売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E01321 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

 a.経営成績の状況

 当第3四半期連結累計期間における世界経済は、諸外国で物価が上昇し、金融引締めが行われました。また、ウクライナ戦争が長期化し、エネルギー価格が高騰しました。2023年10月7日以降、イスラエルとイスラム組織ハマスとの軍事衝突が続いています。

 わが国経済は、内外金利差により円安が進行し、物価が上昇しました。また、原発の再稼働が遅れ、電力料金が高騰しました。新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが5類へ移行したため、3年余り続いた国の感染対策は解除され、経済活動は徐々に正常化しました。

 このような経営環境の下、当社グループ(当社及び連結子会社)では、伸銅品の需要が低迷したため、完全子会社のサンエツ金属株式会社は、臨時休業日を設けて生産調整しました。また、連結子会社のシーケー金属株式会社は、全天候型製品倉庫を建設して物流機能を強化しました。

 当第3四半期連結累計期間の経営成績は、伸銅事業の販売量が減少したため、売上高は838億71百万円(前年同期比11.6%減少)となり、営業利益は59億82百万円(同3.2%減少)となりました。営業外損益として、デリバティブ利益が22百万円、デリバティブ評価益が43百万円、デリバティブ損失が3億72百万円、デリバティブ評価損が4億61百万円発生したため、経常利益は54億85百万円(同29.6%減少)となり、親会社株主に帰属する四半期純利益は33億22百万円(同30.9%減少)となりました。

 

 各セグメントの経営成績は、次のとおりであります。

 

伸銅

 伸銅事業では、販売量は6万8,328トン(前年同期比15.6%減少)、売上高は703億32百万円(同14.0%減少)となり、セグメント損益は37億13百万円のセグメント利益(同13.9%減少)となりました。

 

精密部品

 精密部品事業では、売上高は40億33百万円(前年同期比12.1%減少)となり、セグメント損益は2億91百万円のセグメント利益(同36.7%減少)となりました。

 

配管・鍍金

 配管・鍍金事業では、売上高は95億6百万円(前年同期比12.3%増加)となり、セグメント損益は17億11百万円のセグメント利益(同46.7%増加)となりました。

 

 b.財政状態の状況

(資産)

 当第3四半期連結会計期間末における流動資産は585億97百万円となり、前連結会計年度末に比べ40億73百万円増加しました。これは主に、電子記録債権が60億32百万円増加したことによるものであります。固定資産は216億75百万円となり、前連結会計年度末に比べ7億43百万円増加しました。この結果、資産合計は802億72百万円となり、前連結会計年度末に比べ48億17百万円増加しました。

(負債)

 当第3四半期連結会計期間末における流動負債は240億91百万円となり、前連結会計年度末に比べ12億90百万円増加しました。これは主に、短期借入金が39億30百万円増加したことによるものであります。固定負債は34億93百万円となり、前連結会計年度末に比べ12百万円減少しました。この結果、負債合計は275億84百万円となり、前連結会計年度末に比べ12億77百万円増加しました。

(純資産)

 当第3四半期連結会計期間末における純資産合計は526億87百万円となり、前連結会計年度末に比べ35億40百万円増加しました。これは主に、期末配当3億53百万円、中間配当3億9百万円があったものの、親会社株主に帰属する四半期純利益が33億22百万円であったことによるものであります。この結果、自己資本比率は58.0%(前連結会計年度末は57.5%)となりました。

 

(2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

 なお、当社は株式会社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に定める事項)は次のとおりです。

 

① 会社の支配に関する基本方針

 当社は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者は、当社の経営理念や当社企業価値の様々な源泉、当社を支えるステークホルダーとの信頼関係を十分に理解し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保、向上させる者でなければならないと考えております。

 一方、当社の株式は上場株式であることから、当社の株主は、市場での自由な取引を通じて決まるものであるとともに、会社の財務および事業の方針の決定を支配する者も株主の皆様の意思に基づき決定されるべきものと考えており、また、当社の支配権の移転を伴う大規模な買付行為や買付提案がなされた場合にこれに応ずるか否かの判断も最終的には株主の皆様全体の意思に基づき行われるべきものと考えております。

 しかしながら、このような株式の大規模な買付行為や買付提案の中には、その目的等から見て企業価値ひいては株主共同の利益に対して明白な侵害をもたらすおそれのあるもの、株主に株式の売却を事実上強要するおそれのあるもの、対象会社の株主や取締役会が買付や買収提案の内容等について検討し、あるいは対象会社の取締役会が代替案を提示するために合理的に必要十分な時間や情報を提供することのないもの、買付条件等が対象会社の企業価値ひいては株主共同の利益に照らして著しく不十分または不適当であるもの、対象会社の企業価値の維持・増大に必要不可欠なステークホルダーとの関係を破壊する意図のあるもの等、対象会社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さないものも少なくありません。

