売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E01135 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績の分析

当連結会計年度は2023年3月期を初年度とする3ヶ年中期経営計画の2ヶ年目です。

当第3四半期連結累計期間の売上高は、住設環境機器事業および陶磁器事業において増収の一方で機能性セラミック商品事業は減収となり、109億55百万円(前年同四半期比6.2%増)となりました。営業利益は住設環境機器事業、陶磁器事業の増益によって機能性セラミック商品事業の減益を補い、38百万円(前年同四半期は32百万円の損失)となりました。経常利益は、為替差益などの計上により、58百万円(前年同四半期比2,325.3%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は、25百万円(前年同四半期は22百万円の損失)となりました。

セグメント別の業績概要は次のとおりです。

 

〔住設環境機器事業〕

売上高は、75億21百万円(前年同四半期比8.6%増)となりました。

小型浄化槽は、受注高は新築住宅着工の減少による市況が悪化した状況の中で引き続き堅調に推移したものの、建築現場の工期遅延の影響を受けたことにより売上計上が遅れ、売上高は前年同四半期比3.4%増の微増に留まり、受注残高が増加しました。

大型・中型浄化槽は、中型槽は浅型の新製品が好評で売上高が大幅に伸長し、前年同四半期比5.3%増となりました。

バンクチュール®(システムバスルーム)は、住宅・非住宅ともに工事が進み、前年同四半期比22.9%増となりました。

メンテナンスサービスは、保守管理契約物件が増加したものの、前年同四半期比1.8%減となりました。

ディスポーザーは、工事進行基準対象案件が前連結会計年度と比較して進捗が大きかったため、前年同四半期比55.7%増となりました。

損益面では、増収による売上総利益の増加により、4億7百万円のセグメント利益(前年同四半期比11.6%増)となりました。

今後の施策として、小型浄化槽は、原価上昇分を吸収すべく物流の効率化、販売価格改定を進めながら新規開拓を継続して行ってまいります。

大型・中型浄化槽は、国内では設計事務所へのスペックイン営業と施工管理体制の強化に注力し、海外では代理店と現地顧客への同行訪問により具体的商談の交渉を行いながら市場調査を実施し、新規物件・新規顧客の獲得に注力してまいります。

バンクチュール®(システムバスルーム)は、お風呂カルチャーを発信する「BAINCOUTURE Magazine™」に加え、バスアイテムを販売するオンラインストア「Maison de Baincouture」の取り組みにより、新たなマーケットの可能性を探求しながらブランド力を伸ばし、受注率、満足度の向上を引き続き図ってまいります。

メンテナンスサービスは、保守管理物件における改修工事の提案力強化を図り、受注獲得に繋げてまいります。

ディスポーザーは、再開発案件を中心に情報収集を行い、デベロッパーへの営業活動および交換需要の獲得に注力してまいります。

 

〔機能性セラミック商品事業〕

売上高は、18億27百万円(前年同四半期比14.2%減)となりました。

前連結会計年度においては新型コロナウイルス感染拡大の影響が小さくなりつつある中で取引先における生産活動が活況を示し、また、部材調達問題を踏まえたサプライチェーン全体における在庫構築が進みましたが、当第3四半期連結累計期間においては当該在庫の消化遅れが顕在化し、特に一部OA機器用基板の受注、売上において減少傾向となりました。一方で、今後の売上高伸長に繋がる新商品としては前年同四半期比で23%増加と好調に推移しており、引き続きこれら新規製品開発および商談に注力してまいります。

製品群別では、セラフィーユ®(積層基板)は前年同四半期比0.6%減、アルミナ基板は前年同四半期比21.5%減、OA機器用基板は前年同四半期比21.2%減、シャイングレーズ®(グレーズ基板)は前年同四半期比6.5%減となりました。

損益面では、OA機器用基板の大幅な売上減少を補うには至りませんでしたが、前連結会計年度の原材料やエネルギー費用の大幅な上昇を含めた製品価格の改定が反映され、また受注に応じた工場稼働率の調整とともに生産性改善を並行して実施したことにより、1億23百万円のセグメント利益(前年同四半期比44.9%減)となりました。

今後の施策として、新商品および製品の高性能化が強く求められる事業環境に対応していくため、各種セラミック関連製品の研究開発を積極的に進め、生産面においては市場におけるコスト競争力を上げる活動を行ってまいります。特に、新規取引先を含めたアルミナ基板およびグレーズ基板の商談を推し進めるほか、先般より開発商談が始まっている新規積層基板の商品開発と海外企業に向けた営業活動に注力してまいります。

 

