売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E01035 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当第3四半期会計期間末現在において判断したものであります。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

 当第3四半期累計期間における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①経営成績の状況

 当第3四半期累計期間におけるわが国経済は、令和5年5月に新型コロナウイルス感染症の感染症分類が2類から5類に引き下げになったことや、原材料価格の高騰が一服したことから、先行きの景気見通しの改善が進みました。化粧品業界においても、観光業や飲食業と同様に、「脱マスク」の進展で、需要が回復しております。

 このような状況下、当社は令和5年5月からコロナ禍後を見すえ、笑顔あふれる日常を目指し、「Good-Byeコロナ禍運動~脱マスク!笑顔!の愛用者づくり~」に取り組んでおります。特に、3年間開催を見送っていた「アーチストセミナー」が活況を呈し、積極的に推進している「ホームパーティ」の開催も全国的に好調に推移しております。

 当第3四半期累計期間の売上につきましては、令和5年6月に新発売しました洗顔シリーズ「アイビーアトラクティ」(全品医薬部外品)が、当初の想定を上回る受注状況となりました。また、同じく令和5年6月に新発売しました「リップリペアクリーム」(リップトリートメント)についても、好調な受注状況となり、追加製造したものの9月の出荷に一部間に合いませんでした。同じく令和5年6月に新発売しました「ホワイトスティック C」(スティック状クリーム)については、季節的な要因もあり想定を下回る状況ではありますが、年間を通じては好調に推移すると考えております。一方、7月から9月まで続いた猛暑の影響により組織活動が低迷したこともあり、当社主力製品の一つである「レッドパワー セラム」については、当第3四半期累計期間の出荷数量は14,964セット(前年同四半期累計期間17,470セット)と、前年を下回り苦戦致しました。レギュラー製品につきましては、洗顔を切り口に、「同じ志をもつ仲間づくり、愛用者づくり」に取り組み、新製品の洗顔シリーズ「アイビーアトラクティ」が好評を得たことが、他レギュラー製品にも波及し好調に推移しました。

 その結果、当第3四半期累計期間の売上高は、前年同四半期累計期間比2.2%増となり、増収で推移しました。

 利益面におきましては、売上原価率は前年同四半期累計期間比で1.2ポイント増加しました。これは、製品構成比で原価率の高い製品の比率が増えたこと、および資材原料の値上がりが徐々に波及してきたことによるものです。

一方、当期は、前事業年度よりさらに経費使用方針に基づく予実管理を徹底しております。当第3四半期累計期間においては、売上増にも関わらず販売費及び一般管理費は前年同四半期累計期間比で317百万円減少しました。この経費節減効果は年間を通じて効果があると考えております。

 これらの取組みにより売上総利益は前年同四半期累計期間比0.6%増となりました。例年第3四半期会計期間は売上高が少ないことから、当第3四半期累計期間において営業損益、経常損益ともに損失を計上しておりますが、経費削減効果により、前年同四半期累計期間比ではそれぞれ損益が改善致しました。

 以上の結果、当第3四半期累計期間の業績は、売上高1,727,244千円(前年同四半期累計期間比2.2%増)、営業損失87,924千円(前年同四半期累計期間営業損失412,277千円)、経常損失88,437円(前年同四半期累計期間経常損失414,948千円)、税金費用を8,674千円計上した結果、四半期純損失97,111千円(前年同四半期累計期間四半期純損失418,826千円)となりました。

 SDGsへの取組みについては、当社が取り組める範囲内で地に足がついた形で、環境に配慮した製品づくりに努めております。一例として、新製品の洗顔シリーズ「アイビーアトラクティ」には、バイオPET樹脂使用資材を採用しております。当事業年度はISOの仕組みを活用し、SDGsに関わる品質目標を掲げ、引き続き環境に配慮した資材の採用を検討するとともに、事業活動に伴うエネルギーの削減、資源の有効活用による廃棄ロスの低減などへの取組みを検討しております。