 当社は、上記の例を含め当社の企業価値ひいては株主共同の利益を毀損するおそれのある大規模な買付等を行う者は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えます。

 

② 会社の支配に関する基本方針の実現に資する取組みの概要

 当社では、当社の企業価値ひいては株主共同の利益向上のために、次のような取組みを実施しております。

 

a.企業価値ひいては株主共同の利益向上への取組み

 当社は、2011年10月に純粋持株会社体制に移行し、主要な連結子会社として、地球環境に配慮した配管機器をCKブランドで提供するユニークなメーカーであるシーケー金属株式会社と、日本最大の黄銅棒・線メーカーであるサンエツ金属株式会社、日本国内大手の黄銅棒メーカーである日本伸銅株式会社を有し、戦略的なグループ経営に集中・特化しております。

 当社グループの主力事業領域である、「伸銅事業」「精密部品事業」「配管・鍍金事業」における国内市場は、今後、長期的に縮小均衡を模索するものと思われ、業界再編が避けられない状況にあります。

 このような経営環境に対応すべく、当社グループでは、同業他社とのM&Aによる業界再編を積極的に推進する一方で、経営理念として、「(a)良いものだけを、安く、早く、たくさん生産することで、社会に貢献します。(b)努力するに値するプロの仕事と、努力して働くほど報われる働きがいのある職場を提供することで、社会に貢献します。(c)期待され、期待に応え、期待を超えるため、弛みない努力を重ねます。」を掲げ、経営環境がどんなに変化しても、本業と隣接分野で勝ち残ることを目指してまいります。

b.コーポレート・ガバナンスの充実への取組み

 経営の透明性、効率性、健全性を通して、企業理念の実現を図り企業価値を高め、社会的責任を果たしていくことが当社のコーポレート・ガバナンスの基本的な考え方であります。

 また、当社は、企業理念に基づき経営の効率化や経営のスピード化を徹底し経営目標達成のために、正確な情報収集と迅速な意思決定ができる組織体制や仕組み作りを常に推進しております。

 株主・投資家の皆様をはじめ、当社を取り巻くあらゆるステークホルダーへ迅速かつ正確な情報開示に努め、2016年6月23日開催の定時株主総会決議により、監査役会設置会社から監査等委員会設置会社へ移行することで、これまで以上に透明性の高い経営の実現と経営の機動性の向上を目指していきたいと考えております。この一環として以前から社外役員を選任しており、現在も社外取締役3名を選任しており、取締役総数に占める比率は33%となっています。

 このような考え方に基づいて、(a)取締役会による経営に関する重要事項の決定と各部門の業務執行の監督、(b)社長直轄の監査・規格管理室による内部監査の実施、(c)監査等委員会による取締役の職務執行についての監査、監督、(d)「CKサンエツグループコンプライアンス基本方針」「CKサンエツグループ行動規範」「内部通報に関する規程」の整備等による法令遵守体制およびリスク管理体制の強化、(e)内部統制体制の整備と業務プロセス改善、等の施策を実行しております。

 今後もこうした方針と施策を継続して、コーポレート・ガバナンスの充実に努め、企業価値ひいては株主共同の利益を追求してまいります。

 当社グループでは、多数の投資家の皆様に長期的に当社への投資を継続していただくため、企業価値ひいては株主共同の利益を向上させるための取組みとして、以上のような施策を実施しております。これらの取組みは、上記①の基本方針の実現にも資するものと考えております。

 

③ 会社の支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止する取組みの概要

 当社は、2021年5月21日に開催された当社取締役会において、会社の支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止する取組みとして「当社株式の大規模買付行為に関する対応策」(以下「本プラン」といいます。)を以下のとおり決定し、2021年6月22日開催の当社定時株主総会において、株主の皆様にご承認いただき更新しております。その概要は以下のとおりです。

 

a.本プランの対象となる当社株式の買付

 本プランの対象となる当社株式の買付とは、特定株主グループの議決権割合を20%以上とすることを目的とする当社株券等の買付行為、結果として特定株主グループの議決権割合が20%以上となる当社株券等の買付行為、または結果として特定株主グループの議決権割合が20%以上となる当社の他の株主との合意等をいい、かかる買付行為または合意等を行う者を「大規模買付者」といいます。

