売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E00949 IFRS


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものです。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

①財政状態

当第3四半期連結会計期間末の資産は、4,278億円となりました。営業債権の流動化に伴う営業債権及びその他の債権の減少などがあった一方、現金の増加、棚卸資産の増加及び蘇州新工場建設に伴う有形固定資産の増加などにより前連結会計年度末と比べ66億円増加しました。

資本は、2,980億円となりました。自己株式の取得による資本圧縮効果の一方、利益剰余金及びその他の資本の構成要素の増加などにより前連結会計年度末と比べ47億円増加しました。

負債は、1,298億円となりました。法人所得税等の支払による未払法人所得税等の減少などがあった一方、その他の流動負債の増加などにより前連結会計年度末と比べ20億円増加しました。

以上の結果、親会社所有者帰属持分比率は、前連結会計年度末と同率の69.8%となりました。

なお、SantenグループではROE(親会社所有者帰属持分利益率)を最重要指標に、キャッシュ・フローの最大化と資本コストの低減の両面から株主価値最大化に取り組んでいます。キャッシュの源泉としては営業活動から得られるインフローを基本としつつ、キャッシュ・コンバージョン・サイクル管理により運転資本の効率を高めることでキャッシュ創出力の最大化に取り組みます。この取り組みの一環として、当第3四半期連結会計期間より営業債権の流動化を新たに開始しています。

 

②経営成績

(ア)コアベース ※1

(単位:百万円)

 

前第3四半期

連結累計期間

当第3四半期

連結累計期間

対前年同期増減率

売上収益

199,786

222,833

11.5%

コア営業利益

27,153

49,288

81.5%

コア四半期利益

21,154

39,604

87.2%

親会社の所有者に帰属する

コア四半期利益

21,181

39,629

87.1%

 

[売上収益]

前年同期と比べ11.5%増加し、2,228億円となりました。

医療用医薬品事業は、日本では薬価改定の影響等があったものの主力製品の拡大に注力、中国では前年の新型コロナウイルス感染症の再拡大からの市場の回復、アジア・EMEAでも主力製品が堅調に推移し、前年同期と比べ11.5%増加し、2,070億円となりました。

 

 

売上収益の内訳は次のとおりです。

上段:金額

 

 

 

 

 

 

下段:対前年同期増減率、( )は為替影響を除いた対前年同期増減率

(単位:百万円)

 

日本

中国

アジア

EMEA

米州

合計

医療用医薬品

114,141

22,252

21,144

47,000

2,478

207,015

 

2.6%

38.6%

23.8%

21.0%

2.1%

11.5%

 

(-)

(37.2%)

(16.8%)

(12.2%)

(△1.4%)

(8.9%)

一般用医薬品

7,927

230

668

8,825

 

8.2%

18.0%

4.7%

8.2%

医療機器

2,630

38

47

2,309

504

5,528

 

7.3%

30.3%

33.0%

41.2%

20.8%

その他

1,326

56

83

1,465

 

1.7%

10.3%

△8.9%

1.3%

合計

126,024

22,575

21,942

49,309

2,982

222,833

 

3.0%

38.3%

23.2%

21.5%

7.2%

11.5%

 

(-)

(36.9%)

(16.4%)

(12.7%)

(3.6%)

(9.0%)

(注)外部顧客に対する売上収益を表しています。

 

 

   顧客の所在地をもとに国又は地域に分類しています。なお、アジアには中国を含んでいません。

   EMEAは、欧州、中東及びアフリカです。

 

<医療用医薬品>

◇日本

2%台半ばの薬価改定や前期末の花粉飛散に伴うアレジオン点眼液※2の在庫調整の影響はあったものの、2022年11月に販売を開始したジクアスLX点眼液等の主力製品の拡大に注力した結果、前年同期と比べ2.6%増加し、1,141億円となりました。主力製品の売上は次のとおりです。

 

・緑内障・高眼圧症治療剤領域

「タプロス点眼液」

49億円

(対前年同期増減率  △19.2%)