〔陶磁器事業〕

売上高は、16億4百万円(前年同四半期比27.1%増)となりました。

国内市場は、新型コロナウイルスの影響も落ち着き、インバウンドを中心に需要が回復したため、前年同四半期比19.9%増となりました。

海外市場は、欧米エリア中心に案件が堅調に伸びており、前年同四半期比34.3%増となりました。

損益面では、固定費の圧縮等による収益構造の改善が大きく進み、1億8百万円のセグメント利益(前年同四半期は16百万円の損失)となりました。

今後の施策として、当社による国内一貫生産の強みである「品質・デザイン・納品リードタイム」を一層強化するとともに、需要量に応じた供給体制の調整を柔軟に行うことで収益構造のさらなる改善に注力してまいります。また、2023年11月にオープン2周年を迎えたジェネラルストア「LOST AND FOUND®(ロストアンドファウンド)」の実店舗およびECサイトを通して、多くのメディアやSNS等を活用したプロモーションを一層強化することで、高感度なインフルエンサーやインバウンドの需要取り込みとニッコーファンのさらなる増加を図り、ブランド価値と収益の向上に努めます。さらに、サステナブルな取り組みを情報発信するオウンドメディア「table source®(テーブルソース)」やファインボーンチャイナのサブスクリプションサービス「sarasub®(サラサブ)」を通して、他の陶磁器メーカーとは異なるサーキュラーエコノミーの実践に一層取り組みます。また、2022年8月に発売した、「Table Planter™(テーブルプランター)」に加え、2023年12月発売の強化磁器素材で製作した舌クリーナー「CERARI®(セラリ)」、アルミナ製アクセサリー「BLANCERA®(ブランセラ)」の推進を通して、食器以外の商品も展開し、豊かな生活空間を今後も提案してまいります。

 

〔その他〕

サーキュラーエコノミーを推進する独立した事業セグメント(新規事業)として、捨てられるボーンチャイナを肥料として再利用する世界初の商品「BONEARTH®」を販売しています。

売上高は2百万円(前年同四半期比137.3%増)となりました。

損益面では、3百万円のセグメント損失(前年同四半期は11百万円の損失)となりました。

今後の施策として、引き続き農産物生産者および園芸愛好者に安心してお使いいただけるよう社内での研究や実験を継続し、「BONEARTH®」を使った各種農産物の栽培方法の知見を蓄積し、「BONEARTH®」の販売量増加を目指します。

また、当社グループの陶磁器販売先や農産物生産者および関係省庁の協力も得ながら活動範囲を広げ、相互の連携をとりながら、引き続き回収したボーンチャイナの肥料化の実現を目指し、農産物生産者に使用していただき、収穫された食材を陶磁器販売先で使用する循環を目指します。その循環に向けた取り組みとして、「BONEARTH®」を起点にして、生産者から消費者まですべての人がつながりあい、楽しみながら、持続可能な「食の未来」について考えるためのコミュニティ「BONEARTH® CIRCULAR COMMUNITY(ボナースサーキュラーコミュニティ)」を発足しました。食器メーカーである当社にとって、食器を通してつながるレストランやホテルの方々、「BONEARTH®」を通してつながる農家の方々をつなぐことで、持続可能な「食の未来」の実現に貢献したいと考えています。

そして、陶磁器事業の持続可能な未来と循環型社会の実現に向けて取り組んでまいります。

 

(2) 財政状態の分析

当第3四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末と比べて99百万円減少し、91億46百万円となりました。

これは、現金及び預金が28百万円、棚卸資産が34百万円、無形固定資産が32百万円、流動資産その他に含まれる前払費用が56百万円、それぞれ増加した一方で、受取手形、売掛金及び契約資産が2億6百万円、有形固定資産が37百万円減少したことなどによるものです。

負債は、前連結会計年度末と比べて1億35百万円減少し、85億58百万円となりました。

これは、リース債務が29百万円、流動負債その他に含まれる設備等支払手形が1億41百万円、それぞれ増加した一方で、支払手形及び買掛金が61百万円、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金含む)が68百万円、賞与引当金が1億69百万円減少したことなどによるものです。

純資産は、前連結会計年度末と比べて36百万円増加し、5億88百万円となりました。

これは、親会社株主に帰属する四半期純利益25百万円を計上したことなどによるものです。

その結果、自己資本比率は、前連結会計年度末と比べて0.4ポイント上昇し、6.4%となりました。

 

(3) 優先的に対処すべき事業上および財政上の課題

当第3四半期連結累計期間において、優先的に対処すべき事業上および財務上の課題に重要な変更および新たに生じた課題はありません。

 

(4) 研究開発活動

当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は95百万円です。