売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E01195 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

(1) 財政状態及び経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間の当社グループを取り巻く環境は、供給制約の緩和を受けた自動車生産の回復、高水準な企業収益を背景とした底堅い国内設備投資需要、外食・宿泊・娯楽などの対面型サービスでの個人消費の回復など、総じて緩やかな回復が継続しました。一方で、ウクライナ情勢の長期化に伴う原材料・エネルギー価格の高止まりに加え、不動産市場の低迷を受けた中国経済の減速や、中東情勢の緊迫化、欧米での金融引き締めに伴う影響など、先行き不透明な状況が継続しております。

このような状況のもと、当社グループは、中期経営計画に掲げている人的投資(教育+待遇)を強化して、未来のニーズを創造、より付加価値の高い製品、サービスを提供する事で、収益確保に向けて注力して参りました。今後も、円安・インフレの進行とエネルギー価格高止まりによるコスト上昇が懸念され、予断を許さない状況が続いておりますが、中期経営計画の達成に向け、引き続き機動的な価格戦略、原価低減と製品・サービスの高付加価値化による収益の改善に取り組んで参ります。

以上の結果、当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高が11,669百万円(前年同期比 2.7%増)、営業利益は839百万円(同 69.0%増)となりました。経常利益は1,145百万円(同 14.8%増)となり、親会社株主に帰属する四半期純利益は779百万円(同 32.9%増)となりました。

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

なお、第1四半期連結会計期間より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同四半期比較については、前年同四半期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。

 

① ベントナイト事業

素形材分野は、昨年度から引き続き取り組んでいる価格改定の効果により、大幅な増収となりました。環境建設分野は、復興関連事業の需要が一服したこと等により、減収となりました。ペット分野は、PB品の需要が堅調に推移し、増収となりました。

この結果、当セグメントの売上高は8,756百万円(前年同期比 6.1%増)、セグメント利益は1,122百万円(同 196.3%増)となりました。

② クレイサイエンス事業 ファインケミカル分野

クニピアの一般工業用途としての輸出向けの需要が減少した事に加え、製造原価が上昇したことにより、大幅な減収減益となりました。

この結果、当分野の売上高は960百万円(前年同期比 6.3%減)、営業損失は20百万円(前年同期は営業利益107百万円)となりました。

③ クレイサイエンス事業 アグリビジネス分野

農薬受託加工において、主に水稲用除草剤の需要が減少した事に加え、製造原価が上昇したことにより、大幅な減収減益となりました。

この結果、当分野の売上高は1,753百万円(前年同期比 8.4%減)、営業利益は140百万円(同59.2%減)となりました。

④ クレイサイエンス事業 ライフサイエンス分野

2022年3月より販売を開始した赤潮防除剤の需要が増加し、増収増益となりました。

この結果、当分野の売上高は199百万円(前年同期比 18.2%増)、営業損失は4百万円(前年同期は営業損失25百万円)となりました。

 

財政状態は、次のとおりであります。

総資産は前連結会計年度末に比べ339百万円増加し、24,899百万円となりました。これは主に売却により有価証券が748百万円減少したものの、現金及び預金が246百万円、受取手形及び売掛金が312百万円、原材料及び貯蔵品が271百万円、固定資産が245百万円増加したことによるものであります。

負債は前連結会計年度末に比べ11百万円減少し、3,199百万円となりました。これは主に未払金が180百万円増加したものの、未払法人税等が173百万円、賞与引当金が65百万円減少したことによるものであります。

純資産は前連結会計年度末に比べ351百万円増加し、21,700百万円となりました。これは主に利益剰余金が92百万円、為替換算調整勘定が162百万円増加したことによるものであります。

 

(2) 重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定

前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(4) 研究開発活動

当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、136百万円であります。

なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

(5) 経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通し

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、当第3四半期連結累計期間において、重要な変更はありません。

当社グループを取り巻く環境は、欧米諸国を中心とした金融引き締め、コロナ収束から経済活動再開による需給ひっ迫、地政学リスクの高まり等、海外原鉱を多く取り扱う当社グループにとって大変な向い風であると認識しております。

このような見通しの下、当社グループは、2021年度にスタートした中期経営計画の見直しを図り、改めて2023年度を初年度とする3ヵ年中期経営計画を策定する事といたしました。当中計期間において、ベントナイト本来の性能を最大限に活かした高付加価値製品の開発、生産販売の省人化、デジタル化を通じて、社会課題の解決、顧客の価値創造を実現し、高収益事業構造を構築してまいります。

 

(6) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループは、運転資金及び設備資金につきましては、内部資金または必要に応じ借入により資金調達することとしております。このうち、借入による資金調達に関しましては、金融機関とコミットメントライン契約10億円を設定し、資金調達の機動性及び安定性を確保しております。

当社グループは、今後も営業活動により得られるキャッシュ・フローを基本に将来必要な運転資金及び設備資金を調達していく考えであります。

 

(7) 経営者の問題意識と今後の方針について

当社グループの経営陣は、現在の経営環境及び入手可能な情報に基づき、最善の経営方針を立案するよう努めておりますが、当社グループをとりまく経営環境は今後も厳しい状況が続くものと考えられます。このような状況下で、当社グループといたしましては、「(5) 経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通し」にも記載しましたとおり、戦略的課題に重点的に取り組むことで、他社との差別化を図って、高収益化構造を実現することを最優先課題として考えております。