「タプコム配合点眼液」

18億円

(対前年同期増減率  △13.3%)

「コソプト配合点眼液」

31億円

(対前年同期増減率  △15.1%)

「エイベリス点眼液」

34億円

(対前年同期増減率  +12.7%)

・角結膜疾患治療剤領域

「ジクアス点眼液※3

164億円

(対前年同期増減率  +36.1%)

・抗アレルギー点眼剤領域

「アレジオン点眼液※2

115億円

(対前年同期増減率  △ 4.5%)

・網膜疾患治療剤領域

「アイリーア硝子体内注射液※4

562億円

(対前年同期増減率  + 2.7%)

 

 

◇中国

市場は前年の新型コロナウイルス感染症の再拡大から回復し、主力製品が好調に推移した結果、円換算ベースで前年同期と比べ38.6%増加し(為替影響を除いた成長率は+37.2%)、223億円となりました。主力製品の売上は次のとおりです。

 

・緑内障・高眼圧症治療剤領域

「タプロス点眼液」

12億円

(対前年同期増減率  +57.2%)

・角結膜疾患治療剤領域

「ジクアス点眼液」

28億円

(対前年同期増減率  +25.8%)

「ヒアレイン点眼液」

63億円

(対前年同期増減率  +27.0%)

・眼感染症治療剤領域

「クラビット点眼液」

70億円

(対前年同期増減率  +64.0%)

 

◇アジア(中国除く)

韓国等主要国では下記主要製品が堅調に推移し、円換算ベースで前年同期と比べ23.8%増加し(為替影響を除いた成長率は+16.8%)、211億円となりました。

 

・緑内障・高眼圧症治療剤領域

「タプロス点眼液」

18億円

(対前年同期増減率  + 5.2%)

「タプコム配合点眼液」

10億円

(対前年同期増減率  +24.2%)

「コソプト配合点眼液」

51億円

(対前年同期増減率  +14.9%)

・角結膜疾患治療剤領域

「ジクアス点眼液」

19億円

(対前年同期増減率  +36.2%)

「Ikervis(アイケルビス)」

14億円

(対前年同期増減率  +18.0%)

・眼感染症治療剤領域

「クラビット点眼液」

27億円

(対前年同期増減率  +49.2%)

 

◇EMEA

現地での領域別市場シェア一位の緑内障製品を中心に伸長し、第1四半期連結会計期間にIkervis(アイケルビス)の保険償還の精算額の見直しを行った影響もあり、円換算ベースで前年同期と比べ21.0%増加し(為替影響を除いた成長率は+12.2%)、470億円となりました。主力製品の売上は次のとおりです。

 

・緑内障・高眼圧症治療剤領域

「タプロス点眼液」

62億円

(対前年同期増減率  + 3.0%)

「タプコム配合点眼液」

43億円

(対前年同期増減率  +22.1%)

「コソプト配合点眼液」

109億円

(対前年同期増減率  +10.0%)

「トルソプト点眼液」

28億円

(対前年同期増減率  + 6.9%)

・角結膜疾患治療剤領域

「Ikervis(アイケルビス)」

84億円

(対前年同期増減率  +95.6%)

「Cationorm(カチオノーム)」

22億円

(対前年同期増減率  + 3.7%)

・抗アレルギー点眼剤領域

「Verkazia(ベルカジア)」

10億円

(対前年同期増減率  +63.6%)

 

◇米州

販売・マーケティング活動の合理化を推進しており、円換算ベースで前年同期と比べ2.1%増加し(為替影響を除いた成長率は△1.4%)、25億円となりました。

 

<一般用医薬品>

前年同期と比べ8.2%増加し、88億円となりました。

「サンテメディカルシリーズ」「サンテボーティエシリーズ」「ソフトサンティアシリーズ」などの高価格帯品に加え、スイッチOTC製品「ヒアレインS」、「サンテFXシリーズ」に注力しています。

 

<医療機器>

日本では下記レンティス コンフォート等の眼内レンズ、及び、EMEAではプリザーフロ マイクロシャントの販売が好調に推移し、前年同期と比べ20.8%増加し、55億円となりました。主力製品の売上は次のとおりです。

