売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E05252 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において当社が判断したものであります。

また、セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「第4 経理の状況 1 四半期財務諸表 注記事項 (セグメント情報等)」の記載にありますように、当社では報告セグメントは「ソフトウェア開発」のみとしていることから、事業セグメントで売上高については記載しておりますが、その他の状況については記載を省略しております。

 

財政状態及び経営成績の状況

(1) 経営成績

当第3四半期累計期間における日本経済は、雇用環境が改善する下で各種政策の効果もあり、経済活動の正常化が進展し、緩やかな回復基調で推移しました。一方、世界的な金融引締めに伴う影響や海外経済の先行き懸念など、海外景気の下振れが国内景気に及ぼすリスクに加え、物価上昇、中東地域をめぐる情勢及び金融市場の変動等、先行きは依然として不透明な状況が続いております。

当社が属する情報サービス産業におきましては、特定サービス産業動態統計(2023年11月分確報)によると、売上高は前年同月比4.0%増で20か月連続の増加、受注ソフトウェアにおけるシステムインテグレーションは同11.3%増となりました。企業のIT投資は、その中心をDX(デジタルトランスフォーメーション)による業務プロセス・業務システムの変革へと移行してきており、引き続き拡大傾向にあります。

このような環境のもと、当社は「長期経営ビジョン2030」(2022-2030)並びに「中期経営計画」(2022-2027)に基づき、「お客様と共に未来を創る」をスローガンに掲げ、以下を重点施策に取り組んでまいりました。

① 開発力の強化

② 事業ポートフォリオの変革

③ デジタルビジネスへの注力

④ サービスビジネスの構築

⑤ 経営基盤の強化

⑥ 株式の流動性確保とガバナンスの強化

⑦ サステナビリティ経営の推進

受注面では、金融ソリューションにおいてメガバンクを中心としたDX案件の獲得や、その他金融領域での大規模な基幹系刷新案件の継続受注に注力してまいりました。また、非金融ソリューションにおいても公共領域での行政電子化案件の拡大に加え、製造、流通、放送、運輸等、各領域における活況なDX案件を積極的に獲得するなどトップラインの向上を図ってまいりました。

生産面では、新卒採用と並行して中途採用を強化しプロパー社員の増強を目指すとともに、パートナー会社との関係強化を図り、開発力を増大させてまいりました。中途採用については開発部門だけでなくコーポレート部門についても増員を図ることが出来ており、また、将来の戦力確保に向け第二新卒の採用も確定しました。パートナー戦略では、パートナー社員を一定数確保するパートナープール制度を引き続き運営することで、継続的かつ安定的な技術力の確保に努めました。また、DX開発推進センター(DXを中心とした開発を社内で担う内製化組織)では、先端のプログラム言語やクラウド、SaaS等の各種資格取得を進めることでDX人財の育成を積極的に行い、更なる企業競争力向上に努めてまいりました。今期はこれらの採用教育投資や社員への賃上げといった人的資本の強化に加え、プライム市場上場維持基準適合への対応、高度化するプロジェクトの品質向上対応等を行っており、これらの活動が、確実に今後の利益向上につながるよう事業運営をしてまいります。

 

 

以上の結果、当第3四半期累計期間の業績は、売上高は12,025百万円前年同期比5.7%増)、営業利益は1,110百万円同5.2%減)、経常利益は1,118百万円同5.1%減)、四半期純利益は763百万円同5.8%減)となりました。

 

 

① 売上高

当第3四半期累計期間における売上高は、前年同期に比べ647百万円増加し12,025百万円前年同期比5.7%増)となりました。これは金融ソリューションでは銀行領域やその他金融領域、非金融ソリューションでは公共領域や流通領域で売上高を拡大したことによります。

セグメントごとの売上高は次のとおりであります。

イ ソフトウェア開発

 金融ソリューション

当社の強みである金融業務知識とIT技術の融合により、顧客に対し、新事業の創出やITコストの最適化を継続して図ってまいりました。保険領域においては、レガシーシステムの統合による基幹データの一元化やクラウドマイグレーション対応を行いました。証券領域は、IT投資が旺盛なネット証券を中心に新NISA制度への対応等を行いました。銀行領域においては行内情報系システムのDX化推進や金融リスク管理の高度化対応を行うとともに、新たに基幹システムの更改案件、政策投資管理業務案件を受注しました。カード・クレジット領域においては、加速するキャッシュレスへの対応としてオーソリゼーションやセキュリティ機能の強化を行いました。また、年度初に受注した政府系機関の大型マイグレーション開発を継続対応しております。これらの活動により、金融ソリューションの売上高は8,800百万円(前年同期比4.4%増)となりました。

b 非金融ソリューション

活況なDX対応ニーズに応えるべく技術オリエンテッドな志向で案件の受注獲得に努め、法人顧客に対する業務の効率化、マーケティング支援及びコンシューマーのサービスレベル向上に努めてまいりました。通信領域においては、顧客接点となるフロントWebシステムの大規模アジャイル開発を推進し、公共領域においては、行政手続きのオンライン化案件における機能追加や法令制度案件に対応しました。また、通信や公共にとどまらず、IT投資が活況な製造、流通、放送、運輸等、新領域の獲得を行い、幅広い領域でビジネス変革を推進しました。更に受託開発だけでなく新たにプロダクトを活用したビジネスにも参入しており、今後サービスビジネスを加速してまいります。これらの活動により、非金融ソリューションの売上高は2,928百万円 (同9.6%増)となりました。

 

これらの結果、ソフトウェア開発の売上高は11,729百万円同5.7%増)となりました。

 

ロ 情報システムサービス等

モバイル証券会社におけるクラウドベースのシステム運用及び監視サービス業務が拡大し、情報システムサービス等の売上高は296百万円前年同期比6.2%増)と堅調に推移しました。

② 売上総利益

当第3四半期累計期間における売上総利益は、前年同期に比べ30百万円増加し2,133百万円前年同期比1.5%増)となりました。前年同期に比べ売上高が増加したことが増益の要因ですが、先行投資としての人的投資や開発力強化のためのパートナープール制度等を行ったことにより原価が増加し、売上総利益率は前年同期に比べ0.8ポイント低下しました。

 

 

(2) 財政状態の分析

当第3四半期会計期間末における総資産は12,692百万円となり前事業年度末に比べ120百万円減少しております。これは主として、現金及び預金が74百万円、投資有価証券が124百万円増加し、売掛金及び契約資産が148百万円、繰延税金資産が159百万円減少したことによります。

また、負債合計は3,656百万円となり前事業年度末に比べ382百万円減少しております。これは主として、未払費用が55百万円、その他流動負債が72百万円増加し、未払金が175百万円、未払法人税等が178百万円、賞与引当金が165百万円減少したことによります。

純資産は9,035百万円となり前事業年度末に比べ262百万円増加しております。これは主として、四半期純利益763百万円を計上したこと、その他有価証券評価差額金が86百万円増加したこと、剰余金の配当により608百万円の減少があったことによります。これらの結果、自己資本比率は71.2%となり前事業年度末に比べ2.7ポイント増加しております。

 

(3) 研究開発活動

当社は、中期経営計画の重点施策であるサービスビジネスの構築、経営基盤の強化を目的に国内外の新技術やソリューションを活用した研究開発を進めております。具体的には、海外プロダクトを活用した物流効率化・労働安全強化・生活環境改善ソリューションを当社既存・新規顧客に提案すべく技術調査・評価、PoC、プロダクト開発等を進めてまいりました。

このような活動により、当第3四半期累計期間の研究開発費の総額は13百万円となりました。

なお、当第3四半期累計期間において当社の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。