売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS




E00939 IFRS


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものです。

 

(1) 財政状態及び経営成績の状況

① 経営成績の状況

[売上収益、利益の状況]

○ 当中間連結会計期間(2025年4月1日~2025年9月30日)の連結業績は、次のとおりです。

(単位:億円、%)

 

2024年度

中間連結会計期間

2025年度

中間連結会計期間

前年同期比

売上収益

3,850

4,000

103.9

売上原価

823

881

107.1

売上総利益

3,028

3,119

103.0

販売費及び一般管理費

1,970

2,040

103.6

研究開発費

818

755

92.4

その他の収益

55

28

49.8

営業利益

278

344

123.6

税引前中間利益

315

369

117.1

中間利益

231

259

112.2

親会社の所有者に帰属する中間利益

217

246

113.5

 

○ 売上収益は、アルツハイマー病(AD)治療剤「レケンビ」、不眠症治療剤「デエビゴ」および抗がん剤「レンビマ」が引き続き伸長したことにより、増収となりました。医薬品事業の売上収益は3,933億円(前年同期比105.4%)となりました。

○ 主要品目の売上収益は、「レンビマ」が1,665億円(前年同期比101.0%)、「レケンビ」が411億円(同252.6%)、「デエビゴ」が291億円(同115.0%)、抗てんかん剤「フィコンパ」が160億円(同108.9%)となりました。

○ 販売費及び一般管理費は、円高の進行の影響により減少した一方で、「レケンビ」への積極的な資源投入により、増加となりました。

○ 研究開発費は、「レケンビ」や抗MTBRタウ抗体「E2814」などの重要プロジェクトへの積極的な資源投入を継続した一方で、開発テーマの見直しや費用効率化の追求、円高の進行の影響により、減少となりました。

○ その他の収益は、前年同期に預り金の取崩益48億円を計上した反動により、減少となりました。

○ 以上の結果、営業利益は大幅な増益となりました。医薬品事業のセグメント利益は1,861億円(前年同期比103.8%)となりました。

 

[セグメントの状況]

(各セグメントの売上収益は外部顧客に対するものです)

当社グループは、セグメントを医薬品事業とその他事業に区分しており、医薬品事業を構成する日本、アメリカス(北米)、中国、EMEA(欧州、中東、アフリカ 、ロシア、オセアニア)、イーストアジア・グローバルサウス(韓国、台湾、インド、アセアン、中南米、南アフリカ等)の5つの事業セグメントを報告セグメントとしています。

 

<日本医薬品事業>

○ 売上収益は1,125億円(前年同期比104.9%)、セグメント利益は368億円(同100.8%)となりました。売上収益の主な内訳は、医療用医薬品が1,011億円(同105.4%)、一般用医薬品等が115億円(同100.6%)でした。

○ 品目別売上収益については、ニューロロジー領域で、「レケンビ」が117億円(前年同期比276.9%)と大幅に伸長し、「デエビゴ」は220億円(同103.8%)、「フィコンパ」は41億円(同105.7%)と伸長しました。オンコロジー領域では、「レンビマ」が70億円(同101.8%)と伸長しました。ヤヌスキナーゼ阻害剤「ジセレカ」は87億円(同120.8%)、慢性便秘症治療剤「グーフィス」は43億円(同112.7%)と大幅に伸長しました。一般用医薬品等では、チョコラBBグループの売上収益が81億円(同105.3%)と伸長しました。

○ 2025年6月、OTC医薬品プロトンポンプ阻害薬「パリエットS」を新発売しました。

 

<アメリカス医薬品事業>

○ 売上収益は1,417億円(前年同期比103.4%)、セグメント利益は832億円(同104.8%)となりました。

○ 品目別売上収益については、ニューロロジー領域で、「レケンビ」が193億円(前年同期比184.2%)、「デエビゴ」が42億円(同134.1%)と大幅に伸長しました。オンコロジー領域では、「レンビマ」が現地通貨ベースで伸長した一方で、円高の進行の影響により1,144億円(同98.7%)となりました。

○ 2025年10月、米国において、皮下注オートインジェクター製剤「LEQEMBI IQLIK」を新発売しました。

 

<中国医薬品事業>

○ 売上収益は662億円(前年同期比110.9%)、セグメント利益は321億円(同105.2%)となりました。

○ 品目別売上収益については、「レンビマ」は127億円(前年同期比96.8%)となりました。「レケンビ」は、需要の拡大に加えて、当連結会計年度第1四半期に代理店が関税リスク対応として在庫を積み増した影響により、79億円(同542.2%)となりました。末梢性神経障害治療剤「メチコバール」は64億円(同101.7%)と伸長しました。めまい・平衡障害治療剤「メリスロン」は63億円(同80.4%)となりました。