 なお、海外事業については、8月より育毛剤「薬用スカルプケア ステムシグナル」(医薬部外品)の台湾への輸出を開始いたしました。当第3四半期累計期間の売上高は144千円となりましたが、今後売上高は伸長していくと考えております。一方、香港への輸出については、アルプス処理水の問題の影響もあり、進展しておりません。

 また、当社の事業は単一セグメントであり、上記記載のとおり、第2四半期会計期間より、台湾向けに育毛剤「ステムシグナル」の出荷を開始しておりますが、売上高が144千円と少ないため、セグメント別の記載を省略しております。

 

②財政状態の状況

(流動資産)

 当第3四半期会計期間末における流動資産の残高は1,854,440千円(前事業年度末は2,306,646千円)となり、前事業年度末に比べ452,205千円減少しました。これは主に、現金及び預金が269,184千円、商品及び製品が81,493千円増加したものの、受取手形、売掛金及び契約資産が809,842千円減少したことによるものです。

(固定資産)

 当第3四半期会計期間末における固定資産の残高は1,500,387千円(同1,547,429千円)となり、前事業年度末に比べ47,041千円減少しました。これは主に、差入保証金が46,839千円減少したことによるものであります。

(流動負債)

 当第3四半期会計期間末における流動負債の残高は866,147千円(同1,158,328千円)となり、前事業年度末に比べ292,181千円減少しました。これは主に、短期借入金が64,264千円、1年内返済予定の社債が30,000千円、1年内返済予定の長期借入金が60,000千円、未払金及び未払費用が166,712千円減少したことによるものであります。

(固定負債)

 当第3四半期会計期間末における固定負債の残高は504,187千円(同713,613千円)となり、前事業年度末に比べ209,425千円減少しました。これは主に、定時返済などで社債が36,000千円、長期借入金が92,763千円、その他が79,413千円減少したことによるものであります。

(純資産)

 当第3四半期会計期間末における純資産の残高は1,984,492千円(同1,982,133千円)となり、前事業年度末に比べ2,359千円増加しました。これは主に第2四半期会計期間において第3回新株予約権の行使を行い自己株式が179,361千円減少したこと、四半期純損失を97,111千円計上したことによるものであります。この結果、自己資本比率は、59.0%(同51.2%)となりました。

 

③経営方針・経営戦略等

当第3四半期累計期間において、当社が定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

④優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期累計期間において、当社が対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

⑤研究開発活動

当第3四半期累計期間における当社の研究開発活動の金額は、106,595千円であります。

なお、当第3四半期累計期間において、当社の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当第3四半期会計期間末現在において判断したものであります。

 

①当第3四半期累計期間の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当第3四半期累計期間の経営成績等は、上記記載のとおりですが、経営者が判断している重要な指標等につきまして、補足いたします。

 

a.上代売上(小売価格ベース)と下代売上(会計上の売上)の関連性について

当社は、売上に対する利益のレバレッジが高いという特徴を持っているため、目標売上高の達成を最重要視しております。当社は、販売会社と小売価格ベースである上代売上で目標を共有しております。通常、上代売上に対する商品売上(下代売上)の平均掛率は36~40%です。この掛率は、販売契約で定めておりますので、大きく変動することは少ないですが、総じて上代売上高の好調な時は低く、上代売上高が不調な時は高くなる傾向があります。会計上の売上は、商品売上(下代売上)から売上割戻額を引いて算出いたします。

 

当第3四半期累計期間における上代売上高は、4,812,449千円(前年同四半期累計期間は4,596,422千円)でした。当社としては、上代売上目標を販売組織とともに達成することを最重要視しております。