「レンティス コンフォート」

10億円

(対前年同期増減率  △ 1.7%)

「プリザーフロ マイクロシャント」

28億円

(対前年同期増減率  +61.6%)

 

<その他>

その他の売上収益は15億円となりました。サプリメント製品の販売、株式会社クレール(連結子会社)での無塵・無菌服のクリーニング業によるものです。

 

[コア営業利益]

売上総利益は、前年同期と比べ14.9%増加し、1,314億円となりました。

販売費及び一般管理費は、前年同期と比べ2.2%減少し(為替影響を除いた対前年同期増減率は△5.7%)、641億円となりました。

研究開発費は、前年同期と比べ16.7%減少し(為替影響を除いた対前年同期増減率は△19.7%)、180億円となりました。

 

以上により、コアベースの営業利益は、前年同期と比べ81.5%増加し(為替影響を除いた対前年同期増減率は+79.2%)、493億円となりました。

 

※1 Santenグループでは2015年3月期のIFRS適用を機に、IFRSによる業績(「IFRS(フル)ベース」)から一部の収益及び費用を控除した「コアベース」での財務情報を事業活動自体の収益性を示す指標として開示しています。IFRS(フル)ベースによる業績からコアベースでの業績への調整において控除する以下の収益及び費用とそれらに係る法人所得税費用を調整し、コアベースを算出しています。

 

・製品に係る無形資産償却費

・その他の収益

・その他の費用

・金融収益

・金融費用

・持分法による投資損益

・企業買収に係る費用、並びに再成長のための生産性向上及び合理化等に係る費用

 

※2 アレジオンLX点眼液を含みます。

 

※3 ジクアスLX点眼液を含みます。

 

※4 製造販売元であるバイエル薬品株式会社とのコ・プロモーション製品です。

 

 

(イ)IFRS(フル)ベース

(単位:百万円)

 

前第3四半期

連結累計期間

当第3四半期

連結累計期間

対前年同期

増減額

対前年同期

増減率

売上収益

199,786

222,833

23,047

11.5%

営業利益(△は損失)

△10,147

36,157

46,305

-%

四半期利益(△は損失)

△16,088

26,580

42,668

-%

親会社の所有者に帰属する

四半期利益(△は損失)

△16,064

26,613

42,677

-%

 

[売上収益]

コアベースからの調整はありません。

 

[営業利益]

コアベースからの調整内容として、米州の合理化に関する費用が、売上原価に2億円、販売費及び一般管理費に7億円、研究開発費に2億円それぞれ発生しました。

 

製品に係る無形資産償却費は、前年同期と比べ2.0%減少し(為替影響を除いた対前年同期増減率は△4.8%)、71億円となりました。これは主に、2014年にMerck & Co., Inc.(米国)から譲り受けた眼科製品及び2016年のInnFocus, Inc.(米国)買収に伴い取得したプリザーフロ マイクロシャントに関する無形資産、並びに2015年より欧州で販売を開始した「Ikervis(アイケルビス)」及び2023年より欧州で販売を開始した「Rhopressa / Rocklatan」に関する無形資産の償却によるものです。

 

その他の収益は、14億円となりました。これは主に、米州における医療用医薬品事業に係る一部製品の資産譲渡によるものです。

その他の費用は、64億円となりました。これは主に、日本における早期退職特別支援プログラムに伴う退職特別加算金や米州における医薬品販売事業の最大限合理化等に伴う事業構造改革費用です。

 

これらにより、IFRS(フル)ベースの営業利益は362億円(前年同期は101億円の営業損失)となりました。

 

[四半期利益]

金融収益は、13億円となりました。

金融費用は、10億円となりました。

持分法による投資損失は、29億円となりました。これは主にVerily Life Sciences LLC(米国)との合弁会社であるTwenty Twenty Therapeutics LLC(米国)の損益のうち、当社の持分に帰属する金額を計上したものです。

