売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E31580 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1) 財政状態及び経営成績の状況

当第1四半期連結累計期間(自 2024年3月1日 至 2024年5月31日)におけるわが国経済は、国内における個人消費やインバウンド需要が増加し、景気は緩やかな回復基調となりました。一方で、世界的な金融引締めや急激な為替相場の変動、物価上昇の進行等が与える影響により景気を下押しするリスクがあり、依然として先行き不透明な状態が続くと想定されます。

当社グループを取り巻く日本国内のクラウド市場は急速に成長をしておりますが、その背景には、民間企業によるデジタルトランスフォーメーション(DX)(注1)やオムニチャネル(注2)化の推進と合わせて、IoT(注3)やAI(注4)などにおけるデータ収集や処理・分析など様々な分野でクラウド技術やクラウドサービスを活用することが普及しており、行政によるデジタル化やスマートシティ構想など公共部門においてもクラウド利用がひろがることで、クラウドが社会・経済のインフラとして必要不可欠になっていることが要因として挙げられております。世界的には、パブリッククラウド市場をけん引するAmazon Web Services(以下「AWS(注5)」)が、技術の進化とイノベーションを繰り返しながら、依然高い成長率と圧倒的シェアを維持して順調に市場を拡大していますが、追随するGoogleやMicrosoftとの競争は、それぞれが独自の強みを活かしてクラウドサービスの拡充や改善に力を入れることで多様な選択・オプションが利用可能になり、顧客にとって多くの利益をもたらすとともにクラウドサービスの性能向上やクラウド市場の拡大に大きく寄与しております。

このような状況の中、当社グループは、クラウド専業インテグレーターとして、AWSを中心としたクラウド基盤に関するコンサルティング、基盤構築・運用、クラウドサービスの機能強化、並びにシェア獲得によるビジネスの拡大に尽力してまいりました。

以上の結果、当第1四半期連結累計期間の経営成績は、売上高は8,636,097千円(前年同四半期比46.7%増)、営業利益は443,453千円(前年同四半期比168.7%増)、経常利益は405,643千円(前年同四半期比96.6%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は277,652千円(前年同四半期比157.5%増)となりました。

なお、当社グループの事業はクラウド事業の単一セグメントのため、セグメントごとの記載はしておりませんが、製品・サービス別の業績の概要は以下のとおりであります。

 

(クラウドインテグレーション)

クラウドインテグレーションは、引き続き旺盛なクラウド需要の増加に伴い、既存顧客からのリピート受注や新規顧客の獲得と受注が堅調に推移しました。以上の結果、売上高は556,618千円(前年同四半期比37.2%増)となりました。

 

(リセール)

リセールは、既存顧客からの継続的な受注及び大口顧客のAWS利用料の増加によりARPU(注6)が堅調に推移するとともに、新規顧客の獲得もあってアカウント数も増加、また、セキュリティを中心とするサービス・ソフトウェアのライセンス販売、自社サービスの販売も堅調に推移しました。以上の結果、売上高は7,673,856千円(前年同四半期比49.5%増)となりました。

 

(MSP(注7))

MSPは、既存顧客からの継続的な受注により堅調に増加しました。また、大型顧客や案件に対しては専任チームを編成して対応にあたるなど、標準対応以上のサービス提供をMSPの役割として担うことが増えております。以上の結果、売上高は404,394千円(前年同四半期比16.7%増)となりました。

 

(その他)

その他は、特定顧客向けサービスの縮小により、売上高は1,227千円(前年同四半期比64.0%減)となりました。

 

〔用語解説〕

(注1)  デジタルトランスフォーメーション(DX): 企業がデジタルテクノロジーを活用して、ビジネスプロセスやカスタマーエクスペリエンス、組織文化などの様々な領域において革新的な変革を実現する取り組みのことを指します。

(注2)  オムニチャネル: 企業が複数の販売チャネル(店舗、ウェブサイト、モバイルアプリなど)を統合して、顧客にとってシームレスな購買体験を提供する戦略のことを指します。

(注3) IoT:「Internet of Things」の略称であります。コンピュータなどの情報通信機器だけでなく、世の中に存在する様々な物体(モノ)に通信機能を持たせ、相互に通信を行うことにより認識や制御を自動的に行うことを意味します。

(注4) AI:「Artificial Intelligence」の略称であります。日本では「人工知能」として知られております。従来から概念として広く知られた言葉ですが、膨大なデータの分析・解析・学習処理をクラウドベースで実現することにより現実味を帯びはじめています。

(注5) AWS:「Amazon Web Services」の略称であります。Amazon.comの関連会社であるAmazon Web Services, Inc.が提供する、Webサービスを通じてアクセスできるよう整備されたクラウドコンピューティングサービス群の総称であります。

(注6) ARPU:「Average Revenue Per User 」の略称であります。1社あたりの平均売上金額を表す数値であります。

(注7) MSP:「Managed Service Provider」の略称であります。顧客がAWS上に展開した仮想サーバーやネットワークの監視・運用・保守等を請け負うサービスであります。

 

(2) 財政状態の分析

(資産)

当第1四半期連結会計期間末における流動資産は、14,903,430千円となり、前連結会計年度末に比べて1,375,631千円増加しました。これは主に、前渡金が642,284千円増加、現金及び預金が546,357千円増加、売掛金及び契約資産が161,410千円増加したことによるものであります。また、固定資産は4,926,292千円となり、前連結会計年度末に比べて397,237千円増加しました。これは主に、関係会社株式が358,144千円増加、投資有価証券が60,366千円増加したことによるものであります。

 

(負債)

当第1四半期連結会計期間末における負債は8,375,983千円となり、前連結会計年度末に比べて986,464千円増加しました。これは主に、契約負債が936,452千円増加、買掛金が368,474千円増加、繰延税金負債が17,846千円増加した一方で、賞与引当金が191,043千円減少、未払法人税等が155,656千円減少したことによるものであります。

 

(純資産)

当第1四半期連結会計期間末における純資産は11,453,740千円となり、前連結会計年度末に比べて786,403千円増加しました。これは主に、資本剰余金が450,779千円増加、利益剰余金が277,652千円増加、その他有価証券評価差額金が40,437千円増加、非支配株主持分が16,776千円増加したことによるものであります。

 

 

(3) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

前連結会計年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(4) 経営方針・経営戦略等

当第1四半期連結累計期間において、当社が定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(6) 研究開発活動

該当事項はありません。