売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E36213 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社が判断したものであります。

 

(1)経営成績に関する説明

当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症が感染症法上の「5類感染症」へ位置づけが変更されるなどの規制緩和に伴い、正常化に向けて再開し始め景気は緩やかに回復しています。しかしながら、地政学的リスクの長期化や資源・原材料価格の上昇、急激な円安による為替相場の変動、世界的なインフレに伴う政策金利の引き上げなどによる経済減速の影響も懸念され、依然として先行きは不透明な状況が続いております。当社グループが属するインターネット業界・オンラインゲーム業界においては、大手企業を中心に「デジタル・トランスフォーメーション(DX)」によりビジネスモデルや業界構造を大きく変化させる新たなデジタル化の流れが引き続き力強いものとなっております。デジタル化による新しい生活様式への対応などのニーズは底堅く、企業におけるIT投資も拡大し続けています。

こうした経営環境の中、当社グループは「ザ・インターネットカンパニー」というビジョンのもと、「セカイに愛されるインターネットサービスをつくり続ける」をミッションに掲げ、その実現に向けてWebソリューション事業・デジタル人材育成派遣事業・オンラインゲーム事業を展開し、DXの追い風のもと収益拡大を図っております。

また、当社グループが成長戦略として掲げるM&A戦略も実現し、2022年1月にファンコミュニティサイトの企画・開発・運営事業を手掛ける株式会社ムービングクルーを、2022年7月にIT人材派遣事業及びWEB制作を手掛ける株式会社Y'sをそれぞれ完全子会社化し、デジタル人材の確保・育成と事業領域の拡大に取り組んでおります。

さらに、期初の配当予想のとおり6円の中間配当を実施し、自己株式の取得も行うなど、株主還元にも取り組んでおります。

以上の結果、当第3四半期連結累計期間における当社グループの業績は、以下のとおりとなりました。

売上高 6,317,326千円(前年同期比20.0%増)

営業利益 449,079千円(前年同期比48.9%増)

経常利益 447,122千円(前年同期比55.7%増)

親会社株主に帰属する四半期純利益 271,855千円(前年同期比58.9%増)

 

当第3四半期連結累計期間におけるセグメント別の業績は次のとおりであります。

なお、前第2四半期連結会計期間より、セグメントを従来の「Webソリューション事業」「オンラインゲーム事業」に、新たに「デジタル人材育成派遣事業」を加えた3つのセグメントに変更しております。

以下の売上高及びセグメント損益の前年同期比は、前期首にセグメント変更があったものとみなして算定しております。

また、セグメント間取引消去前の金額を記載しております。

 

 Webソリューション事業

Webソリューション事業においては、顧客のニーズに合わせたサービス設計から開発・保守までの一連の流れで業務を請け負うことによりロイヤリティループを形成し、継続受注や複合サービスの提供案件を順調に伸ばしてまいりました。また、その開発を担う若手の成長が事業拡大の重要課題と捉えており、責任あるポジションを経験させることで開発エンジニアとしての技能の向上を図り、それをまた新たな若手に繋げていくという循環により成長スパイラルを形成しております。その上で、Webソリューション事業は顧客のDX化を実現するパートナーとして継続案件での安定的な受注、活況な市場環境における順調な新規案件の獲得、案件自体の大型化による単価上昇により業績を順調に拡大してまいりました。

この結果、当第3四半期連結累計期間における売上高は2,660,701千円(前年同期比25.8%増)、セグメント利益は810,240千円(前年同期比36.1%増)となりました。

 

 デジタル人材育成派遣事業

デジタル人材育成派遣事業は、これまで「Webソリューション事業」及び「オンラインゲーム事業」の両セグメントに含まれておりました、デジタル人材派遣事業の機能及び2022年7月に完全子会社化した株式会社Y'sを統合して新たに立ち上げた事業です。昨今のDX化に見られるように、急速に進むデジタルビジネスの進展とそれを支えるデジタル人材の需給ギャップは構造的な問題となっており、課題とされているデジタル人材不足に対するソリューションとして、機動的に対応できるように新たなセグメントとして区分いたしました。

未経験に近い人員の採用を行い、過去から積み上げた質の高い教育を積極的に行うことで、質の高いデジタル人員を顧客に提供してまいりました。売上は昨対比で大幅に増加しており、また、採用・教育が一巡したことで、当初の計画のとおり下期にかけて採用・教育コストを吸収し、セグメント利益は回復傾向にあります。

この結果、当第3四半期連結累計期間における売上高は1,423,033千円(前年同期比84.6%増)、セグメント利益は78,534千円(前年同期比36.9%増)となりました。

 

 オンラインゲーム事業

オンラインゲーム事業は、自社ゲームタイトルにおいては、『ゴエティアクロス』が9月にサービス開始5周年を迎えたことを記念して周年イベントを開催するなど、売上維持に努めてまいりました。また、「式姫Project」の新作ゲームタイトルの開発も来年度中のリリースに向けて鋭意進めております。

運営移管タイトルにおいては、『けものフレンズ3』及び『UNI'S ON AIR(ユニゾンエアー)』がいずれも9月にサービス開始4周年を迎えたことを記念して周年イベントを開催し、売上に貢献したものの、計画していたほどの伸長は見られませんでした。一方で、運営移管後に運営体制の効率化や外注の内製化を継続して行っていることで、原価は低減しております。

受託開発・運営においては、他社開発ゲームの受託開発及び運営保守並びに運営移管したゲームの運営を行ってまいりました。4月には受託運営で請け負っていた株式会社マーベラスが提供する『千銃士:Rhodoknight』、10月には同社が提供する『一騎当千エクストラバースト』の運営に主体として参画するなどを行いました。

この結果、当第3四半期連結累計期間における売上高は2,268,774千円(前年同期比4.6%減)、セグメント利益は67,403千円(前年同期比39.5%減)となりました。

 

(2)財政状態に関する説明

(資産)

当第3四半期連結会計期間末の資産合計は、4,483,738千円と前連結会計年度末に比べて285,229千円の増加となりました。流動資産は55,512千円減少し、3,230,540千円となりました。これは主に、現金及び預金が375,840千円減少した一方で、売掛金及び契約資産が201,256千円、その他が117,696千円増加したこと等によるものであります。固定資産は340,741千円増加し、1,253,198千円となりました。これは主に、差入保証金が410,166千円増加した一方で、のれんが50,744千円減少したこと等によるものであります。

 

(負債)

当第3四半期連結会計期間末の負債合計は、2,136,959千円と前連結会計年度末に比べて59,754千円の増加となりました。流動負債は143,872千円増加し、1,721,959千円となりました。これは主に、短期借入金が300,000千円増加した一方で、未払法人税等が133,138千円減少したこと等によるものであります。固定負債は84,118千円減少し、415,000千円となりました。これは主に、長期借入金が82,500千円減少したこと等によるものであります。

 

(純資産)

当第3四半期連結会計期間末の純資産合計は、2,346,779千円と前連結会計年度末に比べて225,475千円の増加となりました。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上により利益剰余金が271,855千円、株式報酬費用の計上により新株予約権が14,356千円、ストックオプションの権利行使により資本金、資本準備金がそれぞれ6,865千円、自己株式が29,440千円増加した一方で、配当金の支払により利益剰余金が45,026千円減少したことによるものであります。

 

(3)経営方針・経営戦略等

当第3四半期連結累計期間において、当社グループの経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(5)研究開発活動

当第3四半期連結累計期間における研究開発費の総額は82,295千円です。なお、当第3四半期連結累計期間において、研究開発活動の状況に重要な変更はありません。