専門大学・専門学校との提携戦略を加速し、国内IT人材採用競争を回避し、安定した人材獲得による人員増、並びにインフラ開発及びサーバー系等、より広範囲なプロジェクトへと領域を拡大し、GHI人材の稼働率向上に取り組んでまいります。

 アド・トップについては、PMIが終了し、2023年9月度から営業利益が月次ベースで黒字となり、今後、当社人事系ソリューションを「人事」担当者へ直接アプローチする等、既存顧客へのクロスセルによる売上高拡大に取り組んでまいります。

 上述の各既存事業の推進策による成長に加え、積極的・戦略的なM&Aを実行し、グループ戦略として「ITエンジニア集団」の構築による新たな成長力の獲得を推進することといたしました。また、第2四半期連結累計期間までの状況を踏まえ、当社の業績目標について、M&Aから発生する無形資産の償却費用及び一時的コスト等を考慮外とする「調整後連結営業利益」へと指標を変更するとともに達成時期を変更し、「2026年3月期 調整後連結営業利益5億円」(2023年3月期調整後連結営業利益実績85百万円)として、達成に向け取り組んでまいります。

 

(3)研究開発活動

 該当事項はありません。