法人所得税費用は、前年同期から25億円増加し、70億円となりました。これは主に、上述のIFRS(フル)ベースの営業利益の増加に伴う税引前四半期利益の増加、及び日本における試験研究費の税額控除適用額の減少によるものです。

 

これらにより、四半期利益は266億円(前年同期は161億円の四半期損失)となりました。

 

[親会社の所有者に帰属する四半期利益]

親会社の所有者に帰属する四半期利益は266億円(前年同期は161億円の親会社の所有者に帰属する四半期損失)となりました。売上収益に対するその比率は、11.9%となりました。

 

 

③キャッシュ・フローの状況

当第3四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは、594億円の収入(前年同期は285億円の収入)となりました。主に四半期利益266億円、減価償却費及び償却費136億円、営業債権の流動化に伴う営業債権及びその他の債権の減少234億円並びに法人所得税の支払額115億円などによるものです。

投資活動によるキャッシュ・フローは、57億円の支出(前年同期は236億円の支出)となりました。主に有形固定資産の取得による支出60億円などによるものです。また政策保有株式の見直しを継続して実施しており、当第3四半期連結累計期間は1銘柄を売却しました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、313億円の支出(前年同期は280億円の支出)となりました。主に自己株式の取得による支出170億円及び配当金の支払額118億円などによるものです。

以上の結果、現金及び現金同等物の当第3四半期連結会計期間末残高は、前連結会計年度末と比べ241億円増加し、820億円となりました。

 

(2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期連結累計期間において、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

なお、前連結会計年度に記載した対処すべき課題のうち構造改革の推進については、当第3四半期連結累計期間において、次のように対処しています。

米州の最大限合理化では、医療用医薬品事業に係る製品の資産譲渡に伴う人員の最小化を決定、及びオフィス等を含む拠点オペレーションの見直しを実施しました。また、全社組織及び人員体制の再構築、並びにグローバルでのコスト最適化を継続しています。この結果、年間100~150億円規模の収益改善が見込まれます。

 

優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は以下のとおりです。

新中期経営計画(2023~2025年度)及び目標とする経営指標

2023~2025年度新中期経営計画においては、強みである医療用医薬品事業の最大化にあらためて注力します。収益性の改善、医療用医薬品事業とそれに直結する取り組みにリソースを集約することで生活者・患者さんへの貢献価値の最大化、これらを支える組織の運用体制や仕組みの強化に取り組み、2023~2025年度新中期経営計画期間中に従来の利益水準に回復させるとともに、2026年度以降の大型パイプラインでの価値貢献最大化に備えます。

 

1.成長に向けた基本方針

2025年度までは構造改革と地域事業の売上最大化の2軸で収益最大化を図ります。明確な地域戦略に基づく売上拡大を図り、かつ、グローバルにコマーシャルエクセレンスを強化します。また、各地域事業の売上拡大に資する事業開発及び、医療用医薬品事業へのシナジーが得られる新規事業に取り組んでいきます。2026年度以降は、強化した組織力を梃子に、近視や眼瞼下垂など大型のパイプライン製品による生活者・患者さんへの新しい価値貢献機会の創出を図り、さらなる成長局面へと発展させていきます。一方で本中期経営計画を確実に遂行していくために、戦略立案・実行を担うリーダーシップチームの強化に加え、オペレーションモデルとそれを支える経営管理・人材育成の仕組みを変革していきます。

 

■構造改革の推進

・米州の最大限合理化:赤字継続・パイプラインの現状を踏まえて最適化

・財務規律に基づく投資見直し:IT等大型投資案件を精査

・コスト最適化:各費用を "ゼロベース" で精査

・生産性向上:各組織機能の生産性をレビュー

 

■3つの柱を通じた地域事業売上の最大化

・グローバルにコマーシャルエクセレンスを強化

・各地域事業の売上拡大に資する事業開発(他社上市品、リージョン品を含む)

・医療用医薬品事業の売上最大化に資する新規事業

 

 

■大型パイプライン上市による新領域での売上創出(2026年度以降)

