E32855 Japan GAAP
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当社グループが属するクラウドサービス市場においては、クラウドサービスを利用している企業の割合は引き続き上昇傾向にあります。総務省の令和5年「通信利用動向調査」によると、2023年度末におけるクラウドサービス利用企業の割合は77.7%(前年72.2%)に拡大しています。また、同調査によると、資本金規模別のクラウドサービス利用状況においても、資本金規模を問わずその利用率は拡大傾向が続いています。このように成長を続けるクラウドサービス市場の中で、当社が属するマーケティングオートメーション(SaaS)分野も例外ではなく、今後も8.6%(2022~2027年度の年平均成長率)の市場成長率が見込まれています(出典:株式会社富士キメラ総研「ソフトウェアビジネス新市場2023年版」)。
一方で、コロナ禍で影響を受けていた当社のマーケティング活動やイベントクラウド事業においては、コロナ禍を脱し、社会活動を取り戻しつつある中で、コロナ禍で培ったウェビナーを活用した自社マーケティング活動を継続しつつも、リアル展示会への出展や、リアルイベント開催への回帰の動きが鮮明となってきています。
このような状況の中、当第2四半期連結累計期間における売上高については、サブスクリプション事業を中心に概ね順調に推移しました。また、費用面については、近年、中期的な成長加速を実現するために積極的な採用を行ってきたことで人件費を中心に増加傾向が続いておりましたが、前期からの採用抑制や人事異動による人員の有効活用等により前年同期比で減少となっており、その分全体の収益性も改善傾向にあります。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間の当社グループの売上高は1,481,382千円(前年同期比2.2%増)、営業損失は93,557千円(前年同期は営業損失134,477千円)、経常損失は93,313千円(前年同期は経常損失137,024千円)、親会社株主に帰属する四半期純損失は94,182千円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純損失137,717千円)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
セグメント名称 |
内容 |
サブスクリプション事業 |
■サブスクリプション(年間契約) MA、CMSのシステム利用料 MRR(月額契約金額)、従量課金、有償保守サービス、年間契約のBPOサービス |
■プロフェッショナル MA、CMSに関する初期導入サービス、BPOサービス、WEB制作、マーケティングコンサルティング等 |
|
イベントクラウド事業 |
SMPを用いたイベントのシステム支援(バーチャルイベントに関するシステム構築費を含む)、会期当日支援(機材レンタルを含む) |
広告事業 |
デジタル広告の運用、コンサルティング |
メタバース事業 |
株式会社ジクウが提供するメタバースイベントプラットフォームのシステム利用料、従量課金、初期導入サービス、BPOサービス等 |
①サブスクリプション事業
サブスクリプション事業は、「SHANON MARKETING PLATFORM」を中心とする年間利用契約に関する売上(サブスクリプション)とそれに付随する初期導入やコンサルティングサービス等の売上(プロフェッショナル)から構成されています。
当連結会計年度における売上高については、最重点方針として取り組んでいるサブスクリプション売上は、大口顧客を中心に順調に推移し、予算を上回る推移となりました。また、プロフェッショナル売上についても、概ね順調に推移しました。
この結果、当第2四半期連結累計期間におけるサブスクリプション売上は792,806千円(前年同期比14.8%増)、プロフェッショナル売上は349,936千円(前年同期比2.8%減)、サブスクリプション事業全体の売上高は1,142,742千円(前年同期比8.8%増)、営業利益は82,440千円(前年同期比20.4%増)となりました。また、当第2四半期連結会計期間末における契約アカウント数は、550アカウント(前期末比△0.4%減)となりました。
②イベントクラウド事業
イベントクラウド事業は、前期後半からリアルイベント開催への回帰の傾向が鮮明となり、当社のイベントクラウド事業を取り巻く市場環境は改善してきています。当第2四半期連結累計期間においては、大型イベントの会期が少なかったため、前年同期比で減収減益となりましたが、通期予算達成に向けた受注は順調に推移しております。
この結果、当第2四半期連結累計期間における売上高は189,164千円(前年同期比26.1%減)、営業損失は6,730千円(前年同期は営業損失1,749千円)となりました。
③メタバース事業
