売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E00830 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1) 財政状態及び経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間における市場概況については以下の通りです。

管材システム事業においては、基幹製品に関連する国内の設備投資が全体として前期と比較し落ち着きを見せつつあります。海外においては、電子産業関連の工場建設需要が引き続き伸長した一方で、ダイマトリックス製品に関連する半導体製造装置市場においては、前年度後半からの需要低迷が継続しました。

樹脂事業においては、電子材料製品に関わる半導体デバイス市場にて、前年度下期後半からの市場の低迷が継続しました。素形材製品に関連する市場の国内自動車販売台数は、堅調に推移していますが、中国市場の減速により不透明さが増しております。一方、発泡材料製品に関連する国内のマンション着工件数については前年に比べ増加しました。

こうした経営環境の中、当第3四半期連結累計期間の売上高は66,096百万円(前年同期比+17.2%)となり、営業利益は12,455百万円(前年同期比+47.0%)、経常利益は12,749百万円(前年同期比+45.8%)、親会社株主に帰属する四半期純利益は、8,175百万円(前年同期比+41.2%)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
① 管材システム事業

管材システム事業は、樹脂バルブを主力製品として樹脂管材市場を拡大することを基本戦略としています。耐食問題の解決と樹脂管材の機能性を追求した製品開発により、お客様へのお役立ちに注力した営業活動を推進しています。

国内の樹脂バルブ等の基幹製品の販売は、旺盛だった設備投資において全体的に落ち着きが見られ、需給バランスが回復傾向にあります。一方、樹脂配管材料等を用いたエンジニアリング事業は半導体関連の大型案件の進捗に伴い堅調に推移しました。その結果、国内の売上は前年を上回りました。

海外では、中国において、電子関連産業の工場建設に関わる設備投資に伴う需要が継続しました。一方、米国において、半導体の工場建設に伴う需要は落ち着きつつも底堅く継続しました。円安の影響もあり、結果的に売上は前年を上回りました。

半導体製造装置向けのダイマトリックス製品は、韓国における需要停滞の継続、米中摩擦による中国での投資遅延の影響により、売上は前年を下回りました。

利益面においては、人件費の増加や原材料価格高騰の影響があったものの、主に海外で売上が増加したことに加え、円安の影響もあり前年を上回りました。

この結果、当セグメントの売上高は43,714百万円(前年同期比+22.4%)、営業利益は10,981百万円(前年同期比+40.0%)となりました。

 

② 樹脂事業

自動車や建設機械等に必要な鋳物製造に用いる素形材料製品では、お客様の製造品質や生産性の向上、臭気低減による作業環境の改善など、国内外共に多様な鋳造工程に最適な製品を提案することでお客様へのお役立ちに取り組んでいます。国内自動車販売台数は堅調に推移し、売上は前年を上回りました。

発泡材料製品は、現場施工により最終製品となることから、施工のしやすさに加え品質向上に取り組むことで、お客様への安心・安全の提供に取り組んでいます。現場発泡断熱材においては、関東及び関西エリアの再開発に伴う大型物件の獲得が好調であったことに加え、トンネル掘削用の土木材料においては、施工現場に適した製品や工法の提案を積極的に取組み、売上は前年を上回りました。

電子材料製品は、半導体デバイス用途に必須となる電子材料の低メタル化技術を追求し、半導体の高度化に貢献しています。引き続き半導体デバイス需要の停滞と販売先における在庫調整の影響を受けましたが底が見えつつあり、売上は前年を若干上回りました。

利益面においては、電子材料製品は回復基調であるものの上期の影響を受けて前年を下回りましたが、素形材製品や発泡材料製品の貢献により、全体では前年を上回りました。

この結果、当セグメントの売上高は16,750百万円(前年同期比+10.8%)、営業利益は1,244百万円(前年同期比+185.1%)となりました。

 

③ 水処理・資源開発事業

水処理事業は、お客様のニーズに基づいた水処理設備や、水資源を有効に活用できる水再生システムの設計・施工を行っています。官庁及び民間工事は共に、工事完工件数の増加や工事が順調に進捗したことにより売上は前年を上回りました。

資源開発事業は、再生可能エネルギーである地熱発電の蒸気井などの掘削工事や温泉開発工事を行い資源の有効活用に貢献しています。温泉開発工事は、計画通りに案件が進捗しましたが、地熱掘削工事は案件の延期により、売上は前年を下回りました。

メンテナンス事業及び環境薬剤事業は、施設や設備の安定稼働のためのサービスや水処理薬剤を提供することでお客様へのお役立ちに注力しています。メンテナンス事業は、計画通りに維持管理、修繕工事案件が進捗し、売上は前年を上回りました。環境薬剤事業は製品出荷量が増加したことにより売上は前年を上回りました。

利益面においては、水処理事業における官庁・民間工事、温泉設備工事及び環境薬剤事業の売上が増加したことにより前年を上回りました。

この結果、当セグメントの売上高は5,631百万円(前年同期比+1.7%)、営業利益は278百万円(前年同期比+95.4%)となりました。

 

当第3四半期連結会計期間末の資産は98,232百万円となり、前連結会計年度末に比べ11,976百万円増加しました。これは受取手形、売掛金及び契約資産や電子記録債権、棚卸資産などの流動資産の増加によるものです。負債は28,534百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,456百万円増加しました。これは短期借入金などの流動負債の増加によるものです。純資産は69,699百万円となり、前連結会計年度末に比べ8,520百万円増加しました。これは利益剰余金や為替換算調整勘定の増加によるものです。

 

(2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(3) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(4) 研究開発活動

当第3四半期連結累計期間の研究開発活動の総額は1,066百万円であります。

なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。