売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E36174 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)経営成績に関する説明

 当第3四半期累計期間(2023年1月1日~2023年9月30日)における我が国経済は、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあって、緩やかながらも景気は回復の動きが続きました。一方で、世界的に金融引締め等が続く中、海外景気の下振れが我が国の景気の下押しするリスクとなっており、先行きは依然として不透明な状況が続いております。

 消費者向け電子商取引(BtoC-EC)市場は、経済産業省による調査「令和4年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)報告書」によると、2022年は前年比9.91%増の22.7兆円となり、依然として高い成長率を維持しております。また、EC化率(全ての商取引市場規模に対する電子商取引市場規模の割合)が前年比0.35ポイント増の9.13%となるなど、BtoC-EC市場は依然として着実な成長を続けております。

 一方、クレジットカード番号等の情報を盗まれ不正に使われる「番号盗用被害」が急増している近年の状況を受け、改正割賦販売法において、クレジットカード番号等の不正な利用を防止するために必要な措置を講じることが義務化され、また、その実務上の指針となる、「クレジットカード・セキュリティガイドライン4.0版(クレジット取引セキュリティ協議会)」においては、非対面取引におけるクレジットカードの不正利用対策として、加盟店に対して「属性・行動分析(不正検知システム)」等の方策をリスク状況に応じて導入することが求められるなど、不正対策に対する社会的要請はますます高まっております。

 このような事業環境のもとで、当社は「未来のゲームチェンジャーの『まずやってみよう』をカタチに」という経営ビジョンを掲げ、当社の有するセキュリティ・ペイメント・データサイエンスの技術とノウハウをもとに、アルゴリズム及びソフトウエアを開発・提供することで、企業の課題解決やチャレンジを支援する「SaaS型アルゴリズム提供事業」を展開してまいりました。

 不正検知サービスにおいては、不正注文検知サービス「O-PLUX」について、IP Geolocation技術の活用により不正検知制度を向上させる等、機能拡充を進めるとともに、クレジットカード向け不正検知システムを提供する大手企業とのクレジットカード不正対策強化に向けた協業を開始し、プロダクトの付加価値向上に努めました。その結果、当第3四半期累計期間の「O-PLUX」のストック収益額(定額課金である月額料金と審査件数に応じた従量課金である審査料金の合計額。「不正チェッカー」を含む。)は541,909千円(前年同期比4.0%減)となりました。また、不正アクセス検知サービスにおいては、情報搾取の手段であるフィッシングメールやサイト、さらに搾取した個人情報で行うなりすましログインをワンストップで対策できるフィッシング対策パッケージ「鉄壁PACK for フィッシング」の受注獲得に努めました。

 決済コンサルティングサービスにおいては、SaaS型BNPLシステムの受注獲得に努め、また、データサイエンスサービスにおいては、データ分析案件の受注獲得に努めました。

 以上の結果、当第3四半期累計期間の売上高は753,049千円(前年同期比5.5%減)、営業損失△8,287千円(前年同四半期は営業利益134,932千円)、経常損失△18,686千円(前年同四半期は経常利益123,916千円)、四半期純損失△24,977千円(前年同四半期は四半期純利益80,796千円)となりました。

 なお、当社はSaaS型アルゴリズム提供事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。

 

(2)財政状態に関する説明

(資産)

 当第3四半期会計期間末における流動資産は1,139,564千円となり、前事業年度末に比べ45,088千円増加いたしました。これは主に現金及び預金が38,758千円増加したことによるものであります。固定資産は443,766千円となり、前事業年度末に比べ3,882千円増加いたしました。これは主に投資その他の資産が38,314千円増加したことによるものであります。

 この結果、総資産は1,583,331千円となり、前事業年度末に比べ48,970千円増加いたしました。

 

(負債)

 当第3四半期会計期間末における流動負債は128,968千円となり、前事業年度末に比べ32,165千円減少いたしました。これは主に未払法人税等が23,181千円減少したことによるものであります。固定負債は85,893千円となり、前事業年度末に比べ85,893千円増加いたしました。これは長期借入金が84,517千円増加したことによるものであります。

 この結果、負債合計は214,861千円となり、前事業年度末に比べ53,727千円増加いたしました。

 

(純資産)

 当第3四半期会計期間末における純資産合計は1,368,470千円となり、前事業年度末に比べ4,757千円減少いたしました。これは主に四半期純損失の計上により利益剰余金が24,977千円減少したことによるものであります。

 この結果、自己資本比率は86.4%(前事業年度末は89.5%)となりました。

 

(3)経営方針・経営戦略等

 当第3四半期累計期間において、当社が定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第3四半期累計期間において、当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(5)研究開発活動

 当第3四半期累計期間における研究開発活動の金額は51,771千円であります。なお、当第3四半期累計期間において、当社の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。