メタバース事業は、リアルイベントへの回帰の流れは一部逆風となるものの、影響を受けるプライベートショーや展示会だけでなく、ウェビナー、採用イベントやマッチングイベント、ショールームなどの案件、社内イベント、周年イベントなど活用シーンにも広がりが出てきております。今後も多様化する活用シーンをしっかりと受注獲得機会に繋げられるように、積極的な事例公開や追加の機能開発にも引き続き取り組んでいます。また、直近では年間契約となる案件受注も発生しています。なお、費用面については現状に併せて体制を見直したことにより前年同期よりも大幅に縮小しています。
この結果、当第2四半期連結累計期間における売上高は18,202千円(前年同期比4.7%減)、営業損失は13,814千円(前年同期は営業損失35,468千円)となりました。
④広告事業
広告事業は、国内初のサードパーティークッキーに依存しないクッキーレス型のダイナミックリターゲティング広告の受注は予算には及ばなかったものの順調に受注を重ねています。また、既存の大口顧客の動向も計画に対して順調に推移しています。なお、セグメント損益については当上半期計画に対しては若干の上振れとなりました。
この結果、当第2四半期連結累計期間における売上高は131,272千円(前年同期比5.6%増)、営業損失は9,457千円(前年同期は営業利益9,704千円)となりました。
(2)財政状態の状況
(資産)
当第2四半期連結会計期間末における資産合計は、2,263,752千円(前連結会計年度末2,024,290千円)となり、239,461千円の増加となりました。このうち、流動資産は1,336,578千円(前連結会計年度末1,108,143千円)となり、228,434千円の増加となりました。この主な要因は、現金及び預金が422,372千円増加した一方で受取手形、売掛金及び契約資産が161,602千円減少したことによるものであります。また、固定資産は914,665千円(前連結会計年度末906,602千円)となり、8,063千円の増加となりました。この主な要因は、のれんが22,565千円減少した一方で、敷金が19,589千円、『SHANON MARKETING PLATFORM』の機能強化によるソフトウエア及びソフトウエア仮勘定の合計が1,989千円増加したことによるものであります。
(負債)
当第2四半期連結会計期間末における負債合計は、2,308,316千円(前連結会計年度末1,984,756千円)となり、323,559千円の増加となりました。このうち、流動負債は943,968千円(前連結会計年度末1,048,244千円)となり、104,276千円の減少となりました。この主な要因は、賞与引当金が29,703千円増加した一方で、前受金が120,416千円減少したことによるものであります。また、固定負債は1,364,348千円(前連結会計年度末936,512千円)となり、427,836千円の増加となりました。この主な要因は、長期借入金が71,750千円減少した一方で、社債が499,586千円増加したことによるものであります。
(純資産)
当第2四半期連結会計期間末における純資産合計は、△44,563千円(前連結会計年度末39,534千円)となり、84,097千円の減少となりました。この主な要因は、親会社株主に帰属する四半期純損失を94,182千円計上したことを主因として利益剰余金が94,182千円減少したことによるものであります。
(3)キャッシュ・フローの状況
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における営業活動の結果得られた資金は72,306千円となりました。これは主に、税金等調整前四半期純損失93,313千円(減少要因)、減価償却費75,062千円(増加要因)、売上債権の減少163,085千円(増加要因)、仕入債務の減少30,663千円(減少要因)、その他に含まれる前受金の減少120,416千円(減少要因)によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における投資活動の結果支出した資金は72,879千円となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出74,992千円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における財務活動の結果得られた資金は、421,551千円となりました。これは主に、転換社債型新株予約権付社債の発行による収入514,021千円、長期借入金の返済による支出80,644千円、社債の償還による支出20,000千円によるものです。
以上の結果、当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比較して422,372千円増の823,234千円となっております。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
該当事項はありません。