売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E01190 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中における将来に関する事項は、当第3四半期連結会計期間の末日現在において判断したものです。

 

 (1) 経営成績の分析

当第3四半期連結累計期間においては、売上高は前年同四半期連結累計期間を下回りました。

「電子・情報」の分野においては、薄型パネルディスプレイ(FPD)用ガラスは、最終製品の需要が芳しくない中、販売回復のペースも当初想定より緩慢なことから、売上高は前年同四半期連結累計期間を下回りました。電子デバイス用ガラスは、半導体向けの需要が好調に推移しましたが、家電や自動車部品向けの回復遅れにより、売上高は前年同四半期連結累計期間を下回りました。

「機能材料・その他」の分野においては、ガラスファイバは、自動車部品向け高機能樹脂用途を中心に需要の回復が遅れ、競争環境も激しさを増してきたことから、売上高は前年同四半期連結累計期間を下回りました。医薬用管ガラスや耐熱ガラスは当第3四半期連結会計期間に入り需要が更に軟化し、売上高は前年同四半期連結累計期間を下回りました。一方、建築用ガラスは安定した需要が継続し、前年同四半期連結累計期間を上回りました。

これらの結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は2,093億69百万円(前年同四半期連結累計期間比16.7%減)となりました。

損益面においては、原燃料価格の高騰等によりコストが上昇する中、低調な需要が継続し、製品価格の改定等によるコスト回収が想定を下回りました。また、当第3四半期連結会計期間の営業損益はFPD用ガラスの事業構造改革により改善を示しましたが、FPD用ガラスやガラスファイバを中心とした稼働率低下が損益に影響を及ぼし、65億46百万円の営業損失(前年同四半期連結累計期間は232億54百万円の営業利益)を計上しました。営業外収益として海外子会社の借入に係る債権債務の評価替えによる為替差益等がありましたが、営業損失を補うには至らず、20億72百万円の経常損失(前年同四半期連結累計期間は346億53百万円の経常利益)を計上しました。また、受取保険金や特別修繕引当金戻入額、投資有価証券売却益等を特別利益に計上する一方、ディスプレイ事業とガラス繊維事業の構造改善費用等を特別損失に計上したことにより、162億31百万円の親会社株主に帰属する四半期純損失(前年同四半期連結累計期間は291億85百万円の親会社株主に帰属する四半期純利益)を計上しました。

 

なお、当社グループ(当社及び連結子会社)のセグメントは、ガラス事業単一です。

 

(2) 財政状態の分析

〔総資産〕

  当第3四半期連結会計期間末における資産合計は、前連結会計年度末と比較して82億68百万円増加し、7,561億76百万円となりました。流動資産では、原材料の仕入れ、設備投資に係る支払い等により現金及び預金が減少しました。一方、販売の減少により商品及び製品が増加しました。固定資産では、ディスプレイ事業の構造改革に伴い韓国拠点の整理を行ったことから、有形固定資産が減少しました。また、投資その他の資産では、オランダ連結子会社の破産手続開始により、同社が連結の範囲から除外されたことから、当社グループの同社向けの破産更生債権等(「その他」の科目)とこれにかかる貸倒引当金を計上しました。

 

〔負債〕

  当第3四半期連結会計期間末における負債合計は、前連結会計年度末と比較して156億26百万円増加し、2,346億21百万円となりました。流動負債では、原材料の仕入れに係る支払いにより支払手形及び買掛金が減少しました。固定負債では、資金調達により長期借入金が増加しました。

 

〔純資産〕

 当第3四半期連結会計期間末における純資産合計は、前連結会計年度末と比較して73億58百万円減少し、

5,215億54百万円となりました。親会社株主に帰属する四半期純損失の計上及び配当金の支払いにより利益剰余

金が減少しました。

 

  これらの結果、当第3四半期連結会計期間末における自己資本比率は前連結会計年度末の70.1%から1.5ポイント低下し、68.6%となりました。

 

    (3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更はありません。

(4) 研究開発活動

当社グループは、「ガラスの持つ無限の可能性を引き出し、モノづくりを通して、豊かな未来を切り拓きます。」という企業理念を実現することを目的に研究開発活動に取り組んでいます。また、製品、技術、製造プロセスの一体的な開発体制構築により製品開発と事業化のスピードアップを目指し、その成果を当社の中長期の成長のための経営戦略に反映させていきます。

当社の研究開発活動は、「基礎・応用開発」と「事業部門開発」から成っています。

「基礎・応用開発」は、研究開発と戦略的開発で構成されます。研究開発は、主としてスタッフ機能部門(研究開発本部、プロセス技術本部)が担当しています。科学的なアプローチに基づき、材料設計、材料開発、特性評価、プロセス設計や開発における研究開発をライン部門(各事業部)と密接に連携をとりながら行っています。また、計算科学(AI等を活用したデータ解析を含む)を用いた研究開発にも取り組んでいます。戦略的開発としては、スタッフ機能部門とライン部門が、次世代の技術、製品やプロセスの開発のほか、2050年のカーボンニュートラルの達成を目指した開発等、事業戦略に基づく中期的開発課題について密接に連携し取り組んでいます。ガラス研究のベースとなる材料科学については基盤技術部が国内外機関との連携のもとに取り組み、また、情報解析や企画立案については企業戦略部が支援しています。更に、研究開発の成果をより早く、より大きく事業化するため、マーケティング部が会社全般にわたるマーケティング活動として、市場、製品、技術に係る情報の収集や分析、製品や技術のプロモーション、顧客獲得のための情報発信等を行っています。一方、「事業部門開発」は、主としてライン部門が担当し、各事業分野の発展につながる製品及び製造プロセス技術の研究開発を、スタッフ機能部門と密接に連携をとりながら行っています。

当第3四半期連結累計期間における当社グループの研究開発費は56億8百万円となりました。これは、基礎・応用開発に22億20百万円、事業部門開発に33億88百万円を使用したものです。

当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(5)主要な設備

前連結会計年度末において計画中であった重要な設備の新設について、当第3四半期連結累計期間に完成及び中止したものは、次のとおりです。

 

①重要な設備の完成

会社名

所在地

セグメントの名称

設備の内容

投資金額

(百万円)

ニッポン・エレクトリック・グラス・マレーシア

Sdn. Bhd.

マレーシアセランゴール州

ガラス事業

ガラス製造設備

21,859

 

②重要な設備計画の中止

 連結子会社であったエレクトリック・グラス・ファイバ・NL, B. V.において計画中であったガラス製造設備の新設は、計画の見直しにより中止することとなりました。