○ 2025年7月、中国において、痛風治療剤「URECE」を新発売しました。

○ 2025年8月、中国において、「デエビゴ」を新発売しました。

 

<EMEA医薬品事業>

○ 売上収益は388億円(前年同期比98.2%)、セグメント利益は171億円(同89.7%)となりました。

○ 品目別売上収益については、ニューロロジー領域で、「フィコンパ」が81億円(前年同期比108.5%)と伸長し、「レケンビ」は4億円(同331.2%)となりました。オンコロジー領域では、「レンビマ/Kisplyx」が231億円(同109.0%)と伸長しました。

○ 2025年8月にオーストリア、同年9月にドイツおよびサウジアラビアにおいて、「レケンビ」を新発売しました。

 

<イーストアジア・グローバルサウス医薬品事業>

○ 売上収益は341億円(前年同期比115.7%)、セグメント利益は169億円(同123.0%)となりました。

○ 品目別売上収益については、「レンビマ」が93億円(前年同期比120.3%)と大幅に伸長しました。アルツハイマー型認知症治療剤「アリセプト」は75億円(同103.7%)と伸長しました。「レケンビ」は19億円(前年同期は0.2億円)となりました。

○ 2025年6月に台湾およびシンガポール、同年9月にメキシコにおいて、「レケンビ」を新発売しました。

○ 2025年7月、タイにおいて、過活動膀胱治療剤「ベオーバ」を新発売しました。

 

② 財政状態の状況

○ 資産合計は、1兆4,380億円(前期末より515億円増)となりました。「レケンビ」等の生産を進めたことにより棚卸資産が増加しました。

○ 負債合計は、5,582億円(前期末より376億円増)となりました。未払金および未払費用が減少した一方で、短期借入金が増加しました。

○ 資本合計は、8,798億円(前期末より138億円増)となりました。為替の影響により在外営業活動体の換算差額が増加しました。

○ 以上の結果、親会社所有者帰属持分比率は59.4%(前期末より1.3ポイント減)となりました。

 

③ キャッシュ・フローの状況

○ 営業活動によるキャッシュ・フローは、223億円の収入(前年同期より214億円の収入増)となりました。運転資本は、「レケンビ」等の棚卸資産が増加したことに加え、未払費用の減少などにより増加となりました。

○ 投資活動によるキャッシュ・フローは、128億円の支出(前年同期は8億円の収入)となりました。金融資産の売却による収入があった一方で、子会社の取得による支出が発生しました。

○ 財務活動によるキャッシュ・フローは、199億円の収入(前年同期は331億円の支出)となりました。配当金の支払いを実施した一方で、短期借入金が増加しました。

○ 以上の結果、現金及び現金同等物の残高は3,016億円(前期末より361億円増)、営業活動によるキャッシュ・フローから資本的支出等を差し引いたフリー・キャッシュ・フローは96億円の収入となりました。

 

(2) 経営方針・経営戦略等

当中間連結会計期間において、当社グループの経営方針・経営戦略等について、前事業年度の有価証券報告書提出日からの重要な変更はありません。

 

(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき課題について、前事業年度の有価証券報告書提出日からの重要な変更はありません。

 

(4) 重要な会計上の見積り

当中間連結会計期間において、当社グループの重要な会計上の見積りについて、前事業年度の有価証券報告書提出日からの重要な変更はありません。

 

(5) 研究開発活動

当中間連結会計期間における研究開発費総額は、755億28百万円(前年同期比7.6%減)、売上収益比率は18.9%(前年同期より2.4ポイント減)です。

 

[開発品の状況]

○ 抗がん剤「レンビマ」 (一般名:レンバチニブ、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USA(以下 米メルク社)との共同開発)

・単剤療法として、甲状腺がんに係る適応および肝細胞がん(ファーストライン)に係る適応で、日本、米国、欧州、中国、アジア等において承認を取得しています。

・単剤療法として、切除不能な胸腺がんに係る適応で、日本において承認を取得しています。

・エベロリムスとの併用療法として、腎細胞がん(セカンドライン)に係る適応で、米国、欧州、アジア等において承認を取得しています。

・米メルク社の抗PD-1抗体ペムブロリズマブとの併用療法として、腎細胞がん(ファーストライン)に係る適応、および子宮内膜がん(全身療法後)に係る適応で、日本、米国、欧州、アジア等において承認を取得しています。