・特に、近視・眼瞼下垂などの自由診療で新しい価値貢献機会を創出

・研究開発及び事業開発への十分な投資による開発・新規パイプラインの探索

 

2.2025年度 全社数値目標・KPI(重要業績評価指標)

海外一人当たり売上高の成長を含めて収益性の確実な改善と安定配当を実現します。

 

売上高

2,800億円

コア営業利益額

560億円

コア営業利益率

20%

海外一人当たり売上高成長率

(為替影響除く)

7%以上の成長

(2022年度~2025年度の年平均成長率)

コアROE(親会社所有者帰属持分当期利益率)

13%

コアEPS(1株当たり当期利益)の成長率

10%以上

(2022年度~2025年度の年平均成長率)

 

3.資本配分・株主還元

財務戦略は眼科領域で競争優位を構築することで収益性を高め、キャッシュ創出力、ひいては株主価値の最大化を追求することを基本としています。

新中期経営計画(2023~2025年度)においては収益性の拡大、効率性の追求、健全性の確保を柱にしROE(親会社所有者帰属持分利益率)の向上に取組んでまいります。特に資本コストに対する超過収益力を最大化することによりROE上昇を図ります。

特に、収益改善と同時にキャッシュの創出力を高め、その原資を将来の成長への投資として資本コストを上回るリターンが見込める設備、研究開発、事業開発に優先的に投下いたします。一方で、有望な投資機会が無ければ、株価の状況を鑑みながら自社株買いによる利益還元を実施します。

また、配当については、現行32円/年を配当下限値として、中長期的な利益成長に合わせて増配していく累進配当方針を継続してまいります。

 

4.ESG(環境、社会、ガバナンス)の取り組み

眼科に特化したスペシャリティ・カンパニーとして、事業を通じて、患者さんや社会への貢献を追求してまいります。

 

■13のマテリアリティ

(1)社会的意義のある製品・サービスの開発・安定的供給

①社会的意義のある製品の市場浸透

②サプライチェーンの評価・管理

③品質・安全性の確保と適切な供給体制の確立

④製品・サービスに関する適切な情報提供

(2)価値創造を促進する組織風土の醸成

⑤ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの推進

⑥高付加価値で生産性の高い職場環境の構築

⑦人材の育成・登用

(3)ガバナンス強化・公正公平な社会実現への貢献

⑧コーポレート・ガバナンス

⑨コンプライアンス

⑩リスクマネジメント

⑪人権の尊重

 

 

(4)地球環境保全

⑫気候変動対策

⑬環境負荷低減

 

上記のマテリアリティのうち、特に本中期経営計画の実現とその先の持続的な成長につながっていく「①社会的意義のある製品の市場浸透」と、事業成長を支え牽引していくための「⑦人材の育成・登用」を最重要と定義し、取り組みを強化してまいります。

 

(3)研究開発活動

<緑内障・高眼圧症領域>

プロスタグランジンFα誘導体及びβ遮断剤の配合剤STN1011101(DE-111A、一般名:タフルプロスト/チモロールマレイン酸塩)は、中国で2022年12月に販売承認を申請しました。

FP/EP3受容体デュアル作動薬STN1012600(DE-126、一般名:セペタプロスト)は、米国で2021年12月に追加の第Ⅱ相試験を終了しました。日本では2023年6月に第Ⅲ相試験を終了しました。欧州では第Ⅱ相試験(探索的試験)を終了しました。

プロスタグランジンF₂α誘導体の乳化点眼剤STN1013001(DE-130A、一般名:ラタノプロスト)は、アジアで2022年3月に第Ⅲ相試験を終了しました。欧州では2023年11月に販売承認を取得しました。

ROCK阻害剤STN1013900(AR-13324、一般名:ネタルスジルメシル酸塩)は、日本で2020年11月から第Ⅲ相試験を実施しています。欧州では販売承認を取得しており、2023年2月以降スウェーデンなどで販売しています。アジアでは順次販売承認を申請しており、2023年1月以降タイなどで販売承認を取得しています。