 

b.大規模買付ルールの概要

 当社が設定する大規模買付ルールとは、事前に大規模買付者が取締役会に対して必要かつ十分な情報を提供し、取締役会による一定の評価期間(以下「取締役会評価期間」といいます。)または、株主検討期間を設ける場合には取締役会評価期間と株主検討期間が経過した後に大規模買付行為を開始するというものです。

 

c.大規模買付行為が実施された場合の対応

 大規模買付者が大規模買付ルールを遵守した場合には、当社取締役会は、仮に当該大規模買付行為に反対であったとしても、当該買付提案についての反対意見を表明したり、代替案を提示することにより、株主の皆様を説得するに留め、原則として当該大規模買付行為に対する対抗措置は講じません。

 ただし、大規模買付ルールを遵守しない場合や、遵守されている場合であっても、当該大規模買付行為が、結果として当社に回復し難い損害をもたらすなど、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく損なうと当社取締役会が判断した場合には、対抗措置を講ずることがあります。具体的にいかなる手段を講じるかについては、新株予約権の無償割当てその他の法令および定款の下にてとりうる合理的施策等、その時点で当社取締役会が最も適切と判断したものを選択することとします。

 

d.対抗措置の客観性・合理性を担保するための制度および手続

 対抗措置を講ずるか否かについては、当社取締役会が最終的な判断を行いますが、本プランを適正に運用し、取締役会によって恣意的な判断がなされることを防止し、その判断の客観性・合理性を担保するため、独立委員会を設置しております。

 対抗措置を講ずる場合、その判断の客観性・合理性を担保するために、取締役会は対抗措置の発動に先立ち、独立委員会に対して対抗措置の発動の是非について諮問し、独立委員会は、対抗措置の発動の是非について、勧告を行うものとします。

 

e.本プランの有効期限等

 本プランの有効期限は、2024年6月開催予定の当社定時株主総会終結の時までとし、以降、本プランの更新(一部修正したうえでの更新を含む。)については3年ごとに定時株主総会の承認を得ることとします。

 ただし、有効期間中であっても、株主総会または取締役会の決議により本プランを廃止する旨の決議が行われた場合には、その時点で廃止されるものとします。

 更新後の本プランの詳細につきましては、インターネット上の当社ウェブサイト(https://www.cksanetu.co.jp)に掲載しております。

 

④ 本プランが会社の支配に関する基本方針に沿い、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に合致し、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないことについて

 当社では、本プランの設計に際して、以下の諸点を考慮することにより、本プランが会社の支配に関する基本方針に沿い、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に合致するものであり、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものとはならないと考えております。

 

a.買収防衛策に関する指針の要件を充足していること

 本プランは、経済産業省および法務省が2005年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保または向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則(企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則、事前開示・株主意思の原則、必要性・相当性確保の原則)を充足しています。

 また、経済産業省に設置された企業価値研究会が2008年6月30日に発表した報告書「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策のあり方」の内容も踏まえたものとなっております。

 

b.株主共同の利益の確保・向上の目的をもって導入されていること

 本プランは、上記③に記載のとおり、当社株式に対する大規模買付行為がなされた際に、当該大規模買付行為に応ずるべきか否かを株主の皆様が判断し、あるいは当社取締役会が代替案を提示するために必要な情報や時間を確保し、または株主の皆様のために買付者等と交渉を行うこと等を可能とすることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保し、向上させるという目的をもって導入されるものです。

 

c.株主意思を反映するものであること

 本プランは、2021年6月22日に開催した当社株主総会において、本プランに関する株主の皆様のご意思を確認させていただくため、本プランについて議案としてお諮りし原案どおりご承認いただきましたので、株主の皆様のご意向が反映されたものとなっております。

 また、本プラン導入後、有効期間中であっても、当社株主総会において本プランを廃止する旨の決議が行われた場合には、本プランはその時点で廃止されることになり、株主の皆様のご意向が反映されます。

 

d.独立性の高い社外者の判断の重視

 本プランにおける対抗措置の発動は、上記③に記載のとおり、当社の業務執行を行う経営陣から独立している委員で構成される独立委員会へ諮問し、同委員会の勧告を最大限尊重するものとされており、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資するよう、本プランの透明な運用を担保するための手続も確保されております。

 

e.デッドハンド型およびスローハンド型買収防衛策ではないこと

 本プランは、当社の株主総会において選任された取締役により構成される取締役会によって廃止することが可能です。したがって、本プランは、デッドハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の過半数を交代させてもなお、発動を阻止できない買収防衛策)ではありません。また、当社は期差任期制を採用していないため、スローハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の交替を一度に行うことができないため、その発動を阻止するのに時間を要する買収防衛策)でもございません。

 

(3)研究開発活動

 当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、92百万円であります。

 なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。