E01054 Japan GAAP
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
当第3四半期連結累計期間(2023年1月1日~2023年9月30日)は、世界的なインフレや金融引き締めの継続、依然高い緊張状態にある地政学リスクのもとで推移しました。
エレクトロニクス業界は、パソコンやスマートフォン等電子機器の在庫調整は進み底を打ったとみられるものの、弱い個人消費により需要は引き続き低調に推移しました。クラウド化やIoT、AIの進展等への対応によるデータセンターにおいては、従来分野より先端分野への投資が優先される状況にありました。
当社グループの関係市場である電子基板・部品業界は、全般的にはエレクトロニクス業界の影響を受け、関連する当社製品の受注も低水準で推移しました。業界において在庫調整は進み底を打ったと考えられるものの回復度合いは緩やかであります。
このような環境のもと、当社グループは高密度電子基板向け製品の開発、販売に注力いたしました。
前年同期と比較した主要製品の売上動向は、外部環境の影響をうけ、ディスプレイ向け「EXEシリーズ」はほぼ横ばいとなり、回復の傾向にあるもののその継続性は不透明であります。多層基板向け密着向上剤「V-Bondシリーズ」は減少しましたが、関連する自動車の生産は回復傾向にあります。半導体を搭載するパッケージ基板向けに高いシェアを持つ超粗化系密着向上剤「CZシリーズ」、ディスプレイ向け「SFシリーズ」は、関連する電子基板・部品の需要の弱さを受け減少しました。当社業績においても、第1四半期を底に回復の傾向にはあるもののその角度は緩やかであります。
その結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は99億81百万円(前年同期比23億82百万円、19.3%減)となりました。販売費及び一般管理費は42億14百万円(前年同期比81百万円、1.9%減)となり、営業利益は16億71百万円(前年同期比14億46百万円、46.4%減)、売上高営業利益率は16.8%となり、前年同期と比較し8.4ポイント低下しました。経常利益は18億78百万円(前年同期比15億60百万円、45.4%減)となりました。税金等調整前四半期純利益は24億22百万円(前年同期比9億88百万円、29.0%減)となり、親会社株主に帰属する四半期純利益は17億7百万円(前年同期比6億75百万円、28.4%減)となりました。
売上高の内訳は、薬品売上高は98億34百万円(前年同期比23億79百万円、19.5%減)、機械売上高は83百万円(前年同期比15百万円、23.0%増)、資材売上高は59百万円(前年同期比17百万円、22.7%減)、その他売上高は3百万円(前年同期比1百万円、30.6%減)となりました。
海外売上高比率は62.4%となり、前年同期の61.8%に比べ0.6ポイント増加しました。なお、日本国内代理店経由で販売した海外顧客への売上を海外売上高比率に含めた場合は、76.5%(前年同期比3.1ポイント減)となります。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
日本では、エレクトロニクス業界の影響を受け、関連する当社製品の受注も低調に推移しました。ディスプレイにおいては、低調でありながらも電子部品の需要は回復傾向にあります。日本代理店経由で販売している韓国向けでは、顧客と代理店における在庫調整はほぼ完了したものの外部環境の影響を受け当社製品の受注の回復は遅く、当第3四半期連結累計期間の売上高は38億98百万円(前年同期比9億97百万円、20.4%減)、セグメント利益は6億78百万円(前年同期比13億90百万円、67.2%減)となりました。
台湾も日本と同様の状況であり、当第3四半期連結累計期間の売上高は19億17百万円(前年同期比7億31百万円、27.6%減)、セグメント利益は1億85百万円(前年同期比1億68百万円、47.6%減)となりました。
香港(香港、珠海)では、回復の傾向にあるものの、スマートフォンや自動車に関連する電子基板・部品の需要はいまだ弱く、関連する当社製品の受注もその影響を受け、当第3四半期連結累計期間の売上高は12億15百万円(前年同期比3億47百万円、22.2%減)、セグメント利益は2億4百万円(前年同期比93百万円、31.4%減)となりました。
中国(蘇州)では、一部顧客で回復の傾向にあるものの、パソコンやスマートフォンに関連する電子基板・部品の需要はいまだ弱く、関連する当社製品の受注もその影響を受け、当第3四半期連結累計期間の売上高は19億6百万円(前年同期比2億72百万円、12.5%減)、セグメント利益は2億10百万円(前年同期比80百万円、27.5%減)となりました。
