売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E37145 


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営成績の状況

当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、「金融をサービスとして再発明する」をミッションに掲げております。このミッションのもと、金融サービス事業者向けの次世代クラウド基幹システムの提供等を通じて、パートナー企業とともに人々にとって遠い存在である金融サービスを暮らしに寄り添ったものにすることを目指しております。

今般、日本の経済は、新型コロナウイルスの5類への移行に伴う活動制限の解除により、社会経済活動の正常化が進み、国内の景気はゆるやかな回復基調で推移しました。一方で、ロシア・ウクライナ情勢の長期化を背景とするエネルギーや原材料価格の高騰等によるインフレ懸念の高まりに加え、中東情勢の緊迫化による地政学的リスク等により、依然として先行き不透明な状況が続いております。しかしながら、金融サービスにおけるデジタルトランスフォーメーションの流れは衰えることなく、当社グループが提供するサービスのニーズもより一層高まっていると認識しております。

このような事業環境のもと、当第3四半期連結累計期間においては、継続的な事業成長を実現するため、引き続き人材採用や機能拡充に積極的に取り組んでまいりました。

この結果、前連結会計年度末以降、金融インフラストラクチャ事業及びフィンテックソリューション事業の保守運用業務が拡大したこと、ビッグデータ解析事業のデータライセンス契約件数が増加したことにより、ストック収益が拡大し、当第3四半期連結累計期間における売上高は3,633,399千円(前年同期比28.1%増)、営業利益38,155千円(前年同期は84,195千円の営業損失)、経常利益33,092千円(前年同期は77,511千円の経常損失)、親会社株主に帰属する四半期純損失は141,787千円(前年同期は173,768千円の親会社株主に帰属する四半期純損失)となりました。

 

セグメント別の業績は以下の通りです。

 

(ⅰ)金融インフラストラクチャ事業

金融インフラストラクチャ事業では、金融サービスを運営するために必要となる複雑な基幹システムを、クラウド上でSaaS型のシステムとして顧客に提供するものであります。

証券インフラストラクチャビジネスでは、サービス提供しているパートナーへの保守運用サービス、合意済みのパートナーに向けた初期開発に注力しました。当第3四半期連結累計期間においては、前連結会計年度にサービス提供を開始したパートナーからの保守運用業務によるストック収益、及び投資一任サービスを提供したパートナーの顧客が保有するAUMの増加等に伴って増加する従量課金収益が売上高の拡大に寄与しました。

サービスの初期開発については、株式会社アンバー・アセット・マネジメントによる米国株の投資一任サービスをローンチしました。この結果、「BaaS」上での稼働サービス数は9サービス(前連結会計年度末時点:8サービス)となっております。

保険インフラストラクチャビジネスでは、新規パートナーの獲得に向けた「Inspire」の機能の拡充と、合意済みのパートナーへの「Inspire」の初期導入支援に注力しました。当第3四半期連結累計期間においては、「Inspire」の機能を拡充、初期導入先向けへの開発業務に注力しました。

初期導入支援については、当第3四半期連結累計期間中の新規ローンチはなかったため、「Inspire」上での稼働社数は9社(前連結会計年度末時点:9社)となっております。

 

クレジットインフラストラクチャビジネスでは、当第2四半期連結累計期間よりクレジットインフラストラクチャ「Crest」が稼働開始し、個人向けローンサービスの実証実験を開始しました。当第3四半期連結累計期間中の新規ローンチはなかったため、「Crest」上での稼働社数は1社(前連結会計年度末時点:0社)となっております。

 

 コスト面については、各ビジネスともに、将来のビジネス拡大を見据え、引き続き人材採用、機能拡充の先行投資を行ってまいりました。

 

以上の結果、当第3四半期連結累計期間の金融インフラストラクチャ事業の売上高は1,826,181千円(前年同期比42.5%増)、セグメント損失は291,167千円(前年同期は402,602千円のセグメント損失)となりました。

 

 

(ⅱ)フィンテックソリューション事業

 フィンテックソリューション事業では、金融機関向けにデジタルトランスフォーメーション及びデジタルマーケティングの支援を行っております。

ソリューションビジネスでは、主に前連結会計年度にシステム構築を支援した、株式会社三菱UFJ銀行「Money Canvas」の追加機能拡充の支援等を進めました。

 

以上の結果、新プロジェクトからのフロー収益及びストック収益が拡大し、当第3四半期連結累計期間のフィンテックソリューション事業の売上高は916,318千円(前年同期比12.1%増)、セグメント利益は114,166千円(前年同期比18.7%減)となりました。

 

(ⅲ)ビッグデータ解析事業

 ビッグデータ解析事業は、ビッグデータを保有する企業のデータ利活用の促進を支援しており、企業の持つビッグデータを機関投資家や官公庁に提供するデータライセンスビジネスや、企業のデータ利活用を支援するデータ解析支援ビジネスを行っております。

 データライセンスビジネスでは、マクロ経済データの新サービスとして、求人広告データをもとにした賃金動向指数サービス「HRog賃金Now」を提供開始しました。

 

以上の結果、「Alterna Data」の契約件数が伸長し、当第3四半期連結累計期間のビッグデータ解析事業の売上高は890,900千円(前年同期比20.6%増)、セグメント利益は180,640千円(前年同期比17.1%増)となりました。

 

(2) 財政状態に関する説明

(資産)

当第3四半期連結会計期間末における総資産合計は19,042,172千円となり、前連結会計年度末に比べて1,332,346千円増加しました。

流動資産は18,463,982千円となり、前連結会計年度末と比較して1,152,726千円増加しました。これは主に、営業貸付金が493,142千円、現金及び預金が259,781千円、売掛金が282,181千円増加したこと等によるものであります。固定資産は578,190千円となり、前連結会計年度末と比較して179,620千円増加しました。これは無形固定資産が81,138千円、投資その他の資産に含まれる長期差入保証金が45,579千円増加したこと等によるものであります。

 

 

(負債)

当第3四半期連結会計期間末における負債合計は10,415,104千円となり、前連結会計年度末と比較して1,507,190千円増加しました。

流動負債は9,755,199千円となり、前連結会計年度末に比べて929,497千円増加しました。これは主に、流動負債のその他に含まれている預り金が503,619千円、1年内返済予定の長期借入金が228,900千円増加したこと等によるものであります。固定負債及び特別法上の準備金は659,905千円となり、前連結会計年度末に比べて577,692千円増加しました。これは長期借入金が467,000千円増加したこと等によるものであります。

 

(純資産)

当第3四半期連結会計期間末における純資産合計は8,627,068千円となり、前連結会計年度末に比べて174,843千円減少しました。これは主に、資本金が16,408千円増加した一方で、親会社株主に帰属する四半期純損失により利益剰余金が141,787千円、非支配株主持分が26,026千円、資本剰余金が17,943千円減少したこと等によるものであります。

 

(3) 経営方針・経営戦略等

当第3四半期連結累計期間において、当社グループの経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき課題について重要な変更はありませ

ん。

 

(5) 研究開発活動

該当事項はありません。