売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E00026 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当第3四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

(1)財政状態及び経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間(以下「当第3四半期」)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴って、一部に景気の足踏みがみられるものの、経済活動の正常化やインバウンド需要増加などから、緩やかな景気回復の動きが続いています。一方、世界的な物価上昇と欧米の金融引き締めによる金利の高止まり、原材料やエネルギー価格の高騰と円安に伴う国内物価の上昇が消費に影響を及ぼしており、加えて中国経済の先行き懸念、ウクライナや中東の情勢など、依然として先行きは不透明な状況が続いております。

このような環境下、当社グループは、2022年4月よりスタートした「グループ力を発揮し、持続可能な事業の成長に向けて、チャレンジし続ける Challenge for Sustainable Growth」をスローガンとする3カ年の中期経営計画において、「グループ連携の強化」、「収益力の改善」、「新たな価値を生み出す事業の創出」、「魅力ある会社づくり」という基本方針のもと、高付加価値製品の生産能力の拡充、オープンイノベーション推進による新規事業創出、車載向け製品の取り組み強化、デジタル化による業務プロセスの効率化、サステナビリティ事業への取組み、多様な人財が活躍できる環境づくり、SDGs活動の推進などに取り組んでおります。

これらの結果、当第3四半期の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

①財政状態

(資産合計)

当第3四半期末の資産合計は、前連結会計年度末比590百万円増加の14,544百万円となりました。

流動資産は前連結会計年度末比129百万円増加の8,958百万円となりました。これは主に受取手形及び売掛金が368百万円及び現金及び預金が236百万円増加したものの、原材料及び貯蔵品が411百万円減少したことによるものであります。

固定資産は前連結会計年度末比460百万円増加の5,585百万円となりました。これは主に有形固定資産が468百万円増加したことによるものであります。

(負債合計)

当第3四半期末の負債合計は、前連結会計年度末比489百万円増加の5,034百万円となりました。

流動負債は前連結会計年度末比2百万円増加の3,469百万円となりました。

固定負債は前連結会計年度末比487百万円増加の1,565百万円となりました。これは主に長期借入金が500百万円増加したことによるものであります。

(純資産合計)

当第3四半期末の純資産合計は、前連結会計年度末比100百万円増加の9,509百万円となりました。これは主に利益剰余金が配当により244百万円減少しましたが、親会社株主に帰属する四半期純利益により316百万円増加したことによるものであります。

②経営成績

(売上高)

売上高は、前年同四半期連結累計期間(以下「前年同四半期」という)比802百万円減収(6.5%減収)の11,519百万円となりました。

(売上原価、販売費及び一般管理費、営業利益)

売上原価は、前年同四半期比468百万円減少(4.4%減少)の10,274百万円となりました。

販売費及び一般管理費は、前年同四半期比0百万円減少(0.0%減少)の823百万円となりました。

その結果、営業利益は、前年同四半期比333百万円減益(44.2%減益)の420百万円となりました。

 

(経常利益)

営業外収益は、前年同四半期比31百万円増加の44百万円となり、営業外費用は、前年同四半期比1百万円減少の23百万円となりました。

その結果、経常利益は、前年同四半期比300百万円減益(40.5%減益)の441百万円となりました。

 

(親会社株主に帰属する四半期純利益)

特別損失12百万円、法人税等合計111百万円を計上しました。

その結果、親会社株主に帰属する四半期純利益は、前年同四半期比198百万円減益(38.5%減益)の316百万円となりました。

セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

[アンチモン事業]

同事業の原料であり、製品販売価格の基準ともなるアンチモン地金の国際相場は、当第3四半期においては、小幅な上下動を繰り返しながら、ほぼ横ばいで推移しました。平均価格は、トン当たり約11,840ドルとなり、前年同期比8.2%の下落となりました。円建てでは同3.7%の下落となりました。