 

b.経営重要指標(KPI;Key Performance Indicator)について

経営重要指標(KPI)として、棚卸資産回転期間、自己資本比率、売上高経常利益率を経営状況のバランスを測る指標としております。

棚卸資産回転期間については、当社は四半期ごとの売上高や原価の変動性が高いため、通期で正常な水準値に近づけることを目的に、構成要素ごとに管理を行っております。当第3四半期累計期間においてはその要素の一つである棚卸資産額が931,548千円(前事業年度末855,972千円)となり、前事業年度末に比べて8.8%増となっております。その結果、棚卸資産回転期間は、12.9ケ月となりました。引き続き正常な水準(目標6.0ケ月)に戻せるように取り組んでまいります。

 

自己資本比率につきましては、59.0%(前事業年度末51.2%)となりました。これは、第2四半期会計期間において第3回新株予約権の行使が96,000千円あったこと、当第3四半期累計期間において有利子負債が283,027千円減少したこと等によるものです。引き続き、通期においても、正常な水準(目標60.0%)に戻せるように取り組んでまいります。

 

売上高経常利益率につきましても、△5.1%(前年同四半期累計期間△24.5%)となりました。引き続き収益を維持し、正常な水準(目標15.0%)に戻せるように取り組んでまいります。

 

c.研修動員数

当社の経営成績に重要な影響を与える要因の一つとして、販売組織における研修動員数が重要であると考えております。当第3四半期累計期間におきましては、研修動員をしやすい環境になってきたものの、理念研修としての「SA研修」の新規動員数は669名(前年同四半期累計期間は773名)、美容研修としての「美容教室」の新規動員数1,239名(前年同四半期累計期間は1,593名)となり、前年同四半期累計期間を下回って推移しました。3年ぶりの開催となった「アーチストセミナー」や「ホームパーティ」への動員は出来ていることから、第4四半期に関しては、「SA研修」や「美容教室」の新規動員数も上がってくると考えております。

 

d.流通在庫

当社の経営成績に重要な影響を与えるもう一つの要因としては、販売会社の経営状態であると考えております。販売組織における流通在庫は、ヒアリングにより大まかな把握を行っております。当第3四半期会計期間末におきましては、前事業年度末よりも流通在庫は減少していると推定しており、ほとんどの販売会社の在庫は適正水準に収れんしたと考えております。一方、販売会社から収集している最新の決算報告書を分析すると、販売組織の実売状況は、3年間続いたコロナ禍の影響もありましたが、当社からの仕入(当社売上)を上回って推移しており、さらなる売上回復に向けた取り組みが重要と考えております。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社が判断しているキャッシュ・フローの状況につきまして、補足いたします。

 

a.キャッシュ・フロー分析

当第3四半期会計期間末において、現預金残高は516,855千円(前事業年度末比269,184千円増)となりました。販管費は、前年同四半期累計期間比で317,297千円減少し、経費節減管理は、順調に進捗しております。今後については、売上高をあげるとともに仕入及び経費支出を抑え、手元資金の確保を優先してまいります。当社といたしましては、引き続き財務内容の改善に全力で取り組んでまいります。

 

b.資本の財源について

当社の資本の財源については、資本金、資本剰余金及び利益剰余金等によって構成されております。第2四半期会計期間におきまして第3回新株予約権の行使が96,000千円あり、また当第3四半期累計期間におきまして四半期純損失を97,111千円計上した結果、当第3四半期会計期間末の純資産は1,984,492千円となりました。配当政策については、収益の状況を勘案しながら、利益還元を行う方針です。

 

c.資金の流動性について

当社は、運転資金及び設備資金につきましては、内部資金又は借入(社債含む)により資金調達することとしております。当社の運転資金は季節変動が大きく、3月頃及び9月頃に手元流動性が低くなる傾向があります。この時期に必要な現預金を運転資金として保持できるように努めてまいります。また、当第3四半期会計期間末においてまだ在庫が多い状態と認識して、仕入を抑制することにより手元資金を生み出し、内部留保した利益と合わせて、負債の削減を行う予定です。また、新株予約権の行使にともなう入金も含め、手元の運転資金の確保を確実に行ってまいります。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

   当第3四半期累計期間において、当社の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定について、重要な変更は

  ありません。