・ペムブロリズマブおよび肝動脈化学塞栓療法(TACE)との併用療法について、肝細胞がんを対象としたフェーズⅢ試験において、TACE単独療法と比較して、無増悪生存期間(PFS)の統計学的有意かつ臨床的に意義のある改善を示し、主要評価項目の一つを達成しました。本試験結果に基づき、2025年7月、中国において同適応で承認を取得しました。本試験のもうひとつの主要評価項目である全生存期間(OS)については、中間解析において統計学的有意な改善を示さず、プロトコルで規定された統計学的有意性に関する閾値に達する可能性は低いと判断し、試験を終了することを決定しました。本試験結果は、本併用療法の中国における肝細胞がんに係る適応の承認に影響を与えるものではありません。

・ペムブロリズマブとの併用療法について、日本、米国、欧州、中国で実施していた食道がん(ファーストライン、化学療法併用)を対象としたフェーズⅢ試験は、独立データモニタリング委員会の勧告に従い、中止しました。

・米メルク社のベルズチファンとの併用療法について、同社が実施している腎細胞がんを対象とするフェーズⅢ試験において、カボザンチニブと比較して、PFSの統計学的有意かつ臨床的に意義のある改善を示し、主要評価項目の一つを達成しました。もう一つの主要評価項目であるOSについては改善傾向が示されましたが、今回の中間解析では統計学的に有意な基準には到達せず、治験計画に従い今後の解析において引き続き評価を行う予定です。

 

○ AD治療剤「レケンビ」(一般名:レカネマブ、Biogen Inc.(米国)との共同開発)

・早期ADに係る適応で、2025年9月にインド、オーストラリアで、同年10月にカナダで承認を取得しました。これらにより、承認取得は、日本、米国、中国、欧州(EU)、韓国、台湾を含む51の国と地域に拡大しました。9カ国で申請中です。

・18カ月間の隔週投与による初期治療後の4週に1回の点滴静注維持投与について、2025年9月に中国で承認を取得しました。現在、米国を含む5カ国で承認を取得し、5つの国と地域で申請中です。

・2025年8月、皮下注オートインジェクター製剤「LEQEMBI IQLIK」による維持療法(週1回投与)について、米国において承認を取得しました。

・2025年9月、「LEQEMBI IQLIK」による初期療法(週1回投与)について、米国においてFast Track指定の下で段階的申請を開始しました。

・Alzheimer's Clinical Trials Consortium(ACTC)とのパートナーシップのもと、プレクリニカル(無症状期)ADを対象とするAHEAD 3-45(フェーズⅢ試験)が日本、米国、欧州等において進行中です。

 

○ 不眠症治療剤「デエビゴ」(一般名:レンボレキサント)

・不眠症に係る適応で、日本、米国、アジア等において承認を取得しています。2025年5月、中国において、「入眠困難、睡眠維持困難のいずれかまたはその両方を伴う成人の不眠症」の適応で、新薬承認を取得しました。

 

○ 2025年5月、日本において、抗がん剤「レミトロ」(一般名:デニロイキン ジフチトクス(遺伝子組換え))について、T細胞性リンパ腫に係る適応の承認条件となっていた特定使用成績調査(全例調査)に関し、厚生労働省から解除の通知を受領しました。

○ 2025年8月、日本において、抗がん剤「タズベリク」(一般名:タゼメトスタット)について、がん化学療法後に増悪したINI1陰性の切除不能な類上皮肉腫を対象として、厚生労働省より希少疾病用医薬品に指定されました。

○ 2025年9月、米国において、抗MTBRタウ抗体E2814(一般名:etalanetug)について、ADを対象として、米国食品医薬品局(FDA)よりFast Track指定を受領しました。

○ 2025年10月、日本において、慢性便秘症治療剤「モビコール配合内用剤」について、EAファーマ株式会社(東京都)が1歳児の慢性便秘症に係る用法・用量の追加を申請しました。

○ 葉酸受容体αをターゲットとする抗体薬物複合体「MORAb-202」(一般名:farletuzumab ecteribulin)について、米国、欧州でフェーズⅡ試験段階にあった非小細胞肺がんを対象とした試験を終了しました。

 

(6) 従業員の状況

当中間連結会計期間において、当社グループの従業員数に著しい変動はありません。

 

(7) 生産、受注及び販売の実績

当中間連結会計期間において、生産および受注の実績に著しい変動はありません。

なお、販売実績については、「第2 事業の状況 2 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロ ーの状況の分析 (1) 財政状態及び経営成績の状況 ① 経営成績の状況」に記載しています。

 

(8) 主要な設備

当中間連結会計期間において、主要な設備に著しい変動はありません。