同事業の主製品である三酸化アンチモンには様々な用途があります。主たる用途は、プラスチック材料の難燃剤です。プラスチックは、自動車、家電、産業機械、住宅などに用いられる電化製品の電気絶縁材料として広く用いられていますが、一般に燃えやすい性質を持っています。そのようなプラスチックにハロゲン系難燃剤と共に三酸化アンチモンを添加することで、高い難燃性を付与して電気機器の短絡や劣化による発火のリスクを減らし、火災による人的被害や経済的損失を防止することに大きく貢献しています。

同事業の販売状況につきましては、自動車分野は緩やかに回復する一方、家電分野などは回復が遅れています。また、製造業全般の生産部品などについては顧客の在庫調整が続いており、販売数量は前年同期比774トン減少(18.5%減少)の3,405トンとなりました。

その結果、同事業の当第3四半期の売上高は、販売数量の下落により、前年同期比1,474百万円減収(19.3%減収)の6,179百万円となりました。セグメント利益は、同490百万円減益(71.4%減益)の196百万円となりました。

[金属粉末事業]

同事業の主原料である銅の国内建値は、当第3四半期平均でトン当たり約1,248千円となり、前年同期比4.1%の上昇となりました。

同事業の主製品は、電子部品の導電材料向け銅およびその他の金属粉末、パワーインダクタ向けの鉄系合金粉、自動車部品や産業機械部品などの粉末冶金製品向けの焼結材料としての金属粉末で、各種製品の高機能化や利便性に貢献しています。

また、DXの推進、IoTやAIの活用、5G対応端末の普及、自動車のEV化やエレクトロニクス化の流れなどを背景に電子部品のニーズは高まっています。

電子部品向け金属粉末の販売状況につきましては、巣ごもり需要が一巡すると共に、その反動減や買い替え周期の延び、また物価上昇の影響で低価格帯を中心にスマートフォンやパソコン市場が縮小しましたが、在庫調整が収束し、販売数量は前年同期比19トン減少(3.1%減少)の603トンとなりました。

粉末冶金向け金属粉末の販売状況につきましては、自動車分野での生産回復が見られたものの、引き続き在庫調整の影響により、販売数量は前年同期比41トン減少(4.3%減少)の929トンとなりました。

全体の販売数量は前年同期比61トン減少(3.8%減少)の1,532トンとなりました。

その結果、同事業の当第3四半期の売上高は、比較的販売単価の高い金属粉末製品の販売が伸びたため、前年同期比672百万円増収(14.5%増収)の5,316百万円となりました。セグメント利益は、受注回復による操業度上昇等から同148百万円増益(350.0%増益)の191百万円となりました。

[その他]

不動産賃貸事業等の当第3四半期の売上高は23百万円、セグメント利益は16百万円となりました。

(2)経営方針、経営戦略等

当第3四半期連結累計期間において、当社グループの定めている経営方針、経営戦略等について重要な変更はありません。

(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

また、当第3四半期連結累計期間において、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針について重要な変更はありません。

 

(4)研究開発活動

当第3四半期連結累計期間における当社グループの研究開発費の金額は、68,433千円であります。

なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析

①資金需要

当社グループの運転資金需要の主なものは、当社グループ製品製造のための原材料の購入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等による営業費用に充当するためのものです。営業費用の主なものは、運賃・保管料、人件費であります。

②財務政策

当社グループは、運転資金及び設備資金につきましては、内部留保資金の他、借入金により資金調達しております。借入金による資金調達に関しましては、短期借入金のほか、長期安定資金調達の為に一部は長期借入金にて対応しております。

2023年12月31日現在の短期借入金残高は1,532百万円となっております。

生産設備などの長期資金は、長期借入金で調達しております。2023年12月31日現在の長期借入金残高は787百万円となっております。

なお、当第3四半期連結累計期間においては、安定した事業運営の為に、借入金の一部を現預金にて保有しており、当社グループの成長を維持するために将来必要な運転資金及び設備投資資金を確保しております。