売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E00838 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 財政状態及び経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、景気を押し上げてきたコロナ禍明け後の需要回復がほぼ一巡し設備投資など一部で足踏みが見られたものの、継続する雇用・所得環境の改善、個人消費や企業収益の持ち直しにより、総じて緩やかな回復の動きとなりました。

海外では、世界的な金融引き締めによる金融資本市場の変動や中国における不動産市場の停滞による中国経済減速の影響に加え中東情勢等、先行き不透明な状況が続いているものの、米国経済が底堅い雇用環境と個人消費が堅調に推移したことで、総じて持ち直しの動きとなりました。

産業別では、国内建材市場は住宅着工件数・非住宅着工件数共に前年同期比で減少し、当第2四半期連結累計期間に続き、低調な推移が見られました。グローバル自動車市場は半導体を起因とした部品供給問題等による生産制約の解消が進み、前年同期比で生産台数が増加しました。

このような環境の中、当社グループは中期経営計画「Challenge Now for Change New 2024 変革への挑戦」の2年目として、「グローバル経営の深化とシナジー」「顧客の期待の先を行く」「新規事業/新製品への挑戦」「環境/社会課題解決への貢献」の4つの戦略の具体的な取り組みを行ってまいりました

 

その結果、売上高は94,271百万円(前年同四半期連結累計期間比(以下「前年同期比」)2.2%増)、営業利益は6,516百万円(前年同期比15.6%増)、経常利益は7,022百万円(前年同期比16.1%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は5,569百万円(前年同期比56.4%増)となりました。

 

セグメント別の業績は次のとおりであります。

 

なお、各報告セグメントの名称、略称、対象とする主要な市場は、以下のとおりであります。

 

・トランスポーテーション(Transportation)[TR]… 自動車、鉄道、船舶市場等

・デイリーライフ&ヘルスケア(Daily Life & Healthcare)[DH]… 医療、生活資材、食品包材市場等

・エレクトロニクス(Electronics)[EL]… エネルギー、情報通信、IT機器市場等

・ビルディング&コンストラクション(Building & Construction)[BC]… 住宅、ビル、建築資材、土木市場等

 (注)[ ]は、報告セグメントの略称

 

 <トランスポーテーション>

国内では、自動車市場が回復し、同市場へのエラストマーコンパウンドの販売が増加し、増収となりました。

海外では、中国市場における日系自動車の生産減少の影響がありましたが、北米・ASEAN・インド国の日系自動車の生産の回復に伴い販売が増加し、前年同期並みの売上となりました。

セグメント利益につきましては、中国の日系自動車生産低下に伴う販売の減少が影響し、減益となりました。

その結果、売上高は29,368百万円(前年同期比5.7%増)、セグメント利益は2,525百万円(前年同期比5.1%減)となりました。

 

 

 <デイリーライフ&ヘルスケア>

国内では、小巻ラップ製品の販売が好調に推移し、増収となりました。

海外では、タイ国及び米国での生活資材市場向け塩ビコンパウンドの販売が減少し、減収となりました。

セグメント利益につきましては、小巻ラップ製品の販売が増加したことにより、増益となりました。

その結果、売上高は26,050百万円(前年同期比1.6%増)、セグメント利益は2,128百万円(前年同期比83.9%増)となりました。

 

 <エレクトロニクス>

国内では、工作機械電線向けコンパウンドの販売が減少したものの、半導体市場向けダイシングフィルム等の機能性フィルムの新規拡販が進み、増収となりました。

海外では、ASEANでの塩ビコンパウンドの販売が増加したものの、米国及び中国市場での塩ビコンパウンドの販売が減少し、減収となりました。

セグメント利益につきましては、機能性フィルムの拡販が進み、増益となりました。

その結果、売上高は18,628百万円(前年同期比1.2%増)、セグメント利益は952百万円(前年同期比29.2%増)となりました。

 

 <ビルディング&コンストラクション>

国内では、非住宅市場向けフィルム及び、政府の「住宅省エネ2023キャンペーン」による樹脂サッシ用塩ビコンパウンドの販売が増加し、増収となりました。

海外では、米国の建材市場向け塩ビコンパウンドの販売が減少し減収となりました。

セグメント利益につきましては、米国での販売減少の影響により、減益となりました。

その結果、売上高は20,193百万円(前年同期比0.7%減)、セグメント利益は862百万円(前年同期比12.9%減)となりました。

 

当第3四半期連結会計期間末における総資産は114,118百万円(前連結会計年度末比2,116百万円増加)となりました。これは現金及び預金が減少した一方で、売掛金等の売上債権、有形固定資産、投資有価証券が増加したこと等によります。

負債合計は42,401百万円(前連結会計年度末比2,564百万円増加)となりました。これは主に未払法人税等、買掛金、繰延税金負債が増加したこと等によります。

純資産は71,717百万円(前連結会計年度末比447百万円減少)となりました。これは利益剰余金、為替換算調整勘定が増加した一方で、自己株式の取得により減少したこと等によります。

 

(2) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。依然不透明な経済環境のもと、引続き効率的な生産体制の構築と固定費の削減等、収益確保に向け継続して取組んでまいります。

 

(3) 研究開発活動

当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、1,402百万円であります。

なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。