売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E02483 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当第3四半期会計期間の末日現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 業績の状況

当第3四半期累計期間における世界経済は、米国経済は堅調に推移している一方、中国経済の低迷が続いていることや弱い欧州経済、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻の長期化、イスラエルとイスラム組織ハマスの衝突など、様々な不透明な状況は続いております。

わが国製造業においては、底堅い設備投資需要や自動車等の最終製品の生産が堅調なことを受け、素材産業や加工業の景況感は改善しております。一方円安の伸長や原油高によるコスト増や人手不足は懸念される状況であります。

このような状況下、当社は、「2024年3月期の売上10億円超の達成」を目標として、事業方針「高精度・高機能に特化した樹脂製品の提供」及び「対処すべき課題」の具体的施策として、①「新規開拓に向けた営業力の強化」、②「環境への対応と未来への商品開発」、③「生産力の強化と人材育成」を推進しております。

世界的な環境意識の加速に対応するため、前期より②を「顧客提案力の向上と未来への商品開発」から「環境への対応と未来への商品開発」へと変更いたしました。地球環境や環境政策なども視野に入れた商品開発を進めるとともに、バイオマスプラスチック複合材料「PasCom」については、7月にPasCom S40を使用したカットコーム「PASCOMB(パスコーム)」の販売をamazonで開始しました。引き続きビジネス探索を行い、売上拡大へ向けて改良、応用製品への展開を進めてまいります。

ナノ/マイクロ・テクノロジー関連事業については、映像機器分野及び産業機器分野の新機種等の売上高増加が寄与したものの、産業機器分野の新機種の量産立上げ遅れや金型の減少が響き、売上高は前年同期比で微減となりました。

映像機器分野は、デジタルカメラ市場において、レンズ交換式タイプは、昨年春以降の回復傾向から伸び悩みの兆候もありますが、当社においては、ミラーレス機種や人気機種の好調に支えられ、前年同期比で増加いたしました。

OA機器分野は、中国経済減速の影響で、金型や成形品の売上高も低調であったことから前年同期比で大幅に減少いたしました。

産業機器分野は、新機種等の売上高増加はあったものの、新機種の量産立上げの遅れや金型の売上高減少を受け、前年同期比で減少いたしました。

レジャー分野は、当社取扱い機種の伸び悩みは見られたものの、新機種の金型が寄与し、前年同期比で増加となりました。

高耐熱性・高熱伝導性・低温硬化などの固形封止材「エポクラスター®クーリエ」をはじめとする固形封止材につきましては、国内の半導体デバイスメーカーへサンプル供給を行ってまいりましたが、いまだ採用には至らず、同業界へは参入は極めて難しいと認識しております。今後は当社製品の特徴を活かした他分野での用途に絞り、マーケティング活動を推進してまいります。

パルスインジェクター®(以下、PIJという)は、引き続き、大学研究室及び各企業の研究・開発部門を中心に研究開発を支えるツールとして多分野への展開を推進いたします。

マクロ・テクノロジー関連事業については、国内の積極的な設備投資やバブル期からの受電設備のリニューアル需要もあり、樹脂成形品、樹脂成形材料ともに売上高は好調に推移した結果、前年同期比で大幅に増加いたしました。

一方、「新規開拓に向けた営業力の強化」については、顧客訪問件数は進捗状況の共有化、見える化により、前期より大幅に増加しております。自社活動と商社連携活動の両輪により、顧客との直接対話を増やしながら、積極的な受注活動を行ってまいります。

1月には、東京ビッグサイトにて開催された「GREEN MATERIAL 2024」と「高機能プラスチック・ゴム展2024」(大阪産業創造館)に出展いたしました。

 

利益面においては、売上高は前年同期比で微減となりましたが、原材料価格や電気料金等の上昇は落ち着き、製造経費が抑えられたことに加え、マクロ・テクノロジー関連事業の大幅な生産増加により営業利益、経常利益、四半期純利益とも大幅に改善しました。

なお、電力料金や原材料価格は段階的に値上げが予定されているものもあり、継続して動向に注視してまいります。

 

以上の結果、当第3四半期累計期間の売上高は649百万円(前年同期比0.9%減)、営業利益は47百万円(前年同期比61.4%増)、経常利益は48百万円(前年同期比57.6%増)、四半期純利益は35百万円(前年同期比197.8%増)となりました。

 

当第3四半期累計期間セグメントの業績は次のとおりであります。

 

①ナノ/マイクロ・テクノロジー関連事業

ナノ/マイクロ・テクノロジー関連事業につきましては、機能性樹脂複合材料及び機能性精密成形品並びにPIJ関連製品の当第3四半期累計期間の売上高は498百万円(前年同期比4.9%減)、セグメント利益は237百万円(前年同期比7.7%増)となりました。

②マクロ・テクノロジー関連事業

マクロ・テクノロジー関連事業につきましては、機能性樹脂複合材料、樹脂成形碍子及び金型・部品の当第3四半期累計期間の売上高は148百万円(前年同期比13.2%増)、セグメント利益は47百万円(前年同期比42.7%増)となりました。

③その他事業

その他の事業につきましては、医療薬品容器の異物検査事業などにより、当第3四半期累計期間の売上高は3百万円(前年同期比311.1%増)、セグメント利益は0百万円(前年同期比68.2%減)となりました。

 

(2) 財政状態の分析

(資産)

当第3四半期末日における資産は、2023年3月期末より24百万円減少し、1,681百万円となりました。

これは、主に現金及び預金の増加12百万円、棚卸資産の増加35百万円、売上債権の減少35百万円、有形固定資産の減少33百万円によるものです。

 

(負債)

負債合計は、2023年3月期末より59百万円減少し、152百万円となりました。

これは、主に流動負債のその他に含まれる未払金の減少78百万円、未払消費税等の増加18百万円によるものです。

 

(純資産)

純資産は、2023年3月期末より35百万円増加し、1,528百万円となりました。

これは、四半期純利益35百万円の計上によるものです。

 

また、自己資本比率は、2023年3月期末に比して3.3ポイント増加して90.9%となりました。

 

 

(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当第3四半期累計期間において、当社が対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(4) 研究開発活動

当第3四半期累計期間における研究開発活動の金額は38百万円であります。

なお、当第3四半期累計期間において、当社の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

(5) 主要な設備

当第3四半期累計期間において重要な設備の取得、除却、売却などはありません。