ROCK阻害剤及びプロスタグランジンF₂α誘導体の配合剤STN1014000(PG-324、一般名:ネタルスジルメシル酸塩/ラタノプロスト)は、欧州で販売承認を取得しており、2023年1月以降ドイツなどで販売しています。アジアでは順次販売承認を申請しており、2023年1月以降タイなどで販売承認を取得しています。

 

<角結膜疾患(ドライアイを含む)領域>

春季カタルを対象とするSTN1007603(DE-076C、一般名:シクロスポリン)は、既に承認・販売されている欧州、アジア、カナダなどに続き、中国で2022年4月に販売承認を取得し、米国で2022年5月に発売しました。2023年7月に米国・カナダにおける製造・商業化の独占的権利をHarrow Health, Inc.(米国)へ供与しました。

ドライアイを対象とするSTN1008903(DE-089C、一般名:ジクアホソルナトリウム)は、日本で2022年11月に発売しました。アジアでは、2023年3月に韓国で販売承認を申請しました。

ドライアイを対象とするSTN1014100(一般名:オロダテロール塩酸塩)は、日本で2023年1月から第Ⅰ相/前期第Ⅱ相試験を実施しています。

フックス角膜内皮ジストロフィを対象としてアクチュアライズ株式会社と共同開発契約を締結しているSTN1010904*(一般名:シロリムス)は、米国、フランス、インドで2022年5月から前期第Ⅱ相試験を実施しています。(*開発コード(STN1010904)は、第Ⅱ相試験終了時に当社が独占的実施権を獲得した後に附番予定のコードです。)

マイボーム腺機能不全を対象とするSTN1010905(一般名:シロリムス)は、日本で2022年8月に前期第Ⅱ相試験を終了し、追加の前期第Ⅱ相試験を実施する予定です。

アレルギー性結膜炎を対象とするSTN1011402(一般名:エピナスチン塩酸塩)は、日本で2023年3月に製造販売承認を申請しました。

 

 

<屈折異常領域>

小児における近視を対象とするSTN1012700(DE-127、一般名:アトロピン硫酸塩)は、日本で2023年10月に第Ⅱ/Ⅲ相試験を終了しました。中国では2022年6月から第Ⅱ/Ⅲ相試験を実施しています。アジアでは2020年4月に第Ⅱ相試験を終了しました。

小児における近視を対象とするSTN1012701(SYD-101、一般名:アトロピン硫酸塩)は、導入元であるSydnexis Inc.(米国)により欧州及び米国で第Ⅲ相試験が実施されています。当社は、欧州、中東及びアフリカ地域における独占ライセンス権を保有しています。

近視を対象とするSTN1013400(化合物名:AFDX0250BS)は、日本で2023年5月に前期第Ⅱ相試験を開始しました。中国では2023年8月に第Ⅰ相試験を開始しました。

老視を対象とするSTN1013600(一般名:ウルソデオキシコール酸)は、前期第Ⅱ相試験のデータ解析の結果、開発を中止しました。

 

<その他の領域>

眼瞼下垂を対象とするSTN1013800(一般名:オキシメタゾリン塩酸塩)は、日本で2022年10月から第Ⅲ相試験を実施しています。

 

※開発コードの附番方法変更に伴い、新開発コード(STNXXXXXXX)及び既存開発コード(DE-XXX)を併記しています。なお、AR-13324及びPG-324はAlcon Inc.(スイス)、SYD-101はSydnexis Inc.(米国)での開発コードです。

※STN1011700(DE-117、一般名:オミデネパグ イソプロピル)は、日本、アジアで製品名エイベリスとして販売しています。米国では製品名OMLONTIとして販売承認を取得しており、2023年7月に米国における製造・商業化の独占的権利についてVisiox Pharmaceuticals, Inc.(米国)へ供与しました。

 

当第3四半期連結累計期間のコアベースの研究開発費の総額は、180億円です。なお、IFRS(フル)ベースの研究開発費の総額は、米州の合理化に関する費用が2億円発生し、182億円です。