欧州では、高いインフレ率のなか顧客の生産活動は低水準にあり、当第3四半期連結累計期間の売上高は6億30百万円(前年同期比18百万円、3.1%増)、セグメント利益は17百万円(前年同期比38百万円、68.4%減)となりました。
タイは、電子基板メーカーの東南アジアにおける設備投資が活発化するなか、新規顧客における生産の立ち上がりの遅れや、顧客の生産減少・在庫調整等により、当第3四半期連結累計期間の売上高は4億13百万円(前年同期比52百万円、11.3%減)、セグメント損失は9百万円(前年同期は78百万円の利益)となりました。
資産は、現金及び預金が減少したものの、投資有価証券や土地の増加等により、前連結会計年度に比べて2億81百万円増加し、277億80百万円となりました。
負債は、支払手形及び買掛金や電子記録債務、未払法人税等の減少等により、前連結会計年度に比べて6億13百万円減少し、35億59百万円となりました。
純資産は、自己株式の取得により減少したものの、利益剰余金や為替換算調整勘定の増加等により、前連結会計年度に比べて8億94百万円増加し、242億20百万円となりました。
以上の結果、自己資本比率は87.2%となりました。
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
なお、当社は財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりであります。
当社は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する目的を持って当社株式を大量に取得するための株式買付けが行われる場合は、これに対する諾否は、基本的には個々の株主の判断に基づいて行われるべきものと考えております。従って、経営支配権の移動による企業活動の活性化の意義または効果につきましても、何ら否定する立場にはありません。
しかしながら、もっぱら高値での売り抜け等不当な目的を持った買収者により会社買収が行われるような場合には、株主を始めとする各ステークホルダーの利益を守るため、企業価値の毀損の防止を図ることが当社取締役会の責務であると認識しております。このため、株式の大量取得を目的とする買付けまたは買収提案に際しては、買付者の事業計画の内容のほか、過去の投資行動等も考慮のうえ、その買付けまたは買収提案が当社の企業価値および株主共同の利益に与える影響を十分検討し、取締役会としての判断結果を株主に開示する必要があるものと考えております。
また、当社は当社株式の大量買付け等による具体的な脅威に備えての取組み(いわゆる「買収防衛策」)を予め定めることは行っておりません。ただし、株主から負託を受けた取締役会の責務において、当社株式の売買取引や株主異動の状況を注視し、株式の大量取得を企図する者が現れた場合には、社外専門家を交えて当該買収者の買収提案および事業計画等の評価を行い、その買収提案または買付行為が当社の企業価値ならびに株主共同の利益に反すると判断したときは、対抗措置の要否ならびにその具体的な内容を決定し、これを実施することがあります。
当社では、上記基本方針の実現ならびに株主共同の利益に資するために次のような取組みを行っております。
(イ)中期経営計画の推進による企業価値の向上
a 世界主要市場における販売力の強化
b 最先端基板から汎用基板用途までの製品ラインナップの充実・強化
c 環境負荷低減によるビジネスチャンスの拡大
d 金属と樹脂の接合技術の磨き上げによる新事業分野の開拓等
e 連結ROEは、10%をベースに持続的改善を図る
(ロ)株主への積極的な利益還元、持続的成長のための中長期投資
a 連結配当性向30%を中期的目標として利益を積極的に株主還元
b 売上高の10%以上を研究開発費に先行投資
c 世界各市場の需要に即応し、世界同一品質を実現する生産設備投資等
当社は、株式の大量取得を企図する者に対しては、大量取得行為の是非を株主の皆様が適切に判断するための必要かつ十分な情報の提供を求め、併せて当社取締役会の意見等を開示し、株主の皆様の検討のための時間の確保に努めるなど、金融商品取引法、会社法その他関係法令の許容する範囲内において、適切な措置を講じてまいります。
前号の各取組みにつきましては、当社の企業価値および株主共同の利益を持続的に向上させるために実施しているものでありますので、当社取締役会として、いずれも次の各要件に該当するものと判断しております。
ⅰ 第1号の基本方針に沿うものであること
ⅱ 株主共同の利益を損なうものではないこと
ⅲ 当社役員の地位の維持を目的とするものではないこと
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動は日本で行っており、その金額は、9億2百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において当社の研究開発活動に重要な変更はありません。